事業拡大で利用できる融資とは?活用したい補助金・助成金や資金調達方法について
この記事では上記の悩みを解決します。
事業を拡大するタイミングでは仕入れなどの運転資金が増加したり、新たな設備が必要になるので多くの資金が必要になることがあります。
しかし、追加で融資を受ける際には金融機関の審査に通過しなければなりません。
この記事では、 多くの資金を調達して事業を拡大したい事業者の方に、事業拡大資金の審査のポイントや金融機関の特徴をご紹介していきます 。
- 事業拡大で融資を受けるポイントは具体的な事業計画書の作成や金融機関に融資の相談をしておく、可能であれば担保・保証人の用意と目的や規模に適した資金調達方法を吟味する
- 事業拡大資金を融資してくれる金融機関は日本政策金融公庫・銀行・信用金庫・ノンバンクの4つ
- 事業拡大融資は適切な融資希望額を算出と資金使途を明確にする注意点がある
- 事業拡大の資金調達は事業再構築補助金や新ものづくり補助金、キャリアアップ助成金、業務改善助成金など補助金・助成金も活用できる
- 他にも出資やベンチャーキャピタル(VC)もおすすめ
- 事業拡大で利用できるその他の資金調達には少人数私募債や経営革新計画、クラウドファンディング、ファクタリングもおすすめ
5分もあれば理解できる内容になっているので、融資を受けて事業を拡大したい方は、資金調達しやすくなります!
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目次
事業拡大で融資を受けるポイント
事業拡大の際に融資を受けたいのであれば、単に「お金を借りたい」と申し込むのではなく、次のようなポイントを踏まえてしっかりと準備した上で金融機関へ相談することが重要です。
- 具体的な事業計画書の作成
- 金融機関に融資の相談をする
- 担保・保証人がいると有利
- 目的や規模に適した資金調達方法を検討する
少しの準備で事業拡大資金の融資を受けやすくなります 。
事業拡大に必要な資金の融資を受ける際のポイントについて詳しく解説していきます。
具体的な事業計画書の作成
融資を受ける際には事業計画書を作成して提出する必要があります 。
事業計画書には次のような内容を記載します。
- 経営ビジョンや経営理念・長期的に叶えたい目標
- 事業内容
- 自社のサービスや商品の強みや特徴
- 市場環境・競合他社の存在について
- 販売やマーケティング戦略
- 生産方法・仕入れ先など
- 売上に関する計画
- 売上に関する計画
- 利益に関する計画
- 資金調達に関する計画
最も重要になるのは、売上に関する計画と利益に関する計画、そして資金調達に関する計画です。
事業拡大によって売上がどのように拡大していくのか、それに伴い利益はどれだけ増える計画なのかということを根拠をつけて計画していきます。
また、 売上が拡大するということは仕入れや製造原価などのコストも増えていくことから、コストがどれくらい増えるのかということも明確にしてください 。
金融機関に融資の相談をする
まず金融機関へ融資の相談をしてください 。
金融機関の窓口に突然訪問し「お金を貸してほしい」と持ちかけても金融機関が二つ返事で「はい」ということはまずありません。
そもそも融資という資金調達方法がその企業にとって最適かどうかも分からないので、まずは付き合いのある金融機関に「事業拡大のための資金が必要なのだが、どんな方法がよいか」ということを相談するのがおすすめです。
なお相談の際に、 事業拡大のための事業計画書を持参する とより話がスムーズに進みます。
担保・保証人がいると有利
融資を受けるのであれば担保や保証人を用意した方が審査で有利になります 。
銀行としても事業拡大がうまくいく保証がない以上は、万が一返済が滞った際の対策ができていた方がよいことは間違いありません。
担保や保証人があれば、そこから融資金を回収することができるので審査には確実にプラスになります 。
担保にできる資産などがある場合には、あらかじめ不動産の明細なども持参してください。
目的や規模に適した資金調達方法を検討する
事業拡大に必要な資金をどのように手に入れるべきかということをまずは検討することが重要です。
確かに金融機関などに相談することで融資を引き出すことはできます。
しかし 金融機関によって得意としている融資は異なりますし、事業拡大の際には融資以外の方法でも必要な資金を調達できる 場合もあります。
事業拡大に伴い資金が必要になった際には、 まずはどこからどんな方法で資金調達すべきなのかということを冷静に検討してださい 。
事業拡大のために融資してくれる金融機関
事業拡大のために必要な資金を融資してくれる金融機関として、次の4つの金融機関が代表的です。
- 日本政策金融公庫
- 銀行
- 信用金庫
- ノンバンク
それぞれの金融機関は審査のポイントや金利や借入限度額などが異なるので、特徴を抑えて自社に見合った金融機関へ相談する必要があります 。
事業拡大のために融資をしてくれる金融機関の特徴などついて詳しく解説していきます。
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は中小事業者に対するさまざまな融資を行っています 。
運転資金や設備資金など、事業拡大に伴い必要になる資金を1%台〜2%台程度の低金利で借りることができます。
日本政策金融公庫は信用保証協会の保証をつけないので、信用保証協会の保証をつけて融資を行う銀行や信用金庫などの民間金融機関とは別枠で融資を受けることができます 。
銀行
銀行も事業拡大に必要な運転資金や設備資金の融資を行っています。
信用保証協会の保証をつけて融資する方法と、信用保証協会の保証をつけずに融資するプロパー融資という2つの方法があり、プロパー融資については銀行が全責任を負う融資です。
信用保証協会の保証付融資は万が一の場合、信用保証協会が銀行に対して融資金を保証する融資 です。
それぞれ、事業拡大に必要な資金を借りることが可能で、金利も1%台〜2%台程度の低金利で借入できるケースが多くなっています。
小規模な事業者は基本的にはある程度銀行から信用を獲得できるようになるまでは、信用保証協会の保証付融資で借入を行うのが一般的です。
銀行は数億円程度の事業拡大資金も借りることができるので、中堅以上の事業拡大資金を借りることもできます 。
信用金庫
信用金庫も事業拡大に必要な運転資金と設備資金の融資を行っています 。
基本的には融資の種類は銀行融資と同じで信用保証協会の保証付融資とプロパー融資の2種類です。
銀行との違いは小規模の資金に対応しているという点で、数十万円程度の少額の資金調達も可能 です。
銀行では100万円未満の金額の小さな融資は断られる心配があります。
しかし、信用金庫であれば顧客のニーズをきめ細やかに拾っているので、 少額の事業拡大資金でも断られる心配はありません 。
事業規模に応じて銀行と使い分けるようにしてください。
ノンバンク
民間の貸金業者をノンバンクといいます。
ノンバンクの取り扱う事業資金をビジネスローンなどといいます。
ビジネスローンは使い道が基本的に自由ですので、事業拡大に必要な資金を借りることが可能 です。
ノンバンクのビジネスローンは最短即日借入が可能なほど審査が早く、審査難易度も非常に緩くなっています。
その反面、金利が10%〜18%程度と非常に高いので、最もコストの高い借入だと言えます。
利息負担は非常に大きいので、日本政策金融公庫や銀行・信用金庫の審査に通過できなかった場合で、どうしてもお金が必要な場合のみノンバンクを利用するようにしてください。
事業拡大の融資で注意すること
事業拡大に必要な資金の融資を受ける際には次の2点には注意しなければなりません。
- 適切な融資希望額を算出する
- 資金使途を明確にする
金融機関は必要もないお金を融資することは絶対にありません。
あらかじめ、必要金額と資金使途を明確にしておくようにしてください。
適切な融資希望額を算出する
「事業拡大のためにいくら必要なのか」ということを詳細に算出してください 。
銀行は必要もないお金を融資することはありません。
また事業規模から見て、明らかに高額すぎる金額を融資することもありません。
本当に必要な金額で、自社にとって無理のない返済額になる金額だけを申し込むようにしてください。
資金使途を明確にする
「何にお金が必要なのか」ということも明確にしてください 。
融資審査において「資金使途」は非常に重要な要素です。
事業に必要もないお金を銀行が融資することはありえませんし、銀行が「事業には必要ない」と判断する使い道に対して融資を受けることも不可能です。
そのため、「何にいくら必要なのか」ということを次のように箇条書きにしてください。
規模拡大に伴う増加仕入資金:〇〇万円
機械購入資金:〇〇万円
広告費の増加分:〇〇万円
このように、 それぞれの費用が何でいくら必要なのかを明確にし、なぜその資金が必要なのかをはっきりと説明できるようにしてください 。
事業拡大で資金調達するなら補助金・助成金も活用しよう
事業拡大の際には融資だけでなく補助金や助成金も活用できる場合があります 。
補助金や助成金には返済の必要がないので、万が一対象になれば、資金繰りを圧迫することなく必要資金を調達することができます。
主な補助金や助成金は次の通りです。
- 事業再構築補助金
- 新ものづくり補助金
- キャリアアップ助成金
- 業務改善助成金
それぞれの補助金・助成金は金額や給付条件が異なります。
それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
事業再構築補助金
事業再構築補助金という補助金を使用すれば、事業拡大に必要な資金を調達することができます。
通常枠では最大8,000万円の大型の補助金となっており、補助率は2/3(中小企業の場合6,000万円超は1/2)です。
事業拡大に必要な資金の3分の2を補助してもらうことができるので、事業拡大にぜひ活用したい補助金だと言えます。
補助を受けるには次の条件を満たさなければなりません。
- 売上が減っている
- 事業再構築に取り組む
- 認定経営革新等支援機関と事業計画を策定する
売上の減少条件を満たせば、どんな企業でも対象になる可能性があります。
認定経営革新等支援機関には金融機関や税理士などがなっているので、まずはお近くの認定経営革新等支援機関へ相談してください。
新ものづくり補助金
新ものづくり補助金は 「事業拡大のために新たな設備を導入しよう」というケースにおいて活用できる可能性が高い補助金 です。
一般枠の上限は1,000万円(従業員21人以上は1,250万円)、中小事業者の補助率は2/3となっています。
「生産性を向上させるために新たな機械を導入したい」「最新のソフトウェアを導入したい」などという場合に活用できる補助金です。
事業拡大に伴う設備投資を検討している企業は活用してください 。
キャリアアップ助成金
従業員を非正規雇用から正規雇用へ正社員化した場合はキャリアアップ助成金が受給できる場合があります。
例えば、有期雇用の従業員を正社員化した場合、従業員1人あたり57万円(生産性の向上が認められる場合は72万円)の助成金を受け取ることが可能です。
事業拡大においては人材の確保も必要になります。
以前から自社で雇用していた非正規雇用の従業員を正規雇用としてさらに活用する場合には、国から助成金を受け取ることが可能です。
事業拡大に伴い、非正規雇用の人材活用を図りたい企業はぜひ活用してください 。
業務改善助成金
業務改善助成金も事業拡大に利用できる可能性のある助成金です。
事業拡大に伴い、生産性が向上する機械設備などを導入する企業は、それに伴い最低賃金を引き上げれば助成金を受け取ることができます。
受け取ることができる助成金の金額は、引き上げる最低賃金の額によっても異なりますが、最低賃金を90万円引き上げ、引き上げる従業員の数が10人以上の場合には、600万円もの助成金を受け取ることができます。
事業拡大の際には設備投資も従業員の処遇向上も行うことは珍しくありません 。
このような場合には、業務改善助成金の対象となることがあるので、ぜひ活用してください。
事業拡大では出資を受けて資金調達することも可能
事業拡大の際には出資を受けて資金調達することもできます。
企業やベンチャーキャピタルが「魅力的な事業だ」「将来的に成長が期待できる事業だ」と判断できれば、多額の資金調達を受けることができる 場合があります。
ただし、出資を受けるということは自社の株式を一部譲渡するということですので、経営の独立という観点からは乖離してしまうので注意しなければなりません。
企業からの出資とベンチャーキャピタルからの出資、それぞれの特徴について詳しく解説していきます。
企業からの出資受入
他の企業から自社の株式を購入してもらい、資金調達する方法 です。
自社の技術やブランドなどを欲する企業から出資してもらうことによって、自社はその企業へ技術やブランドなどを提供することで、必要な資金を調達することができます。
資本的業務提携ともいいます。
返済不要ですが、経営の独立性が損なわれ、出資企業に経営権を奪われるリスクもあります 。
ベンチャーキャピタル(VC)
ベンチャーキャピタルとは、上場前の企業へ出資を行い、将来的に上場したタイミングで株式を売却して大きな利益を得ることを目的とした企業です 。
自社の事業がベンチャーキャピタルに認められ、「将来的に大きく成長する」と判断された場合に出資を受けることができる可能性があります。
ベンチャーキャピタルの資金力は非常に豊富ですので、数億円規模の巨額な資金調達をすることも可能 です。
また、上場に至るまでのさまざまなノウハウを提供してもらえるのもメリットです。
ただし、創業者の株式保有割合が少なくなるので、上場した際の創業者利益が少なくなってしまうなどのデメリットがあります。
事業拡大で使えるその他の資金調達方法
事業拡大の際に使える資金調達方法としては、融資や補助金・助成金や出資の他にも次のようなものがあります。
- 少人数私募債
- 経営革新計画
- クラウドファンディング
- ファクタリング
事業拡大の際に使える4つの資金調達方法の特徴を詳しく解説していきます。
少人数私募債
少人数私募債とは50人未満の投資家に対して募集を行う債権です。
規模の小さな企業でも比較的簡単に募集することができるので、融資や補助金などに変わる資金調達方法 です。
基本的には地域の金融機関や地元企業や経営者の親戚などから資金を募るものですが、事業の内容や会社に魅力があれば、一般投資家からも資金を集めることができる可能性もあります。
銀行融資などのように担保や保証にかかる費用やコストがかからず、手続きも簡単なので低コストかつ安価に資金調達できるのが特徴です。
事業内容に自信があるのであれば、事業拡大に伴う資金調達を少人数私募債で行ってみるのは非常に有効な方法 です。
経営革新計画
中小企業が「新事業活動」に取り組み、「経営の相当程度の向上」を図ることを目的に策定する中期的な経営計画書を指します 。
策定した計画書が国や都道府県に承認されるとさまざまな補助の対象になり、補助金を受給できたり有利な条件でお金を借りることができる ようになります。
新事業活動に取り組む事業拡大を行う場合には、経営革新計画を策定するとメリットがあります。
クラウドファンディング
クラウドファンディングとはインターネット上に事業計画を公開し、事業に必要な資金を不特定多数の人から募る方法 です。
集めたお金は基本的に返還の必要がないので、クラウドファンディングで資金を集めることができれば、資金繰りは非常に安定します 。
ただしクラウドファンディングで集めることができるのは多くの人から「魅力のある事業だ」とか「応援したい」と思ってもらえるものだけです。
単に営利目的の事業ではクラウドファンディングで資金を集めることが難しいので注意してください。
ファクタリング
ファクタリングとは売掛金などの売掛債権をファクタリング会社へ売却して現金化する方法 です。
本来、売掛債権は期日にならなければ資金化できない債権です。
しかし、ファクタリングを利用することによって期日を待たずに現金化することができます。
ファクタリングの審査は申込企業の業況ではなく、売掛先企業に対して主に行われます。
そのため、 申込企業に信用がなくても信用のある企業の売掛債権さえ持っていれば審査に通過して資金調達できる可能性が高い です。
銀行などの融資審査に通過できなくても最短即日で資金調達できる方法ですが、手数料が10%〜20%と、非常に高い利率になってしまうことが多く、資金調達コストが高くなってしまう点がデメリットです。
事業拡大と融資のまとめ
事業拡大の際には運転資金や設備資金など、さまざまな資金が必要になります。
これらの 事業拡大資金は日本政策金融公庫や銀行などの金融機関から借りることができます 。
融資の審査では「どの程度売上を拡大させ、収支計画はどのようになっているのか」という事業計画書の内容が最も重要です。
「何に」「いくら」お金が必要なのかということを明確にして、金融機関が納得できるよう申込をしてください。
なお、 事業拡大のための資金は補助金や助成金でも調達できる可能性があります 。
- 事業拡大で融資を受けるポイントは具体的な事業計画書の作成や金融機関に融資の相談をしておく、可能であれば担保・保証人の用意と目的や規模に適した資金調達方法を吟味する
- 事業拡大資金を融資してくれる金融機関は日本政策金融公庫・銀行・信用金庫・ノンバンクの4つ
- 事業拡大融資は適切な融資希望額を算出と資金使途を明確にする注意点がある
- 事業拡大の資金調達は事業再構築補助金や新ものづくり補助金、キャリアアップ助成金、業務改善助成金など補助金・助成金も活用できる
- 他にも出資やベンチャーキャピタル(VC)もおすすめ
- 事業拡大で利用できるその他の資金調達には少人数私募債や経営革新計画、クラウドファンディング、ファクタリングもおすすめ
どんな方法で資金調達ができるのか、あらかじめ把握して最適な方法で資金調達を行ってください。
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