収支計画書とは?書き方や収支計画の立て方と日本政策金融公庫のテンプレート入手先
この記事では、上記のような疑問や悩みを解決します。
収支計画書は、 企業や個人の事業の収支の状況を示すための重要な書類 です。
融資を行う金融機関は、一般に、この収支計画書をみて、融資可否を判断します 。
収支計画書が不十分である場合には、当然融資を受けられなくなるので注意が必要です。
そこでこの記事では、 収支計画書の作り方やそのポイントについて解説 していきます。
この記事を読むことで、 重要なポイントをおさえて収支計画書を作成できる ようになります。
融資を受けることを希望している方は、本記事を参考にして、ポイントをおさえた収支計画書を作成するための手助けとしてください。
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目次
収支計画書とは?毎月手元にある資金を明確にできる
収支計画書とは、
ある特定の期間における収入と支出を予測し、計画的に管理するための書類のこと
を言います。
収支計画書を作成することで、毎月手元にある資金を明確にすることが可能 です。
収支計画書は以下のようなケースで必要となります。
- 収支計画書は金融機関から融資を受ける際に提出を求められる
- 国税関連の書類と違って保存義務はない
収支計画書は金融機関から融資を受ける際に提出を求められる
収支計画書は、 企業や個人が金融機関から融資を受ける際の重要な書類の一つ です。
この書類は、融資を希望する側が将来の収入や支出を予測し、その計画を明確に示すものです。
金融機関は、融資を行う前に、申請者の返済能力や経済的な健全性を確認するために、収支計画書の提出を求めます 。
具体的には、収支計画書には、将来の売上予測、経費の詳細、利益の見込みなどが記載され、これにより金融機関はリスクを評価し、融資の可否を判断します。
その意味でも、収支計画書は融資を受けるための重要な書類です。
国税関連の書類と違って保存義務はない
収支計画書は、 国税関連の書類とは異なり、特定の保存義務が課せられているわけではありません 。
国税関連の書類には、法律で定められた保存期間が存在し、その期間内に書類を保管し続ける必要があります。
しかし、 収支計画書にはそのような法的な義務はなく、提出後に破棄することも可能 です。
ただし、 将来的な参考や記録として保管することは、経営の観点からも推奨されます 。
特に、融資を受けた後の経営状況や収支の実績を比較分析する際に、収支計画書が有用な資料となることが多いため、適切な管理と保管が求められます。
そもそも収支計画とは?
収支計画とは、
事業やプロジェクトの収入と支出を予測し、その結果を明確に示すための書類
です。
収支計画を作成することにより、 事業のキャッシュフロー(現金の流れ)が明確になり、経営者や関係者は将来の資金繰りや経営状況を把握することができます 。
収支計画を作成するメリットとしては、まず、 事業におけるキャッシュの流れが明確になる ことが挙げられます。
また、支出項目を見直したり、融資を受ける際の対策を講じられるのも収支計画が立案されているからです。
金融機関との交渉時に、返済見込みを合理的に示すことができるため、融資担当者からの信頼を獲得することが期待できます 。
事業の収入と支出を明確にし、資金繰りを把握することは、事業の健全な運営において必須となる要素です。
しかし、収支計画を初めて作成する場合、不慣れであるために作成に時間がかかることや、その後の実態把握がおざなりになるリスクも考慮する必要があります。
そのため、収支計画の書き方やポイントをしっかりと学び、実際の事業運営に活かすことが重要です。
収支計画の作成には、所定の書式が特段定められているわけではありませんが、収入・支出・キャッシュの流れを把握できるのであれば、形式は自由です。
ただし、具体的な書き方や書式の参考として、例えば日本政策金融公庫の月別収支計画書などが利用されることがあります。
最後に、 収支計画を作成したり、資金繰りなどの経営改善の取組みをする場合は、専門家のサポートを受けて実行することも一つの選択肢 です。
専門家の知見や経験を活かすことで、より実現可能性の高い、そして事業の成長をサポートする収支計画を作成することができます。
【無料】収支計画書のテンプレート入手先
収支計画書は、
企業や個人が将来の収入と支出を予測し、その結果をもとに資金計画を立てるための重要なツール
です。
このような計画書を作成する際には、テンプレートを利用することで、 効率的に計画を立てることができます 。
以下では、無料で利用できる収支計画書のテンプレートを提供している2つのサイトについて詳しく解説します。
- 日本政策金融公庫
- マネーフォワードクラウド会計
日本政策金融公庫の「月別収支計画書(エクセル)」
日本政策金融公庫は、中小企業や個人事業主を支援するための公的な金融機関です。
公式サイトには、様々なビジネスツールが提供されており、その中の一つが「月別収支計画書(エクセル)」です。
日本政策金融公庫のテンプレートは、エクセル形式で提供されており、月ごとの収支を詳細に計画することができます 。
また、入力する項目が明確になっているため、 収支計画の作成が初めての方でも簡単に利用することができます 。
マネーフォワードクラウド会計の「収支計画書(登録必須)」
マネーフォワードクラウド会計は、クラウドベースの会計ソフトウェアを提供しているマネーフォワード社が提供しているソフトウェアです。
公式サイトでは、会計や経理に関する様々なテンプレートが提供されています。
その中の一つが「収支計画書(登録必須)」です。
このテンプレートを利用するには、マネーフォワードクラウド会計への登録が必要ですが、 登録後は無料で利用することができます 。
テンプレートは、収支計画の作成に必要な項目が網羅されており、効率的に計画を立てることができます。
収支計画書の書き方
収支計画書の書き方は、事業の成功を左右する重要な要素の一つです。
正確な収支計画書を作成することで、事業の収益性や資金繰りを明確に把握することができ、将来的なビジョンや目標に向けての戦略を練る上での大きな手助けとなります。
収支計画書を作成に際して、必ず行うべきことは次のとおりです。
- 収支計画を立てる
- 収支計画書に記載する項目
収支計画を立てる
収支計画を立てる際の第一歩は、 事業の目的や目標を明確にすること です。
これには、売上予測、経費の見積もり、利益の予測などが含まれます。
具体的には、以下のような手順を踏むことが推奨されます。
過去のデータや市場の動向を基に、将来の売上を予測します。
固定費や変動費を詳細にリストアップし、それぞれのコストを計算します。
売上から経費を差し引いたものが利益となります。この利益を基に、事業の成長や拡大の方針を決定します。
収支計画書に記載する項目
収支計画書は、 収入・支出・利益という3つの要素を計算するための書類 です。
- 収入
- 支出
- 利益
そのため、これらの要素を収支計画書に必ず記載する必要があります。
収入は、 特定の期間内に事業から得られる総収入 を指します。
具体的には、商品の販売やサービスの提供から得られる収益の合計です。
過去の販売数や販売価格のデータに基づいて将来得られる予測収益を記載 します。
一方、支出については、 収入を得るために必要となる売上原価と経費の両方を含むのが普通 です。
たとえば、100円で仕入れた商品を200円で販売した場合、100円が売上原価(売上のために犠牲になったコスト)であり、200円が犠牲の結果得られた収入であると考えます。
商品を販売するうえで、店舗を賃貸する必要があり、店員を雇用すれば人件費がかかります。
これらのコストは経費として計算され、 収入から売上原価と経費を差し引いて、その結果残るのが利益 となります。
- 収入:過去の販売数や販売価格のデータに基づいて将来得られる予測収益を記載
- 支出:収入を得るために必要となる売上原価と経費の両方を含めて記載
- 利益:収入と支出の差額(見込み)
わかりやすい収支計画書にするポイント
収支計画書は、事業の収入と支出を明確にし、将来の財務状況を予測するための重要なツールです。
しかし、ただ作成するだけではなく、その内容がわかりやすく、効果的に伝わるようにすることが求められます。
ここでは、 わかりやすい収支計画書を作成するためのポイントを解説 します。
- 明確な目的を持つ
- 詳細な項目を設定する
- 過去のデータを参考にする
- 定期的に見直しを行う
- ビジュアルを活用する
収支計画書を作成する際には、その目的を明確にすることが大切です。
例えば、新しい事業の開始、資金調達のための計画など、目的に応じて内容や形式が異なります。
また、 収支計画書には、収入、支出、利益などの基本的な項目が必要 です。
これらの項目を詳細に設定し、具体的な数字を入力することで、計画の信頼性を高めることができます。
さらに、 過去の収支の実績データを参考にし、将来の予測を立てることが重要 です。
過去のデータを基に、リアルな収支計画を作成することができます。
収支計画書は、一度作成したら終わりではありません。
市場の変動や事業の進捗に応じて、定期的に見直しを行い、計画を更新することが必要 です。
グラフやチャートを使用して、収支の動向や比較を視覚的に示すことで、計画書の内容をよりわかりやすく伝えることができます。
収支計画を作成するメリット・デメリット
収支計画は、
事業やプロジェクトの収入と支出を予測し、将来の資金繰りを計画するための重要なツール
です。
適切に収支計画を作成することで、 事業の健全な運営や資金の流れの安定を図ることができます 。
以下に、収支計画を作成する際の主なメリットとデメリットを詳しく解説します。
収支計画を作成するメリット
収支計画書を作成することには以下のようなメリットがあります。
- キャッシュの流れの明確化
- 金融機関との信頼関係の構築
- 資金繰りの事前把握
収支計画を作成することで、 事業におけるキャッシュの流れが明確になります 。
これにより、資金の不足や余剰を事前に予測し、適切な対策を講じることが可能です。
さらに、 返済目途や事業計画を合理的に説明することができるため、金融機関からの信頼を獲得することが可能 となります。
加えて、収支計画を作成せずに損益計算のみに着目すると、資金繰りのマイナスを事前に把握することが難しくなります。
収支計画を通じて、未来の資金繰りを予測し、適切な対策を立てることができます 。
収支計画を作成するデメリット
収支計画書を作成することには以下のようなデメリットがあるので注意が必要です。
- 作成の難易度が高い
- 継続的に更新する必要がある
収支計画を初めて作成する方の場合、不慣れであるためどこに何を記載して良いかわからず、作成に時間がかかる ことがあります。
また、その後の実態把握もおざなりになるリスクがもあるので注意が必要です。
事業環境や市場状況の変化に応じて、 収支計画は継続的に更新する必要があります 。
これにより、管理業務の負担が増加する可能性があります。
収支計画書に関するよくある質問
最後に、収支計画書に関するよくある質問について紹介していきます。
- 事業計画書と収支計画書の違いはなんですか?
- 収支計画書と資金繰り表の違いはなんですか?
- 収支計画書が作成できるアプリはありますか?
収支計画書のよくある質問を把握しておけば、収支計画書に関するよくある勘違いを防ぐことが可能です。
Q:事業計画書と収支計画書の違いはなんですか?
事業計画書と収支計画書は、事業運営において重要な書類ですが、その目的や内容には明確な違いがあります。
事業計画書は、 事業の全体的な方針や目的、目標、戦略を明記した文書 です。
これには、市場分析、競合分析、マーケティング戦略、組織構造、リスク分析など、事業を成功させるための多岐にわたる情報が含まれます。
一方、収支計画書は、 特定の期間における事業の収入と支出を予測し、その結果を示す文書 です。
これにより、事業のキャッシュフローを明確にし、資金繰りの状況を把握できます。
要するに、事業計画書は「何をどのように達成するか」を示すものであり、収支計画書は「事業活動のなかで収入と支出はどうなると予測されるか」を示すものと言えます。
Q:収支計画書と資金繰り表の違いはなんですか?
収支計画書と資金繰り表は、どちらも事業に関する現金の状況を示す文書ですが示されている数字の意味が異なります。
収支計画書は、特定の期間(例:月、四半期、年)における収入と支出の「予測」を示すものです。
これにより、その期間内での収支のバランスや利益・損失を予測することができます。
収支計画書に書かれる数字は、予測売上個数や予想売上価格をもとに推定された数字であり、仮定のもとに成り立っている数字です。
一方、資金繰り表は、特定の期間における実際の現金の流れを詳細に示すものです。
具体的には、期間初めの現金残高、その期間中の現金の収入と支出、そして期間終了時の現金残高を示します。
これにより、事業の現金流動性や資金繰りの健全性を確認することが可能です。
したがって、 資金繰り表に書かれる数字は、実際に会社に入ってきた現金と会社から流出した現金を示すもの です。
簡単に言えば、収支計画書は 予測される「収入」と「支出」に焦点を当てた計画書 であり、資金繰り表は 実際の現金の流れに焦点を当てた計算書 であると言えます。
Q:収支計画書が作成できるアプリはありますか?
収支計画書を作成するためのアプリやソフトウェアは数多く存在します。
これらのアプリは、 入力されたデータに基づいて収支計画書を自動的に生成する機能を持っており、手間を省きながら正確な計画書を作成することが可能 です。
また、多くのアプリには、グラフやチャートを用いて収支の状況を視覚的に表示する機能も備えています。
・StartDash
・Scheeme
・みんエク!
・bizocean
・経理プラス
・ボクシルマガジン
・事業計画書作成支援.com
具体的なアプリ名や推奨するソフトウェアについては、使用するデバイスやOS、必要な機能に応じて選択するのがおすすめです。
また、多くのクラウド会計ソフトウェアにも収支計画書の作成機能が組み込まれているため、それらの利用も一つの選択肢となります。
収支計画書のまとめ
収支計画書は、
企業や個人が将来の収入と支出を予測し、資金計画を立てるための重要なツール
です。
具体的には、売上高、売上原価、各種の経費など、 収入と支出の詳細を月ごとに計画します 。
この計画書を作成することで、資金の不足や余剰を予測し、適切な資金調達や運用を行うことが可能です。
収支計画の立て方には、まず現状の収支を把握し、将来の収支を予測するための情報を収集することが基本 となります。
さらに、収支計画書の作成にはテンプレートを利用することで、効率的に計画を立てることが可能です。
公的な機関やクラウド会計サービスなど、 多くの組織が無料のテンプレートを提供しており、収支計画の作成が初めての方でも簡単に取り組むことができます 。
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