資金繰りとは?厳しい・苦しいときの対策や資金繰り表に必要な項目を簡単にわかりやすく解説!

荒井美亜
荒井美亜
更新日2023/9/29
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資金繰りとは、簡単に言えば資金の流れの管理です。

売上として現金の入金があり、仕入れや経費の支払いとして現金での支払いを管理していく一連の作業を指します。

一見簡単に思える作業かもしれませんが、会社にとっては非常に重要な作業です。

資金繰りがいい加減だと、遅かれ早かれ資金ショートし、会社が倒産するという最悪の事態にも発展します。

しかし、まったく初めて資金繰りを含めた経理業務を任される人なら、「言葉の意味すらわからない」と思ってもおかしくありません。

そこで今回の記事では、資金繰りについて、言葉の意味といった基本的なところから、厳しい場合の対処法までていねいに解説します。

最後まで読めば、資金繰りに関連する業務に安心して取り組めるようになる はずです。

資金繰りとは?収入・支出の過不足を調整すること

資金繰り とは

資金繰りとは
資金繰りとは、資金の出入りをチェックし、不足が生じないよう調整することを指します。

資金繰りとは、資金の出入りをチェックし、不足が生じないよう調整することを指します。

詳しくは後述しますが、ここでいう資金とは、現金や普通預金、当座預金などの「すぐに支払いに使えるもの」と考えてください。

逆に、定期預金や売掛金、不動産、設備など「現金化するまで時間がかかり、すぐには支払いに使えないもの」は資金とは言えません。

資金は利益のことではない

また、資金は利益のことではないため、利益を把握するだけでは資金繰りができない点にも注意してください。

売上があり帳簿上で利益が発生したとしても、その売上が現金としてすぐに入ってくるとは限りません。

実際に現金が入ってくるまでのタイムラグが長かったら、一時的に資金が枯渇するリスクは高まります。

詳しくは後述しますが、帳簿上は利益が出ていたのに倒産する(黒字倒産)事態も考えられるので、気を付けてください。

キャッシュフローとは?収支の流れを把握すること

資金繰りと混同されがちな概念として、キャッシュ・フローがあります。

キャッシュフローとは
キャッシュフローとは、文字通り「お金の流れ」のことです。

より厳密には、一定の会計期間において、どれだけの現金が流入・流出したかという資金の流れを指しています。

どちらも会社のお金の出入りに関連する概念ではあるものの、細かい部分はまったく異なるので気を付けてください。

わかりやすくするために、違いを表にまとめました。

資金繰り キャッシュフロー
目的 日々の入出金をスムーズにする 戦略的にお金の配分を決める
対象期間 数日~数ヵ月先まで短期間のお金の出入り 年単位での中長期のお金の出入り
予定の立て方 足元からの積み上げで作成 将来からの逆算で作成

そもそも資金とは?事業の元手・経営用のお金のこと

資金繰り とは 資金ここで、あらためて「そもそも資金とは何か」について説明します。

資金とは
資金とは、事業の元手や経営のために使用される金銭のことです。

具体例をいくつか挙げてみました。

資金の具体例
  • 現金
  • 当座預金
  • 普通預金
  • 通知預金
  • 定期預金
  • 譲渡性預金
  • 売戻し条件付き現金
  • コマーシャルペーパー
  • 公社債投資信託

一言でまとめると、 「すぐに支払いに使えるお金」 といったところです。

利益とは?収益からコストを差し引いた金額のこと

利益とは
利益とは、収益からコストを差し引いた金額を指します。

利益とは、収益からコストを差し引いた金額を指します。

なお、収益とは所定の会計期間で、資本金取引以外の企業の営業活動によって生じた資産増加のことです。

MEMO
売上高や受取利息など「会社に将来的にお金が入ってくる」ものと考えてください。

利益は、次の5つにさらに細かく分類することが可能です。

売上総利益 商品の生産、仕入れにかかったコストと売上の差額。俗にいう「粗利」のこと。
営業利益 売上総利益から売上原価に含まれない販売管理費を差し引いた数値。会社が本業だけで稼いだ利益を指す。
経常利益 営業利益に営業外収益を足し、営業外費用を差し引いたもの。会社が本業とそれ以外で稼いだ利益を指す。
税引前当期純利益 支払う税金を差し引く前の利益。
当期純利益 費用、税金などを差し引いて最終的に残った利益。
MEMO
なお、収益よりコストが上回った場合は、損失として扱われます。

資金繰りが悪化してしまう原因は赤字経営の継続

資金繰り とは 悪化 原因資金繰りが悪化する原因の代表例が、赤字経営の継続です。

つまり、入るお金より支払うお金が多い状態が続いていれば、会社内のお金はどんどん減っていき、最終的に資金ショートしてしまいます。

これは、あまりに簡単な話なので、ほとんどの人が理解できるはずです。

しかし、たとえ黒字経営だったとしても、資金繰りが悪化する可能性がある点について、詳しく解説します。

黒字倒産の原因は取引先の支払い方法にあるケースが多い

黒字倒産とは
黒字倒産とは、帳簿上では問題なく利益が出ていたのに、事業上の出費を賄えるだけの資金が手元にないため、支払能力がなくなる状態を指します。

大手調査会社・東京商工リサーチによれば、2021年に倒産した企業のうち、営業利益が黒字だった企業は、全体の39.6%にも上りました。

出典:「稼ぐ力」を失い、過剰債務と返済能力が悪化 倒産企業の財務データ分析(2021年)|株式会社東京商工リサーチ

MEMO
この数字を見るだけでも、黒字であっても倒産する会社は一定数存在するのが分かるはずです。

ここで、なぜ黒字倒産が起きるのか考えてみます。

代表的な原因の1つが、取引先の支払方法です。

取引先からの入金サイクルが遅ければ遅いほど、黒字倒産のリスクは高くなります。

たとえば、1月の売上が100万円で、仕入にかかる費用が60万円だった場合は、帳簿上では40万円の黒字が出ている計算です。

しかし、この会社が取引先との掛売上に関して「月末締め、翌々月末払い」というルールを締結していた場合、実際に売上分の資金が入ってくるのは翌々月末になります。

つまり、1月の売上に相当する資金が現実に入ってくるのは3月末です。

仮に、他の取引先からの入金が一切なかったとしたら、2月と3月の事業資金をどのように確保するかが問題となります。

実際は、 企業は複数の取引を同時並行で行っている以上、資金繰りが適切にできていれば、資金が枯渇する可能性も低い
です。

しかし、適切にできていなければ、黒字倒産のリスクが高まるため注意しなくてはいけません。

資金繰りが厳しい・苦しいときは「融資」「出資」で改善しよう!

資金繰り とは 厳しい 苦しい 会社の資金繰りがうまくいっていないときは、融資や出資により改善することも可能 です。

簡単に言うと、融資とは「お金を借りること」、出資とは「お金を出してもらうこと」を指します。

会社の資金調達において欠かせない手段であるため、使いこなすのが重要です。

両者の違いについて、詳しく解説します。

融資とは?銀行などの金融機関から資金を借りること

融資とは、一言でまとめると「お金を借りること」です。

一般的には、事業用の資金を銀行などの金融機関から借り入れることを指します。

融資を 「どうやってお金を借りるか」によって分類すると、次の5種類に分けられます。

政府系金融機関からの融資 日本政策金融公庫など、政府系金融機関から事業資金を借り入れる。
プロパー融資 銀行による通常の融資のこと。金利が低いなど、有利な条件で借りやすいが、長期的な取引が前提など、利用する上でのハードルが高い。
保証協会付融資(マル保) 銀行からの借り入れであるが、信用保証協会による保証がついているため、プロパー融資に比べると審査難易度が低い。
ノンバンクの保証付融資 銀行ではない金融機関=ノンバンク(消費者金融や信販会社など)から事業資金を借り入れる。保証会社による保証が受けられることが前提。
ノンバンクの無担保融資 ノンバンクが行っている融資の1つで、担保がなくても借り入れができる。審査時間は短めだが、金利が高いなどのデメリットにも留意を。

出資とは?投資家から資金を集める資金調達の一種

出資とは、特定の団体や個人=投資家から資金の提供を受け、その見返りに株式を発行することです。

投資家の狙いは、 将来上場した際に、その株式を売却し、出資額と売却額の差額を利益として得ること にあります。

融資を受けるメリット・デメリット

資金繰り とは 融資融資はある程度まとまった金額を確保できる便利な手段であるものの、返済の義務があるなど、注意しなくてはいけない点もある
のが実情です。

利用にあたっては、メリット・デメリットを心得た上で進めるのをおすすめします。

そこで、融資を受けるメリット・デメリットを解説します。

融資を受けるメリット

まず、融資のメリットは以下の通りです。

融資のメリット
  • ある程度まとまった額の資金が確保できる
  • 第三者が経営に介入することがない
  • 政府系金融機関であれば比較的利用しやすい

メリットの1つとして挙げられるのは、ある程度まとまった額の資金が確保できることです。

具体的にいくら借りられるかは、金融機関との取引履歴や審査の結果にもよりますが、多額の資金を効率的に調達できます。

また、 融資においてお金を貸す側(金融機関などの債権者)が経営に介入することがない のもメリットです。

MEMO
基本的に金融機関側は「お金を貸すだけ」の状態であり、経営に関与する権利はありません。

さらに、日本政策金融公庫など、政府系金融機関からの借り入れは、民間の金融機関に比べると、利用しやすくなっています。

MEMO
「一般の金融機関が行う金融を補完すること」が役割の1つであるためです。

起業したての経営者や、駆け出しのフリーランスであっても利用できる可能性が高いのはメリットと言えます。

融資を受けるデメリット

一方、融資のデメリットは以下の通りです。

融資のデメリット
  • 返済義務がある
  • 審査が必須

融資には、返済義務があります。

つまり、事業が失敗し、倒産した場合でも元本と利息を返済しなくてはいけません。

実際のところ、当初定めた返済計画に基づく返済が難しくなった場合は、返済条件の変更に応じてくれるケースはあります。

しかし、あくまで金融機関の判断に基づいて行われるため、必ず変更に応じてくれるとは限らない点にも注意が必要です。

加えて、融資を受けるにあたっては審査が必須ですが、必ず通るとは限りません。

審査に通過できず、資金調達できない可能性もゼロではない点に留意してください。

出資を受けるメリット・デメリット

資金繰り とは 出資出資も、融資と同じようにある程度まとまった金額を確保できる手段の1つです。

会社の資金調達においては欠かせない手段であり、メリットも大きい一方で、デメリットもあります。

そこでここでは、出資のメリット・デメリットについても説明します。

出資を受けるメリット

出資を受けるメリットは、以下の通りです。

出資を受けるメリット
  • 返済義務がない
  • 投資家からサポートを受けられることも

出資により資金調達するメリットとして、返済義務がないことが指摘できます。

融資とは違い、万が一事業が失敗に終わったとしても、出資には返済義務がありません。

さらに、 出資してくれた投資家が経営に関する助言をしてくれたり、他の専門家を紹介してくれたり
などのサポートをしてくれるケースもあります。

出資を受けるデメリット

一方で、出資を受けることにはデメリットもあります。

出資を受けるデメリット
  • 出資の引き揚げもありうる
  • 経営の自由度は下がる

出資には返済義務こそないものの、成果を出せなかったら引き揚げもあり得る点に注意しなくてはいけません。

そもそも、投資家が出資をするのは、見返りとして受け取った株式を将来売却し、リターンを受け取るためです。

成果が出ない状態では、株式を売っても高いリターンは見込めない以上、出資をする意味がないと判断されても仕方ありません。

融資とは違い、返済義務こそないものの、真剣に取り組んで成果を出さなくてはいけないのは何ら変わらないと考えてください。

また、融資で資金調達する場合に比べ、出資を受けると経営の自由度は下がりがちです。

自分の持つ株式の価値を高めたいゆえに、積極的に経営に関与してこようとする投資家もいます。

もちろん「自分が持てるノウハウを余すところなく伝えたい」という親切心からである場合が大半ですが、どこまで受け入れるかは自社で判断しなくてはいけません。

資金繰りの管理は「資金繰り表」を作成して管理しよう!

資金繰り とは 資金繰り表資金繰りを管理するために、一般的に広く使われているのが資金繰り表です。

資金繰り表を作成し、こまめに資金繰りに問題が生じていないかモニタリングすることで、資金ショートするリスクはだいぶ軽減できます。

なお、資金繰り表を作成する際は、以下の点に注意が必要です。

資金繰り表作成の注意点
  • 毎月発生するわけではない支出ももれなく反映する
  • 資金繰り表における月末残高が試算表・貸借対照表の数字と一致しているか確かめる
  • 売上予測は直感ではなく、関係者にヒアリングをするなどの調査を経て決める

また、資金繰り表の作成は、貸借対照表や損益計算書と違い、法律で義務付けられているわけではありません。

そのため、自社で運用しやすい方法で作ってかまいませんが、以下の4つの項目は必ず入れてください。

資金繰り表に必要な項目① 営業収支

営業収支とは
営業収支とは、事業において、どれだけ現金の売上および支出が発生しているかを表した数値です。用語説明や画像など自由に設定してください。

次の計算式で求めます。

営業収支の計算式
  • 営業収支=売上総利益(営業収入、つまり売上高から売上原価を差し引いたもの)-販売費および一般管理費(商品仕入れ代以外の費用)

営業収支がプラスなら、事業から現金を生み出せていると考えてかまいません。

逆に、マイナスなら事業から現金を生み出せていない状態にあるので、改善策を講じる必要があります。

資金繰り表に必要な項目② 経常収支

経常収支とは
経常収支とは、営業収支に対し、営業活動以外で生じた収支を加味したものです。

次の計算式で求めます。

経常収支の計算式
  • 経常収支=営業収支+営業外収入-営業外費用

資金繰り表に必要な項目③ 経常外収支

経常外収支とは
経常外収支とは、業務の収支に直接かかわらない収益や支出を表すものです。

設備投資や税金の支払で出費があった場合、ここに記載 されます。

MEMO
大規模な設備投資を行った場合は、経常外収支が大きなマイナスになりがちです。

資金繰り表に必要な項目④ 財務収支

財務収支とは、借入金の調達と返済を表すものです。

銀行などの金融機関から借入をしたり、返済をしたりした場合は、ここに記載されます。

財務収支がプラスの場合、金融機関からの借入額が返済額を上回っているという意味です。

MEMO
お金を借りないと事業が回らないという状況になっているため、改善策を講じる必要があります。

資金繰りとはのまとめ

資金繰り とは まとめ資金繰りにおいて重要なのは、「得られた数字から次の一手を考えること」です。

たとえば、資金繰りが厳しくなることが早めに分かれば、融資や出資を受けるなど、打てる手は考えられます。

まだ支払期日が到来していない売掛債権があるなら、ファクタリングを使うのも1つのやり方です。

これらの手段は、実際に資金ショートを起こしてしまってからでは取れません。

文中でも触れた通り、資金繰り表の作成が法律で義務付けられているわけではないので、作成しない会社も実際には存在します。

しかし、 経営において非常に有益な情報が得られる書類でもあるため、基本的には作成する方向で 考えてください。

日本政策金融公庫も無料でテンプレートを公開しているので、自分で一から作れない場合は活用するのをおすすめします。

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