資金ショートとは?原因と対策、債務超過との違いやその後どうなるかを徹底解説

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更新日2024/7/19
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資金ショート アイキャッチ

資金ショートした場合どうなるの?

資金ショート債務超過の違いが知りたい!

資金ショート寸前対策とは?

この記事では、上記のような疑問・お悩みを解決します。

資金ショート(英語:fund shortage)とは、手元の資金が不足してしまうことをいいます。

事業を続けるためには、必要な運転資金を手元に蓄えておくことが非常に重要です。

売上が順調に伸びていても、予定外の多額の出費があったり、取引先の倒産などで資金ショートが起こる可能性は十分にあります。

そのため、日常的に会社の収支などをしっかりと把握しておかなければなりません。

そこで今回は、資金ショートと債務超過との違いや、資金ショートした際または寸前の対策などについて詳しく解説します。

資金ショートをざっくり言うと...
  • 資金ショートとは収支のバランスが悪くなることで手元の資金が少なくなり、運転資金が足りなくなること
  • 債務超過とは会社の負債額が資産の総額を超えてしまっている状態のことで違いは倒産リスクは資金ショートより低い
  • 資金ショートの原因は売上減少・多額の出費・売掛金未払い・自然災害・資金管理不足の5つ
  • 資金ショートの対策は資金繰り表による管理や請求漏れの確認、不要な在庫や経費の削減、リスケ、資金調達で解決する

自社とは無縁と思っていても、資金ショートに陥る原因はたくさんあるので基本的な知識を備えたい人はぜひ参考にしてください。

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資金ショートとは?手元の資金が減少し運転資金が足りない状態のこと

資金ショートとは

資金ショートとは、収支のバランスが悪くなることで手元の資金が少なくなり、運転資金が足りなくなることをいいます。

資金ショートの状態になってしまうと、期限内に支払いができなくなったり、従業員の給料が払えなくなったりと、事業の存続危機に陥ります。

特に仕入れなどの支払いができなくなってしまうことは、会社の信用を失う致命的な欠点です。

資金ショートは、単純に支払いができなくなった時に起こるのではありません。

売り上げが順調に伸びている会社でも、支払いのタイミングで手元に入金されなければ、資金ショートとなり会社の倒産に繋がってしまうのです。

資金ショートと債務超過の違い

債務超過とは、会社の負債額が資産の総額を超えてしまっている状態のことをいいます。

手元の資金が足りなくなり支払いが滞ってしまう資金ショートとは異なります。

どちらも会社にとって悪い状態に変わりはありませんが、 債務超過の場合はすぐに倒産の危機に陥ることはありません。

一方で、資金ショートはすぐに必要な金額が手元にないため、債務超過よりもさらに危険な状態である点が違いといえます。

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資金ショートの原因は5つ

資金ショート 原因
資金ショートの主な原因は5つあります。

それぞれの原因が同時に発生してしまうこともないとは言い切れません。

資金ショートの原因をしっかりと把握して、運営の危険性を理解しておいてください。

資金ショートの原因は5つ
  • 売上の急激な減少
  • 想定外の多額な出費
  • 取引先の倒産・売掛金の未払い
  • 自然災害(台風や洪水など)の影響
  • 資金の管理不足

売上の急激な減少

売上の急激な減少は、資金ショートを引き起こす原因になることがあります。

業種により異なりますが、毎月の売上が常に安定している保証はどこにもありません。

ほんの短期間の売り上げでも、減少すると耐えられなくなるような資金繰りはしないように注意してください。

売上の減少につながる不測の事態は、いつどのタイミングで起こるか分かりません。

会社の売上が急激に減少してしまう際に予想される主な理由
・競合している他社の売上が急激に伸びた
・自社商品の評判が急激に落ちた
・社会的なトラブルを起こし自社の信頼を失ってしまった

売り上げを伸ばすことも非常に大切ですが、まずは手元に資金を残しておくことを優先するようにしてください。

想定外の多額な出費

経営していくうえで想定していない費用が発生する場合があり、金額が大きければ資金ショートしてしまう可能性が高いです。

なかでも大規模な受注があると、売掛金の入金より先行して費用が必要になるケースがあります。

会社にとって利益となる受注は非常に嬉しいことですが、手元に資金がないと売上回収までの資金が足りなくなる可能性も十分に考えられます。

多額の出費があることも想定して手元に資金を残しておかなければ、倒産の危機に直面する可能性もゼロではありません。

以下のよくある例を参考にして、手元の資金がギリギリにならないように注意してください。

よくある想定外の多額な出費とは
・商品に問題があった際のリコール費用
・トラブルで故障してしまった整備等の修繕費用
・突然訴訟を起こされた場合の費用
・損害賠償の支払い

取引先の倒産・売掛金の未払い

資金ショートは、自社だけが問題になるのではありません。

例えば、自社は順調でも取引先の倒産や売掛金の入金に遅れが生じた場合、資金面のトラブルになります。

受注すれば入金されるはずの現金が、いつまでも入らなければ資金ショートに陥る可能性は十分に考えられます。

定期的に仕事の受注ができていても、売掛金の回収がきちんとできなければ、売り上げとして現金が手元に入らないことになるのです。

業種によっては、いくつもの取引先と関係がある場合がありますが、一つの会社だけが倒産することで、取引先までも相次いで倒産してしまうケースもあります。

このような状況を連鎖倒産といい、自社が巻き込まれないよう定期的に与信管理などを行うことが大切です。

MEMO
連鎖倒産にならないよう、取引を行っても問題ない企業か、どれくらいまでなら取引しても大丈夫かなど検証して設定することを「与信管理」といいます。

自然災害(台風や洪水など)の影響

台風や洪水などの、予期せぬ自然災害の影響にも注意が必要です。

自然災害の被害に遭うと、工場が使えず生産がストップするなど急激に経営が悪化することが考えられます。

定期的に商品を出せないだけでなく、事務所や設備などの修繕費用がかかることも予想されるため資金ショートになってしまう可能性が高いです。

大きな自然災害になると防ぐことが非常に難しく限界があります。

いつ起こるかわからないということを念頭に、しっかりとした資金を備えておくことが大切です。

資金の管理不足

資金ショートは、自社の資金に関してしっかりと管理していないことが原因になる場合があります。

運転資金が手元に十分あれば、何か起こってもすぐに対処でき資金ショートになる可能性は低くなります。

しかし、さまざまな要因で資金ショートに陥った場合は、元々の備えが不足していると考えられるのです。

資金の管理は非常に重要で、安定した経営を行っていく上では必須であるといえます。

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資金ショートを防ぐ・した場合の対策7選

資金ショート 対策
資金ショートを防ぐ、または資金ショートを起こしてしまった場合の対策はさまざまあります。

現在の経営状況を確認し、対策の取れていないものは実行できるように調整してみてください。

資金ショートを防ぐ・した場合の対策7選
  • 会社の収支を把握し、資金繰り表を作成しておく
  • 売上の請求漏れがないかを確認する
  • 余計・無駄な在庫をなるべくもたないようにしておく
  • 不要な経費などないか販管費をチェック
  • 支払いを遅らせることができる請求がないか確認
  • 銀行の返済はリスケジュールを依頼
  • 融資・借入で資金調達を行う

会社の収支を把握し、資金繰り表を作成しておく

会社の収支をしっかりと把握し、現金収支をまとめた「資金繰り表」を作成しておくことが重要です。

資金繰り表を作成することで、一定期間内の全ての現金収入と支出の分類や集計ができます。

細かな現金の動きがはっきりと分かり、将来的に起こりうる資金不足を予測することもできるため、資金ショートを防ぐことにつながります。

売上の請求漏れがないかを確認する

資金ショートを防ぐための有効な対策として、売り上げの請求漏れがないかを確認することも大切です。

取引先が多い会社であれば、取引全ての把握をすることは非常に難しくなります。

特に従業員数と取引先の数を比べて、圧倒的に取引数が多いような会社であれば、チェックが漏れてしまうことも少なくありません。

そのため、 定期的に売り上げの請求漏れをチェックすることが重要です。

余計・無駄な在庫をなるべくもたないようにしておく

ある程度の商品の確保は必要となりますが、必要でないものを増やしたり、在庫の数が異常に多いようなことは避けるようにしてください。

不要な在庫を持っているということは、赤字を出し続けていることと変わりありません。

在庫があることで、保管費用がかかるだけでなく棚卸評価損も発生してしまいます。

在庫は売れることで初めて会社の利益となるため、抱えすぎないように調整するとともに、セールなどで売る方法も検討することが重要です。

棚卸評価損とは
原価よりも時価が下がった際に行う会計上の処理のことです。原価と時価の差分が棚卸評価額となり、売れ残ったものや高性能の代替え製品などは棚卸評価損が発生しやすいとされています。

不要な経費などないか販管費をチェック

販管費の内容をチェックして、不要な経費がないかを確認することも非常に重要です。

販管費とは、販売費及び一般管理費のことを指し、主に以下のようなものが挙げられます。

どの業種にも共通する主な販管費
・家賃
・人件費
・交通費
・税金
・仕入れ費
・通信費
・光熱費
・保険

販管費は経営する上で必要なものがほとんどですが、 その分少しでも削除できるものがあれば資金の確保につながります。

ただし、急に人件費を削除するためにリストラを行うなどは会社を存続していくためには危険が伴います。

信用状態も悪くなるだけでなく、生産性自体が大幅に落ちることにもなりかねません。

どの費用をカットすることができるのかを、しっかりと確認してから実行することが非常に重要です。

支払いを遅らせることができる請求がないか確認

資金が不足した際には、遅らせることができる支払いがないか確認してみてください。

会社であれば業種に限らず、さまざまな形で税金の支払いをしており、場合によっては支払いの延長が可能です。

すぐに差し押さえられると思っている人も多いですが、実際にそのようなことはありません。

支払いが遅れた場合、まずは会社へ通知が届き、通知をずっと無視をしてしまうことで差し押さえられます。

税金の支払いが難しい時は、税務署や自治体へ出向き、資金繰りが悪化していることの説明を行うことで延長してもらえる可能性が高くなります。

この際は、支払い計画を提示するなどして支払う意思がきちんとあることをしっかりと伝えることが重要です。

銀行の返済はリスケジュールを依頼

銀行から融資を受けている企業は、リスケジュールを依頼する方法があります。

リスケジュールとは、銀行から借りているお金の返済スケジュールを見直すことです。

リスケジュールをして返済金額や期間を設定し直すことが可能なため、毎月の支払額を減らすことができます。

依頼する場合は、返済計画をしっかりと提示することが非常に重要です。

MEMO
リスケジュールを希望する場合、まずは金融機関の担当者に相談してください。必要な書類は金融機関ごとに異なりますが「資金繰り表」や「経営改善計画書」などを求められることが多いです。

融資・借入で資金調達を行う

資金ショートを回避する手段には、金融機関や投資家から融資や借入を受けて資金調達する方法があります。

資金ショートを起こしている会社でも、場合によっては融資や借入が可能です。

資金が不足していることをしっかりと説明し、資産などを担保にできるのであれば可能性はゼロではありません。

ただし、融資を受ける際には、審査を通過することが必須となり、通過しても資金調達できるまでには時間がかかる点には注意が必要です。

審査の結果もある程度の時間が必要になりますが、そこから融資完了となるまでにも時間がかかってしまいます。

その点も含めて、資金不足がさらに深刻になる可能性がないか考えることも必要です。

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売上があっても資金ショートするケースについて

資金ショート ケース
売上があっても資金ショートするケースとは、取引先から入金がないことで起こります。

売上があるにも関わらず資金ショートする場合の例
・商品を100万円の掛取引で販売。(この時の入金は月末締めの翌月末入金と仮定)
・仕入れ額50万円でその支払が月末であれば、売上金が入金されるまでに50万円が必要
・しかし、手元に40万円しかなければ資金ショートを起こす

上記のようなケースは発生主義の認識が違うことで起こります。

発生主義とは
金銭のやり取りがあるかどうかは関係なく、取引が発生した時点で費用と収益を計上します。

入金がまだされていなくても、売上や利益があると認識されるため資金が不足する事態となります。

売上の発生と、実際に入金がされるまでには時間がかかるため、出金の金額や入金のタイミングをしっかりと認識しておくことが重要です。

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資金ショートを起こすとどうなる?その後がわかる事例

資金ショート 事例
会社は、大赤字になってもすぐに倒産することはありません。

一方で、黒字であっても一度資金ショートを起こすと黒字倒産する場合もあります。

資金ショートを起こした場合、経緯やその後の対応に関しては信用調査会社のレポートで公表されます。

信用調査会社とは
個人や法人の金銭的な信用度を調査する会社のことで、与信調査会社ともいいます。

例えば、ある企業では、代表が新聞配達店の傍ら不動産賃貸業を法人化し、商業ビルや月極駐車場を積極的に取得しました。

賃貸物件の増加から売上高は急激に伸びたものの、賃貸物件の稼働率が伸び悩みます。

合わせて、広告宣伝費や物件取得に連動した多額の借入金の金利が大きくかかることとなり、赤字を計上することになります。

債務超過に転落し、取引先への支払が遅れるなど資金繰りが悪化。

金融機関に返済猶予を要請、新しい不動産管理会社に賃料改修業務を委託するなどして経営再建を模索しましたが、事態は好転せず資金ショートしてしまいました。

このような状況でも営業自体は継続しており、 状況によっては資金ショート後もさまざまな対策をして改善をすることで事業の継続は可能です。

銀行取引の停止や倒産になるケースが多い

資金ショートが起こった場合、何らかのかたちで資金調達を行う必要があります。

必要最低限の経費や従業員の給料なども支払うことができなくなるため、早急に対策をとることが重要です。

ただし、半年間で2回ほど手形の不渡りが発生するなどした場合は銀行の取引が停止されます。

このような状況になると倒産となるケースが多く、運転資金をしっかりと残しておかなければ事業の再起を図ることは難しいです。

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資金ショートに関するよくある質問

資金ショート 質問
資金ショートに関して、よくある質問をまとめました。

資金不足で悩んでいる人や資金ショートを回避したい人はぜひ参考にしてみてください。

資金ショート寸前の場合は、まずはパニックにならないよう冷静になることが重要です。

混乱して正しい判断ができなければ、資金ショートをうまく回避することはできません。

冷静になったら、まずは自社の現状をしっかりと確認して、緊急事態だということを主要な社員へ共有します。

危機を乗り越えるための道筋を示し、 倒産を防ぐために手形や小切手などの支払いは最優先で行ってください。

半年間で2回不渡りを起こしてしまうと銀行の取引が停止となり、倒産してしまうため注意が必要です。

そのほか、資金ショートを回避するためにやるべきことは以下の4つです。

  1. 入金の前倒し
  2. 出金の先延ばし
  3. 支出を減らす
  4. 入金を増やす

合わせて、月次の資金繰り表を1日ごとに細分化した「日繰り表」を作成することで、回避の解決策を見出せやすくなります。

資金ショートからの復活は可能ですが、そう簡単ではありません。

まずは、資金ショートが起こらないように、現預金の残高を増やすことが資金繰りの改善ポイントになります。

資金繰りの改善法
  • 売上を上げる
  • 変動費を下げる
  • 固定費を下げる
  • 運転資金の差を改善する
  • 過剰な投資は現金化する
  • 資金調達と返済計画は妥当か確認する
  • 経営計画を立てる

上記のような方法を検討して、早期に対策を取り、手元に資金が残るように改善することが大切です。

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資金ショートのまとめ

資金ショート まとめ
資金ショートは、自社だけが原因になるのではなく取引先が原因となったり、自然災害が原因となったりとさまざまな理由が考えられます。

資金ショートを起こしてしまう原因をしっかりと理解し、会社にとって非常に重要な運転資金をどのように残していくかを考えることが大切です。

もしも、資金ショートを起こしてしまっても運転資金さえ手元に残っていれば事業の再起が可能です。

資金ショートのまとめ...
  • 資金ショートとは収支のバランスが悪くなることで手元の資金が少なくなり、運転資金が足りなくなること
  • 債務超過とは会社の負債額が資産の総額を超えてしまっている状態のことで違いは倒産リスクは資金ショートより低い
  • 資金ショートの原因は売上減少・多額の出費・売掛金未払い・自然災害・資金管理不足の5つ
  • 資金ショートの対策は資金繰り表による管理や請求漏れの確認、不要な在庫や経費の削減、リスケ、資金調達で解決する

日々の資金繰りの状況をきちんと把握し、運転資金を最低限確保することが経営者にとって重要になります。

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