従業員の給料が払えない!対処法や給料未払いのリスクと労基法について
この記事では、上記のような疑問・お悩みを解決します。
経営が悪化したことにより従業員の給料が支払えない状況になっても、経営者は義務として支払わなければなりません。
労働基準法で従業員への給料の支払いは定められており、守らなければ罰せられてしまいます。
しかし、資金繰りが厳しくどうしても給料を支払うことが難しいケースもあるので会社の状況に合わせて適切な対策をとることが重要です。
そこで今回は、従業員の給料が払えない時の対処法や給料未払いのリスクや労働基準法について詳しく解説していくので、経営が厳しく従業員への給料が支払えない経営者は、ぜひ参考にしてみてください。
- 給料が払えない時は役員報酬の減額やビジネスローン・ファクタリングによる資金調達、取引先に支払期限の交渉をするなどで対応する
- 従業員に給料を払えない際は、偽りなく払えない理由の説明と支払い期限、謝罪の意思をしっかりと伝えることが重要
- 従業員の給料を勝手に減額すると労働基準法違反になり30万円以下の罰金が課せられる
- 従業員の給料を払わないと会社都合では延損害金が発生し、未払いになると最悪の場合、逮捕されることもある
- 他にも従業員からの不信感により正常な業務ができなくなったり、訴訟を起こされ、社会的信用もなくすことも
- 給料が払えない時に活用できる国の補助制度には、未払賃金立替払制度・雇用調整助成金制度・セーフティネット保証・危機関連保証がある
- 整理解雇も条件を満たさなければ違法になり、給料支払いの義務は労基法で定められれていることから必ず支払う必要があることを覚えておく
また、 24時間対応・最短即日入金もできるので、資金繰りを改善したい人におすすめ!
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目次
従業員の給料が払えないときの対策
新型コロナウイルス感染症などの影響で、資金繰りが悪化した中小企業は多いです。
資金繰りが大変になると、従業員の給料が払えないという問題が発生する場合があります。
ここでは、従業員の給料が払えなくなった時の4つの対策を紹介するので、給与の未払いを防ぎたいと考えている経営者はぜひ参考にしてみてください。
- 役員報酬を減額する
- ビジネスローンで資金調達する
- 取引先に支払期限の交渉をする
- ファクタリングで資金調達する
役員報酬を減額する
従業員の給料が払えなくなった際、最初に経営者が取るべき対策として「役員報酬を減額する」ことが挙げられます。
減額した分は、しっかりと予算を捻出して従業員の給料に充ててください。
ただし、基本的には事業の年度途中に役員報酬の減額などはできません。
経営が悪化するなどの止むを得ない事情がある場合のみ、特別に認められているため減額が可能になります。
また、減額は無断で行うとトラブルになってしまうため、取締役会で決議をとりすべての役員からの賛同を得てから行うように注意してください。
ビジネスローンで資金調達する
金融機関や貸金業者からビジネスローンなどの融資を受ける対策もあります。
従業員への給料は事業資金として認められているため、ビジネスローンでの借入が可能です。
ビジネスローンの下限は10万円からのため、必要最低限の金額だけを借入ることができ、後々の返済の負担も抑えられます。
また、ビジネスローンであれば、取引先の支払いが厳しくなりそうな場合でも一時的な資金の補填として利用が可能です。
取引先に支払期限の交渉をする
取引先と交渉して、支払い期限の延長をお願いする対策法もあります。
交渉で一番重要なことは、なぜ支払いが遅れてしまうのか事情をしっかりと説明することです。
私情を絡めた説明ではなく、客観的な事実を述べて支払いの期日もきちんと伝えなければなりません。
メールやFAXなどで済まさずに、取引先に訪問して直接交渉することが大切です。
注意しなければならない点は、交渉ができたとしても支払いが遅れることで信頼関係が悪くなる可能性も十分にあることです。
契約の打ち切りや、債務不履行で訴訟を起こされたりする可能性もゼロではありません。
この対策法は会社にとって悪影響を及ぼす可能性が高いため、最終手段として検討しておいてください。
ファクタリングで資金調達する
企業が持っている売掛金を買取するサービスである「ファクタリング」を利用して、資金を調達する方法があります。
ファクタリング会社に売掛金を買い取ってもらうことで、入金日よりも早めに資金を得ることが可能です。
ファクタリング会社によっては即日で資金化できるところもあるため、1日でも早く資金調達したい場合には強い味方となります。
また、 融資とは異なり売掛金を買い取ってもらうため、返済の必要がありません。
資金繰りが大変な企業はローンの審査も難しい場合がありますが、ファクタリングの審査対象は売掛先の信用である点もメリットといえます。
なお、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの2種類があり、それぞれメリットやデメリットが異なるため、自社に合った方を選択することが重要です。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
2社間ファクタリング | ・取引先への承諾不要ため取引先に利用が伝わらない ・資金調達までの時間が早い |
・手数料が高い ・審査が厳しい傾向 |
3社間ファクタリング | ・手数料が安い ・利用者の手間が少ない |
・売掛先へ通知するため利用したことが伝わる ・資金調達まで時間がかかる |
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従業員に給料を払えそうにないときは状況説明をしよう
さまざまな対策を取っても従業員の給料を払えない場合には、必ずすべての従業員に状況説明をしなければなりません。
従業員への給料が払えないということは、それぞれの生活にも大きく関わってくるため従業員の理解を得る必要があるからです。
説明の際には、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
- 偽りなく払えない理由を説明する
- 支払いはいつになるのかはっきりと伝える
- 謝罪の意思をしっかりと伝える
従業員に説明もないまま勝手に支払いを遅くしたり、減額したりすることはできないため従業員への説明は必ず行うことが重要です。
従業員の給料を勝手に減額してはダメ!
会社の経営が厳しいからといって、経営者が勝手に従業員の給料を減額することはできません。
従業員の給料が減額できるのは、職場の規律に違反した場合のみとなっています。
従業員への制裁以外で勝手に減給すると、反発があるだけでなく労働基準法の違反となり30万円以下の罰金が課せられます。
無断で従業員の給料を減額する行為は、絶対に行わないようにしてください。
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従業員の給料を払わないとどうなる?
会社の経営が悪化して従業員の給料を払えない事態となれば、最悪の場合は逮捕されたり、従業員から訴訟を起こされたりとさまざまなことが考えられます。
ここでは、従業員に給料を払わなければどのようなことが起こるのかをまとめてみました。
- 給料未払いは最悪の場合逮捕される
- 給料遅延が会社都合の場合、遅延損害金が発生
- 従業員からの不信感による影響
- 従業員から訴訟を起こされると社会的信用もなくす
給料未払いは最悪の場合逮捕される
従業員への給料の未払いは、最悪の場合は逮捕される可能性があります。
経営者として、従業員へ給料を支払うことは義務として労働基準法で定められているからです。
すべての会社は労働基準法を守らなければならず、違反した場合は雇用主に対して書類送検や罰金などの罰則が課せられてしまいます。
給料の未払いは払っていない期間に関係なく違法とみなされるため、支払いが1日でも過ぎれば罰則の対象となる点には注意が必要です。
どのような状況になっても、会社は必ず従業員に給料を払わなければなりません。
給料遅延が会社都合の場合、遅延損害金が発生
会社の都合で給料の支払いが遅延した場合、遅延損害金が発生します。
期日を1日でも過ぎると遅延損害金の対象となるため、会社の負担はさらに増加するといえます。
遅延期間が長くなればなるほど損害金の金額が膨らむため、早めに対策を取ることが重要です。
支払いの遅延が長引けば、会社の経営状況をさらに圧迫することになるため、1日でも早く従業員に給料を支払うようにしてください。
従業員からの不信感による影響
給料の支払いが遅延することで従業員は不信感を抱いてしまい、業務に支障が出る可能性があります。
会社の経営が危ないのではないかと疑ってしまうと、仕事に対してのモチベーションも下がってしまうからです。
従業員の生活を守るためにも、まずは給料を最優先で支払わなければなりません。
会社経営にはさまざまな必要経費がありますが、下記の表のように従業員の給料は一番優先するべき経費といえます。
- 従業員の給料
- 仕入や外注などの買掛金の支払い
- 諸経費の支払い
- 税金や社会保険料の支払い
- 銀行への返済金
また、不満や不信感が募った従業員から訴訟を起こされてしまうと、社会的信用もなくなります。
従業員に給料が支払われていなければ、労働基準監督署へ通報され、是正勧告や指導などが行われることもゼロではありません。
是正勧告を受けても改善しない会社は、書類送検などの法的手段となる可能性があります。
そのため、給料の支払いが遅れる場合には、従業員への説明をしっかりと行うことが重要です。
従業員から訴訟を起こされると社会的信用もなくす
給料の支払いが間に合わず、さらには大幅に遅れてしまうと従業員から訴訟を起こされることも考えられます。
未払いの給料が総額60万円以下である場合は、少額訴訟の対象となるため裁判を起こされるケースが非常に多いです。
従業員への給料支払い義務は法律で定められているため、一度訴訟が起こってしまうと会社側の勝訴はほぼ難しいといえます。
敗訴した場合は、未払いの給料だけでなく遅延損害金も合わせて直ちに支払う必要があるので注意してください。
また、60万円を超える未払いの給料があった場合には、通常裁判となるためさらに手続きが複雑になり時間的なコストもかかってしまいます。
さらに、新聞やニュースなどで裁判沙汰が取り上げられると、会社のイメージは一気にダウンし今後の経営状況がさらに悪化する可能性が高まります。
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倒産危機にあり、給料が払えないなら国の補助制度を活用しよう
経営が悪化し倒産の危機にあり、従業員の給料が払えない場合は、国の補助制度を活用するようにしてください。
制度を利用することで、給料の支払いを行うことが可能です。
都道府県によって異なる制度もありますが、主に4つの制度をご紹介します。
- 未払賃金立替払制度
- 雇用調整助成金制度
- セーフティネット保証
- 危機関連保証
未払賃金立替払制度
会社の倒産で給料の未払いがあるまま退職した従業員に対して、国が一部を立て替えて支払う制度です。
全国の「労働基準監督署」または「独立行政法人労働者健康安全機構」で制度の実施を行っています。
未払賃金立替払制で立て替えられるのは、未払い分の8割までとなっています。
また、退職時の年齢に応じて88万〜296万円の間で上限が設けられており、立て替えてもらった金額を返済しなければなりません。
さらに、どんな場合でも利用できるわけではなく、会社側も従業員側も一定の条件を満たす必要がある点には注意が必要です。
・倒産しているか(破産など法律上の倒産または事実上の倒産)
・未払いの総額が「定期賃金」と「退職手当」合わせて2万円を超えているか
・未払いの総額に関して「破産管財人」または「労働基準監督署長」の証明を受けているか
上記の条件を全てクリアしている、会社と従業員のみが対象となるためしっかりと確認するようにしてください。
雇用調整助成金制度
雇用調整助成金制度とは、経営が苦しくなり倒産などの危機を免れなくなった事業主が、従業員の雇用継続を図るための一時的な休業や出向を行った際に、休業手当や賃金の一部を補助する制度のことです。
新型コロナウイルス感染症の影響にも対応しており、さまざまな特例措置が取られています。
しかし、対象の企業は「労使協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている事業主」になることや、従業員側も「事業主に雇用された雇用保険被保険者に対する休業手当をもらっている労働者」など、制度を利用するにはいくつかの条件があります。
そのほか、助成金額もさまざまな特例措置が取られているため、しっかりと確認してから申請を行ってください。
セーフティネット保証
セーフティネット保証は、経営が不安定な中小企業に対して、市町村の認定を受けることで融資を利用できる保証制度です。
信用保証協会を通じて、通常の信用保証の2.8億円とは別枠で最大2.8億円を融資できます。
条件は8つに分けられており、新型コロナウイルス感染症による影響をはじめとして、取引先の倒産や大規模な経済危機、台風などの被害の際に必要な「運転資金」や「設備資金」のために利用が可能です。
1号 | 連鎖倒産防止 |
---|---|
2号 | 取引先企業のリストラ等の事業活動の制限 |
3号 | 突発的災害(事故など) |
4号 | 突発的災害(自然災害など) |
5号 | 業況の悪化している業種(全国的) |
6号 | 取引金融機関の破綻 |
7号 | 金融機関の経営の相当程度の合理化に伴う金融取引の調整 |
8号 | 金融機関の整理回収機構に対する貸付債権の譲渡 |
保証枠を利用したい場合は、事業所所在地の商工担当課の窓口などに認定書を提出しなければなりません。
また、必要書類は各市町村によって異なるため、事前に連絡して確認しておくとスムーズです。
危機関連保証
新型コロナウィルスの影響で経済の動きが低下したため、通常の信用保証枠(2.8億円)とは別枠のセーフティネット保証枠(2.8億円)に加えて、特別の信用保証枠(2.8億円)を利用できるようにする制度です。
・金融取引に支障をきたしており、金融取引の正常化を図るため資金調達が必要である
・市町村などの認定を受けること
金額的に見ても融資を受けられる保証枠が一気に広がる点がメリットといえます。
ただし、条件や保証率など事前にしっかりと検討するべき内容も多いため、まずは金融機関などに相談をしてみてください。
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給料支払いの義務は労基法で定められている
給料の支払い義務は、労働基準法24条で定められています。
雇用者は賃金支払いの5原則というルールに従って、従業員に給料を支払わなければなりません。
給料を払っていても、賃金支払いの5原則を守らなければ違反とみなされます。
違反をした場合は、30万円以下の罰金または3年以下の懲役が課せられてしまうため注意が必要です。
ここでは、賃金支払いの5原則について詳しく解説します。
- 通貨払の原則:必ず通貨で支払わなければならない
- 直接払の原則:従業員本人に支払わなければならない
- 全額払の原則:全額まとめて支払わなければならない
- 毎月払の原則:月に1回は支払わなければならない
- 一定期日払の原則:給料の日付を指定しなければならない
通貨払の原則:必ず通貨で支払わなければならない
通貨払の原則は、給料は必ず通貨で支払う義務があることを意味しています。
通貨は国内で流通している日本円で、ドルなどの外国通貨を給料として支払うことはできません。
また、通貨ではなく現物を支給することも認められていない点にも注意が必要です。
現物を給料とした場合、価値が不明瞭なだけでなくわざわざ換金する必要があり、生活費としては成立が難しくなります。
仮に以下のような価値がある物でも、品物を給料の代わりとして支給はできません。
・骨董品
・定期券
・時計
・在庫商品
・商品券
しかし、例外的に認められているものとして、現物支給にする旨を労働組合と会社で取り決める場合もあります。
直接払の原則:従業員本人に支払わなければならない
給料は従業員本人に直接支払うことが義務付けられており、これを直接払の原則といいます。
支払いに親などの第三者が介入してしまうと、不当に搾取されてしまうことも考えられるので、そのリスクを回避するためです。
また、 労働基準法では未成年者も独立して賃金を請求できる権利を持っています。
そのため、20歳未満の子供の給料を親などが代わりに受け取ることもできません。
未成年のアルバイト代なども、親名義の口座に給料を振り込むこともできないので注意しておいてください。
さらに、毎月の給料は分割ではなく、一括でまとめて支払うことも定められています。
全額払の原則:全額まとめて支払わなければならない
全額払いの原則では、給料を支払う際は必ずまとめて支払うことが義務付けられており、一括で支払わなければなりません。
分割払いになった場合、一部の給料のみ支払いがされないなどの危険性があるからです。
さらに、従業員の了承なく天引きをすることもできないように決められています。
仮に、会社側の都合で給料の天引きをする際は、従業員の過半数が同意し労使協定を結べば可能です。
また、社会保険料や所得税などの納めるべき支払いに関しては、事務手続きも簡素化できるため天引きが認められています。
毎月払の原則:月に1回は支払わなければならない
毎月払の原則では、給料は月に1回は支払わなければならないと定められています。
従業員の生活が不安定にならないよう、給料の間隔を空けすぎないようにしているためです。
そのため「今月資金繰りが厳しいから来月に2ヶ月分まとめよう」ということはできません。
ただし、 月に1回以上となっているため、月に2回など回数が増えることは可能です。
その際は、給料が支払われる日をしっかりと示しておかなければならないので注意してください。
一定期日払の原則:給料の日付を指定しなければならない
会社を経営するものは、必ず給料日を指定して遅延することなく従業員に支払わなければならないことを一定期日払の原則といいます。
給料日をしっかりと指定することで、従業員は計画的に生活費を支払うなどして次の給料日まで生活していくことができるようになるからです。
そのため「毎月20〜30日の間に支払う」などの、変動する期日にすることも認められていません。
支払日が休日で金融機関が営業していないということもあり得るため、このような場合には繰り上げや繰り下げが可能です。
しかし、月初の場合は繰り下げ、月末の場合は繰り上げをしてしまうと「一定期日払の原則」に違反することになる点には注意してください。
そのほか、賞与や臨時の手当などは適用されないため、日付の指定をすることなく支払いができます。
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整理解雇は4つの条件を満たなければ違法になる
整理解雇は、会社の経営状況が厳しいことを理由に人員削減を目的とした解雇のことです。
整理解雇を行う際には、給料の支払いができなくなった理由だけでなく、4つの条件を満たす必要があります。
ここではそれぞれの条件を詳しく解説します。
- 人員整理の必要性
- 整理解雇回避のために最善を尽くした実績
- 解雇選定者の公平性・合理性
- 適切な手続き
整理解雇の条件① 人員整理の必要性
経営上どうしても必要な解雇なのかどうか、人員を削減する必要性がしっかりと認められなければ整理解雇はできません。
ただし、 どれくらいの人員削減が必要かは基準自体が設けられていないため、存続が難しいまたは客観的に倒産などの危機にある場合は認められることが多いです。
そのため、企業努力として新規の求人停止や派遣社員の打ち切り、支出についてもしっかりと見直しがされていれば認められやすいといえます。
整理解雇の条件② 整理解雇回避のために最善を尽くした実績
経営が厳しい状態であっても、すぐに整理解雇ができるわけではありません。
まずは、従業員の解雇をする前に経営状況を回復させる努力が求められます。
- 役員報酬の減額
- 新規求人の停止
- 中途採用の停止
- 希望退職者の募集
- 配置転換や出向、移籍
- 残業代の見直しなど
解雇を避けるためのさまざまな努力をした上で、それでも整理解雇せざるを得ない場合は条件を満たしていると判断されます。
整理解雇の条件③ 解雇選定者の公平性・合理性
解雇をする場合、選定が合理的で公平でなければ条件としては認められません。
整理解雇をされた従業員にとっては、不安な日々を送ることになってしまいます。
そのため、客観的で公平に選定をしなければならず、非正規雇用よりも正規雇用の従業員を優先するなどは不合理で条件を満たしていないとされます。
解雇する場合は、 勤務地や能力、勤務状況などからしっかりと判断することが重要です。
もしもの時のトラブル回避のために、事前に企業労務に詳しい弁護士などと選定方法を検討しておくことも大切です。
整理解雇の条件④ 適切な手続き
整理解雇を行う際は、従業員への説明やしっかりと納得してもらえるような話し合いをすることが重要になります。
資料を開示しての説明や、人員削減の規模や時期などを雇用主と従業員とで話し合い、意見交換などを行います。
整理解雇についての約款などがあれば、それに従って協議を進めなければなりません。
適切な手順を踏まなければ、不当解雇だとされてしまい、損害賠償請求の対象になる場合もあるため注意してください。
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給料が払えないに関するよくある質問
従業員の給料が払えない場合によくある質問を3つまとめてみました。
資金繰りが悪化し、給料が払えない危機感を感じている経営者はぜひ参考にしてみてください。
- 自営業で給料が払えないと言われたら?
- 給料未払いの証拠がないときはどうするべき?
- 個人事業主やフリーランスが給料を払えないと言われたら?
Q:自営業で給料が払えないと言われたら?
このような場合は、払いたくても払うことができない状況に陥っています。
しかし、従業員側には給料を請求する権利があり泣き寝入りしないことがポイントです。
また、 倒産をしてしまっている場合は「未払賃金立替払制度」を利用することで、支払い予定だった給料の一部を受け取ることが可能です。
Q:給料未払いの証拠がないときはどうするべき?
ただし、手元に証拠がない場合は、思いがけないところにあるかもしれないので広い視野で収集することが大切です。
・労働条件通知書などの基本給や手当の金額が証明できるもの
・タイムカードなどの残業時間数がわかるもの
・給与明細や源泉徴収票などの実際の支払った給料がわかるもの
どうしても証拠がない場合には、弁護士などに依頼して「証拠開示請求」や「証拠保全の申立」などを行ってください。
すでに従業員が退職している場合は、会社にある証拠にアクセスできないことが多く証拠が不足します。
弁護士を通じて証拠開示を求めることで、応じてくれる可能性が一気に高まります。
また、裁判所が主導して民事訴訟に対する証拠を確保する手続きである「証拠保全の申立て」を行うことも有効です。
Q:個人事業主やフリーランスが給料を払えないと言われたら?
例えば、検収が完了していないなどの場合は、クライアント側の問題であるため、基本的には支払い処理が行えていないだけとなります。
また、自分側にミスがないかなど、未払いの原因についてもう一度確認しておくことが重要です。
未払いの理由が、クライアント側の経営が悪化している場合でも支払いの義務はあるため、請求する権利があります。
内容証明郵便で請求を行ったり、労働基準監督署に相談したりして請求をきちんと行ってください。
会社が倒産してしまっている場合には、未払賃金立替払制度などを利用して給料の一部を受け取ることが可能です。
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給料が払えないのまとめ
従業員への給料は、会社がどのような危機的状況でも支払う義務があります。
資金繰りが厳しくても方法はいくつかあるため、まずはとるべき対策をとることが重要です。
それでも難しい場合は、国の支援する制度を利用することができます。
ただし、さまざまな条件があるため利用できるかをしっかりと確認するようにしてください。
従業員への給料が払えない際は、対策を適切に行わなければさらに経営難に陥る可能性も否定できません。
会社側が注意するべきことや対策法をしっかりと理解して、給料が払えない際はきちんと対応していくことが重要です。
- 給料が払えない時は役員報酬の減額やビジネスローン・ファクタリングによる資金調達、取引先に支払期限の交渉をするなどで対応する
- 従業員に給料を払えない際は、偽りなく払えない理由の説明と支払い期限、謝罪の意思をしっかりと伝えることが重要
- 従業員の給料を勝手に減額すると労働基準法違反になり30万円以下の罰金が課せられる
- 従業員の給料を払わないと会社都合では延損害金が発生し、未払いになると最悪の場合、逮捕されることもある
- 他にも従業員からの不信感により正常な業務ができなくなったり、訴訟を起こされ、社会的信用もなくすことも
- 給料が払えない時に活用できる国の補助制度には、未払賃金立替払制度・雇用調整助成金制度・セーフティネット保証・危機関連保証がある
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昨日は0人が事業資金の調達に成功しました。
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