個人事業主の開業資金はいくら必要?カフェや医師など職種別でかかる費用や開業資金の集め方

開業資金の金額は店舗を持つか持たないかや業種で大きく変わりますが、2024年の平均額は985万円で中央値が580万円でした。
飲食店などを始めるのであれば、多いと数千万円かかることがありますが、ライターなどの小規模事業であれば数万円で始められる事業もあります。
なお、開業資金を集めるのであれば、日本政策金融公庫や国や自治体の補助金・助成金の活用などをするのがおすすめです。
今回の記事では、開業資金がいくら必要なのかを業種別で紹介し、資金の集め方についても解説します。
記事を読むことで、開業資金の集め方やどのくらいの金額が必要なのかについて分かりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
開業資金はいくら必要?2024年の平均額は985万円で中央値は580万円
開業資金は、それぞれの事業形態によって異なります。
参考に、日本政策金融公庫が発表している2024年度新規開業実態調査によると、 開業費用の平均額は985万円で中央値が580万円です。
開業費用の平均は年々減少しており、2024年の調査で平均額が1000万円を切りました。
2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
開業費用(万円) | 1,205 | 1,223 | 1,143 | 1,062 | 1,055 | 989 | 941 | 1,077 | 1,027 | 985 |
しかし、「開業費用が500万円未満」を見ると全体の41.1%を占めています。
近年は、ITツールの発達やコストを抑えた設備投資ができることから、準備する費用が少なくなっていることが考えられます。
以前よりも開業費用はかからなくなっているとは言え、 やはり一定程度の費用がかかるため、多めの資金調達をおすすめ します。
初期投資より具体的で現実的な計画を立てることが重要
開業費用は、 初期投資をする時点で具体的かつ現実的な計画を立てることが重要 です。
業者任せにしていると費用はどんどん膨らんでいきますし、あまりにも予算が膨らんでしまうと金融機関から融資を受けることができない可能性があります。
最初から「開業費用はいくらにするのか」「毎月いくらの返済で、いくらの返済ならできるのか」ということをあらかじめシミュレーションしてください。
予算ありきで考えることによって、開業後に資金繰りが困難になるリスクを軽減できます。
初期投資をする時から、 「何にいくら使うのか」という具体的な計画を立ててください。
個人事業主の開業費用はいくらかかる?設備投資などの項目別で解説
開業に必要な設備を全て購入する場合には、次のようなものを用意しなければなりません。
項目 | 費用 |
---|---|
店舗・オフィスなど賃貸物件の敷金・礼金・保証料 | 0円〜1,000万円 |
カフェなどの飲食店のリフォーム費用 | 300万円〜3,000万円 |
パソコンやその他OA機器購入費用 | 20万円〜100万円 |
通信回線の工事費 | 2万円程度 |
備品購入費用 | 10万円〜300万円 |
ホームページ制作やチラシなどの広告費用 | 10万円〜500万円 |
このように、 開業に必要な費用は「どの業種を開業するのか」「どこまでお金をかけるのか」によって非常に大きく異なります。
特に、飲食店などの場合には内装や厨房機器にこだわったら1億円を超えるような費用がかかることも珍しくありません。
まずは、 総額の予算を決めた上で「何にいくらかけるのか」を詳細に決めていくことが重要 です。
ここでは、項目別にどの程度の費用がかかるのか、詳しく解説していきます。
- 店舗・オフィスを借りるなら賃貸物件の敷金・礼金・保証料
- カフェなどの飲食店はリフォーム費用が必要になることも
- パソコンやその他OA機器購入費用
- 通信回線の工事費
- 備品購入費用(デスクや応接セットなど)
- ホームページ制作やチラシなどの制作費用
店舗・オフィスを借りるなら賃貸物件の敷金・礼金・保証料
店舗やオフィスを借りて開業する場合には、 敷金・礼金・保証料が必要です。
契約時には家賃の2ヶ月分、仲介手数料は0.5〜1か月、敷金・保証金は物件により変動しますが、これだけのお金を支払う必要があります。
そのため、家賃10万円のオフィスを借りたとしても、初期費用で50万円〜60万円程度は必要です。
また、飲食店などを開業する場合には数百万円以上の保証金が必要になるケースもあります。
この場合は、物件を借りるだけで1,000万円程度のお金が必要です。
物件契約時の費用は「どのような物件を借りるのか」によって大きく異なるという点を念頭に入れてください。
なお、事業内容によっては「自宅で仕事ができる」というケースも少なくありません。
この場合には、自宅で開業すれば物件契約にかかる費用はゼロです。
カフェなどの飲食店はリフォーム費用が必要になることも
飲食店やカフェや小売店などを開業する場合には、リフォーム費用が必要になることもあります。
壁紙を張り替えたり、 簡単なパーテーションを作る程度の工事であれば100万円〜300万円程度の費用 でリフォームできます。
しかし店舗をゼロから作り直すような大規模な工事を施す場合には、 数千万円もの費用がかかること があります。
店舗の内装はお金をかけようと思えばどこまででもお金をかけられる分野です。
まずは、予算を決めて予算内でどこまでリフォームできるのかを検討してください。
また、飲食店や小売店の場合には、以前の借主が使っていた内装をそのまま使用できる居抜き物件を見つければリフォーム費用はほとんどかかりません。
リフォーム費用をかけずに店舗を開業したい方は居抜き物件を探すのも得策です。
パソコンやその他OA機器購入費用
経営者の事務用に1台購入するだけであれば20万円〜30万円程度ですが、従業員の分も複数台購入する場合や、飲食店が客席1つ1つにタブレットを設置する場合には数百万円程度になることもあります。
個人が 手持ちのパソコン1台で開業するような場合にはパソコンやOA機器の購入費用はかかりません。
通信回線の工事費
店舗やオフィスに通信回線を開通させる場合も工事費用がかかり、 通信回線の工事費用は10,000円〜40,000円程度とそれほど高くありません。
代理店のキャンペーンなどで工事費のキャッシュバックを受けられることもあります。
また、 自宅で開業する場合には自宅にすでに敷設されている回線で開業できるので、工事費も新たな通信費もかかりません。
通信回線の工事費については、それほど高額になることはないので どこで開業したとしても大きな負担にはなりません。
備品購入費用(デスクや応接セットなど)
デスクや応接セットやテーブルなどの備品を購入する場合には、10万円〜300万円程度の費用を見ておけば安心です。
中古のオフィス家具店などに行けば、テーブルや椅子などは数千円〜1万円台で購入できます。
応接セットなどをこだわるのであれば100万円以上のお金がかかるので、やはり予算を先に決めて予算に見合ったものを揃えてください。
ただし、飲食店を開業する場合には、備品購入にはお金がかかります。
厨房機器を揃えるだけで300万円〜800万円程度のお金がかかりますし、客席にそれなりにお金をかけなければなりません。
飲食店以外の業種では10万円〜300万円程度を見ておけばよいですが、飲食店開業の場合には300万円〜1,000万円程度の予算があった方が安心です。
なお、 居抜き物件を借りることができれば、厨房機器がそのまま残されていることも多いので備品購入費用を大きく引き下げることが可能です。
ホームページ制作やチラシなどの制作費用
ホームページ制作やチラシ制作などの広告費用は「自分でやるのか業者に依頼するのか」によって非常に大きく異なります。
業者に依頼する場合には、こだわったホームページを作りたいのであれば500万円以上の費用がかかることがあります。
一方、 自分でホームページを作るのであればホームページの作成や更新ができるシステムであるCMSのテンプレート購入費用として数万円程度かかるだけです。
チラシも自分でデザインするのであれば数万円の印刷費しかかかりません。
自分でホームページやチラシを作ることができないのであれば業者に依頼するしかありませんが、 自分でホームページやチラシを作れるのであれば予算を大きく抑えることができます。
【業種別】開業に必要な資金の目安
開業に必要な資金の目安は、業種によって大きく異なります。
- 飲食店などの店舗運営事業は業種により開業資金が大きく変動する
- パソコンのみで開業できるライターやデザイナーなどは数万円~50万円程度
- コンサルティングや士業で個人事務所を開く場合は10万円~50万円程度
- 医師が開業する場合は数千万円程度
例えば、 パソコンのみで開業できる事業と飲食店や病院を開業する場合では資金の金額 が大きく異なります。
ここでは、代表的な業種を挙げて、開業に必要な資金の目安を詳しく解説します。
飲食店などの店舗運営事業は業種により開業資金が大きく変動する
飲食店や小売店などの店舗を運営する事業は、業界によって開業資金は大きく異なります。
業種ごとの開業資金の目安は次の通りです。
業種 | 開業資金の目安 |
---|---|
美容院 | 1,200万~2,000万円 |
飲食店 | 200万~1,500万円 |
ショップ | 300万~1,000万円 |
エステサロン・ネイルサロン | 200万~300万円 |
学習塾 | 200万~1,000万円 |
内装にこだわらない学習塾や、狭い店舗で開業できるネイルサロンなどは開業資金を抑えられます。
しかし、美容院や飲食店など、広い店舗とこだわった内装が必要な業種は初期費用が高額になります。
パソコンのみで開業できるライターやデザイナーなどは数万円~50万円程度
パソコンだけで開業できるライターやデザイナーなどは、 開業資金はほとんどかかりません。
自宅で事業を始めれば、家賃も物件取得費も不要ですし、 すでにパソコンを持っているのであればパソコン購入代金も不要 です。
開業に伴い、パソコンや周辺機器などを新規で購入する場合も50万円程度用意しておけば十分です。
コンサルティングや士業で個人事務所を開く場合は10万円~50万円程度
コンサルティングや士業で個人事務所を開く場合も、開業費用はそれほど大きくなりません。
机やパソコンや事務用品などを揃えるだけで、 自宅でも開業できるので10万円〜50万円程度 あれば開業できます。
ただし、新たに事務所を借りて開業する場合には、賃貸物件の初期費用として100万円程度必要になることもあります。
開業資金を抑えたい場合には、まずは自宅で開業することを検討してください。
医師が開業する場合は数千万円程度
医師は科によって開業資金が異なり、科ごとの開業資金の目安は次の通りです。
業種 | 開業資金の目安 |
---|---|
内科 | 5,000万円から6,500万円 |
皮膚科 | 約2,000万円 |
眼科 | 約5,000万円から7,500万円 |
耳鼻咽喉科 | 約5,000万円〜5,500万円 |
産婦人科(分娩なし) | 約5,000万円 |
小児科 | 約4,000万円 |
整形外科 | 約5,000万円〜5,500万円 |
精神科・心療内科 | 約1,400万円 |
開業にあたって、 機械やスタッフの雇用が必要な科は開業資金が高額になる傾向 があります。
一方、皮膚科や精神科や心療内科など、 大型の機械などが必要なく、医師1人でも開業できる科は開業資金を抑えられます。
個人事業主におすすめの開業資金の集め方
個人事業主におすすめする開業資金の調達方法は、下記の方法が挙げられます。
- 日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金制度
- 銀行や信用金庫の金融機関から融資を受ける
- 国や自治体の補助金・助成金を活用
- 制度融資の活用
- クラウドファンディング
- ビジネスローン・カードローンで借り入れする
- 親族や知人から借り入れる
主に、 日本政策金融公庫や金融機関から融資を受けるケースが多いですが、返済する必要がない補助金やクラウドファンディングも人気です。
ここでは、それぞれの資金調達方法について詳しく解説します。
日本政策金融公庫の新規開業・スタートアップ支援資金制度
日本政策金融公庫は政府が設立した金融機関の一つで、 中小企業や個人事業主に向けたさまざまなサポート制度 を提供しています。
特徴的なのは、個人事業主でも利用しやすく、申し込みの際の要件が比較的緩和されている点です。
特に、 新規開業・スタートアップ支援資金制度 は、下記の方を対象に特別利率で融資が可能です。
新規開業・スタートアップ支援資金制度の対象者
- 女性、若者、シニアの方で創業する方
- 廃業歴等があり、創業に再チャレンジする方
- 中小会計を適用して創業する方
詳しくは、お近くの日本政策金融公庫の融資担当者に問い合わせて、融資相談を行うことをおすすめします。
銀行や信用金庫の金融機関から融資を受ける
銀行や信用金庫などの民間の金融機関も、 開業資金の融資を取り扱っている場合 があります。
ただし、これまで何も実績がない開業前の個人事業主が、銀行や信用金庫から融資を受けることは簡単ではありません。
しっかりとした事業計画を作成し、「開業に至った合理性」や「開業後の収支計画に問題がないこと」などが確認できない限りは、金融機関の審査に通過することは困難です。
厳しい審査に通過できれば、低金利で借入ができる可能性もある ので、まずはお近くの金融機関に相談してください。
国や自治体の補助金・助成金を活用
助成金や補助金は、 各自治体が窓口となって提供する支援で、融資とは異なり返済の必要がないのが特徴 です。
自治体によっては、 個人事業主でも受けられる補助金も多数あります。
助成金と補助金には大きな違いはありませんが、助成金は要件を満たせばほとんどの場合に受給できるのに対し、補助金は受給額に上限があり、特に適した事業者が選ばれるという点で異なります。
ただし、助成金と補助金の区別が曖昧な場合もあるため、細かい要件を確認することが重要です。
制度融資の活用
開業資金の調達として、制度融資を活用する方法もあります。
「信用保証協会が保証する」「銀行が融資をする」「地方自治体が制度の内容を決めて、利息や保証料の補助をする」という3者のスキームで成り立っています。
地元事業者の支援を目的に制度の内容が決められているので、 非常に低金利で融資を受けられます。
例えば、東京都の女性や若者向けの開業資金融資である「女性・若者・シニア創業サポート事業」は固定金利で1%以内という超低金利です。
また、 自治体によっては利息や保証料の補助を行っている制度 も用意されています。
制度の内容は自治体によって異なる ので、詳しくはお住まいの市区町村や役場や地元の商工会議所や金融機関へ相談してください。
クラウドファンディング
最近では、エンドユーザーから資金提供を受けられるクラウドファンディングも開業資金の調達に使われています。
クラウドファンディングの場合、 プロジェクトの支持者から直接資金を得るので、借入金とは異なり返済の義務がありません。
しかし、 十分な資金を集めるためには、提案する商品の魅力をどれだけ効果的に伝えられるかが重要です。
ビジネスローン・カードローンで借り入れする
ビジネスローンやカードローンでも事業に必要な資金などの借入が可能です。
日本政策金融公庫や金融機関の開業資金融資よりも審査難易度が低く借りやすいですが、金利が高いのがデメリットです。
また、ほとんどのビジネスローンでは、確定申告書がない開業前の事業者は借入できません。
個人向けのカードローンであれば開業前の個人事業主も借入できますが、金利が高い上に事業資金に使用するのはNGですので、開業時に必要な資金調達手段としては不向きな方法です。
親族や知人から借り入れる
資金援助をしてくれる親族や知人がいるのであれば、 周囲の人から開業に必要な資金を借りるという方法もあります。
知り合いから借りれば利息がかからないことも多いので、 利息負担なく必要な資金調達が可能 です。
ただし、個人的なお金の貸し借りは人間関係を壊すリスクもあります。
いくら親しい仲でも、 お金を借りた場合には必ず借用書を作成し、約束した期日には必ず遅れなく返済するようにしてください。
個人事業主が開業資金の融資を受けるポイント
個人事業主として新たにビジネスを始める際、
開業資金の調達は大きな課題の一つ
です。
自己資金でのスタートが難しい場合、日本政策金融公庫や金融機関からの融資を検討する方もいます。
しかしながら、 個人事業主に対する融資は法人とは異なる視点での審査が行われるため、ポイントを押さえることが成功の鍵 となります。
まず第一に、開業届の提出と毎年の確定申告と納税を行う事が大前提です。
開業届の提出
開業届とは、 所轄の税務署に対して事業者として開業することを届け出る書類 です。
「誰が」「どんな屋号で」「どんな業種」を営んでいるのかを届け出ることによって、税務署は所轄の事業者を管理できますし、 個人事業主にとっても「確かに事業を営んでいる」ことの公的な証明になります。
開業資金融資の際には、日本政策金融公庫や金融機関へ開業届が原則必要です(申込前相談は可能)
融資の申し込みをする前には、 所轄税務署へ開業届を提出しておくことをおすすめします。
確定申告と納税をしっかり行う
日本政策金融公庫や制度資金の審査では、 納税証明書の提出が必要 です。
税金の滞納があると融資を受けられないので、所得税や住民税はもちろん固定資産税や自動車税や健康保険料も滞納がないようにしてください。
また、もしも開業前に給与所得以外の所得があるのであれば確定申告が必要になります。
未申告の所得がある場合には、 必ず確定申告をしたうえで開業資金融資の申し込みをしてください。
個人事業主が開業資金の融資を受ける際の審査で見られるポイント
開業資金の融資を受ける際、金融機関は下記の観点から審査を行います。
- 自己資金の有無や収支状況
- 事業計画と資金の使い道
- 経営者としての才覚
- 融資額の妥当性
- 返済能力の有無
- 信用情報
開業資金の融資審査は、 事業実績の他にも事業主の返済能力やこれまでの信用情報も融資をする判断材料 になります。
ここでは、それぞれの観点について解説しますので、審査を受ける準備として参考にしてください。
自己資金の有無や収支状況
開業資金の融資審査において、 自己資金の有無は最も重視される項目の一つです。
金融機関が自己資金を重視する理由は、事業に対する経営者の本気度と責任感を測る指標となるからです。
一般的に、開業資金総額の3分の1程度の自己資金があることが望ましいとされています。
自己資金が多いほど、「自分のお金も投入している」という当事者意識の高さを示すことができ、事業継続への強い意志があると判断されます。
事業計画と資金の使い道
開業資金の融資審査において、事業計画書と資金の使い道は融資可否を決定する核心的な要素です。
事業計画書で示す内容
- 市場分析
- 競合状況
- 売上予測
- 損益計画など
金融機関がこれらを重視する理由は、 融資したお金が確実に回収できるか、融資金が妥当な金額なのかを判断するため です。
事業の収益性を慎重に評価し、曖昧な計画では融資リスクが高いと判断され、審査通過は困難になります。
また、実現可能性の高い保守的な計画であることも重要で、過度に楽観的な売上予測は信頼性を損ない、逆に融資担当者の不安を招きます。
現実的で根拠のある事業計画こそが、融資審査突破の鍵となるのです。
経営者としての才覚
開業資金の融資審査において、 経営者としての才覚は事業成功の可能性を左右する重要な判断材料 です。
金融機関がこの点を重視する理由は、どれほど優れた事業計画があっても、それを実行する経営者の能力が不足していれば事業は失敗し、融資回収が困難になるからです。
審査では、 開業予定業界での実務経験や管理職経験が高く評価され、業界知識があることで、市場の変化に対応でき、適切な経営判断ができると判断されます。
そして、過去の実績や人脈も才覚の証明となり、前職での成果、顧客基盤の有無、協力者の存在などは、事業を軌道に乗せる可能性を高める要因として評価されます。
金融機関は「この人になら融資しても安心」と思える経営者かどうかを総合的に判断しているのです。
融資額の妥当性
開業資金の融資審査において、 融資額の妥当性は貸し倒れリスクを最小限に抑えるための重要な判断基準 です。
金融機関がこの点を厳しく審査する理由は、過大な融資は返済負担を重くし、事業の資金繰りを圧迫して経営破綻を招く可能性が高いからです。
審査では、設備投資、運転資金、諸経費などの内訳を詳細に検証し、各項目の金額が市場相場と比較して適正かどうかを判断します。
また、 過度に高額な設備購入や不必要な経費が含まれていないかも厳しくチェック されます。
返済能力の有無
開業資金の融資審査において、返済能力の有無は最も重要な判断基準です。
金融機関がこの点を最重視する理由は、 融資したお金が確実に回収できるかどうかが金融機関の経営に直結するからです。
特に、返済能力の審査では、下記の要素を厳しく評価します。
- 事業の収益性と継続性
- 収益予測に基づいた返済計画
- 保証人や担保の有無
これらの評価で返済能力が不十分と判断されれば、どれほど魅力的な事業計画でも融資は困難になります。
信用情報
開業資金の融資審査において、信用情報は申請者の信頼性を測る重要な指標です。
金融機関は、 過去の借入や返済履歴が将来の返済行動を予測して、申請者が返済をしてくれる人なのかを判断します。
特に過去5年以内の延滞や債務整理の記録がある場合「計画的な返済ができない人物」と判断され、融資が困難になります。
個人信用情報が気になる方は、個人信用情報機関で開示請求をして返済履歴を確認することをおすすめします。
個人事業主が開業資金の融資を受ける場合に必要な書類
個人事業主が開業資金の融資を受ける際には、所定の申込書といった書類を提出しなければなりません。
- 申込書
- 事業計画書
- 決算書
- 企業概要
金融機関は、 会社の所在や決算状況、融資後の事業展開に関する書類の提出によって、融資の判断材料 になります。
ここでは、個人事業主が開業資金の融資を受ける場合に必要な書類について詳しく解説します
申込書
開業資金で審査を受ける際には、各金融機関の所定の申込書を提出します。
所定のフォーマットに手書きで記入する金融機関もあれば、WEB申込で完結できる事業者 もあります。
開業資金の融資をする多くの金融機関では、担当者と面談しながら記入する場合も多いです。
申込書で記入に困る箇所がある場合は、 融資担当者に聞きながら記入することをおすすめします。
事業計画書
開業資金の融資では、事業計画書の提出が必須です。
事業計画書によって、 金融機関があなたの事業の実現性、将来性、そして返済能力を客観的に評価します。
この計画書を通じて、ビジネスモデル、市場分析、競合優位性、収益見込みや資金使途が明確に伝わることで、融資の判断材料となります。
融資を受けられる事業計画書の特徴は、具体性と説得力にあります。
- 明確な事業コンセプトと顧客ターゲット
- 具体的な収益シミュレーションとその根拠
- 無理のない資金計画と返済計画
そして、 事業主自身の経験や熱意が伝わる記述などこれらが網羅され、「この事業なら成功し、確実に返済されるだろう」と担当者が確信できる内容であること が、融資獲得の鍵となります。
決算書
開業資金の融資を受ける際、法人の場合は決算書(個人事業主は確定申告書)の提出が必須です。
これは、 金融機関があなたの過去の事業の健全性や収益性、財務状況、そして返済能力を客観的に評価するためです。
融資を受けられる決算書の特徴は、安定した黒字経営と健全な財務状況を示しています。
- 継続的な利益:返済原資があることを示す。
- 高い自己資本比率:自己資金が豊富で、財務基盤が安定していることを示す。
- 良好なキャッシュフロー:資金が滞りなく回っていることを示す。
これらの情報から、 金融機関はリスクを判断し、あなたの事業の将来性や経営手腕を見極めます。
透明性が高く、質問に明確に答えられる決算書こそが、信頼を得るための重要な鍵となります。
企業概要
開業後1期以上の決算を終了した状態で、 日本政策金融公庫の融資を初めて受けたいと思われる場合、「企業概要書」の提出が必要になります。
融資を受けたい際に必ずしも用意する必要がある書類ではありませんが、上記のケースでは個人事業主の方も作成し、提出していただくことになります。
融資の制度や内容によっては、事業計画書があれば問題がない場合もあります。
開業資金に関するよくある質問
最後に、開業資金に関するよくある質問について回答します。
- Q:開業資金の融資を受ける際に自己資金なしでも大丈夫ですか?
- Q:開業資金の費用として認められるものは何ですか?
- Q:開業資金の勘定科目の付け方を教えてください
Q:開業資金の融資を受ける際に自己資金なしでも大丈夫ですか?
したがって、融資を受ける際は、審査に通るために資金の最低3分の1は用意しておくことをおすすめします。
Q:開業資金の費用として認められるものは何ですか?
- 広告宣伝費
- 事務用品や備品の購入費
貸付する金融機関や法人と個人事業主で開業費として認められる費用 は異なるため、金融機関の融資担当者に相談してください。
Q:開業資金の勘定科目の付け方を教えてください
【開業費の仕訳例】
例)開業前に文房具1万円と机2万円、合計3万円の物品を購入しました。
●文房具と机の開業費の仕訳
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
開業費 | 30000 | 元入金 | 30000 | 文房具・机購入 |
別途、エクセルなどでデータを集計している場合でも、仕訳は開業費としてまとめて処理します。
開業前は事業が開始していないため、事業用の現金がない状況です。
そのため、このような場合には 「現金」ではなく「元入金」という科目を用いて仕訳します。
【開業費の決算時の仕訳例】
例)決算時に、上記の開業費を全額経費として計上(償却)しました。
●決算時に開業費を全額償却する場合
借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要 |
---|---|---|---|---|
繰延資産償却 | 30000 | 開業費 | 30000 | 償却額 |
借方の勘定科目は一例ですので、普段お使いの償却科目を使用して問題ありません。
開業費は任意に償却できますので、初年度に全額を経費とすることが可能 です。
開業資金に関するまとめ
開業資金の必要額は、事業形態や業種によって大きく異なりますが、2024年度の平均は985万円、中央値が580万円と大きな差があります。
初期投資をする時点で具体的かつ現実的な計画を立てることが重要です。
特に個人事業主が開業する場合、下記の費用が開業資金に充てられます。
- 店舗・オフィスを借りるなら賃貸物件の敷金・礼金・保証料
- カフェなどの飲食店はリフォーム費用が必要になることも
- パソコンやその他OA機器購入費用
- 通信回線の工事費
- 備品購入費用(デスクや応接セットなど)
- ホームページ制作やチラシなどの制作費用
自己資金で足りない場合は、 事業融資を受ける、補助金や助成金を申請して資金を集める方もいますが、大きな金額が必要になると融資を希望する方が多いです。
開業資金の融資を希望するには、開業届の提出と確定申告と納税を行うことが大前提です。
そして、融資を受けるには審査がありますので、必要書類の準備や事業計画書の作成は早めに準備してください。
昨日は0人が資金調達チェックの無料診断をしました。
今日は0人が資金調達チェックの無料診断をしました。
無料診断がされました。
無料診断がされました。
無料診断がされました。
無料診断がされました。
無料診断がされました。