銀行交渉とは?成功させるポイントや金融機関の選び方から申し込み前にやっておくべきこと

資金調達プロ編集部
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更新日2024/7/19
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銀行交渉 アイキャッチ

銀行交渉を成功させるコツを知りたい

銀行交渉で金利が下がるのかを知りたい

銀行交渉で融資が成功するのか

この記事では上記の悩みを解決します。

銀行から融資を引き出すには銀行と円滑に交渉することが非常に重要です。

銀行が自社を好意的に判断して「融資で応援してみよう」と思わせるには、業況をよくすることはもちろん、銀行の印象をよくすることが重要ですし、ポイントを押さえることで融資を引き出しやすくすることもできます。

また、金融機関ごとの特徴を把握して、自社に合った金融機関を選択することも大切です。

この記事では、 銀行との交渉におけるポイントや金融機関ごとの違いなどについて詳しく解説します

資金ショートをざっくり言うと...
  • 銀行融資の交渉でポイントになるのは「情報提供量」
  • 事業内容や事業計画、現状の課題やセールスポイントなど、事業や業況について多くの情報を、銀行担当者に伝えることで融資が成功しやすくなる
  • 銀行融資では自社の規模に適した金融機関に申し込むことも重要
  • 大口の融資なら「メガバンク」、地元の銀行から融資を受ける「地方銀行」、小規模事業者向けの「信用金庫」、創業間もないなら「日本政策金融公庫」がおすすめ
  • 銀行融資の交渉を成功させるコツ中間決算・決算の1ヶ月~1ヶ月半前に申し込み、決算書提出時に留意点を口頭で伝えることが大切!
  • やってはいけないことは銀行コンプレックスを持つこと、「資金が足りないから貸して」とお願いする行為
  • 融資の確立を上げたいなら帝国データバンク・東京商工リサーチ・企業調査会社に登録、セーフティネット保証を使って新しい銀行との取引を開拓する、銀行の債務者区分と自社の位置づけを把握する、既に借入している人は金利を下げる交渉の準備もする

5分もあれば理解できる内容になっているので、銀行との交渉を成功させたい方は、融資の確率が上がるようになります!

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銀行融資の交渉でポイントになるのは「情報提供量」

銀行交渉 ポイント

銀行との融資の交渉で重要なのが「どのくらい多くの情報を銀行へ提供するのか」です。

事業内容や事業計画、現状の課題やセールスポイントなど、自社の事業や業況についてどれだけ多くの情報を、銀行の担当者に対して伝えることができるのかが融資を成功させるためには非常に重要 になります。

情報提供と融資審査にはどんな関係があるのか、詳しく解説していきます。

情報提供が多いほど銀行マンは融資に前向きになる

銀行へ提供する情報が多ければ多いほど銀行マンは融資に前向きになる傾向があります。

銀行は基本的なスタンスとして企業に対して融資を行うことが仕事です。

そのため銀行としても、できる限り融資を実行したいと考えていますが、その際には次のストーリーが必要になります。

銀行が審査で作るストーリー
・なぜ融資が必要なのか
・融資金をどのように返済していくのか

事業者の方は銀行に対してネガティブな情報を伝えるのを嫌がる傾向にありますが、ネガティブな情報もしっかりと伝えなければ、銀行は「融資が必要な理由」のストーリーを書くことができません。

また、決算書や試算表などをこまめに提出して、業況や決算内容についても詳細に伝えることによって「返済はどうするのか」というストーリーを書きやすくなります。

このように、 銀行へ多くの情報を提供すればするほど銀行マンは稟議の際にストーリーを描きやすくなり、審査に通る可能性が高くなります

稟議とは
担当者が審査書類を作って銀行内部の関係者にまわし、文書で決裁・承認を得ること
稟議に通らないと融資を受けられない

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銀行融資を受ける際の選び方は自社に適した金融機関を選ぶこと

銀行交渉 選び方

銀行融資を受ける際には「どの銀行へ申し込みをするのか」という点が非常に重要 です。

申込先の金融機関を選択する際には、それぞれの金融機関の特徴を理解して、最適な金融機関を選択するとともに、自社の年商に適した金融機関を選択することも大切です。

年商が大きくなれば必要な資金調達額も大きくなるのでメガバンクなどの規模の大きな金融機関と取引するのがおすすめです。

一方、年商が小さいのであれば、少額融資でも丁寧に対応してくれる信用金庫などの規模の小さな金融機関を選択するのが向いています。

年商と取引する金融機関の関係性はおおよそ次のようなイメージになります。

年商別の取引する金融機関の目安
  • 年商3億円以下:信用金庫・信用組合
  • 年商10億円以下:地方銀行
  • 年商10億円超:メガバンク

それぞれの金融機関の特色について詳しく解説していきます。

大口の融資に向いている「メガバンク」

メガバンクとは総資産がおよそ1兆ドル以上の巨大な銀行グループを指し、日本では次の3つの銀行が三大メガバンクと言われています。

日本の三大メガバンク
  • 三菱UFJ銀行
  • みずほ銀行
  • 三井住友銀行

メガバンクは数十億円以上の巨額の融資に応じてくれることもあり、超大口の資金調達をしたい場合に向いています

メガバンクは多額の資金の融資に応じてくれますが、金額が大きい分、業況が悪くなったら早期に回収に転じる傾向にあるのがデメリットです。

他の金融機関とも付き合いながら、メガバンクからも資金調達をするのが重要です。

金利が少し高い地域密着型の「地方銀行」

年商10億円以下くらいまでであれば地元の地方銀行と取引することで円滑に資金調達できます。

地方銀行は地域密着で、地元経済と企業を発展させていくことが社会的責務ですので、多少業況が悪くなっても、融資によって資金的な援助を継続してくれることが一般的 です。

そのため、メガバンクのように景気が悪くなったら早期に回収するようなことはありません。

特に 小口の運転資金融資にも柔軟に対応してくれるので、日々の運転資金の調達は地元の地方銀行から行うのがおすすめ です。

ただし、数億円を超えるような巨額の融資を受けることは難しく、金利もメガバンクよりは高めになる傾向もあります。

金利は高めで小規模事業者向けの「信用金庫」

信用金庫は小規模事業者向けの融資を行っています。

数十万円単位の超少額の運転資金融資にも応じてくれるので、個人事業主やフリーランスの人が「仕事に必要な運転資金を少しだけ借りたい」という場合に向いています

その分、プロパー融資の金利は高くなる傾向にありますが、ほとんどの融資を地方自治体が設計している制度資金で行うので1%〜2%台で借りることが可能です。

また、 信用金庫は機動力の高さが魅力で、わざわざ店頭へ行かなくとも、職員が会社まで訪問して手続きをとってくれることもあります

「忙しくて銀行窓口へ行っている時間がない」という人にはおすすめです。

ただし大口の資金調達は難しく、借入可能額は1,000万円未満と考えておいた方が無難です。

プロパー融資とは
プロパー融資とは、保証協会や保証会社の保証をつけずに金融機関が全ての回収リスクを負う融資。金融機関にとってリスクが高いので一定以上の信用がある企業でないと借りられない

銀行融資が難しいなら「日本政策金融公庫」

銀行からの借入が難しいのであれば、日本政策金融公庫へ相談するのがおすすめです。

日本政策金融公庫は国が出資している中小事業者に対して資金提供を行うことを目的としている、中小企業のための国の金融機関です。

また、民間金融機関が事業者向け融資を行う場合には、ほとんどのケースで信用保証協会の保証をつけますが、日本政策金融公庫は信用保証協会の保証をつけません。

そのため、 民間金融機関とは完全に別枠で融資を受けることが可能で、銀行から「信用保証協会の保証枠がいっぱいだから融資に応じられない」と断られてしまった場合でも、日本政策金融公庫であれば融資に応じてくれる可能性があります

スムーズに資金調達するために、民間金融機関と日本政策金融公庫の両方と取引しておくのがおすすめです。

ただし、日本政策金融公庫は融資手続きに1ヶ月程度の時間がかかることもあるので、急いでお金が必要な時には不向きです。

MEMO
日本政策金融公庫は銀行や信用金庫とは別枠で借りられる

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銀行融資の交渉を成功させるコツ

銀行交渉 コツ

銀行融資の交渉を成功させるためには、 申し込みをする時期や説明方法など次のようなポイントを押さえることが重要 です。

銀行融資の交渉を成功させるコツ
  • 中間決算・決算の1ヶ月~1ヶ月半前を狙う
  • 決算書提出時に留意点を口頭で伝える
  • 銀行コンプレックスは捨て去る
  • 資金が足りないから貸して」とお願いするのはNG

銀行融資を成功させるための4つのポイントについて詳しく見ていきます。

中間決算・決算の1ヶ月~1ヶ月半前を狙う

銀行の決算前のタイミングを狙って申し込むことで融資が成功する可能性が高くなります。

決算期前というのは融資量を増やしたいため、銀行各支店にはきついノルマが課されているケースが多いためです。

銀行が最も「融資をしたい」と希望しているタイミングで申し込みをすることによって審査通過の可能性が高まります

決算書提出時に留意点を口頭で伝える

決算書を提出する際には、ただ提出するのではなく、簡単に決算書の内容を口頭で説明してください。

特に売上が下がった、減益した、赤字になったなどのネガティブな情報がある場合には、「なぜ売上が下がったのか」という点を説明することが重要 です。

銀行が自社をネガティブに評価しないためにも、業況が悪化している際には口頭で説明するようにしてください。

銀行コンプレックスは捨て去る

「銀行は自社を評価する」「断られてしまうのではないか」など、銀行に対して苦手意識やコンプレックスを持つのはNGです。

銀行は企業に対して「融資をしたい」と考えています。

銀行にとってお金を借りてくれる人はお客様ですので、気軽に銀行窓口を訪問し、何気のない会話をすることに努めてください。

そして、 会社の業況が悪い時ほど、会社のネガティブ情報を積極的に伝えることで支援を受けやすくなります

「資金が足りないから貸して」とお願いするのはNG

いくらお金が足りないからと言って、 銀行窓口を訪問し「お金が足りないから貸して」「この決算書の内容でいくら借りれる?」「この土地を担保に入れるからお金を貸して欲しい」と交渉するのはNG です。

どんなに業況がよく優良不動産を担保にできたとしても、銀行が必要もないお金を貸すことはありませんし、いきなり「お金を貸して」と言うことは銀行からマイナス評価を受けるだけです。

理由もなく「お金を貸して」と伝えるのではなく、「何にいくらお金が必要なので貸して欲しい」と理由を明確に伝えるようにしてください。

MEMO
銀行は必要性が乏しい資金は融資しない

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銀行融資の審査に通りやすくなる事業計画書の作り方

銀行交渉 事業計画書

銀行融資の審査では、事業の計画について定めた事業計画書をしっかりと作成することが非常に重要です。

事業計画書を作成する際には次のポイントを抑えてください。

事業計画書作成時のポイント
  • 事業の実現性と返済の可能性を重点に作成する
  • 過去決算データとの整合性を意識する

事業計画書を作成する際の2つのポイントについて詳しく解説していきます。

事業の実現性と返済の可能性を重点に作成する

事業計画書では次の2点を重視して作成することが重要です。

  • 事業計画を具体的にどのように実現するのか
  • どのように返済していくのか

単に数字だけで「1年後には売上が倍になる」と計画したところで、読んでいる側は実現可能性を感じません。

客観的なデータを元に「市場規模が〇〇億円あり、この地域には競合店舗がないので、潜在的な市場規模の50%程度の確保が見込める」などの実現可能性がある計画を立ててください。

また、返済についても同様に、 「売上がこの程度拡大する見込みだから、毎月〇〇万円の返済には問題ない」というように、根拠をつけることが重要 です。

過去決算データとの整合性を意識する

事業計画を立てる際には、過去のデータとの比較が重要です。

黒字が拡大するという見込みであれば次のようなことを意識してください。

・過去から売上がどの程度伸びるのか
・過去の利益率から向上するのか
・経費をどの程度削減して利益が拡大するのか

赤字からの脱却をする計画であれば、次のようなことを意識するのが重要です。

・固定費のうち何を削減するのか
・売上をどのように伸ばすのか
・売上原価をどのように抑えるのか

過去の決算データを「どのように改善させるのか」を意識して、事業計画を作成してください

MEMO
事業計画書は過去から「どのように」改善させるかを具体的に解説することが重要

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銀行融資の確率をさらに高めたい人がやっておくべきこと

銀行融資 確率

銀行融資に成功する確率をより高めたいのであれば、次の4つのことを事前に準備してください。

融資の確立を高めるポイント
  • 帝国データバンク・東京商工リサーチ・企業調査会社に登録する
  • セーフティネット保証を使って新しい銀行との取引を開拓する
  • 銀行の債務者区分と自社の位置づけを把握する
  • 既に借入している人は金利を下げる交渉の準備もする

これらは比較的簡単に準備できることです。

銀行融資を引き出しやすくする4つのポイントについて解説していきます。

帝国データバンク・東京商工リサーチ・企業調査会社に登録する

帝国データバンク・東京商工リサーチ・企業調査会社などに自社の企業情報や決算情報を登録することで融資を受けるチャンスが広がります

銀行はこれらの調査会社の情報を参考に、企業に対して飛び込み営業をすることがあり、飛び込み営業が行われるタイミングは借入のチャンスです。

銀行からの営業が来やすくなるよう調査会社からの調査の依頼が来たら快く承諾し、 自社の情報を調査会社のデータベースに掲載してもらうようにしてください

セーフティネット保証を使って新しい銀行との取引を開拓する

売上が下がった時にはセーフティネット保証を使用して、新しい銀行との取引を開拓するチャンスです。

セーフティネット保証とは売上が下がった企業むけに信用保証協会が用意している保証制度です。

金融機関とすれば、信用保証協会が保証してくれるので、新規の企業とリスク無く取引を開始することが可能 です。

銀行へ「セーフティネット制度の融資を受けたい」と、自社から融資を受ける制度を指定して新しい金融機関との取引を開拓してください。

銀行の債務者区分と自社の位置づけを把握する

銀行から自社がどんな債務者区分に位置付けられているか把握することも重要です。

銀行へ確認することで債務者区分を教えてくれる場合があります。

債務者区分を知ることで、次の資金調達を同じ銀行からできるのかどうかを把握できます

債務者区分が「要注意先」以下などの低い企業は、その銀行から追加の資金調達は厳しいので、日本政策金融公庫などの完全に別の金融機関へ交渉するのも有効な方法です。

債務者区分とは
銀行が債務者に対するランク付け
正常先、要注意先、破綻懸念先などの区分があり、要注意先以下になると融資を受けることが難しくなる

既に借入している人は金利を下げる交渉の準備もする

すでに銀行から借入している場合には、金利を引き下げる交渉も行ってください。

少しでも低い金利で資金調達することで、収益性は改善しますし、資金繰りも円滑になります。

金利引き下げ交渉を成功させるポイント
  • 業況を改善する
  • 複数の金融機関を競合させる

これらの方法で金利引き下げ交渉が成功する可能性があるので、 業況に問題がないのであれば、金利の引き下げ交渉も行うようにしてください

MEMO
業況がよくなれば金利が下がる可能性がある

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銀行交渉のまとめ

銀行交渉 まとめ

銀行からの融資に成功するかどうかは、銀行との交渉によって大きく左右されます。

金融機関の担当者に対して良い情報も悪い情報も伝えて、コミュニケーションを密にすることが非常に重要 です。

また、金融機関ごとの特色を理解して、自社の年商や業況に見合った金融機関を選択することも大切になります。

銀行交渉のまとめ...
  • 銀行融資の交渉でポイントになるのは「情報提供量」
  • 事業内容や事業計画、現状の課題やセールスポイントなど、事業や業況について多くの情報を、銀行担当者に伝えることで融資が成功しやすくなる
  • 銀行融資では自社の規模に適した金融機関に申し込むことも重要
  • 大口の融資なら「メガバンク」、地元の銀行から融資を受ける「地方銀行」、小規模事業者向けの「信用金庫」、創業間もないなら「日本政策金融公庫」がおすすめ
  • 銀行融資の交渉を成功させるコツ中間決算・決算の1ヶ月~1ヶ月半前に申し込み、決算書提出時に留意点を口頭で伝えることが大切!
  • やってはいけないことは銀行コンプレックスを持つこと、「資金が足りないから貸して」とお願いする行為
  • 融資の確立を上げたいなら帝国データバンク・東京商工リサーチ・企業調査会社に登録、セーフティネット保証を使って新しい銀行との取引を開拓する、銀行の債務者区分と自社の位置づけを把握する、既に借入している人は金利を下げる交渉の準備もする

銀行との交渉に成功し、必要な資金をスムーズに調達できるようにしてください。

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