帝国データバンクの評点とは?30点台・60点以上の評価は?調べ方や点数の目安とランクを一覧で解説
帝国データバンクは、企業信用調査の依頼を受けて、国内企業を訪問し、訪問した企業に関する情報をレポートしている会社のことです。
企業同士が安全な取引ができるかどうかを、帝国データバンクの独自基準で数値化しています。
今回は、帝国データバンクの評点や点数の目安、調べ方について詳しく解説していきます。
記事では、30点台・60点以上の評価やランクなどまとめているので、評点について調べている方は参考にしてください。
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目次
帝国データバンクの評点とは?
帝国データバンクの評点とは、企業の経営活動や支払能力の有無を100点満点で評価することです。
企業同士が安全な取引ができるかどうかを、帝国データバンクの独自基準で数値化しています。
企業に評点をつける理由は他社の比較を容易にし、数値化することで企業の状態を一目で理解できるためです。
帝国データバンクでは企業信用調査の依頼を受けると、その企業に現地訪問して企業の情報をレポートします。
企業によっては信用調査を拒否するケースがありますが、基本的には多くの企業が調査を受け入れています。
ただし、一部の業種(金融機関や保険会社、公的機関など)は信用調査の対象外となります。
詳しい対象外の業種に関しては帝国データバンクの公式サイトで公開されているので、気になる人はチェックしてみてください。
帝国データバンクの評点一覧と考え方
帝国データバンクの評点は100点満点で評価を行っています。
業績・業歴等の数値に基づいた「定量評価」と、経営者や社員のモチベーションなどに基づいた「定性評価」の7項目に加えて、加点・減点という項目があります。
項目 | 配点 | 評価内容 |
---|---|---|
①業歴 | 1~5 | 企業運営の継続性を評価 業歴が長いほど高得点 |
②資本構成 | 0~12 | 企業財務の安定性を評価 |
③規模 | 2~19 | 年売上高、従業員数など経営規模を評価 |
④損益 | 0~10 | 会社の損益を決算報告書などから客観的に評価 |
⑤資金現況 | 0~20 | 調査時点での業況・収益・回収状況・支払状況・資金調達余力を評価 |
⑥経営者 | 1~15 | 経営者を、個人の資産背景や経営経験、人物像などの要素から評価 |
⑦企業活力 | 4~19 | TDB調査員が、企業活力を人材・取引先・生産販売力・将来性の要素で評価 |
⑧加点/減点 | +1~+5/−1~−10 | 上記項目だけでは十分に反映されていない要素がある場合、当項目で反映 |
加点・減点に関しては「上記項目だけでは十分に反映されていない要素がある場合、当項目で反映」されるそうですが、基本的には7項目が重要となります。
定量評価は①~⑤の項目にあたり、定性評価は⑥と⑦の項目にあたります。
一見、⑥⑦の定性評価の配点が大きいため「定量評価よりも重視されるのでは?」と判断されるケースが多いですが、実はそうではありません。
どちらかと言えば定量評価を重視している傾向にあり、「財務状況は悪化しているけど企業が活力に満ちている」という場合でも点数が上がるとは限らないのです。
評点の配分としては「定量評価7割」「定性評価3割」と言われており、決算書や損益計算書などの開示が重要となります。
続いて帝国データバンクの総合点と評価ランクを紹介します。
点数 | 評価 |
---|---|
86 ~100点 | A |
66~85点 | B |
51~65点 | C |
36~50点 | D |
35点以下 | E |
平均水準は40点台と言われており、多くの企業が「D」評価にあたります。
「比較的安心して取引できる企業」と判断できるのが50点までで、51点以上になると「日本企業の上位16%にあたる優良企業」と判断できます。
帝国データバンクの評点からわかること
帝国データバンクの評点でわかることは以下の3点になります。
- 企業信用力の目安がわかる
- 信用調査の結果から格付けがわかる
- 分布と基準からランクがわかる
帝国データバンクの評点の仕組みやなにを意味するのか解説するので、信用調査の依頼を検討している人は参考にしてくださいね。
企業信用力の目安がわかる
帝国データバンクの評点は企業信用力の目安になるため、評点が高ければ「健全で優良な企業」だと証明できます。
帝国データバンクは日本国内最大手の信用調査会社であり、トップクラスのシェアを誇っています。
そのため、多くの企業が取引を行うにあたっての与信判断として用いることが多いです。
企業同士の取引以外にも銀行の融資も帝国データバンクの評点が影響してきます。
信用調査の結果から格付けがわかる
帝国データバンクでは評点と倒産予測値により、格付けを導き出すことが可能です。
倒産予測値は0~100%の間で算出し、さらに予測値グレードでは倒産予測値をもとに10段階の格付けを構築しています。
予測値グレードではG1~G10に分類されて、数字が大きくなればなるほど倒産リスクが高くなります。
倒産予測値はあくまでも倒産リスクのみを表しており、企業の信用度に関しては評点に注目しなければなりません。
分布と基準からランクがわかる
帝国データバンクでは分布と基準を把握しておくと、企業の評点が「高いのか」または「低いのか」を一目で理解できるようになります。
例えば、評点を数字だけで見た場合「100点満点で60点って信用度低いかも」と思われがちですが大きな間違いです。
帝国データバンクにおいては60点以上の評点は優良企業と判断できる数字のため、非常に信用度の高いことを表しています。
帝国データバンクの評点の平均的水準は40点台であり、取引する際に安心だと判断できる点数は50点になります。
51点以上になると優良企業の上位16位に位置しているため、新規取引や銀行取引などに大きなメリットを与えます。
帝国データバンクで評点の調べ方
帝国データバンクで評点を調べるには以下のサービス利用をしなければなりません。
- 評点の調べ方① 信用調査報告書
- 評点の調べ方② 業概要データCOSMOS2
- 評点の調べ方③ 企業定点観測サービス SAFETY
- 評点の調べ方④ 全国企業あれこれランキング
調査が行われている企業の場合は、各商品に申し込みするとデータ確認が可能になります。
新規調査を依頼する場合は調査までに時間が必要となり、出張料(有料地域に限る)も必要なので注意してくださいね。
評点の調べ方① 信用調査報告書
信用調査報告書では、 現地調査と長年のノウハウに基づき分析と比較を行いレポートとして提供しています。
帝国データバンクは1世紀以上にわたり現地調査を行っている企業なので、信用調査報告書の精度の高さが強みと言えます。
信用調査報告書は以下のような場合に活用できます。
- 新規取引先への調査
- 継続取引先への調査
- 仕入先・外注先への調査
- 取引拡大につなげるための調査
- 同業他社の調査
料金については以下の通りです。
【調査問合票(既存データ)の料金】
サービス内容 | 料金 |
---|---|
調査問合票(既存データ) | 15,000円~24,000円 |
【新規調査の料金】
サービス内容 | 料金 |
---|---|
調査問合票(新規調査) | 15,000円~24,000円 |
【新規調査の出張料金とオプション料金】
出張区分 | 超特急 | 特急 | 普通 |
---|---|---|---|
無料地域 | 7営業日前後 | 11営業日前後 | 29営業日前後 |
10,000円未満 | 9営業日前後 | 14営業日前後 | 29営業日前後 |
10,000円以上 | 11営業日 | 16営業日前後 | 29営業日前後 |
評点の調べ方② 企業概要データCOSMOS2
企業概要データベースCOSMOS2とは、 全国全業種の企業情報を収録した日本最大級のデータベースになります。
企業概要ファイルの他にも以下のサポートファイルが用意されているため、条件に応じてデータ抽出が可能です。
- 企業概要ファイル
- 事業所ファイル
- 倒産ファイル
- 学校ファイル
- 病院ファイル
- 英文企業概要ファイル
企業概要データベースCOSMOS2は、以下のような場合に活用できます。
- 効率的に与信管理を行いたい
- 有望ターゲットの抽出と取引先の新規開拓
- 顧客データを一元管理したい
評点の調べ方③ 企業定点観測サービス SAFETY
企業定点観測サービス SAFETYでは、 対象の企業の動向や変化を1年間にわたり継続的にチェックできます。
与信管理における必要な情報を提供してくれるため、以下のような場合に活用したいサービスと言えます。
- 取引金額が大きい取引先の動向をチェックしたい
- 効率的に与信管理を行いたい
- 同業者の動きを把握しておきたい
定期的な信用調査はビジネスにおいて重要ですが、自ら情報収集するのは大変です。
しかし、 企業定点観測サービス SAFETYを利用すると帝国データバンクから、与信管理上の変動があった際にお知らせが届きます。
料金や特典については以下の通りです。
【企業定点観測サービス SAFETYの料金】
※1社につき調査問合票2枚で登録できます。
【企業定点観測サービス SAFETYの特典】
特典 | 内容 |
---|---|
新規企業登録時に調査済みの報告書コピーを依頼する場合 | 通常は調査問合票1枚で利用している調査後2ヶ月未満の最新調査報告書のコピーが、調査問合票0.5枚で利用可能。 |
SAFETYを40社以上登録する場合 | 1社27,000円 |
評点の調べ方④ 全国企業あれこれランキング
全国企業あれこれランキングとは、 年1回発行されている企業ランキングの決定版です。
帝国データバンクが保有している企業データベースに基づいて作成されており、業績数値や財務比例など企業の現在位置が把握できます。
売上高・売上高営業利益率・自己資本比率などの29種類のランキング形式になっているため、あらゆる企業の比較・検証、マーケティングにも最適な資料となります。
毎年10月に発刊されており、9,500円で購入可能です。(送料無料)
帝国データバンク発行の出版物なので書店では購入できないため、お求めの場合はこちらから問い合わせてくださいね。
帝国データバンクの評点と他社信用調査会社の評点を比較
帝国データバンクの評点と他社信用調査会社の評点を比較していきます。
信用調査会社 | 評点 |
---|---|
帝国データバンク | 最大100点満点で、A~Eの5段階で評価される |
東京商工リサーチ | 最大100点満点で、警戒不要~警戒までの5段階で評価される |
信用交換所 | 最大100点満点で、A~Eの5段階で評価される |
東京経済 | 最大100点満点で、50点未満になるとD1~D3で表示される |
金融工学研究所 | 評点はC1~C10の10段階で表示され、数字が大きくなるとリスクが高くなる |
AGS | 金融機関の融資審査ノウハウをベースに信用状態を9段階で格付けを行う Aモデル(財務情報)・Bモデル(企業情報)の2種類がある |
リスクモンスター | RM格付でA~Fの6段階に格付けを行っており、同時に想定倒産確率も算出している |
クレディセフ | スコア値1~100までがあり、5段階のリスクにわけて評価を行っている |
依頼をしたい人は各信用調査会社の評点の違いを把握し、それぞれ比較した上で企業や目的に合う信用調査会社を選んでいってください。
東京商工リサーチの評点
帝国データバンクの次にシェア率を誇る東京商工リサーチは、1982年8月に設立された老舗の信用調査会社です。
世界最大5億件超えの国内・海外の企業情報を提供しており、独自の採点基準で企業を評価しています。
項目 | 配点 | 評価内容 |
---|---|---|
経営者能力 | 20 | 資産担保余力、経営姿勢、事業経験 |
成長性 | 25 | 売上高伸長性、利益伸長性、商品市場性 |
安定性 | 45 | 業歴・自己資本、決済状況・金融取引、担保余力・取引関係 |
公開性・総合世評 | 10 | 資料公開状況総合世評 |
総合点 | 評価 |
---|---|
100~80 | 警戒不要 |
79~65 | 無難 |
64~50 | 多少注意 |
49~30 | 一応警戒 |
29以下 | 警戒 |
最大100点満点で評価が行われており、5段階の目安が設けられています。
信用交換所の評点
信用交換所は 大阪に本社を置く信用調査会社で繊維業界に特化しており、グループ会社が各地域にて活動を行っています。
信用交換所では6段階(A~E)の格付けに分類されて、対象企業の安定性や警戒度の評価をしています。
総合評価 | 総合点 | 安全度 |
---|---|---|
A | 100~86 | 警戒を要しない |
B | 85~70 | さしあたり警戒を要しない |
C | 69~65 | 多少注意を要する |
Da | 64~60 | 注意を要する |
Db | 59~55 | やや警戒を要する |
E | 54以下 | 警戒を要する |
さらに、信用交換所の公式サイトでは倒産情報を速報で提供しているため、同業者や取引先の倒産情報をいち早く得られます。
東京経済の評点
東京経済は 帝国データバンクと東京商工リサーチに次ぐ、国内で3番目にシェア率が高い信用調査会社です。
独自基準で最大100点満点の評価を行い、50点未満になるとD1・D2・D3で表示されます。
東京経済では定性データを重視している傾向にあり、決算書がよくても経営者の理念・論理、内部管理体制が伴わない場合は点数をつけていません。
定量データを重視する帝国データバンクとは違った評価基準のため、対象企業の経営者のデータを知りたい場合に適した信用調査会社と言えます。
金融工学研究所の評点
金融工学研究所では、 企業リスク情報を提供しています。
金融工学研究所の評点はC1~C10の10段階で表示されて、数字が大きくなればなるほどリスクが高くなる傾向にあります。
企業の規模や収益性、健全性や流動性、キャッシュフローなど多方面から高精度な評価を行っています。
AGSの評点
AGSは 東京商工リサーチの企業情報と財務情報に基づいて、金融機関の融資審査ノウハウをベースに信用状態を9段階で格付けしています。
財務情報で判定を行うAモデルと、企業情報で判定を行うBモデルの2種類があります。
Aモデルの場合はA1~A9と表示され、Bモデルの場合はB1~B9と表示されています。
数字が大きいほどリスクが高く、同時に格付けされる予測年間倒産率が1.00%~7.00%になると危ないと判断できます。
リスクモンスターの評点
リスクモンスターは 与信管理支援を提供している会社で、対象企業をA~Fの6段階に格付けしています。
RM格付 | 定義 | 想定倒産確率(年間) |
---|---|---|
A | 支払能力が非常に高い | 0.05~0.1% |
B | 支払能力が高い | 0.5~1.0% |
C | 支払能力は中程度 | 1.0~1.5% |
D | 将来の支払能力に懸念がある(取引には調査が必要) | 2.0~2.5% |
E1 | 将来の支払能力に懸念がある(取引には調査が必要) | 3.0% |
E2 | 将来の支払能力に懸念がある(取引には調査が必要) | 3.5% |
F1 | 通常取引不適格先(取引には十分な調査が必要) | 5.0% |
F2 | 通常取引不適格先(取引には十分な調査が必要) | 6.0% |
F3 | 通常取引不適格先(取引には十分な調査が必要) | 7.0% |
G | 判断不能先 | – |
A格の企業の倒産リスクは低く、F格以上になると倒産リスクが高い企業となります。
リスクモンスターの企業倒産に特化しており、約80万社の倒産実績に裏付けられた倒産判別力により精度の高い与信管理業務を実現できます。
クレディセイフの評点
クレディセイフは、 欧州の信用調査会社クレディッドセーフ・グループの日本法人です。
クレディセイフではスコア値が1~100まであり、5段階にわけて評価しています。
スコア値 | リスク評価 |
---|---|
71~100 | 非常に低いリスク |
51~70 | 低いリスク |
31~50 | 中程度のリスク |
0~30 | 高リスク |
E | 評価なし |
倒産確率を算出して評価しているため、対象企業が30点以下の場合はリスクの高い取引になるため注意が必要です。
クレディセイフでは、 31~50の中程度のリスクが最も平均的水準の評価と言えます。
帝国データバンクの評点に関するよくある質問
帝国データバンクの評点に関する質問を集めました。
- Q:帝国データバンクで評点が40点の企業が多いってほんと?
- Q:帝国データバンクで評点が30点台の企業は危ない?
- Q:帝国データバンクで評点の目安となるDやD1とはなんですか?
- Q:帝国データバンクで評点が60点以上の企業はトヨタ?
Q:帝国データバンクで評点が40点の企業が多いってほんと?
景気動向にも左右されますが、40点台の企業が最も多くなっています。
40点台は中小企業や社歴が浅い企業が該当するケースが多く、帝国データバンクでは40点台を平均的な基準と考えられています。
Q:帝国データバンクで評点が30点台の企業は危ない?
とくに35点以下になると債務超過や赤字などの問題を抱えているケースがあり、経営状態が悪いことを表しています。
取引先企業が35点以下の場合は、注意しながら取引を行うかどうか判断してくださいね。
Q:帝国データバンクで評点の目安となるDやD1とはなんですか?
D判定 | 点数 | リスクの度合い |
---|---|---|
D1 | 47~50 | 現状維持が精一杯 |
D2 | 44~46 | 手形割引がきかない |
D3 | 40~43 | 資本力が落ちている |
D4 | 36~39 | 危険 |
評価Dにあたる点数を細分化したのがD判定であり、取引先企業の経営状況をより把握できるようになっています。
Q:帝国データバンクで評点が60点以上の企業はトヨタ?
60点以上になると中小企業では難しく、トヨタなどの老舗の大企業が該当します。
帝国データバンクの評点 まとめ
- 帝国データバンクの評点は最大100点満点で、A~E評価の5段階にわけられる
- 帝国データバンクでは40点台が平均的な評点と言える
- 評点が51点以上になると優良企業の証になる
- 帝国データバンクで評点を調べるには各サービスへの申し込みが必要
- 評点が30点台になるとリスクのある取引と判断できる
帝国データバンクは徹底した現地調査と実績により、正確で精度の高いレポートを提供しています。
評点は100点満点ですが、老舗の大企業であっても100点をつけられることはないに等しいと言えます。
帝国データバンクでは40点台が平均的な基準であり、51点以上だと優良企業と判断できます。
そのため、取引先企業が40点台であれば比較的安定性のある企業と言えますが、35点以下の企業の場合は今後の取引についてよく考えてみてください。
また、 24時間対応・最短即日入金もできるので、資金繰りを改善したい人におすすめ!
→今すぐ事業資金を確保する
AGビジネスサポートのビジネスローンなら 最短即日で融資を受けられ、最大1,000万円まで借入が可能!
昨日は0人が事業資金の調達に成功しました。
今日は0人が事業資金の調達に成功しました。
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