【2025年】飲食店が活用できる給付金とは?国・自治体の支援制度や補助金・助成金一覧

飲食店が活用できる補助金や助成金、給付金は以下のとおりです。
- 小規模事業者持続化補助金(一般型)
- 雇用調整助成金
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 業務改善助成金
- 事業承継・引継ぎ補助金
- トライアル雇用助成金
他にも地方自治体が独自で運営している助成金や補助金などもありますので、ご自分が住んでいる、または飲食店を経営している自治体のホームページなどを探してください。
なお、それぞれの補助金や助成金、給付金は利用条件と金額、必要書類が異なるので、ホームページなどを見て確認することをおすすめします。
今回の記事では、飲食店が活用できる補助金や助成金、給付金の一覧と税金対策について解説します。
記事を読むことで、どの給付金や助成金、補助金を利用すれば良いかがわかりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
飲食店が活用できる補助金・助成金・給付金一覧
国による支援で飲食店が活用できる給付金・補助金はたくさんあります。
それぞれの制度を活用したい人はぜひ参考にしてみてください。
| 小規模事業者持続化補助金(一般型) | 雇用調整助成金 | 事業再構築補助金 | IT導入補助金 | ものづくり補助金 | 業務改善助成金 | 事業承継・引継ぎ補助金 | トライアル雇用助成金 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 対象者 | 常時使用する従業員数が5人以下の商業・サービス業など、小規模事業者。 | 雇用保険の適用事業主 | 中小企業・中堅企業(※新規の公募申請は終了) | 中小企業・小規模事業者等(幅広い業種が対象) | 中小企業・小規模事業者等 | 中小企業・小規模事業者 | 事業承継(親族内・第三者)・M&Aを予定または実施した中小企業等 | 雇用保険適用事業所の事業主 |
| 主な申請条件 | 最新の公募要領に記載の要件を満たす人。 ・資本金等の要件、課税所得の要件あり ・直近で持続化補助金(一般型・低感染リスク型など)に採択されていないこと |
以下の条件を満たす事業主が対象。(新型コロナ特例は終了) ・事業活動の縮小(生産量などが前年同期比10%以上減少) ・労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っていること |
(※新規の公募申請は終了) 最終公募(第13回)の主な要件: ・事業再構築指針に沿った取り組みを行うこと ・認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること |
・業種ごとの資本金や従業員数の表に該当すること ・労働生産性の伸び率の向上を達成すること ・gBizIDプライムを取得していること |
最新の公募要領の要件を満たすこと。(省力化枠の場合) ・3〜5年で大幅な賃上げに取り組む計画を作成すること ・革新的なサービス開発・生産プロセス改善のための設備投資等を行うこと |
以下の全てを満たすこと ・事業場内最低賃金を30円以上引き上げること ・生産性向上に資する設備投資等を行うこと ・賃金引き上げ計画を事前に提出すること |
(枠により異なる。専門家活用枠の場合) ・M&A支援機関登録制度に登録されたFA・仲介業者を利用すること ・M&Aの実施や経営資源の引継ぎを行うこと |
以下の全てを満たすこと(一般トライアルコース) ・ハローワーク等の紹介で雇い入れること ・原則3か月のトライアル雇用を行うこと ・対象労働者が安定した職業に就いていないなどの要件を満たすこと |
補助上限額・助成上限額 | 50万円 (インボイス特例等の要件を満たす場合、最大250万円まで上乗せの可能性あり) |
1人1日あたり8,870円 (教育訓練を実施した場合など加算措置あり) |
(※新規の公募申請は終了) 最終公募(第13回)通常枠の場合: 従業員20人以下:100万~2,000万円 従業員51人以上:100万~6,000万円 |
プロセス数が1~3つの場合:5万~150万円 4つ以上の場合:150万~450万円 |
750万円~4,000万円 (大幅賃上げ特例などで上乗せあり) |
最大600万円 (引上げ人数、引上げ額、事業場規模等により異なる) |
(枠により異なる。専門家活用枠:M&A成約時) 最大600万円 (賃上げを実施する場合、800万円まで拡充) |
対象者1人あたり月額最大4万円 (最長3カ月間。母子・父子家庭の父等の場合は月額最大5万円) |
| 申請方法 | 電子申請または郵送 | 事業所の所在地を管轄している都道府県労働局もしくはハローワークへ郵送 | 電子申請のみ(※新規の公募申請は終了) | 電子申請のみ | 電子申請(jGrants)のみ | 郵送または持参 | 電子申請(jGrants)のみ | 事業所の所在地を管轄するハローワークへ提出 |
- 小規模事業者持続化補助金(一般型)
- 雇用調整助成金
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 業務改善助成金
- 事業継承・引継ぎ補助金
- トライアル雇用奨励金
小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者を対象とした制度です。
経営計画に基づいた販路開拓の取り組みや、業務効率化を図るための費用などを補助 しています。
上限は通常枠で50万円ですが、インボイス(適格請求書発行事業者)への登録を行う事業者には50万円の上乗せがあります。
補助対象経費の3分の2の補助を受けることが可能です。
どのような費用が補助の対象になるのか判断が難しいという人もいるかもしれません。
例えば「新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等」が挙げられています。
飲食店になると、POSレジなどのITシステムの導入、ホームページ作成、チラシ作成、店舗改装費用などが補助対象となることがあるので確認してみてください。
小規模事業者持続化補助金の申請は事業所のある地域を管轄する商工会議所または商工会に相談しなければいけない点には注意が必要です。
雇用調整助成金
「雇用調整助成金」は、休業手当などの従業員に支払うべきお金の一部を助成する制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響で設けられた特例措置は令和5年3月31日をもって終了しています。
現在は、 売上高などの指標が前年同期に比べて10%以上減少しているなどの要件を満たす事業主が対象 です。
雇用調整助成金の申請は、労働者と申請者の間で休業の具体的な内容を検討し協定を結んでから実施。
その後、事業所のある地域を管轄する都道府県労働局やハローワークで手続きを行わなければなりません。
休業手当を支払うタイミングと雇用調整助成金を受け取るタイミングにずれが生じる可能性があるため注意が必要です。
制度の詳しい内容や申請の手続きについて分からないことや疑問ができた際は、各都道府県の労働局やハローワークに確認してみてください。
事業再構築補助金
中小企業の事業再構築を支援する制度を「事業再構築補助金」といいます。
しかし、こちらの制度は令和7年3月31日をもって新規の公募申請を終了しています。
現在、事業再構築を目指す事業者は「中小企業新事業進出促進補助金」などの後継となる新たな支援制度の情報を確認してください。
ウェブサイトに公開されている採択事例を参考にすると、制度をもっと身近に感じられ申請しやすくなるのでおすすめです。
・事業再編
・業種転換
・事業転換
・業態変換
IT導入補助金
事業の課題を解決するために、ITツールを導入した中小企業や小規模事業者を対象としてその費用を補助する制度 のことをいいます。
・POSレジ
・セルフオーダーシステム
・請求システムなどを導入する など
IT導入補助金には「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」「インボイス枠」など複数の枠があります。
- ITツールを導入する経費の一部を補助(A類型:30万円以上150万円未満、B類型:150万円以上450万円以下)
- 補助率は原則1/2
- 情報セキュリティーに関する事故や攻撃で継続が困難になることを回避する目的
- セキュリティーサービス利用料2分の1で最大100万円まで
- 最長2年間補助
- インボイス制度への対応を見据えた、会計・受発注・決済・ECなどのソフトウエア導入経費を補助
- PCやタブレットなどのハードウェア購入費用も対象となる点が特徴
飲食業に関係している中小企業・小規模事業者であれば、導入するITツールの目的や機能に応じてどの枠でも申請が可能です。
申請する際は、事業に必要な金額や、インボイス対応といった目的に応じてどの枠にするかを選択してください。
大企業の子会社など、一部の法人は対象外になる場合があるので注意が必要です。
また、対象の業種はたくさんありますが、業種ごとに補助の対象となる資本金や従業員の規定がある点にも注意が必要です。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、中小企業・小規模事業者などが、革新的なサービスの開発や試作品開発などに必要な設備投資を支援する制度。
補助上限額は枠によって変わりますが、 750万円〜最大4,000万円超とかなり大規模 です。
申請の大きな要件のひとつに、3〜5年間の事業計画期間で給与支給総額を年で平均1.5%以上増加させるなどが含まれています。
採択事例には、飲食店のセントラルキッチン化や、AIを活用した需要予測システムの導入などがよく見られるので、参考にしてみてください。
業務改善助成金
事業場内で最も低い賃金を引き上げ、同時に生産性向上に資する設備投資などを行った中小企業・小規模事業者に対して、その費用の一部を助成する制度です。
最低賃金の引き上げを目的としており、事業場内最低賃金を30円以上引き上げ、その引き上げ人数に応じてかかった設備投資費などを助成 しています。
上限額は、引き上げ額や引き上げの人数によって異なりますが、最大600万円です。
・POSレジや券売機(セルフオーダーシステム含む)の導入費用
・高性能な調理器具の導入費用
・専門家によるコンサルティング費用
申請の際には、事前に事業場内最低賃金の引き上げ計画と業務改善計画を労働局に提出しなければなりません。
また、賃上げと設備投資の実施も助成金の交付決定を受けてからする必要があります。
事業継承・引継ぎ補助金
事業承継やM&Aをきっかけに、新たな取り組みを行う、または廃業を行う中小企業・小規模事業者を支援する制度を事業継承・引継ぎ補助金といいます。
特に 専門家活用枠においては、M&A成約時にかかる費用を最大600万円まで補助 してくれます。
トライアル雇用奨励金
職業経験やスキルなどから安定的な就職が難しい求職者を、ハローワークなどの紹介で原則3か月間試行的に雇用する事業主に対して助成する制度のこと。
求職者の適性や能力を見極め、企業と求職者のミスマッチを防ぐことが目的です。
助成額は、対象者1人当たり月額最大4万円で最長3カ月間です。
母子家庭の母や父子家庭の父などの場合については、月額最大5万円に増額 されます。
トライアル雇用が終わった後に、期間の定めのない雇用へ移行するかどうかを判断することができます。
これによって、採用時のリスクを抑えながら企業のニーズに合った人材を慎重に見極めることが可能です。
申請は、事業所の所在地を管轄するハローワークで行ってください。
厳しい飲食店が活用したい公的制度
厳しい飲食店が活用したい公的制度を2つご紹介します。
経営が厳しいと感じている経営者の方はぜひ参考にしてください。
- 国税納付の猶予制度
- 新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付
国税納付の猶予制度
以前は、新型コロナウイルス感染症の影響に対応するための特例猶予制度がありましたが、現在ではすでに終了しています。
今のところ納税者が利用できるのは、以下の通常の二つの猶予制度です。
新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付
新型コロナウイルスの影響を受けている事業の再構築や再編に果敢に挑戦する中小企業や小規模事業者を支援するために、日本政策金融公庫が実施していた融資制度です。
現在は、新型コロナウイルス感染症対策としての融資期間は終了しています。
もしも、事業再構築や財務強化のための融資を探している場合は、 日本政策金融公庫が提供している「挑戦支援資本強化特例制度」などがおすすめ です。
飲食店の給付金には税金がかかるので注意
資金繰りのために飲食店の給付金などの申請をした場合は、税金がかかるという点に注意しなければなりません。
新型コロナウイルス感染症の影響で「持続化給付金」や「雇用調整助成金」などの申請を行った際には、基本的に全てが課税対象となり確定申告で収入の扱いにする必要があります。
通常の飲食店での売上(収入)は、かかった経費を引いた金額が課税対象となるため、売上全てに課税されることはありません。
しかし、給付金や助成金は実際に経費がかからずに利益としてもらっているため、全てが課税の対象となるのです。
所得税や住民税、事業税などがかかるだけでなく国民健康保険にも関わってくるため注意してください。
ただし、 お店の利益が大幅に赤字である場合は、給付金をもらっていても課税されない場合があります。
売上がなく利益がマイナスの飲食店の中には、給付金をもらっても最終的な売上がマイナスのままになることもあり、このような場合には税金はかかりません。
そのため、給付金や助成金などをもらう際は、確定申告で困らないようどのように処理をするのかをしっかりと理解しておくことが重要です。
飲食店の給付金にかかる税金対策
新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少した飲食店などには、売上の補填を目的とした協力金や支援金、給付金等があります。
従業員が多いお店や、1日の売上が多かったお店などでは、給付金をもらっても足りないことが多く十分ではないケースも少なくありません。
しかし、金額に関わらず協力金や給付金を受け取った際には、所得税や法人税の課税対象となることは理解しておく必要があります。
そこで、飲食店の給付金にかかる税金対策を3つご紹介します。
税金を減らしてお金を手元に残しておきたいと考えている人は、節税の具体的な方法をしっかりと確認して対策をしてみてください。
- 必要な消耗品の購入や修繕を年内に行う
- 税率を下げる中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)の活用
- 短期前払費用の特例を活用する
必要な消耗品の購入や修繕を年内に行う
税金対策として一番知られている方法は、年内に必要な消耗品の購入や修繕を行うことです。
必要な消耗品を購入することや、壊れたものを直すことは必要経費にあたります。
このような必要経費を増やせば、所得が減ることとなり節税に繋がるのです。
ただし、修繕をする際には、現状が変わらない程度の修繕にとどめるように注意してください。
あまりにも大きな修繕をしてしまうと、減価償却の対象となる可能性が高まります。
重要なのは、必要なものを購入したり必要な場所を直したりすることで、節税をしたいがために不必要なものを購入するのは無駄使いになってしまいます。
購入や修繕を行う場合には、減価償却の対象にならないかなどもしっかりと確認することが重要です。
税率を下げる中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)の活用
中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)とは、取引先が倒産したなど不測の事態に陥った際に、中小企業が連鎖倒産するのを防ぐための制度です。
制度を活用することで、必要となる事業資金を速やかに借入することができます。
しかし、個人事業主などによっては、協力金や給付金をもらったことで例年より所得税の税率が上がってしまうケースも少なくありません。
所得税は、利益が大きくなればなるほど税率が上がる「累進課税率」を適用しているため、例年に比べて税率が上がる可能性がある場合に活用するのがおすすめの制度です。
中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)を利用することで、所得を将来に延ばすことができるため税率を下げることが可能です。
掛金の変更も比較的簡単に行えるので、資金繰りが大変な時でも安心して利用ができます。
ただし、解約の際には雑所得として課税対象になる点や40ヶ月未満で解約すると元本割れする点には注意してください。
短期前払費用の特例を活用する
短期前払費用の特例とは、家賃や会費などの毎月継続的に発生する費用を1年間分を一括して前払いする方法です。
決算の日までに来年度の分もまとめて一括で支払うことで、経費の先取りができるようになります。
決算日までに駆け込みで車の購入などをしても減価償却の対象になり、1月分の減価償却費用しか計上できないため節税効果が期待できません。
短期前払費用の特例を活用して家賃などを一括で支払うと、前もって支払うことで経費にできるため、節税効果を高めることが可能です。
ただし、家賃の前払いで一度活用すると税務上の否認のリスクが伴うため、毎年前払いをしなければなりません。
かなり大きな支出を一括で支払うことになるので、資金繰りが悪化しないように十分に検討した上で活用するようにしてください。
もらいすぎ?給付金バブル(協力金バブル)について
新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、緊急事態宣言の際には時短要請に協力する飲食店に対しては、給付金や協力金が支払われました。
しかし、飲食店への給付金や協力金についてはさまざまな問題が浮き彫りとなり「給付金バブル・協力金バブル」などの言葉が生まれ、公平さに欠ける施策であったといえます。
一律で6万円を支給していましたが、この金額では足りない飲食店も多く経営が厳しいお店も相次ぎました。
その後、 国は方針を変更し売上の減少に応じて支給額の幅を持たせるようになります。
飲食店の時短営業など経営者にとって厳しい経営状況のお店もあるなか、協力金をもらいすぎてコロナ前よりも利益がでているお店も多く存在することとなり、支給し続ける国の方針に疑問の声も。
倒産に追い込まれる経営者と、給付金バブルで利益がでて新たな店舗を出す人などの大きな差ができただけでなく、飲食店を支える生産先や仕入れ先まで支援が届いていなかった点も大きな問題といえます。
支払われた協力金に関しては店ごとに大きなバラツキがあり、給付金バブルにどの飲食店も翻弄されたコロナ渦となりました。
飲食店の給付金 まとめ
新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食店は時短営業や休業を余儀なくされました。
その結果従業員の解雇や、店自体を閉めることになった飲食店も多いです。
そんな資金繰りの厳しい飲食店に対して、国や地方自治体から補助金や助成金などの給付金が用意されています。
しかし、制度自体を知らなかったり申請の仕方に迷ったりしている経営者も少なくありません。
申請の対象や上限額などは制度によって異なるため、まずは国や地方自治体ごとの制度を確認してみてください。
さまざまな支援策を有効に活用することで、経営が厳しくなった飲食店の活力に繋げることができます。
昨日は0人が資金調達チェックの無料診断をしました。
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