飲食店が活用できる給付金とは?国・自治体の支援金や補助金・助成金と税金対策、給付金バブルについて
この記事では、上記のような疑問・お悩みを解決します。
新型コロナウイルス感染症が流行し、その影響で時短営業や休業をしなければならなかった飲食店が数多くあります。
外出自粛などの要請はなくなったものの、いまだに客足が戻らない、資金調達が難しいとさまざまな悩みを抱えている飲食店は多いです。
飲食店が活用できるさまざまな補助金や助成金がありますが、国や自治体ごとで異なっており少し複雑なものも多くあります。
そもそも補助金や助成金の存在を知らない飲食店経営者や、対象なのか分からずに申請を迷っている経営者も少なくありません。
そこで今回は、飲食店が活用できる国や自治体の補助金や助成金について、税金対策と合わせて詳しく解説します。
飲食店の補助金や助成金などについて理解を深めたい人は、ぜひ参考にしてみてください。
- 国や地方自治体ごとでさまざまな制度がある
- 制度によって対象者や上限などが異なる
- 飲食店の給付金は課税対象となる
- 節税対策をすることで給付金に課せられる税金を減らすことも可能
目次
【国からもらえる】飲食店が活用できる給付金・補助金
国による支援で飲食店が活用できる給付金・補助金は4つあります。
それぞれの制度を活用したい人はぜひ参考にしてみてください。
小規模事業者持続化補助金(一般型) | 雇用調整助成金 | 事業再構築補助金 | IT導入補助金 | |
---|---|---|---|---|
対象者 | 常時使用する従業員の数が5人以下の商業・サービス業。 | 全ての業種の事業主 | 中小企業 | 中小企業・小規模事業者等(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象) |
申請条件 | 以下の全ての要件を満たす人。 ・資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%株式が保有されていない ・直近過去3年分の各年又は各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていない ・本補助金の受付締切日の前10か月以内に、持続化補助金(一般型、低感染リスク型ビジネス枠)で採択されていない |
以下の条件を満たす全ての業種の事業主が対象となる。 ・新型コロナウイルス感染症の影響により経営環境が悪化し、事業活動が縮小している。 ・最近1か月間の売上高または生産量などが前年同月比5%以上減少している。 ・労使間の協定に基づき休業などを実施し、休業手当を支払っている。 |
(通常枠の場合) ・2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月間の合計売上高が、コロナ以前(2019年または2020年1〜3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少していること。 ・事業再構築指針に沿った、新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編に取り組んでいること。 ・認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること。 |
・業種ごとの資本金や従業員数の表に該当するもの ・交付申請時点において、日本国において登録されている個人または法人であり、日本国内で事業を行っていること。 ・交付申請の直近月において、申請者が営む事業場内最低賃金が法令上の地域別最低賃金以上であること。 ・gBizIDプライムを取得していること。 |
補助上限額・助成上限額 | 50万円 | 1人1日あたり1万5,000円 | 従業員20人以下:100万~2,000万円 従業員21~50人:100万~4,000万円 従業員51~100人:100万~6,000万円 従業員101人以上:100万~8,000万円 |
プロセス数が1つ以上の場合:30万~150万円 4つ以上の場合:150万~450万円 |
申請方法 | 電子申請または郵送 | 事業所の所在地を管轄している都道府県労働局もしくはハローワークへ郵送 | 電子申請のみ | 電子申請のみ |
- 小規模事業者持続化補助金(一般型)
- 雇用調整助成金
- 事業再構築補助金
- IT導入補助金
小規模事業者持続化補助金(一般型)
小規模事業者持続化補助金は、特定非営利活動法人や小規模事業者を対象としている支援制度です。
業務の効率化を図るための取り組みや、経営計画に基づく販路開拓などの費用についての補助が受けられます。
上限は50万円で、補助対象経費の3分の2の補助を受けることが可能です。
どのような費用が補助の対象になるのか判断が難しい人もいるかもしれません。
小規模事業者持続化補助金のサイトでは、適用例として「新たな市場への参入に向けた売り方の工夫や新たな顧客層の獲得に向けた商品の改良・開発等」と記載されています。
その中で、飲食店の業務の効率化としてはPOSレジなどのITシステムの導入などが挙げられています。
そのほかサイト内では、飲食店の申請例として、経営計画書兼補助事業計画書と補助事業計画書についても公開されているので、申請書の作成が不安な人はぜひ参考にしてみてください。
小規模事業者持続化補助金の申請で注意しなければならないことは、事業所のある地域を管轄する商工会議所に相談する必要があることです。
個別の相談会などを実施している商工会議所もあり、相談後は事業支援計画書などの書類を発行してもらわなければなりません。
分からないことや申請で困ったことがあれば、まず商工会議所に連絡することをおすすめします。
雇用調整助成金
「雇用調整助成金」は、休業手当などの従業員に支払うべきお金の一部を助成する制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響で設けられた助成金ですが、2022年12月以降は通常制度となりました。
助成の上限額は減額しましたが、雇用調整助成金のコロナ特例を利用したことのある事業所や経営状況の厳しい事業者には経過措置が取られます。
資金繰りが厳しい飲食店などは、要件をしっかり確認して該当する可能性がないか確認するようにしてください。
雇用調整助成金の申請は、労働者と申請者の間で休業の具体的な内容を検討し協定を結んでから休業を実施します。
その後、事業所のある地域を管轄する都道府県労働局やハローワークで手続きを行わなければなりません。
支給は手続き後すぐに行われるのではなく、労働局が申請の内容を審査してからです。
休業手当を支払うタイミングと雇用調整助成金を受け取るタイミングにずれが生じる可能性があるため注意が必要です。
制度の詳しい内容や申請の手続きについて分からないことや疑問ができた際は、各都道府県の労働局やハローワークに確認してみてください。
事業再構築補助金
中小企業の事業再構築を支援する制度を「事業再構築補助金」といいます。
これからコロナと共に共存していく社会の中で、経済的・社会的に変化して対応して行こうと取り組む事業者を応援するために設けられました。
具体的に新規分野の開拓や事業転換などが挙げられている点や、複数の応募枠があり企業の規模によって補助金や補助率が異なっている点が特徴的です。
補助金の額も100万円単位から数千万円までと幅広く設定されています。
事業再構築というと大掛かりな構造転換をイメージする人が多く、補助額も大きいため申請することを不安に感じる人も少なくありません。
しかし、実際に補助金を受け取った事例には「飲食店経営からキッチンカーへの再構築したお店」や「小さな飲食店からお菓子のテイクアウト事業へ」などがあります。
ウェブサイトに公開されている採択事例を参考にすると、制度をもっと身近に感じられ申請しやすいかもしれません。
・事業再編
・業種転換
・事業転換
・業態変換
IT導入補助金
事業の課題を解決するために、ITツールを導入した中小企業や小規模事業者を対象としてその費用を補助する制度を「IT導入補助金」といいます。
・POSレジ
・セルフオーダーシステム
・請求システムなどを導入する など
IT導入補助金には「通常枠」「セキュリティ対策推進枠」「デジタル化基盤導入枠」があります。
- ITツールを導入する経費の一部を補助
- A類型とB類型の2種類があり補助率は2分の1
- A類型は30万円以上150万円未満
- B類型は150万円以上450万円以下
- 情報セキュリティーに関する事故や攻撃で継続が困難になることを回避する目的
- セキュリティーサービス利用料2分の1で最大100万円まで
- 最長2年間補助
- デジタル化基盤導入類型・複数社連携IT導入類型の2種類
- 決済ソフトやECソフトなどの経費を一部補助
- デジタル化基盤導入枠はPCやタブレットなどの購入費用も対象
3つの枠が定められていますが、飲食業に関係している中小企業・小規模事業者であればどの枠でも申請が可能です。
申請する際は、事業に必要な金額などに応じてどの枠にするかを選択してください。
ただし、大企業の子会社は、対象外になる場合があるので注意しなければなりません。
また、対象の業種はたくさんありますが、業種ごとに補助の対象となる資本金や従業員の規定がある点にも注意が必要です。
例えば、サービス業や小売業などは資本金が5,000万円以下ですが、従業員数は、サービス業が100人、小売業が50人以下となっています。
助成の対象がよく分からない場合は、IT導入補助金のウェブサイトで質問や回答が公開されているので参考にしてみてください。
飲食店が活用できる地方自治体の給付金・補助金
飲食店が活用できる地方自治体からの給付金・補助金も、いくつかの種類があります。
それぞれの制度をしっかりと理解して、活用する際に役立ててください。
【東京都】業態転換支援事業 | 【東京都】中小企業等による感染症対策助成事業 | 【東京都】飲食事業者向け経営基盤強化支援事業 | 【北海道】札幌市小規模事業者持続化サポート補助金 | 【福井県】新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金 | 【大阪府】大阪府スキルアップ支援金 | |
---|---|---|---|---|---|---|
限度額 | 100万円 | 10万〜200万円(コースによる) | 200万円 | 62,500円または125,000円(交付決定額による) | 1億円 | 限度額なし |
助成率/補助率 | 助成対象経費の4/5以内(千円未満切り捨て) | 2/3以内〜4/5以内(コースによる) | 2/3 | 補助対象経費の1/12 | ー(融資) | 受講費用の1/2 |
申請受付期間 | 【第26回】2023年1月1日(日)~2023年3月31日(金)※当日消印有効 | 【郵送】2022年1月4日(火)~2023年3月31日(金)※当日消印有効 【電子申請】2022年1月21日(金)~2023年3月31日(金)23時59分まで |
【第10回】2023年3月1日(水)~2023年3月28日(火) | 2023年3月31日(金)まで | 2022年4月1日(金)~2023年3月31日(金) | 2023年1月10日(火)〜2024年2月29日(木)まで |
- 【東京都】業態転換支援事業
- 【東京都】中小企業等による感染症対策助成事業
- 【東京都】飲食事業者向け経営基盤強化支援事業
- 【北海道】札幌市小規模事業者持続化サポート補助金
- 【福井県】新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金
- 【大阪府】大阪府スキルアップ支援金
【東京都】業態転換支援事業
新型コロナウイルス感染症の流行によって、売上が大きく落ちた都内の中小飲食事業者を対象とした制度です。
新たにテイクアウトや宅配、移動販売などをはじめることで売上を確保しようとする取り組みに対して、経費の一部を助成してくれます。
制度を活用する際には、事前に「簡易確認シート」を利用して対象者かどうかを調べておくとスムーズです。
助成の対象経費となるのは、テイクアウトや宅配の告知をするための看板代やチラシや宅配に利用するバイクのレンタル料などです。
ただし、チラシの作成に必要なパソコンやプリンターなどは助成対象とならないので注意してください。
また、交付決定から支払いまでは4ヶ月ほどかかるため、すぐに助成金は入りません。
その点も踏まえて計画的に申請を行う必要があります。
【東京都】中小企業等による感染症対策助成事業
東京都の中小企業において、感染防止対策としてガイドライン等に沿った取り組みを行う際に支援する助成事業のことを「中小企業等による感染症対策助成事業」といいます。
この事業には「備品購入、内装・設備工事コース」と「消耗品購入コース」の2種類があります。
それぞれ対象となる取り組みの内容や対象者、経費、助成限度額等が異なるため区分をしっかりと確認するようにしてください。
「備品購入、内装・設備工事コース」の主な助成対象経費は、備品の購入費と内装・設備工事費です。
助成の限度額は最大200万円までで、助成率は2/3以内となっています。
「消耗品購入コース 」の主な助成対象経費は、指定する消耗品の購入費とされており、アクリル板や消毒液、ビニールシートなどが該当します。
助成限度額は10万円で、助成率は2/3もしくは4/5以内です。
限度額が10万円ということもあり、指定する消耗品の購入額も1点あたり単価が10万円(税抜)未満のものしか経費の対象にならないので注意してください。
【東京都】飲食事業者向け経営基盤強化支援事業
「飲食事業者向け経営基盤強化支援事業」とは、新型コロナウイルス感染症の行動制限の緩和に伴って、飲食事業を本格的に再開することを検討している事業者を対象とした制度です。
「専門家派遣支援」と「助成金支援」の二段階に分かれて支援が行われます。
まずは、専門家派遣支援として、飲食業界の専門家が飲食事業者に派遣されて現地調査や助言を行います。
それから、専門家の助言を受けて基盤強化のための経費の一部の助成が行われる仕組みです。
専門家による助言は無料で、専門家派遣支援を受けた事業者のみが助成金を申請できるため、専門家派遣支援は必ず受けなければなりません。
助成の対象となるのは、厨房機器の購入費用や広告などの宣伝費用などいくつかあり、助成限度額は200万円、助成率は2/3以内となっています。
飲食事業者向け経営基盤強化支援事業は、取組を実施してから実績報告書類の提出、完了検査への対応、請求書の提出などが必要です。
そのため、交付決定から助成金支払までは5ヶ月ほどの時間がかかる点には注意してください。
書類等に不備や不足があったり内容に問題があったりすれば、さらに時間がかかる場合も十分に考えられます。
【北海道】札幌市小規模事業者持続化サポート補助金
北海道の「札幌市小規模事業者持続化サポート補助金」は、国による「小規模事業者持続化補助金」に申請もしくは採択された事業者を対象としている制度です。
札幌市が上乗せ補助をする制度のため、交付額が決まって精算払請求書を提出した後でしか申請することができません。
対象者は細かく定められており、以下の通りです。
・2020~2021年度中に、小規模事業者持続化補助金(コロナ特別対応型)の交付を受けた事業者
・2021~2022年度中に、小規模事業者持続化補助金(低感染リスク型ビジネス枠)の交付を受けている事業者
一般型の場合は全採択者が上乗せの対象ではなく、採択審査時に「新型コロナウイルス感染症加点」の付与を希望した事業者のみとなるため注意が必要です。
また、第3回締切分以降も対象とはならないため、しっかりと確認しておいてください。
札幌市小規模事業者持続化サポート補助金の上限額は、事業再開枠を除いた小規模事業者持続化補助金の交付決定額によって異なり、50万円以下の場合は62,500円、50万超の場合は125,000円です。
それぞれの金額は交付額ではなく「上限額」として示されている金額のため、間違えないように注意してください。
【福井県】新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金
新型コロナウイルス感染症などで、売上などが減少した中小企業や小規模事業者に対して融資を行い資金繰りを支援する制度です。
新型コロナウイルス感染症の影響で、積み上がった債務の返済負担が見込まれる中、前向きな取り組みに対して資金調達を行うことで経営の安定や収益力の改善を目的としています。
対象者は、福井県内で3ヶ月以上継続して事業を営む中小企業で、以下のいずれかに該当する場合のみです。
・保険法第2条第5項第5号の規定による認定を受けている
・次の①または②ⅰからⅵのいずれかに該当すること
①最近1か月間の売上高が前年同月の売上高と比較して5%以上減少している
②ⅰ最近1か月間の売上高総利益率が前年同月の売上高総利益率と比較して5%以上減少している
ⅱ最近1か月間の売上高総利益率が直近決算の売上高総利益率と比較して5%以上減少している
ⅲ直近決算の売上高総利益率が直近決算前期の売上高総利益率と比較して5%以上減少している
ⅳ最近1か月間の売上高営業利益率が前年同月の売上高営業利益率と比較して5%以上減少している
ⅴ最近1か月間の売上高営業利益率が直近決算の売上高営業利益率と比較して5%以上減少している
ⅵ直近決算の売上高営業利益率が直近決算前期の売上高営業利益率と比較して5%以上減少している
1企業あたりの融資限度額は1億円で、該当する融資対象者によって経営の安定に必要な「事業資金」か借換資金を含む「事業資金」かに分かれます。
新型コロナウイルス感染症・物価高騰伴走支援資金については、助成金や補助金ではなく融資のため担保や保証人が必要です。
保証人については原則として連帯保証人を取り立てることはなく、法人代表者のみで申請できます。
【大阪府】大阪府スキルアップ支援金
「大阪府スキルアップ支援金」は、離職(求職)期間が長引いている人または非正規雇用で長期間働いている人などを対象とした支援金です。
指定の教育訓練講座を受講修了した場合に、その講座受講費の1/2を支給して、スキルアップを通して転職や就職を支援することを目的としています。
- ITパスポート
- 医療事務
- 大型や中型の免許
- ケアマネージャー
- 宅地建物取引士
仮に資格を取得することができなくても、講座自体が終了すれば支給が可能なため心配がありません。
対象となるのは、教育訓練給付制度の対象外になる大阪府民や1年以上仕事を探しているなど、いくつかの要件があるため申請する前に確認しておくとスムーズです。
支給額は入学金や受講料を合わせた受講費用の半分が対象となりますが、検定試験の受験料など対象にならないものも多くあるので前もって確認しておくと安心です。
また、大阪府スキルアップ支援金は正社員として就職を目指す人を対象としているため、パートやアルバイトを希望している人は支給対象者には該当しないので注意してください。
飲食店の給付金には税金がかかるので注意
資金繰りのために飲食店の給付金などの申請をした場合は、税金がかかるという点に注意しなければなりません。
新型コロナウイルス感染症の影響で「持続化給付金」や「雇用調整助成金」などの申請を行った際には、基本的に全てが課税対象となり確定申告で収入の扱いにする必要があります。
通常の飲食店での売上(収入)は、かかった経費を引いた金額が課税対象となるため、売上全てに課税されることはありません。
要するに、売上が1000万円あっても200万円の原価や100万円の家賃など、経費がそれぞれかかっていれば、1000万円ー(200万円+100万円)=700万円となり、700万円に税金が課されていました。
しかし、給付金や助成金は実際に経費がかからずに利益としてもらっているため、全てが課税の対象となるのです。
所得税や住民税、事業税などがかかるだけでなく国民健康保険にも関わってくるため注意してください。
ただし、 お店の利益が大幅に赤字である場合は、給付金をもらっていても課税されない場合があります。
売上がなく利益がマイナスの飲食店の中には、給付金をもらっても最終的な売上がマイナスのままになることもあり、このような場合には税金はかかりません。
そのため、給付金や助成金などをもらう際は、確定申告で困らないようどのように処理をするのかをしっかりと理解しておくことが重要です。
飲食店の給付金にかかる税金対策
新型コロナウイルス感染症の影響で売上が減少した飲食店などには、売上の補填を目的とした協力金や支援金、給付金等があります。
従業員が多いお店や、1日の売上が多かったお店などでは、給付金をもらっても足りないことが多く十分ではないケースも少なくありません。
しかし、金額に関わらず協力金や給付金を受け取った際には、所得税や法人税の課税対象となることは理解しておく必要があります。
そこで、飲食店の給付金にかかる税金対策を3つご紹介します。
税金を減らしてお金を手元に残しておきたいと考えている人は、節税の具体的な方法をしっかりと確認して対策をしてみてください。
- 必要な消耗品の購入や修繕を年内に行う
- 税率を下げる中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)の活用
- 短期前払費用の特例を活用する
必要な消耗品の購入や修繕を年内に行う
税金対策として一番知られている方法は、年内に必要な消耗品の購入や修繕を行うことです。
必要な消耗品を購入することや、壊れたものを直すことは必要経費にあたります。
このような必要経費を増やせば、所得が減ることとなり節税に繋がるのです。
ただし、修繕をする際には、現状が変わらない程度の修繕にとどめるように注意してください。
あまりにも大きな修繕をしてしまうと、減価償却の対象となる可能性が高まります。
重要なのは、必要なものを購入したり必要な場所を直したりすることで、節税をしたいがために不必要なものを購入するのは無駄使いになってしまいます。
購入や修繕を行う場合には、減価償却の対象にならないかなどもしっかりと確認することが重要です。
税率を下げる中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)の活用
中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)とは、取引先が倒産したなど不測の事態に陥った際に、中小企業が連鎖倒産するのを防ぐための制度です。
制度を活用することで、必要となる事業資金を速やかに借入することができます。
しかし、個人事業主などによっては、協力金や給付金をもらったことで例年より所得税の税率が上がってしまうケースも少なくありません。
所得税は、利益が大きくなればなるほど税率が上がる「累進課税率」を適用しているため、 例年に比べて税率が上がる可能性がある場合に活用するのがおすすめの制度です。
中小企業倒産防止共済(セーフティ共済)を利用することで、所得を将来に延ばすことができるため税率を下げることが可能です。
掛金の変更も比較的簡単に行えるので、資金繰りが大変な時でも安心して利用ができます。
ただし、解約の際には雑所得として課税対象になる点や40ヶ月未満で解約すると元本割れする点には注意してください。
短期前払費用の特例を活用する
短期前払費用の特例とは、家賃や会費などの毎月継続的に発生する費用を1年間分を一括して前払いする方法です。
決算の日までに来年度の分もまとめて一括で支払うことで、経費の先取りができるようになります。
決算日までに駆け込みで車の購入などをしても減価償却の対象になり、1月分の減価償却費用しか計上できないため節税効果が期待できません。
短期前払費用の特例を活用して家賃などを一括で支払うと、前もって支払うことで経費にできるため、節税効果を高めることが可能です。
ただし、家賃の前払いで一度活用すると税務上の否認のリスクが伴うため、毎年前払いをしなければなりません。
かなり大きな支出を一括で支払うことになるので、資金繰りが悪化しないように十分に検討した上で活用するようにしてください。
もらいすぎ?給付金バブル(協力金バブル)について
新型コロナウイルス感染症の影響が続くなか、緊急事態宣言の際には時短要請に協力する飲食店に対しては、給付金や協力金が支払われました。
しかし、飲食店への給付金や協力金についてはさまざまな問題が浮き彫りとなり「給付金バブル・協力金バブル」などの言葉が生まれ、公平さに欠ける施策であったといえます。
一律で6万円を支給していましたが、この金額では足りない飲食店も多く経営が厳しいお店も相次ぎました。
その後、国は方針を変更し売上の減少に応じて支給額の幅を持たせるようになります。
飲食店の時短営業など経営者にとって厳しい経営状況のお店もあるなか、協力金をもらいすぎてコロナ前よりも利益がでているお店も多く存在することとなり、支給し続ける国の方針に疑問の声も。
倒産に追い込まれる経営者と、給付金バブルで利益がでて新たな店舗を出す人などの大きな差ができただけでなく、飲食店を支える生産先や仕入れ先まで支援が届いていなかった点も大きな問題といえます。
支払われた協力金に関しては店ごとに大きなバラツキがあり、給付金バブルにどの飲食店も翻弄されたコロナ渦となりました。
飲食店の給付金 まとめ
新型コロナウイルス感染症の影響で、飲食店は時短営業や休業を余儀なくされました。
その結果従業員の解雇や、店自体を閉めることになった飲食店も多いです。
そんな資金繰りの厳しい飲食店に対して、国や地方自治体から補助金や助成金などの給付金が用意されています。
しかし、制度自体を知らなかったり申請の仕方に迷ったりしている経営者も少なくありません。
申請の対象や上限額などは制度によって異なるため、まずは国や地方自治体ごとの制度を確認してみてください。
さまざまな支援策を有効に活用することで、経営が厳しくなった飲食店の活力に繋げることができます。
昨日は0人が事業資金の調達に成功しました。
今日は0人が事業資金の調達に成功しました。
無料診断がされました。
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