直接金融と間接金融の違いとは?メリット・デメリットや日本と世界を比較した際の割合、どっちが多いのかをわかりやすく解説!
この記事では上記の悩みを解決します。
資金調達や出資をする際には直接金融と間接金融という2つの方法があります。
2つの方法は 資金を提供する側にとっても資金を調達する側にとってもメリットが全く異なる ので、効率よく資金を運用して資金調達を円滑に行うために、直接金融と間接金融の違いを理解しておくことは非常に重要です。
この記事では、直接金融と間接金融の違いを解説するとともに、資金提供者と資金調達者の双方にとってのメリット・デメリットを解説していきます。
5分もあれば理解できる内容になっているので、直接金融と間接金融の違いについて知りたい方は、最適な方法を選択できるようになります!
- 直接金融は金融機関を介さずに資金提供・資金調達する方法
- 間接金融は金融機関を介して資金提供・資金調達する方法
- 直接金融は資金の提供者・調達者にとって金銭的なメリットが大きいがリスクがある
- 間接金融は資金の提供者・調達者にとってリスクが低いがコストは高くなる
目次
直接金融と間接金融の違いをわかりやすく解説!
直接金融と間接金融は、金融機関を介するのか介さないのかに大きな違いがあります。
金融機関を介して資金提供・資金調達する方法を間接金融 、 金融機関を介さずに預金者や投資家が直接企業に対して資金提供することを直接金融 といいます。
直接金融とは?預金者からお金を借り、お金が必要な人に貸すこと
直接金融とは金融機関を介さずに、 預金者や投資家が資金を必要とする企業などに対して出資や貸付などの形で資金を提供すること です。
資金調達する企業にとっては、株式や社債などを発行して預金者や投資家から資金を集めることです。
直接金融の具体的な方法としては次のような手段があります。
- 社債
- 株式
- 公債
直接金融には「公債」も含まれるので、 国や地方公共団体も直接金融によって資金を調達する こともあります。
間接金融とは?お金が必要な人にお金を出資すること
間接金融とは 金融機関を介して、お金を必要としている企業などへ預金者がお金を貸し付けること です。
預金者が銀行へ預金をし、銀行が預金者から預かった預金を融資という形で運用して、預金者へ利息を付与します。
資金を必要としている企業も、 預金者と直接やり取りをすることはなく、銀行へ申し込み、銀行の審査を受けて、銀行へ利息とともに元本を支払います 。
銀行や信用金庫などの金融機関を介して、資金提供者側と資金調達者側がお金のやり取りを間接的に行うので、間接金融といいます。
【出資者・預金者】直接金融と間接金融のメリット・デメリット
出資者や預金者などの資金を提供する側の直接金融と間接金融のメリットを解説していきます。
直接金融はリターンが大きいのがメリットですが、リスクがあります。
また、 間接金融のメリット・デメリットは直接金融とは逆 になります。
資金を提供する側である出資者や預金者にとって、直接金融と間接金融のメリットとデメリットについて詳しく解説していきます。
直接金融のメリット
出資者・預金者にとって 直接金融のメリットはリターンが大きいこと です。
銀行へ預金を預けても、ほぼ金利はつきません。
2023年1月現在、最も金利が高いと言われるUI銀行の1年もの定期預金の金利でも0.3%ですので、100万円運用しても年間3,000円にしかなりません。
一方、社債であれば1%を超えるものも珍しくありませんし、10年ものなどの長期になると2%〜3%を超えるものもあります。
出典:個人向け社債|CAPITAL EYE
また株式であれば配当利回りが5%を超えるようなものは多数ありますし、銘柄によっては10%を超える高配当株も存在します。
預金で資金を運用しても非常に少ないリターンしか得られませんが、 直接金融であれば高いリターンを得られるのが出資者・預金者にとっての最大のメリット です。
直接金融のデメリット
直接金融のデメリットはリスクです。
お金を貸し付けたり出資した企業が倒産した場合には、提供した資金が返還されない可能性が非常に高い
ですし、
株式投資の場合には業績悪化するだけで株価が下落して投資元本を割り込んでしまう
こともあります。
預金であれば、元本は保証されますし、万が一預金している銀行が倒産してもペイ・オフによって1,000万円までは補償されます。
直接金融はリターンが大きい分、リスクも大きいのは出資者・預金者にとってのデメリットです。
間接金融のメリット
出資者・預金者にとっての間接金融のメリットは元本保証です。
金融機関が融資した企業が倒産しても預金者が自分の預金を自由に引き出せます し、 金融機関が倒産してもペイオフによって1,000万円までは補償されます 。
間接金融はリターンは低いですが、 リスクがほとんどない のがメリットです。
間接金融のデメリット
間接金融のデメリットはリターンが低いことです。
最も金利が高い定期預金でも、0.1%〜0.3%程度の金利となっており、 いくら多くの資金を銀行へ預けたとしても直接金融にははるかに及びません 。
同じ金額を運用しても 間接金融の方が圧倒的にリターンが低い のは出資者・預金者にとってはデメリットです。
【資金調達したい企業】直接金融と間接金融のメリット・デメリット
資金を調達したい企業にとっても直接金融と間接金融はメリットとデメリットがあります。
企業にとって 直接金融は低コストで資金調達でき、自社の信用をアピールできます が、 株主への配慮や敵対的買収のリスクがあります 。
間接金融は金融機関が間に入るのでコストが高くなりがちで、決算状況などによっては審査に通過できないことも珍しくありません。
資金を調達する側である企業にとっての直接金融と間接金融のメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。
直接金融のメリット
資金調達したい企業にとって直接金融のメリットは次の2点です。
- 資金調達コストが低い
- 金融機関の審査に落ちても資金調達できる
直接金融は間に金融機関が入らないので、間接的な手間賃がかかりません。
そのため、 銀行や信用金庫などの金融機関から資金調達するよりも低いコストで資金調達できる 場合があります。
また、銀行や信用金庫の融資審査に落ちても、投資家が「将来性がある」と判断すれば資金調達できる可能性があります。
金融機関は過去の実績を審査して融資を決めるのが基本ですが、 投資家は企業や事業の将来性を評価して資金提供を決める ためです。
直接金融は低コストかつ自社の可能性次第で資金調達できるのがメリットです。
直接金融のデメリット
資金調達をする側にとって直接金融のデメリットは次の2点です。
- 既存の株主の利益を害する
- 中小事業者の資金調達は難しい
株式を発行して資金調達する場合、株式の希薄化が起こり、 既存の株主の利益を害する ことになります。
新株発行によって資金調達する場合には、既存の株主に事前に説明して理解を得る必要があります。
また、実際に 社債や新株の発行によって直接金融で資金調達できるのは大手企業だけ です。
名前を知られておらず売上規模の小さな中小企業が直接金融で資金調達することは簡単ではありません。
日本においては、中小企業が直接金融で資金調達することは現実的ではないのが実情です。
間接金融のメリット
資金調達者側にとって間接金融のメリットは次の2つです。
- 実績がない企業でも資金調達できる
- 企業の経営に口を出されない
間接金融であれば 実績がない企業でも赤字の企業でも資金調達できる 可能性があります。
株式や社債などの直接金融では優良企業でなければ資金調達が難しいですが、間接金融であれば開業前や赤字の時でも銀行は融資に応じてくれる場合があります。
また、株式で資金調達した場合には、出資者は株主として経営に口を出す可能性がありますが、間接金融であれば、 期日通りに返済している限りは経営に口を出される心配はありません 。
間接金融のデメリット
資金調達者側にとって間接金融のデメリットは次の2つです。
- 資金調達コストが高くなる
- 審査に通過できない場合がある
間接金融は間に銀行が入ります。
この際、銀行に対して仲介手数料として利息を支払わなければならないので、 直接金融よりも資金調達コストが高くなる ことも珍しくありません。
また、銀行は過去の実績を主に審査するので、どれだけ斬新な技術やアイディアを持っていたとしても、 経営状況が悪ければ審査に通過できない 可能性があります。
日本・米・欧で比較!直接金融・間接金融の割合
「 日本は直接金融が遅れている国 」と言われることがよくあります。
実際にどの程度遅れているのか、日本と欧米の直接金融と間接金融の割合をご紹介していきます。
【企業】金融負債の割合
日本銀行調査統計局が2022年8月に発表している「資金循環の日米欧比較」によると企業がどこから資金調達しているのかの割合は日・米・欧によって次のような違いがあります。
借入 | 債権 | 株式 | その他 | |
---|---|---|---|---|
日本 | 25.1% | 4.7% | 52.9% | 17.3% |
アメリカ | 5.7% | 9.0% | 70.5% | 14.8% |
欧州 | 26.9% | 3.9% | 56.4% | 12.8% |
(出典:日本銀行調査統計局|資金循環の日米欧比較)
日本とヨーロッパは借入で全体の4分の1程度の資金調達していることが分かりますが、アメリカは借入での資金調達は5.7%で、株式と債券で実に80%近い資金調達をしています。
日本とヨーロッパでは間接金融の占める割合が多いですが、アメリカでは資金調達の大部分を直接金融が占めています 。
【家計】金融資産の割合
では次に家計では資産をどのように配分しているのか、日本、アメリカ、ヨーロッパに分けて見ていきます。
現金 預金 |
債券 | 投資信託 | 株式 | 保険・年金 | その他 | |
---|---|---|---|---|---|---|
日本 | 54.3% | 1.3% | 4.5% | 10.2% | 26.9% | 2.8% |
アメリカ | 13.7% | 2.6% | 12.6% | 39.8% | 28.6% | 2.8% |
欧州 | 34.5% | 1.6% | 10.4% | 19.5% | 31.9% | 2.1% |
(出典:日本銀行調査統計局|資金循環の日米欧比較)
日本はアメリカやヨーロッパと比較して圧倒的に預金で運用している割合が多くなっています 。
日本では家計でも間接金融での運用が多くなっており、アメリカではその反対に40%近くが株式で運用していることから家計でも直接金融で運用していることが分かります。
直接金融と間接金融はどっちが多い?
内閣府の統計によると、2020年時点の 民間企業の資金調達の割合は直接金融と間接金融が拮抗 しています。
(出典:規模別にみた直接金融による資金調達の動向について|内閣府)
内閣府の「規模別にみた直接金融による資金調達の動向について 」によると、大企業向けの貸出金の割合が低下していることに反比例して、 社債の発行等の直接金融の割合が伸びた ことが、間接金融の割合を減少させ、直接金融の割合が増加した原因だとされています。
日本が直接金融へのシフトに遅れている要因は「投資教育不足」
日本やアメリカはもちろん、ヨーロッパと比較しても直接金融が遅れていることが分かります。
この原因として言われていることが「投資教育が不足している」ということが挙げられます。
日本ではまだまだ「元本割れが怖いこと」「投資は怖いこと」「ギャンブル」という風潮があるのは事実です。
最近では政府が投資教育に力を入れていますし、NISAなどの税制優遇によって個人資産を投資へ促す取り組みが行われています。
今後、投資がさらに多くの個人へ広がっていけば、 個人資産が直接金融へ流れるようになり、企業も直接金融から資金調達する機会が増える ものと予想されます。
直接金融と間接金融の違い まとめ
直接金融とは企業と出資者や投資家が直接お金をやり取りする方法です。
資金提供者側はハイリターンで、資金調達者側は低コスト というメリットがあります。
しかし投資家にとってはリスクが大きく、資金調達者は資金調達が難しく経営の独立性が担保できない点がメリットです。
間接金融は 資金提供者にとっては低リスク低リターンで、資金調達側にとっては資金調達しやすいものの高コスト になります。
出資や資金調達する際、直接金融と間接金融のメリットとデメリットをよく理解して、適切な方法で資金提供や資金調達を行ってください。
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