起業する若者が増加するのはなぜ?メリットやデメリット、成功・失敗する人の特徴と成功例について

日本における若者起業家は増加していませんが、「起業したい」と考えている若者の割合は増えています。
これは働き方が多様化していることや、在宅ワークにより会社でなければ仕事ができないといった常識が覆されたことなどが要因として挙げられます。
若者が起業するのは、心身が健康であったり日本政策金融公庫などの支援制度が充実しているなどのメリットがある一方で、銀行などの審査に通りづらいのがデメリットです。
もし、起業を成功させるのであれば、行動をし続けて常に世の中の最新のトレンドに対して勉強をし続けることが必要になります。
今回の記事では、起業で成功する若者の特徴やメリット、デメリットなどを紹介します。
記事を読むことで、ご自分が起業で成功する可能性がある若者の条件に当てはまっているのかや成功させるためには何をすれば良いのかがわかりますので、ぜひ参考にしてください。
目次
日本における若者起業家の割合は増加していない
日本において、若者起業家の割合は特別増加していない のが特徴です。
日本政策金融公庫は、「起業と起業意識に関する調査」を実施し、結果を公表しています。
調査結果によると、29歳以下の若者起業家および若者パートタイム起業家の割合は2023年が23.2%、2024年が22.1%でした。
2023年よりも2024年のほうが、若者起業家の割合が若干減少しています。
出典:「2024年度起業と起業意識に関する調査」 ~アンケート結果の概要~|日本政策金融公庫
出典:「2023年度起業と起業意識に関する調査」 ~アンケート結果の概要~|日本政策金融公庫
「起業したい」と意識する若者の割合は増加
実際に起業している若者の数は増加していませんが、 「起業したい」と意識する若者の割合は増加しています 。
日本政策金融公庫が実施した「起業と起業意識に関する調査」の結果では、29歳以下の若者の起業に関心がある若者のうち、「10年以内に起業する」または「いずれは起業したいが、時期は未定」と回答した人の割合を確認できます。
上記の割合は、2023年が47.3%、2024年が54.9%でした。
起業を意識している若者の数は、増えているとわかります。
出典:「2024年度起業と起業意識に関する調査」 ~アンケート結果の概要~|日本政策金融公庫
出典:「2023年度起業と起業意識に関する調査」 ~アンケート結果の概要~|日本政策金融公庫
若者に起業ブームが起きている理由
なぜ若者に起業ブームが起きているのかという疑問に対する答えは、以下のようなものが考えられます。
それぞれ詳しく解説します。
- 働き方が多様化しているから
- 在宅ワークが普及したから
- 政府が若者に対して補助金や助成金などの起業支援をしているから
働き方が多様化しているから
近年では日本でも働き方が多様化しているため、若者たちの間で起業ブームが起きている と考えられます。
日本ではもともと終身雇用が一般的であり、一度入社した会社に定年まで勤める人がほとんどでした。
しかし、日本経済の停滞により、終身雇用が維持できなくなってきているのが現状です。
不安定な会社に勤めず、自分のスキルを活かして柔軟に働きたいと考える若者が増えた結果、起業を目指す人が多くなったと考えられます。
在宅ワークが普及したから
若者に起業ブームが起きている背景には、在宅ワークの普及もあります。
新型コロナウイルス感染症が流行した際に、在宅ワークを導入する企業が増えました。
会社に行かなければ仕事ができないという従来の常識が覆された ことにより、在宅勤務を希望する方も増えています。
出社するよりも在宅ワークがいいと考えている若者のなかには、自分で起業すれば出社を強制されないとして、起業を志す方もいます。
政府が若者に対して補助金や助成金などの起業支援をしているから
若者が起業を志しているのは、政府が起業する若者に対して支援をしているからだと考えられます。
日本経済を活性化させるために、政府は起業家を支援するための補助金や助成金制度を整えています 。
補助金や助成金は原則返済不要であり、採択率が高いため、これから起業を考えている若者も利用しやすいです。
若者が起業するメリット
若者が起業するメリットとして、以下のようなものが挙げられます。
起業を検討している方は、メリットをよく確認してみてください。
- 心身が健康である
- 家族などに囚われづらい
- 日本政策金融公庫などの支援制度が充実している
- 自己実現ができる
- 若者には無限の可能性がある
心身が健康である
若者が起業するメリットとして、心身が健康である点が挙げられます。
起業をすると、事業が軌道に乗るまでは少人数で会社を成長させなければなりません。
そのため、十分な休みが取れず、長時間働かなければならないケースも多いです。
心身が健康でなければ、忙しすぎる日々を過ごすなかでダメージを負ってしまい、ビジネスを続けられなくなるおそれがあります。
若者は心身が健康で体力があるケースが多いため、若いうちに起業することでビジネスを軌道に乗せやすい といえます。
家族などに囚われづらい
若者が起業すると、家族などに囚われづらいというメリットもあります。
結婚して家庭を持つ年齢になると、自分の希望だけで仕事をするのは難しいです。
パートナーや子どものために時間やお金を使う必要があるため、希望があっても実際に起業するのは難しいケースが少なくありません。
一方、 まだ家庭を持っていない若者は、自分の時間もお金もすべてビジネスのために使えます 。
家族を守らなければならないというプレッシャーもないため、柔軟に挑戦できるのが大きなメリットです。
日本政策金融公庫などの支援制度が充実している
国が若者向けの起業支援制度を整えているため、若いうちに起業すると資金面でも大きなメリットを得られます。
例えば、 日本政策金融公庫では、女性や若者、シニア起業家向けに「新規開業・スタートアップ支援資金」を提供 しています。
女性や35歳未満の若者、または55歳以上のシニアを対象としているので、35歳未満で起業を考えているのであれば選択肢のひとつとして考えてみてください。
自己実現ができる
自己実現ができることも、若者が起業するメリットのひとつです。
会社に勤めるのが向いていない、または普段会社で従事している仕事が自分に合っていないと感じる方も、起業すれば自分のやりたい仕事を実現できます。
さらに、 若者はキャリアを歩み始めたばかりなので、失敗しても学んで自分の糧にできる可能性が高い です。
失敗を活かしながら夢のために仕事を頑張りたいと考えている方にとって、自己実現につながる起業はメリットが大きいです。
若者には無限の可能性がある
まだ経験が浅い若者だからこそ、起業することで無限に可能性を広げられるというメリットがあります。
ビジネス経験や業界の知識が少ない若者は、固定観念や常識に囚われない柔軟な発想が可能 です。
先人たちが思いつかなかった大胆な発想により、ビジネスを大きく成長させられる可能性もあります。
若者が起業するデメリット
若者が起業するメリットをいくつか紹介しましたが、メリットがあれば当然デメリットも存在します。
これから起業を考えている場合は、メリットだけでなくデメリットも確認したうえで行動に移すかどうかを決めてください。
- ビジネス経験に乏しく事業がうまくいかない
- 資金調達方法は限定される
- 他社からの信用は低めになりがち
- 銀行などの審査に通りづらい
ビジネス経験に乏しく事業がうまくいかない
若者が起業するデメリットとして、ビジネス経験に乏しいために事業がうまくいかない点が挙げられます。
事業を成長させるためには、経験に基づくスキルや知識が必要不可欠です。
スキルや知識がない若者が起業しても、業界の先人たちと肩を並べて競っていくのは難しいことが多いです。
ただし、 経験不足を逆手に取り、常識から外れた大胆な発想で起業を成功させた若者は多くいます 。
資金調達方法は限定される
若者が起業する際のデメリットとして、資金調達方法が限定されることが挙げられます。
会社が資金調達する際は、 金融機関の融資だけでなく、支援制度の活動や投資家からの出資などを利用可能 です。
しかし、実績がなく人脈も限られている若者は、利用できる資金調達方法が限られます。
他社からの信用は低めになりがち
若者が起業した場合、他社からの信用は低めになりがちです。
実績やスキルが少ない若者の起業家は、周りからの信用が得にくいのがデメリットです。
販路を確保したり、商品やサービスを販売したりしようとしても、信用が低いとうまくいかないこともあります。
銀行などの審査に通りづらい
若者が起業した場合、銀行などの審査に通りづらいのは大きなデメリットです。
実績がない若者が起業しても、事業が成功するかどうかは不透明なため、金融機関に融資を申し込んでも審査に通らない場合があります。
ビジネスアイデアがあったとしても、十分な資金を調達できなければ、事業を成長させるのは難しいです。
起業で失敗する若者の特徴
起業で失敗する若者には、いくつか共通する特徴があります。
起業後の失敗を避けるためにも、失敗する若者の特徴を確認しておいてください。
- 資金計画を立てていない
- 起業の目的が曖昧
- メンタルが弱い
- 社会ニーズとかけ離れた事業を計画している
資金計画を立てていない
資金計画を立てていない若者は、起業で失敗する 傾向があります。
資金計画は、ビジネスを継続するうえで重要です。
資金計画が甘い場合は、収入に対して支出が増えすぎ、資金不足に陥ります。
資金ショートを起こすと、最悪の場合経営が続けられなくなるため、どんぶり勘定での起業を考えている方は資金計画をきちんと立てるようにしてください。
起業の目的が曖昧
起業の目的が曖昧な場合、起業で失敗しやすくなるため注意が必要です。
起業する目的が明確でなければ、いつの間にか起業という手段が目的にすり替わってしまいます。
起業そのものが目的になると、その後の展望が曖昧になるため、事業が安定せず失敗する リスクが高まります。
何のために起業するのかという目的をきちんと考え、ビジネスの方向性を定めたうえで経営に注力することが大切です。
メンタルが弱い
メンタルが弱い若者は、起業で失敗するリスクが高いです。
起業すると、さまざまな困難が絶えず発生します。
仕事の依頼がなく売上につながらない、信用力が低く資金調達ができない、考えていた方向で事業を成長させられないなど、メンタルを疲弊させる事態はいくつもあります。
成功する起業家は、問題が発生したときに正面から向き合い、乗り越える姿勢が必要 です。
困難な状況に直面して心が折れてしまうメンタルでは、起業を成功させるのは難しいといえます。
社会ニーズとかけ離れた事業を計画している
計画している事業が社会ニーズとかけ離れたものである場合、起業は失敗しやすいです。
ビジネスを成功させるためには、社会のニーズを満たす必要があります 。
求められていることを提供して、初めて価値を生み出せます。
そのため、自分がやりたいことややれることだけに注目してビジネスを始めても、失敗する可能性が高いです。
起業で成功する若者の特徴
起業で失敗する若者には共通点がありますが、起業で成功する若者にも共通の特徴があります。
それぞれ詳しく解説するので、起業を成功させるために参考にしてみてください。
- 行動力がある
- 的確な分析力と決断力がある
- 世の中の仕組みなどを勉強し続けられる
- 社会変化に適応できる柔軟性がある
- 諦めずに挑戦し続けられる
行動力がある
起業で成功する若者には、行動力があります。
起業の成功には計画が必須ですが、 アイデアをすぐに実行できる行動力によってチャンスをつかむことも大切 です。
リスクをきちんと考えたうえで、フットワークを軽くしてすぐに行動に移すことができれば、ビジネスを軌道に乗せやすくなります。
的確な分析力と決断力がある
起業を成功させる若者には、的確な分析力と決断力があります 。
起業して経営者になると、経営判断をすべて自分で行わなければなりません。
判断を誤ると、せっかく始めたビジネスが失敗してしまうおそれがあります。
ビジネスを成功させるためには、情報を集めて的確に分析し、それをもとに決断することが大切です。
世の中の仕組みなどを勉強し続けられる
起業を成功させる若者は、勉強し続けるのが特徴です。
ビジネスにおいて、知識のアップデートは必須です。
社会や経済は目まぐるしく変化し、トレンドは刻一刻と変わります。
少し前までは常識とされていたことが、すぐ時代遅れになってしまうこともめずらしくありません。
起業家としてビジネスを成功させたいなら、 世の中の仕組みなどを勉強し続ける必要があります 。
業界の常識をアップデートしたり、最新の知識を身につけたりしてビジネスに活かすようにしてください。
社会変化に適応できる柔軟性がある
社会の変化に対応できる柔軟性があることも、起業に成功する若者の特徴 です。
現在は、「VUCA」と呼ばれる予測が困難なほど変化が激しい時代です。
社会情勢や市場の動向、消費者のニーズは、次々と変化していきます。
変化に対応できなければ、ビジネスの成功はつかめません。
変化に対応するために事業計画を見直したり、アイデアを変更したりする柔軟性が必要です。
諦めずに挑戦し続けられる
起業で成功するためには、諦めずに挑戦し続けることも大切です。
起業すると、数えきれないほどの困難に直面します。
当初立てた事業計画のとおりに売上が立たず、経営が苦しくなることもあります。
しかし、そこで挫折してはビジネスを成功させることはできません。
困難に直面しても諦めず、試行錯誤しながら挑戦し続けることで、突破口が見えてきます。
柔軟な考えを持ちながら、諦めの悪さを発揮することが、起業家に求められる能力 といえます。
若者起業家の成功例
起業に興味を持っている方のなかには、若者起業家の成功例を見てモチベーションにつなげている方もいるでしょう。
ここでは、若者起業家の成功例を紹介します。
世界最大級のSNSサービスである「Facebook」を提供する Meta Platforms Inc.(旧 Facebook Inc.)は、2004年にマーク・ザッカーバーグ氏が創業 しました。
ハーバード大学在学中の20歳の頃に起業したザッカーバーグ氏は、まずハーバード大学の学生限定のサイトとしてFacebookを生み出します。
そこから徐々に利用者層を拡大し、現在は世界で30億人以上が利用するSNSに成長しました。
株式会社リジョブ
株式会社リジョブは、2009年に望月佑紀氏によって創業されました 。
美容やヘルスケア、介護に特化した求人メディアを主な事業として成長し、事業を軌道に乗せます。
2014年には、上場企業の株式会社じげんに約20億円で同社を売却しました。
望月氏はその際に代表を退任しましたが、現在はシリコンバレーでXVOLVE GROUPを創業し、経営に携わっています。
株式会社Labit
株式会社Labitは、2011年に当時大学在学中だった鶴田浩之氏が創業しました 。
鶴田氏は学生で起業をしてから何度も事業を軌道に乗せ、事業売却を経験してきました。
現在は、メルカリの経営に参画しながらグループ会社執行役員に就任しています。
起業する若者のまとめ
若者のあいだで起業ブームが起きている背景には、働き方の多様化や政府による起業支援があります。
若者にとって起業に挑戦しやすい環境が整っているため、興味がある方はぜひ挑戦してみてください。
ただし、若者の起業にはメリットだけでなくデメリットもあります。
失敗する人と成功する人それぞれの特徴を確認しながら、起業すべきかどうかを判断してください。
昨日は0人が資金調達チェックの無料診断をしました。
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