設備資金の融資を受けるポイント!車は対象?融資期間や日本政策金融公庫の金利と審査基準について

設備資金は、日本政策金融公庫や銀行、信用金庫などから融資を受けることができ、機械や備品、営業車、トラック、店舗など事業に必要な設備の導入費用に利用できます。
設備資金は運転資金と比べて返済期間が長く設定される傾向がありますが、資金の使い道が決められているため、申告した目的以外に使用することはできません。
また、融資審査では見積書による資金使途の確認に加えて、設備を導入する必要性や投資によって得られる収益、無理なく返済できる計画になっているかなども確認されます。
今回は、設備資金と運転資金の違い、日本政策金融公庫の融資期間や金利、審査基準、融資を受ける際の注意点について詳しく解説します。
記事を読むことで、営業車やトラックなど設備資金として認められる費用の具体例や審査で確認されるポイント、申し込み前に必要な準備、資金使途違反を防ぐための知識まで把握できるので、設備投資を検討している方は参考にしてください。
目次
設備資金の融資はどの金融機関も行っている
設備資金の融資は、日本政策金融公庫などの政府系金融機関をはじめ、銀行や信用金庫といった民間金融機関など、ほぼすべての金融機関で取り扱われています。
設備資金は運転資金と比べて高額になりやすく、返済期間も長く設定される傾向があります。
設備資金の融資を申し込む際は、購入予定の設備や必要金額を確認できる見積書などの提出を求められます。
運転資金と設備資金の違い
設備資金と運転資金は、目的や返済期間、審査時のポイントにおいて明確な違いがあります。
| 設備資金 | 運転資金 | |
|---|---|---|
| 一般貸付の返済期間 | 10年以内 | 原則5年以内 |
| 重視されるポイント | 使い道が明らかになっている見積書 | 事業の計画性や返済能力の継続性 |
設備資金は、機械や車両の購入、店舗の内装工事など、事業に必要な設備の導入に充てる資金です。
投資の回収に時間を要するため返済期間は最長10〜20年程度と長く設定され、融資限度額も大きくなる傾向があります。
審査では使い道を確認するため、 正確な見積書の提出が必須となります。
一方、仕入れや人件費、家賃など日々の事業運営に必要な資金であることから、返済期間は最長5〜10年程度と設備資金に比べて短めです。
資金の使い道が広いため、 審査では事業の計画性や返済能力の継続性が重視されます。
設備資金は運転資金と比較して融資期間が長い傾向
設備資金は高額な設備投資にあてる資金のため、 借入限度額が大きく、運転資金よりも返済期間が長く設定される傾向にあります。
返済期間は利用する金融機関や融資制度によって異なりますが、設備資金は運転資金よりも長く設定される傾向があります。
毎月の返済額を抑え、資金繰りへの影響を最小限に留めながら計画的な返済ができる点が、設備資金による借入の大きな特徴といえます。
日本政策金融公庫の設備資金融資の金利
日本政策金融公庫は設備資金の融資を取り扱っています。
最もオーソドックスな融資である 一般貸付で設備資金を借りた場合の金利は2026年8月現在で次の通りです。
| 日本政策金融公庫 一般貸付 |
金利相場 |
|---|---|
| 担保あり | 2.60%~4.90% |
| 担保なし | 3.60%~5.30% ※税務申告2期終えている方 |
なお、担保の有無や審査結果、利用する融資制度によって実際に適用される金利は異なります。
一般貸付の借入限度額は4,800万円ですので、 比較的高額な設備も導入することができます。
設備資金の融資審査基準
運転資金において、資金用途が必要なものか、現在の収支状況から返済可能かどうかという点が判断されますが、設備資金融資においては審査基準は大きく異なります 。
設備資金の融資審査基準について詳しく解説していきます。
審査では資金使途・投資対効果を見られる
設備資金の審査では、 当該設備を導入してからの収益と投資計画に無理がないかを重視します。
設備投資の計画に合理性があり、設備の導入によって借入金を返済できるだけの収益が見込まれる場合は、返済可能性があると判断される材料になります。
一方、設備投資の必要性や導入による効果を十分に説明できない場合は、融資審査で不利になる可能性があります。
例えば、これまで建設業を営んできた会社が、十分な経験やノウハウがない状態でゴルフ場事業へ新規参入する場合、事業の実現可能性や設備投資の妥当性について慎重に確認される可能性があります。
新規事業への設備投資で融資を申し込む際は、市場環境や収支見込み、これまでの経験などを踏まえ、事業の実現可能性や返済計画を具体的に説明することが重要です。
設備資金の返済では、設備投資によって得られる利益や減価償却費などを含め、返済に充てられるキャッシュフローを確保できるかが重要です。
例えば設備導入によって収益の向上が見込まれても、その全額を借入金の返済に充てられるとは限りません。
税金やその他の支出も考慮し、無理なく返済を続けられる金額で返済計画を立てることが重要です。
また、設備資金の返済期間は、対象設備の耐用年数や投資回収期間、事業者の返済能力などを考慮して設定されます。
このように、 設備資金の審査は3つのポイントを重視します。
設備資金の審査ポイント
- 設備投資の計画に無理がないか
- 設備から上がる収益で返済できるか
- 返済期間は設備の減価償却期間内なのか
設備資金借入時には、とにかく計画が重要になるので、設備投資によって売上や収益がどのように推移するのか、しっかりとした計画を立ててください。
設備資金の融資で注意したいポイント
設備資金を借りる際には次の5つの点に注意してください。
- 不動産の物件購入では担保を求められる場合がある
- 物件の契約時期は融資担当者と相談する
- 車両購入費は事業に必要な場合に設備資金の対象になる
- 設備資金を運転資金に流用すると資金使途違反
- 見積書を取得してから提出する必要がある
これら5つのポイントを押さえておかないと、融資後に一括返済を求められるなどのトラブルにつながる可能性がありますので、参考にしてください。
不動産の物件購入では担保を求められる場合がある
設備資金で不動産を購入する際には、購入する土地や建物を担保として金融機関から融資を受ける場合があります。
例えば、設備資金を借りて工場を新築する場合、工場の建物と、工場が建築されている土地を設備資金の担保にする必要があります。
これは、 高額な設備資金が万が一返済されなかった場合の金融機関の保証となることはもちろんですが、当該不動産を担保として他の金融機関からお金を借りたり、不動産を勝手に売却されるようなことがないようにするためです。
もしも設備資金融資で購入した不動産を担保に他の金融機関からお金を借りてしまったら、債務者は担保にとっている金融機関の借入金を優先して、設備資金融資を受けた金融機関の返済を後回しにするリスクがあります。
そこで不動産に抵当権をつけておけば、当該不動産を担保として他の金融機関からお金を借りてしまう心配はほとんどありません。
また、抵当権が設定された不動産を売却しても、原則として抵当権はそのまま残ります。
そのため、実際に売却する際は、売却代金で借入金を返済して抵当権を抹消するなど、金融機関との調整が必要になるのが一般的です。
物件の契約時期は融資担当者と相談する
設備資金を利用して賃貸物件の内装工事などを行う場合は、物件の契約時期や融資の申込時期について、事前に金融機関へ相談しておくことが大切です。
せっかく設備資金の審査に通過しても、審査通過をした時には他の人に物件を借りられてしまったという状況では融資を実行してもらうことはできません。
場合によっては、不動産会社や工事業者などに支払った手付金や初期費用が無駄になってしまう可能性もあります。
また、他の物件を借りた場合には、資金計画も大きく狂ってしまい、当初計画した資金計画ではお金が足りないということも珍しくありません。
物件の契約を先に進めると、融資を受けられなかった場合でも手付金や初期費用などの負担が残る可能性があります。
そのため、物件を契約するタイミングは自己判断で決めず、金融機関や不動産会社と相談しながら進めてください。
車両購入費は事業に必要な場合に設備資金の対象になる
自動車の購入費を設備資金として借りる場合は、事業に必要な車両であることが前提です。
当然ですが、設備資金とは事業の運営に必要な設備を購入するための資金です。
そのため、事業とは関係なく私的に使用することを目的とした車両の購入費は、設備資金の対象にはなりません。
もしも設備資金で自家用車を購入したことを金融機関が知った場合には金融資金の一括返済を求められる可能性もあるためリスクもあるので、設備資金の私的利用は絶対に行わないようにしてください。
設備導入の際には、実際に金融機関が会社まで「本当に設備に利用しているか」ということを確認に来ることもあるので、車両購入費について融資を受ける際は、どのように事業で使用するのかを明確にし、申告した資金使途に沿って使用してください。
設備資金を運転資金に流用すると資金使途違反
設備資金として借りたお金を運転資金として利用することは違反です。
設備資金は、融資を受ける際に申告した設備の導入以外の目的に使用することはできません。
設備資金と運転資金では資金使途や返済期間などの融資条件が異なるため、運転資金が必要な場合は、運転資金として金融機関へ申し込む必要があります。
設備資金では、融資を受ける際に見積書などをもとに資金使途が確認されます。
融資後に設備の取得状況を確認される場合もあるため、借り入れた資金は申告した目的に沿って使用する必要があります。
資金使途違反が発覚すると、契約内容によっては融資金の一括返済を求められる可能性があるため、設備資金は申告した設備の導入以外に使用しないようにしてください。
見積書を取得してから提出する必要がある
設備資金の融資を申請する際は、購入予定の業者から見積書を取得し、設備に必要な金額を明確にしておく必要があります。
設備融資では、見積額が適正であるか、そして使いみちが明確かが審査の重要なポイントとなります。
提出する見積書は、計画書などに記載した設備資金の金額と整合しているか確認したうえで準備してください。
資金計画を変更する場合は事前に相談する
設備資金として借りたお金の資金使途を運転資金へ変更することは原則的に不可能 です。
そのため、 運転資金を利用したい場合には別途運転資金融資へ申し込むことが基本 です。
設備内容や用途、設備金額など当初の計画から変更が生じた場合は、自己判断で資金を流用せず、日本政策金融公庫へ速やかに相談する必要があります。
日本政策金融公庫がインターネット上に公開している「設備資金ご利用の場合の留意事項」には以下のように明記されています。
事業計画及び資金計画の変更は、原則として(日本政策金融公庫からの)承認を受けた場合以外は認められません。設備(購入機械等)の変更、用途の変更及び設備金額の増減がある場合は、速やかにご連絡ください
このように、当初の事業計画や資金計画に変更が生じた場合は、日本政策金融公庫の承認が必要になるため、速やかに相談してください。
資金使途違反をすると今後融資を受けられなる可能性がある
資金使途に違反すると金融機関からの信用を損ない、今後の融資審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
事業資金の融資審査では、事業の収支状況や返済能力、資金使途、今後の事業計画などをもとに総合的に判断されます。
融資審査では返済能力や事業計画などに加え、金融機関との信頼関係も重要になります。
金融機関は企業の経営者を信頼して、この企業を融資によって成長させたいと考えるからこそ、融資を行っているのです。
最も基本的な部分である 「融資したお金を何に使用するのか」という点で金融機関の信用を損ねてしまったら、企業と金融機関の信用は崩れてしまい、今後は融資を受けることが難しくなります。
設備資金として借りたお金を運転資金として使用するなど、資金使途に虚偽があると金融機関からの信頼を大きく損ねて、今後の融資審査に影響する可能性があります。
必ず資金使途は守って融資を受けるようにしてください。
また、民間の金融機関から融資を受ける場合には、 信用保証協会の保証を付けて融資を受けることが一般的です。
信用保証協会の保証付き融資で資金使途違反が発覚した場合、金融機関だけでなく、信用保証協会からの信用も損なう可能性があります。
資金使途違反をするような企業の融資を信用保証協会がすることはありません 。
その結果、今後の保証付き融資の審査に影響し、資金調達が難しくなる可能性があるため、融資を受ける際に申告した資金使途は必ず守ってください。
設備資金の融資に関するよくある質問
設備資金の融資では、設備を導入する目的や具体的な必要金額、導入後の収益見込みなどが審査で確認されます。
ここでは、設備資金の融資に関するよくある質問について回答します。
Q:設備資金の具体例は何がありますか?
店舗や事務所を借りるときの敷金、礼金、保証金、権利金
・内装やリフォーム費用
工場や倉庫、店舗の新築、増改築、リフォーム費用
店舗やオフィスの内装工事費
外装工事費
看板の設置費用
配管や電気配線の工事費用
・機械・車両・備品に関する費用
営業用のトラック、営業車、建設用の重機
製造用の機械や、飲食店の冷蔵庫・オーブン
オフィス用の机、椅子、電話機、複合機、パソコン
美容院のシャンプー台や鏡
・システムなどに関する費用
業務用ソフトウェアやシステムなどの導入費用
これらはあくまで一例であり、開業する業種や事業規模によって必要な費用は異なります。
融資制度によって設備資金として認められる費用は異なるため、対象になるか判断が難しい費用については事前に金融機関へ確認してください。
設備資金の融資 まとめ
金融機関から借り入れる設備資金は、機械や車両など事業に必要な設備の導入に使用する資金で、運転資金と比べて返済期間が長く設定される傾向があります。
審査では、設備の必要性や導入による効果、今後の収支計画などが確認されます。
設備導入によってどの程度の売上向上や効果が見込めるのかを整理し、具体的な収支計画を作成した上で申し込むことが重要です。
なお、調達した資金は指定した設備投資以外には使用できません。
万が一資金使途に違反した場合、一括返済を求められたり、その金融機関から今後の融資を受けられなくなったりするリスクがあります。
借り入れた資金は、必ず設備資金として正しく使用して計画的な返済を心がけてください。
昨日は0人が資金調達チェックの無料診断をしました。
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