エンジェル税制とは?要件や制度内容、利用するメリット・デメリット、気になる確定申告についてわかりやすく解説

運営事務局
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更新日2026/8/26
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エンジェル税制とはどんな制度?利用するメリットは?

エンジェル税制の利用方法は?

エンジェル税制を適用するための確定申告方法は?

エンジェル税制とは、一定の要件を満たすベンチャー企業へ投資した個人投資家が、投資時や株式売却時に税制上の優遇措置を受けられる制度です。

優遇措置A・A-2による所得控除や、優遇措置Bなどによる株式譲渡益からの控除に加えて、株式の売却で損失が生じた場合は損益通算や繰越控除を利用できる場合があります。

一方で、投資先となる企業と個人投資家の双方に適用要件があり、税制上の優遇措置を受けるには申請や確定申告などの手続きが必要です。

この記事では、エンジェル税制の仕組みや適用要件、投資家側・企業側それぞれのメリットとデメリットについて詳しく解説します。

さらに、申請方法から確定申告の必要書類・書き方まで紹介しているので、エンジェル税制を利用できるのか、利用するには何をすべきか知りたい方は参考にしてください。

エンジェル税制とは

エンジェル税制とは
ベンチャー企業へ投資をした個人投資家に対して税制上の優遇措置をする制度のこと

エンジェル税制は、 ベンチャー企業に出資する個人投資家へ優遇措置を行い、創業促進による経済活性化 を目的としています。

エンジェル投資は創業したばかりの企業に出資することを指し、資金を出資する投資家のことをエンジェル投資家と言います。

エンジェル税制では、スタートアップへ投資した時点と、取得した株式を売却する時点でそれぞれ税制上の優遇措置を受けられます。

エンジェル税制で受けられる優遇措置とは
  • 投資時点:優遇措置A、優遇措置A-2、優遇措置B、プレシード・シード特例
  • 株式売却時点:譲渡損失の損益通算、繰越控除

スタートアップへ投資した時点で受けられる優遇措置

エンジェル税制では、ベンチャー企業へ投資した時点で、企業や投資家が満たす要件に応じて優遇措置A、優遇措置A-2、優遇措置B、プレシード・シード特例を利用できます。

優遇措置A 投資額から2,000円を差し引いた金額を総所得金額等から控除
優遇措置A-2 投資額から2,000円を差し引いた金額を総所得金額等から控除
優遇措置B 投資額をその年の株式譲渡益から控除
プレシード・シード特例 投資額をその年の株式譲渡益から控除し、年間20億円まで非課税

まず、優遇措置Aでは、対象となるベンチャー企業への投資額から2,000円を差し引いた金額を、その年の総所得金額等から控除できます。

ただし、控除対象となる投資額には上限があり、総所得金額等の40%と800万円のいずれか低い方までです。

優遇措置A-2も投資額から2,000円を差し引いた金額を総所得金額等から控除できる制度ですが、優遇措置Aとは対象企業の要件などが異なります。

一方、優遇措置Bでは対象となるベンチャー企業への投資額をその年の株式譲渡益から控除でき、控除対象となる投資額に上限はありません。

また、プレシード・シード特例では、一定の要件を満たすベンチャー企業への投資額をその年の株式譲渡益から控除でき、年間20億円までの投資額について非課税措置を受けられます。

売却時に受けれる所得税と住民税の優遇措置

売却時にも 所得税と住民税の優遇措置が用意されています。

投資家が未上場ベンチャー企業の株式を売却して損失した場合、 譲渡時に優遇措置を受けられます。

その年の他の株式譲渡益と相殺ができ、もしその年で相殺しきれない場合には翌年以降3年間繰り越しが可能です。

さらに、 ベンチャー企業が上場せずに解散・破産となる株式としての価値を失った場合、同じく3年間は繰り越しと相殺ができます。

エンジェル税制の優遇措置を受ける要件

エンジェル税制の優遇措置を受けるには、一定の要件を満たす必要があります。

ここでは、ベンチャー企業と個人投資家のそれぞれの要件を紹介します。

エンジェル税制の優遇措置を受ける要件
  • エンジェル税制の要件① ベンチャー企業
  • エンジェル税制の要件② 個人投資家

エンジェル税制の要件① ベンチャー企業

エンジェル税制の対象となるベンチャー企業は、設立経過年数や事業内容、外部からの出資割合などの要件を満たす必要があります。

また、企業要件は優遇措置A、優遇措置B、プレシード・シード特例で異なり、優遇措置Aは設立5年未満、優遇措置Bは設立10年未満の中小企業者であることが基本要件です。

さらに、設立経過年数に応じて、研究者や新事業活動従事者の人数、試験研究費等の割合、売上高成長率などの要件が定められています。

ここでは、個人投資家がベンチャー企業から直接株式を取得する場合の主な企業要件を紹介します。

優遇措置Aの対象となる企業
設立経過年数(事業年度) 要件
1年未満かつ最初の事業年度を未経過 研究者または新事業活動従事者が2人以上かつ、常勤の役員・従業員に占める割合が10%以上。
1年未満かつ最初の事業年度を経過 研究者または新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員に占める割合が10%以上、または試験研究費等が収入金額の5%超で、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。
1年以上~2年未満 試験研究費等が収入金額の5%超、新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員に占める割合が10%以上、売上高成長率が25%超のいずれかで、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。
2年以上~3年未満 試験研究費等が収入金額の5%超、または売上高成長率が25%超で、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。
3年以上~5年未満 試験研究費等が収入金額の5%超で、直前期までの営業キャッシュ・フローが赤字。

優遇措置Aでは上記に加えて、外部からの投資を原則として6分の1以上取り入れていることなどの要件があります。

ただし、プレシード・シード特例の企業要件を追加で満たす場合は、外部資本比率の要件が20分の1以上に緩和されます。

優遇措置Bの対象となる企業
設立経過年数(事業年度) 要件
1年未満かつ最初の事業年度を未経過 将来の成長発展に向けた事業計画を有する。
1年未満かつ最初の事業年度を経過 研究者または新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員に占める割合が10%以上、または試験研究費等が収入金額の3%超。
1年以上~2年未満 新事業活動従事者が2人以上かつ常勤の役員・従業員に占める割合が10%以上、売上高成長率が25%超、試験研究費等が収入金額の3%超のいずれか。
2年以上~3年未満 試験研究費等が収入金額の3%超、または売上高成長率が25%超。
3年以上~5年未満 試験研究費等が収入金額の3%超、または売上高成長率が25%超。
5年以上~10年未満 試験研究費等が収入金額の3%超。

優遇措置Bでは、設立10年未満の中小企業者であることに加えて、外部からの投資を6分の1以上取り入れていることなどが求められます。

プレシード・シード特例の対象となる企業
プレシード・シード特例は設立5年未満の中小企業者が対象であり、設立経過年数などに応じて営業損益や試験研究費等に関する要件が設けられています。

また、外部からの投資を20分の1以上取り入れていることなどの要件も満たす必要があります。

なお、優遇措置A、優遇措置B、プレシード・シード特例では、上記以外にも大規模法人グループの所有に属していないこと、未登録・未上場の株式会社であることなどの共通要件があります。

実際にエンジェル税制を利用する場合は、投資前に経済産業省が公表している最新の要件を確認してください。

ベンチャー企業は資金調達前に事前確認制度を利用することで、エンジェル税制の対象となる企業かどうかについて確認を受けられます。

事前確認を受けると、エンジェル税制の適用対象となることを個人投資家へ説明しやすくなり、経済産業省のホームページでも会社名などが公表されます。

エンジェル税制の要件② 個人投資家

個人投資家がエンジェル税制を利用するには、金銭の払込みによって対象となるベンチャー企業の株式を取得する必要があります。

そのため、他人から譲り受けた株式や現物出資によって取得した株式は、エンジェル税制の対象になりません。

また、投資した会社に自ら営んでいた事業の全部を承継させた個人や、その親族等に該当しないことも要件です。

さらに、投資先が同族会社の場合は、持株割合が大きいものから第3位までの株主グループを順に確認し、その割合が初めて50%を超える時点の株主グループに属していないことが求められます。

MEMO
ここでいう同族会社とは、上位3位までの株主グループが株式等を50%超保有している会社を指します。

エンジェル税制の投資家側・企業側それぞれのメリット

エンジェル税制は、個人投資家が税制上の優遇措置を受けられるだけでなく、スタートアップ側も個人投資家からの資金調達につなげやすくなるメリットがあります。

  • 投資家側:対象のスタートアップ企業への投資で所得税を軽減できる
  • 企業側:エンジェル税制の対象企業であることを個人投資家へ説明できる

投資家側は、対象のスタートアップへ投資することで、投資時点や株式売却時点に税制上の優遇措置を受けられます。

たとえば、優遇措置Aでは対象企業への投資額から2,000円を差し引いた金額を総所得金額等から控除でき、優遇措置Bでは対象企業への投資額をその年の株式譲渡益から控除できます。

さらに、プレシード・シード特例では一定の要件を満たす投資について年間20億円まで非課税措置を受けられるほか、対象株式の売却で損失が生じた場合にも税制上の優遇措置があります。

企業側は、事前確認制度を利用することで、エンジェル税制の対象となる企業であることを個人投資家へ説明しやすくなります。

また、事前確認を受けた企業は経済産業省のホームページで会社名などが公表されるため、投資家へのPR効果も期待できます。

エンジェル税制の投資家側・企業側それぞれのデメリット

エンジェル税制には税負担の軽減や資金調達につながるメリットがある一方で、投資家側と企業側の双方に注意点があります。

エンジェル税制のデメリット

  • 投資投資家側:投資元本を回収できないリスクがある
  • 企業側:エンジェル税制の適用を受けるための要件や手続きがある

特に投資家側は、未上場のスタートアップへの投資となるため、投資元本を回収できない可能性がある点に注意が必要です。

また、優遇措置Bでは投資時に株式譲渡益から投資額を控除できますが、適用を受けた投資額に応じて株式の取得価額が減額されるため、将来の売却時にはその分だけ譲渡益が増える可能性があります。

つまり、優遇措置Bは税金そのものが免除される制度ではなく、投資時点の課税を将来に繰り延べる仕組みであることを理解してください。

MEMO
プレシード・シード特例では年間20億円までの投資額について取得価額の調整が行われないため、優遇措置Bとは税制上の扱いが異なります。

一方、企業側は設立経過年数や事業内容、外部資本比率など、エンジェル税制を適用するための複数の要件を満たす必要があります。

さらに、企業側が確認書の交付を受けるには確認申請が必要となり、事前確認制度を利用した場合でも、実際に投資を受けた後に改めて確認申請を行わなければなりません。

エンジェル税制申請方法と確定申告までの流れ

こちらの章では、エンジェル税制申請方法と確定申告までの手続きを紹介します。

ベンチャー企業と個人投資家のそれぞれの手続きの流れを見ていきます。

ベンチャー企業の必要手続き

ベンチャー企業の必要手続きは、事前確認制度の利用の有無によって異なります。

事前確認制度を利用する場合と、利用しない場合の手続きのステップを見ていきます。

事前確認制度を利用する場合のベンチャー企業の手続き
STEP1
事前確認申請(エンジェル税制適用企業であることの確認)

STEP2
事前確認書の取得(経済産業省のホームページで公表)

STEP3
資金調達(投資契約の締結)

STEP4
資金調達後の確認申請

STEP5
確認書の取得

STEP6
投資家への書類提出

事前確認制度を利用する場合は、投資を受ける前に、エンジェル税制の対象企業であることについて事前確認を申請します。

また、事前確認を受けた企業でも、実際に投資を受けた後は、エンジェル税制の適用を受けるために改めて確認申請を行う必要があります。

続いて、事前確認制度を利用しない場合の手続きを説明します。

事前確認制度を利用しない場合の手続き
STEP1
資金調達(投資契約の締結)

STEP2
エンジェル税制適用のための確認申請

STEP3
確認書の取得

STEP4
投資家への書類提出

事前確認制度を利用せずに手続きを行うには、 資金の払込期日の段階で企業要件と個人投資家要件を満たす必要 があります。

投資後にエンジェル税制の適用要件を満たしていることについて確認申請を行い、確認書の取得後に投資家へ必要書類を提出します。

個人投資家の必要手続き

個人投資家においては、 出資の手続きと確定申告の手続き が必要です。

エンジェル税制の対象となる株式の取得方法は、ベンチャー企業への直接投資、認定投資事業有限責任組合(LPS)経由、認定少額電子募集取扱業者(ECF)の株式投資型クラウドファンディング経由の3種類があります。

ベンチャー企業から直接株式を取得する手続き
STEP1
ベンチャー企業への投資(投資契約の締結)

STEP2
ベンチャー企業側がエンジェル税制適用のための確認を都道府県へ申請

STEP3
確認書の取得

STEP4
確定申告

認定投資事業有限責任組合経由の手続き
STEP1
投資事業有限責任組合契約の締結

STEP2
投資事業有限責任組合の認定申請

STEP3
経済産業大臣の認定書の交付・対外公表

STEP4
ベンチャー企業へ投資

STEP5
企業要件と個人投資家要件の確認

STEP6
確認書の取得

STEP7
確定申告
認定少額電子募集取扱業者(ECF)経由の手続き
STEP1
認定ECFを通じてベンチャー企業へ投資

STEP2
企業要件と個人投資家要件の確認

STEP3
確認書の取得

STEP4
確定申告

個人投資家は投資方法に応じて必要な確認書などを受け取り、エンジェル税制の適用を受けるために確定申告を行います。

確定申告の必要書類や記載方法、注意点はこれから説明します。

エンジェル税制の確定申告で提出する必要書類

個人投資家がエンジェル税制の適用を受けるためには、確定申告時に投資方法や利用する優遇措置に応じた書類を所轄税務署へ提出する必要があります。

必要書類
  • 都道府県知事の確認書又は認定投資事業有限責任組合が発行した確認書及び認定証の写し、若しくは認定少額電子募集取扱業者が発行した確認書及び認定証の写し
  • 発行会社が交付する一定の株主に該当しない旨の確認書
  • 株式投資契約書の写し
  • 株式異動状況明細書
  • 株式の譲渡等に関する書類
  • 清算結了の登記事項証明書、破産手続開始の決定の公告等
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書
  • 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書(特定権利行使株式及び特定投資株式分がある場合)
  • 特定(新規)中小会社が発行した株式の取得に要した金額の控除の明細書
  • 令和○年分の所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表(特定投資株式に係る譲渡損失の計算及び繰越控除用)
  • 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細

引用:確定申告手続き-エンジェル税制申請から確定申告までの流れ-|中小企業庁

優遇措置別 番号
所得控除制度(優遇措置A) 1~4・9・11
課税繰延べ制度(優遇措置B) 1~4・7・9
譲渡損失発生の場合 1~5・8・10
破産手続き開始の決定により損失が生じた場合 1~4・6・8・10

民法組合および投資事業有限責任組合を経由して投資する場合は、優遇措置Aを除き、上記の書類に加えて以下の書類も必要です。

追加書類が必要な場合
  • 民法組合等の決算書
  • 個人投資家の持分に応じた計算書(貸借対照表がついたもの)
  • 投資の明細(各銘柄の取得価額、組合としての取得株数等)

2026年1月1日以後に対象株式を取得する場合は、一定の要件を満たすことで前年分の所得税について繰戻還付を受けられる場合があります。

繰戻還付を利用する場合は通常の確定申告とは必要な手続きや書類が異なるため、国税庁の最新情報を確認してください。

【エンジェル税制の確定申告】寄附金控除の書き方と記載例

エンジェル税制の確定申告において、優遇措置Aを利用する場合は、 特定新規中小会社が発行した株式の取得に要した金額の寄附金控除額の計算明細書 を作成します。

計算明細書は国税庁の「申告書・申告書付表と税額計算書等 一覧」からダウンロードできます。

以下では、1株5万円の株式を100株取得して500万円を投資し、所得金額の合計額が1,000万円の場合を例に、寄附金控除額を計算します。

項目 金額
①適用対象額 5,000,000円
②①以外の寄附金の額 0円
③①+② 5,000,000円
④所得金額の合計額 10,000,000円
⑤④×40% 4,000,000円
⑥③と⑤のいずれか少ない方の金額 4,000,000円
⑦寄附金控除額(⑥-2,000円) 3,998,000円
⑧⑤-② 4,000,000円
⑨①と⑧のいずれか少ない方の金額 4,000,000円
⑩取得費の調整対象外(⑨-2,000円) 3,998,000円

エンジェル税制の確定申告は注意が必要

エンジェル税制の適用を受ける場合は、利用する優遇措置や投資方法によって必要書類が異なるため、確定申告の準備を早めに進めることが大切です。

優遇措置A・Bのどちらを利用するかに加えて、 直接投資、認定投資事業有限責任組合(LPS)、認定少額電子募集取扱業者(ECF)などの投資方法によっても、必要な書類が異なる場合があります。

また、株式の譲渡損失を翌年以後に繰り越す場合など、適用する制度によって確定申告時の手続きが変わるため、必要書類や申告方法を事前に確認してください。

自分で確定申告を進めることに不安がある場合は、所轄税務署や税理士などの専門家へ相談する方法もあります。

MEMO
所得税の確定申告期間は原則として翌年2月16日から3月15日までです。ただし、期限日が土曜日・日曜日・祝日などに当たる場合は翌日となるため、申告する年の期限を国税庁で確認し、余裕を持って準備してください。

エンジェル税制に関するよくある質問

ここでは、エンジェル税制に関するよくある質問について回答します。

エンジェル税制に関するよくある質問
  • Q:エンジェル税制の対象企業を一覧で見たいです
  • Q:エンジェル税制をサラリーマンが利用するメリットは?
  • Q:エンジェル税制の起業特例とは?
  • Q:エンジェル税制に関するパンフレットはどこにありますか?
  • Q:SBI証券のエンジェル税制について教えてください

Q:エンジェル税制の対象企業を一覧で見たいです

中小企業庁の事前確認制度の概要および確認企業一覧にて、エンジェル税制の対象企業をチェックできます。

ただし、事前確認制度を利用せず、投資を受けた後にエンジェル税制の確認申請を行う企業もあるため、一覧に掲載されていない企業がすべて対象外というわけではありません。

Q:エンジェル税制をサラリーマンが利用するメリットは?

サラリーマンがエンジェル税制を利用するメリットは、一定の要件を満たすベンチャー企業へ投資することで、 所得税の負担を軽減できる可能性がある点です。

たとえば優遇措置Aでは、対象企業への投資額から2,000円を差し引いた金額を、その年の総所得金額等から控除できます。

ただし、エンジェル税制による税制優遇だけでなく、投資した資金を回収できないリスクなども踏まえて利用を検討することが大切です。

  • エンジェル税制の適用を受けるには確定申告が必要
  • 未上場株式は上場株式と比べて売却の機会が限られ、希望するタイミングで現金化できない可能性がある
  • 投資先の経営状況によっては、投資した資金を回収できない可能性がある

Q:エンジェル税制の起業特例とは?

エンジェル税制の起業特例とは、会社を発起設立した発起人が設立時に出資した場合に、 その出資額を設立年の株式譲渡益から控除でき、年間20億円までは非課税となる制度 です。

起業特例の対象となる個人は会社を発起設立した発起人に限られ、設立した会社についてもエンジェル税制で定められた企業要件を満たす必要があります。

なお、控除できる金額自体に上限はありませんが、年間20億円を超える部分は非課税ではなく課税繰延べとなる点に注意してください。

Q:エンジェル税制に関するパンフレットはどこにありますか?

エンジェル税制の公式パンフレットは、中小企業庁の「エンジェル税制概要パンフレット」からPDF形式で確認できます。

また、経済産業省のエンジェル税制ページでは、 エンジェル投資や起業特例などの制度ごとに最新の申請ガイドラインや申請書類が公開されています。

制度改正によって申請方法や必要書類が変更される場合があるため、実際にエンジェル税制を利用するときは最新のガイドラインも確認してください。

Q:SBI証券のエンジェル税制について教えてください

2026年8月時点では、SBI証券は 経済産業省が公表する認定少額電子募集取扱業者(ECF)の一覧に掲載されていません。

エンジェル税制では、対象となるベンチャー企業への直接投資や、認定投資事業有限責任組合(LPS)、認定少額電子募集取扱業者(ECF)を経由した投資などが対象となります。

そのため、 SBI証券の通常の上場株式取引を行うだけで、エンジェル税制の適用を受けられるわけではありません。

エンジェル税制を利用したい場合は、投資先企業や投資方法が制度の要件を満たしているかを事前に確認してください。

Q:楽天証券でエンジェル税制への投資はしていますか?

2026年8月時点では、楽天証券は 経済産業省が公表する認定少額電子募集取扱業者(ECF)の一覧に掲載されていません。

エンジェル税制の対象となる投資方法には、対象企業への直接投資、認定投資事業有限責任組合(LPS)経由、認定少額電子募集取扱業者(ECF)経由などがあります。

そのため、楽天証券で通常の上場株式や投資信託などを購入するだけで、エンジェル税制の適用を受けられるわけではありません。

エンジェル税制を利用する場合は、投資先企業と投資方法が制度の要件を満たしているか確認してください。

エンジェル税制のまとめ

エンジェル税制は、一定の要件を満たすベンチャー企業へ投資した個人投資家が、税制上の優遇措置を受けられる制度です。

投資時には優遇措置Aや優遇措置Bなどを利用できるほか、一定の要件を満たせば株式の売却で生じた損失を他の株式譲渡益と相殺し、控除しきれない損失を翌年以降3年間繰り越せる場合があります。

一方で、 投資先企業と個人投資家の双方に要件があり、適用する優遇措置によって確定申告で必要となる書類や税務上の取り扱いも異なります。

個人投資家が制度の利用や確定申告に不安を感じる場合は、必要に応じて税理士などの専門家への相談も検討してください。

また、資金調達を目指すベンチャー企業は、投資を受ける前にエンジェル税制の対象企業であることを確認する「事前確認制度」を利用できます。

事前確認を受けた企業は経済産業省のWebサイトで公表されるため、 エンジェル税制を利用して投資先を探している個人投資家に、自社が制度の対象企業であることを示せます。

投資家側は税制上のメリットだけで判断せず、投資による元本割れや換金の難しさも踏まえたうえで、エンジェル税制を利用するか判断してください。

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