1020 賃貸不動産のレコメンデーションプラットフォーム ietty 約2億円

■資金調達概要
10月20日　不動産業界のベンチャー、株式会社ietty（以下：イエッティ）は、ベンチャーキャピタル2社に対し第三者割当増資を実施、総額で約2億円の資金調達が行われました。
今回の投資を受け調達した資金は、現在の主力サービスとなっている、イエッティとイエッティビスを成長させ、新たなサービスの開発に活用されます。

今回投資を行ったベンチャーキャピタルは次の2社です。

YJキャピタル株式会社
インキュベイトファンド

なお、今回の資本提携に伴い、VC2社より次の2名を社外取締役として迎える予定です。

YJキャピタル：代表取締役　小澤隆生氏
インキュベイトファンド：代表パートナー　和田圭祐氏

プレスリリース：http://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000008.000007452.html

■ライターの視点
なぜこうしたサービスが、つい最近まで出てこなかったのか不思議なくらいに、古い体質の不動産業界です。

今回の資金調達においても、代表の十河氏が「消費者第一の不動産業界を創るという強い信念をもって製品、サービスを提供し、世の中になくてはならない会社になる」と、ビジョンを語っています。

イエッティのサービスは、従来のスタイルでのんびりと構えている営業マンと家主さんには、お客さんが集まらなくなる、現象が生まれてきます。
つまり、受動的で待との営業姿勢では、もう借りる人は集まってこないかもしれません。
逆に、イエッティからの情報に対し積極的に借りてもらおうと、本来の営業としての姿勢を持つ一生懸命な営業マンには、お客さんも集まるでしょうし相談も増えることでしょう。

イエッティももちろん商売です。
情報を求める人が本当に満足して、賃貸契約につながらなければ、自然とサービスの利用者が減ってしまうことでしょう。
幸い利用者は日増しに増えてサービスの拡充が必要になるほどになっています。
今のところ、十河氏の目指す「世の中に無くてはならない会社」にあてはまっているようで、本当にありがたいことですね。

イエッティでは、インターネットサイトから、お部屋を探している人が希望の条件などを入力するのですが、それ以前にお部屋選びのための基礎知識といったことも必要です。
条件にかなうお部屋が紹介されても、用語がわからなかいことや実際に物件を見に行って、見なければいけないポイントを見落としたりしたのでは、良いお部屋と巡りあうことも難しくなるでしょう。

そんなお部屋探しの初心者の人にも分かりやすい、基礎知識や周辺情報などが提供される「ほぼ週刊イエッティ」と言う、現代風に言うと「とってもゆるいかんじ」がちょうど良い、情報サイトが用意されています。

家探しの情報だけでなく、一人暮らしのための自炊レシピなど、興味深いコンテンツです。
こうした、ファンを捕まえる遊びの工夫は、従来の賃貸不動産業者のサイトにはありませんので、イエッティは、顧客の心を捕まえるのも上手だと感心させられます。

起業が資金調達を行う際に、会社の経営などのシビアな部分がしっかりしていて業績が伴っていることは、当たり前に必要なことでしょう。
しかし、インターネットから集客するサービスでは、それと同等かそれ以上に必要なことは、顧客の心を捕まえる工夫だとも考えます。

おそらく、VCの担当者からも会社のファンを作る工夫なども、投資の対象のポイントとして判断され見られているものと思われます。
ページが面白いと後の情報も継続的にほしいと考える人が多く、メルマガへの登録やサイトへの会員登録につながります。
インターネットサイトでは、そうしたごく当たり前のコンテンツ作りが、ファンを作り定着させるためには有効ですから、イエッティは、基本に忠実なサイト作りでファンを獲得していると言えるでしょう。

■会社概要
株式会社ietty（イエッティ）は、賃貸住宅探しの新しいサービスです。
お部屋探しは、インターネットから条件を入力して、後は待っているだけで部屋探しのプロの営業マンが、あなたの希望に合わせた部屋を探して提案してくれます。

会社名／株式会社ietty
代表取締役／十河　慎治
設立／2012年2月2日
資本金／約2億4千630万円(資本準備金含む)
住所／東京都渋谷区恵比寿1-8-3