西井大輔税理士・公認会計士事務所

まずは、自己紹介をお願いします。

釧路出身で、大学時代から横浜で過ごしています。大手監査法人を経て、平成20年に独立・開業しました。監査法人時代は企業監査業務や国際会計基準導入など、大企業向けサービスを担当していました。公認会計士として大きな企業を相手に仕事をすることは、とてもやりがいを感じていました。かねてより中小企業向けのサポートを実施したいと考えていて、独立を決意しました。

現在は税理士登録をし、税理士業務を中心に活動しています。基本理念は「中小企業を経営改善計画や資金計画の観点からしっかりサポートする」ことです。公認会計士として活動していた経験が今でもとても役にたっています。

なぜ資金調達のサポートを始めようと思ったのですか？

事業を大きくしていくために、資金調達は大きなカギを握ります。顧問の税理士としてお客様をサポートするために資金調達の部分のお手伝いをしていました。すると、これほど丁寧に資金調達サポートをやる会計事務所はほかにない、と言われるくらいになりました。

初めて融資を受けられるお客様には、まず日本政策金融公庫（以下、公庫）をご紹介します。一般的な会計事務所では、資金調達のお手伝いというと公庫に紹介状を書いて終わりのようです。私は融資の事前交渉から、融資の審査面談時、返済までしっかりとサポートしています。

公庫融資では審査されるポイントがあり、そこをしっかり押さえることが必要不可欠ですね。これからはじめる事業の経験がどれくらいあるか、どれくらいの期間で利益が見込めるのか。また、資本金はどのようにして集めたのか。それを裏付ける取引先の状況などを聞かれる、という流れの中で、「これくらいの資金は必要です。」と融資担当者とコンセンサスが得られるようにストーリー立てて説明できることが必要です。

お客様には書類の記入のサポートをまずしますが、売り上げなどの数字の具体的なところは、事業主様にしっかり作りこんでいただきます。事業主様にしかわからない、事業を進めていくうえでの最重要となるところなので、私が代行して作ることはしません。そこを私が代行して作ると数字が独り歩きして、事業主様が自分の言葉で説明できなくなってしまいます。ですので、しっかりご自身での作成をお願いしています。

初めて審査の面談に同行したのは、自分のかかわっているお客様の審査がどのように行われているのか、と気になったからです。公庫の審査にご一緒してみましたら、事業計画の数字の質問も多く、ただでさえ緊張している事業主様だけでお答えするのはかなりハードです。私が横にいて、少しサポートするだけでも説明のしやすさが全然違うようです。これは同行したほうが良いなと感じました。お客様にも好評です。

お客様から、私が同行したときと単独で行った時の相手方の対応の差が大きかった、とも聞いています。ちょっとしたことだとは思うのですが、不安な中一人で行くのと、融資の審査に慣れている私が同行しているのでは事業主様の心持も違ってくるのでしょうか。

公庫の説明では、自己資金の10倍まで融資可能等の説明がされていますが、なかなか10倍は出ません。そこは、まず事業計画をしっかり立てていただいて、リーズナブルに説明できる必要な金額から、と考えています。

融資コンサルについての特徴や強みを教えてください。

必ず私自身がサポートするところです。ご自分で事業の計画があり、資金を調達してやっていきたいという人には、全力でサポートします。

起業などで、新たに融資を受けたい方向けに『横浜会社設立ステーション』という独立したHPを用意しています。資金計画のドラフト段階から事前審査をして、この段階で難しいものは恐縮ですが、断らせていただいています。よくある、事業計画作成・数字の作成などの丸投げは受けていません。そんなことをしてもお客様のメリットは何もないと思うからです。

リーマンショック後の中小企業救済資金で、借りられるだけ借りて、あっという間につぶれた企業が多かったですよね。融資は、必要な分だけ借りて、事業が拡大したらまた考えればよいと思います。お客様の事業の成長をしっかり見ていきたいので、資金計画と顧問契約はセットでお願いしています。顧問契約も、少額の負担で済むものから、フルサービスまで色々なプランがあります。ご負担のない範囲で検討してもらえればと思います。

最近手がけた案件の事例があれば教えてください

20歳くらいの若い社長さんが、スマホ関連のIT系サービス業をやりたいと相談に見えました。経験も足りなくて、事業計画も自分ではまとめるのは難しい。若い人ですし、サポートして書類を作成し、融資の審査前には朝からこちらに来てもらって、模擬面談をしました。ご自分の言葉で計画の内容が説明できるように練習です。融資とはいえ、人対人。信用を得なければ成り立ちません。自分で働いて貯めた部分をアピールしてもらい、何とか融資も下りて、ホッとしたところです。

一方、リサイクルショップでしたか、しっかりした事業計画があり、同業の経験も豊富で、自分で資本金をコツコツためた方は、公庫から1,500万、地銀から1,000万おりました。経験は無駄にならないと思います。自分で事業の青写真を作っていけない人は長く続けていくことは難しい。紹介したはいいけれど、あっという間にだめになった、では困ると考えます。融資は、きちんと完済してやっと終わりですから。融資を受ける人は、継続して売り上げ状況を見守らせていただきたいですね。

資金調達を検討されているお客様へのメッセージ

しっかりした事業計画があり、同業の経験が豊富で、資本金を独立のためにきちんと貯めてきた人は、たとえ自己資金100万円でも、融資はおります。まずは、自分がどうやって商売していくか。そこの計画をしっかり立てられるようによく考えていただければと考えます。そこは事業主様にしかできません。そこがぶれなければ必ず融資は受けられると思います。

起業を成功させるためのアドバイスがあれば、お願いします。

業界マーケティングをしっかりやることだと思います。ただやりたいだけでやってしまうと辛いかもしれないですね。上手く行っている人はどうやっているのか。これから始めるのは、込み合っている業界ではないか。込み合っていても、ここはすいているのではないか、一点突破が可能かなど。ニッチとメインのフィールドの中で、自分の強みをしっかり探す。世の中の情報をもらうためには、設備投資がオススメと思います。

一方で、逆に、取りあえずやってみたい、というのも良いと考えます。経験は強いですから。私の事務所の強みは、お客の様子を見ながら「しっかりコース」も、「ものは試しコース」も対応できるところですね。初めて会社を作る人などは、月次決算をきっちり合わせるように追い込んだりしないので、そこは間口を広げて、サポートしています。顧問契約のコストも少額からあり、総合的にサポートしてもらえるとお客様に好評です。ITがらみで、特許をとったりするときに、弁理士さんを紹介したり、お客様の環境を整えつつできる限りサポートしています。