借入金返済で使う勘定科目とは?仕訳の例や個人事業主が借入した時の勘定科目も解説

運営事務局
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更新日2026/2/9
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借入金返済の際に使う勘定科目は?

借入金を返済した時の仕訳方法は?

個人事業主が借入したときの仕訳や勘定科目は?

借入金返済で使う勘定科目は、以下の4種類です。

勘定科目 詳細
長期借入金 決算日の翌日から起算して、返済期限が1年を超える借入金
短期借入金 銀行などの金融機関や役員、親会社などといった外部から受けた融資のうち、返済期限が決算日の翌日から起算して1年以内に到来する負債
支払利息 銀行融資や社債、個人からの借入金といった「他人資本」を利用した際に発生する対価(利息)を管理するための勘定科目
普通預金 借入金返済時にも利用する勘定科目

それぞれの勘定科目を使いこなして、税金などの申告で使う必要があります。

今回の記事では、借入金返済で使える勘定科目や仕訳例、種類などを解説します。

記事を読むことで、借入金返済の仕訳の仕方などがわかりますので、ぜひ参考にしてください。

借入金返済で使う勘定科目

借入金返済で使う勘定科目は、下記の4種類になります。

借入金返済で使う勘定科目
  • 長期借入金
  • 短期借入金
  • 支払利息
  • 普通預金

借入期間によって勘定科目が変わる点や返済金の他に支払利息を分けて記載することが重要です。

ここでは、勘定科目の内容について詳しく解説します。

長期借入金

長期借入金とは
長期借入金とは、決算日の翌日から起算して、返済期限が1年を超える借入金のこと

主に設備投資や運転資金の確保を目的とした銀行等からのローンが該当し、 貸借対照表の「固定負債」の部に計上されます。

固定負債とは
企業の財務諸表である貸借対照表(バランスシート)に記載される負債のうち、支払期限が貸借対照表日から1年を超えて到来する負債

返済期間が長いため、短期間で回収できない多額の資金が必要な場面で利用されます。

MEMO
メモを設定しましょう。

短期借入金

短期借入金とは
銀行などの金融機関や役員、親会社などといった外部から受けた融資のうち、返済期限が決算日の翌日から起算して1年以内に到来する負債のこと。

短期間で返済が必要なため、 貸借対照表では「流動負債」の区分に計上 されます。

流動負債とは
貸借対照表上の負債の部において、1年以内に返済・支払期限が到来する債務。1年基準に基づき区分され、企業の短期的な支払能力(流動比率)を評価する重要な財務指標

一時的な 運転資金の不足や、賞与の支払い、季節的な仕入れ資金の確保などに利用されることが多いです。

支払利息

支払利息とは
支払利息とは、銀行融資や社債、個人からの借入金といった「他人資本」を利用した際に発生する対価(利息)を管理するための勘定科目。

会計上の大きな特徴は、 損益計算書において営業外費用として計上される点です。

これは、利息の支払いが本業の営業活動そのものではなく、資金調達に伴って発生するものだからです。

具体例としては、 銀行やビジネスローンの利息、個人間の借入利息 などが該当します。

例えば、100万円を年利5%で借り入れ、1年後に5万円の利息を支払った場合、この5万円を「支払利息」として経費計上し、企業の利益から差し引く処理を行います。

普通預金

普通預金は 借入金返済時にも利用する勘定科目です。

基本的には、 (借方)負債の減少 /(貸方)資産(普通預金)の減少 という仕訳になります。

例えば、普通預金から借入金を返済する場合、長期もしくは短期借入金の種類や利息の有無によって仕訳方法も変わってきます。

MEMO
どこの銀行口座の普通預金なのかを記載しておくことでお金の流れがわかりやすくなります。

借入金の仕訳例

ここでは、借入金の勘定科目と仕訳の例を見ていきます。

借入金の勘定科目と仕訳一覧
  • 借入金が入金された際の仕訳
  • 借入金の利息を支払った際の仕訳
  • 借入金を返済した際の仕訳

イメージをしやすいように、上記それぞれの仕訳方法を説明します。

借入金が入金された際の仕訳

例として、銀行から5,000万円の融資を受けて、普通預金に入金された場合の仕訳を見ていきます。

融資の5,000万円のうち短期借入金が1,500万円、長期借入金が3,500万円とします。

借方 貸方
普通預金 5,000万円 短期借入金 1,500万円
– – 長期借入金 3,500万円

借入金の入金後は 資産科目の普通預金が増えて、負債科目である借入金が増えたことを記載していきます。

借入金の利息を支払った際の仕訳

借り入れしてから利息のみの支払いをした場合の例を見ていきます。

利息1万円を支払った場合は下記のような仕訳になります。

借方   貸方  
支払利息 1万円 普通預金 1万円

利息の支払いは 「支払利息」で処理を行い、勘定科目は「営業外費用」に区分します。

借入金を返済した際の仕訳

最後に借入金を返済した時の仕訳を見ていきます。

借入金の1,500万円と利息10万円を普通預金から返済した場合の例で説明します。

借方   貸方  
短期借入金 1,500万円 普通預金 1,510万円
支払利息 10万円 – –

続いて、仕訳処理を短期借入金と長期借入金に分けている場合は、決算時に長期借入金を短期借入金に振替える必要があります。

決算になったため、来年度に返済する1,000万円を長期借入金から短期借入金に振替える仕訳は下記の通りです。

借方   貸方  
長期借入金 1,000万円 短期借入金 1,000万円

借入金とは

借入金とは 他者からお金を借りた時に使用する勘定科目のことです。

資金調達のために借用証書や約束手形を差し入れたり、金融機関から金銭の借入をする際に発生する債務です。

企業が他者からお金を借り入れることにより返済義務が発生し、 貸借対照表上で負債に計上しなければなりません。

借入金の種類は4つ

金融機関から借り入れする借入金には下記の4種類があります。

借入金の種類
  • 証書貸付
  • 手形貸付
  • 手形割引
  • 当座借越

それぞれ融資のスピードや返済期間、手続きの仕組みが大きく異なります。

ここでは、それぞれの特徴やどのような場面で活用すべきかを詳しく解説していきます。

自社にとって最も有利な条件を見極めるための参考にしてください。

証書貸付

証書貸付とは
融資する人と借り入れる人が金銭消費貸借契約を結んで借り入れることです。

金銭消費貸付契約証書には、借入金や金利、返済期間などが記載されています。

貸付期間1年以上の長期融資の場合に多く、 借入金の種類の中でも一般的な方法です。

金銭消費貸付契約を結ぶことでお互いに合意したことになり、借り入れした人は契約書に基づいて返済を行っていきます。

手形貸付

手形貸付とは
約束手形を金融機関に振り出し、手形に記載された金額の融資を受ける方法となります。

手形貸付は証書貸付とは違い、 金銭貸借契約書の差し入れや担保の設定もありません。

手形貸付の場合は貸付期間が1年以内の場合がほとんどで、つなぎ融資や運転資金の借入金に多いです。

手形割引

手形割引とは
個人・法人が発行した約束手形を金融機関や業者に買い取ってもらい、融資を受ける方法となります。

約束手形に記載されている期日までに換金を行うため、 支払い期日よりも前に現金化できる仕組み になっています。

しかし、約束手形に記載されている金額を受け取れるわけではなく、記載金額から割引料を引かれた金額のみ受け取れます。

また割引料は買取業者で変わるため、企業の財務状況や実績次第では手数料が高くなる場合もあるので要注意です。

当座借越

当座借越とは
あらかじめ融資限度額を設定し、限度額内であれば好きな時に融資を受けられるサービスのことです。

特徴は、 金融機関に足を運ぶ必要がなく、自由に融資や返済ができる借り入れできるサービスです。

当座借越は利便性が抜群ですが、当座借越の設定を行うための金融機関の審査が厳しいとされています。

借入金のメリット

借入金と聞くとお金を借りることに対して抵抗感や、良いイメージがないかもしれません。

しかし、 借入金の活用方法によって会社が安定したり、利益を増やすきっかけになるケース もあります。

借入金のメリットを紹介するので、借入金を検討している人は参考にしてくださいね。

借入金のメリット
  • 短期借入なら事業資金に余裕ができる
  • 長期借入金は将来投資ができる

短期借入なら事業資金に余裕ができる

借入金のメリットとして、事業資金に余裕ができることが挙げられます。

短期借入で資金調達を行うことにより、 資金繰りの困難から抜け出し、経営を安定させることが可能です。

さらに、事業資金に余裕ができれば取引先や従業員への支払いが滞る心配もありません。

短期借入であれば返済期間が短い上に、 利率が低く審査も通りやすいので精神的な負担が少ないといえます。

MEMO
どうしてもお金が必要な時や、資金繰りが苦しい時は短期借入の検討をおすすめします。

長期借入金は将来投資ができる

一方、長期借入金は将来投資ができるメリットがあります。

新商品の開発や設備投資などには多額の資金を必要とするため、 長期借入金を受けて将来投資を行い、事業拡大を目指します。

MEMO
将来投資をすることで会社が成長し続け、今後の利益につながっていくといえます。

借入金のデメリットとリスク

借入金のメリットを紹介しましたが、次は借入金のデメリットとリスクについて紹介します。

借入金のデメリットとリスク
  • 返済義務がある
  • 返済が滞ると信用を無くす

それぞれのデメリットを理解してから借入を行ってくださいね。

返済義務がある

借入金は金融機関などから借りたお金なので、必ず毎月返済をしなければなりません。

契約内容によって返済期間や返済額は異なりますが、多額のお金を借り入れしている場合は、その分返済額も大きくなっていきます。

MEMO
金融機関から借り入れをする際は、毎月の返済額や返済期間をシミュレーションをしてからの契約をおすすめします。

返済が滞ると信用を無くす

万が一、返済が滞ると金融機関からの信用を失い、次の借り入れができない可能性があります。

また、返済に追われて資金繰りが困難になってしまうと、取引先への支払いや経営に必要な資金も失ってしまいます。

MEMO
会社の信用も危うい状態になるので、返済に滞りがないように計画的に借り入れをしてください。

借入金に対する返済能力を測る指標について

借入金に対する返済能力を測る指標について説明します。

借入金の返済能力の計算式
  • 借入金依存度
  • 借入金月商倍率

上記の計算方法によって明確な数字にすることで、 返済能力や会社の経営状況の把握ができます。

借入金依存度

借入金依存度とは
自社の総資産に占める借入金の割合を示した指標のことです。

借入金依存度では、 借入金によって何パーセントの資金を調達し、全体的に借入金が多いかどうか を分析していきます。

借入金依存度の計算方法は下記の通りです。

借入金依存度の計算式
借入金依存度=総借入(長期借入金+短期借入金+割引手形残高+社債)÷総資産×100

一般的な借入金依存度の目安は50~60%程度といわれています。

借入金依存度の数値が高ければ返済負担が増えて、事業の資金繰りが悪化する可能性があるので、資金繰りを改善していく必要があります。

MEMO
借入金依存度で自社の財務状況を可視化することにより問題の洗い出しができます。

借入金月商倍率

借入金月商倍率とは
借入金が月間売上高の何倍になるかを示す指標のことです、

借入金月商倍率の計算方法は下記の通りになります。

借入金月商倍率の計算式
借入金月商倍率=(短期借入金+長期借入金+受取手形割引高)÷(売上高÷12)

一般的に、 借入金が月商の3倍までが健全とされている借入限度です。

上記の計算によって、 借入過大になっているかどうかを判断できます。

借入金返済の勘定科目に関するよくある質問

ここでは、借入金返済の勘定科目に関するよくある質問について回答します。

借入金返済の勘定科目に関するよくある質問
  • Q:借入金の返済は何費に計上できますか?
  • Q:個人事業主の借入金の勘定科目は何がありますか?
  • Q:会計ソフトであるfreeeでの長期借入金返済時の勘定科目は何がありますか?
  • Q:会計ソフトの弥生での借入金返済時の勘定科目は何がありますか?
  • Q:借入金の延滞金や遅延損害金の勘定科目は何になりますか?
  • Q:借入金の返済額は、損益計算書に計上されないってほんと?

Q:借入金の返済は何費に計上できますか?

借入金の返済は、「元金(がんきん)」と「利息(りそく)」で扱いが異なります。

元金の返済は経費にならず、 短期借入金または長期借入金で処理されます。

理由は、借りた時に収益(利益)にならなかったのと同様に、返す時も費用(経費)にはならないという考え方であるため、負債が減るだけで利益を減らすものではありません。

一方で利息の支払いは経費になり、支払利息で処理されます。

こちらは、お金を借りるための手数料のような性質を持つため、事業上の必要経費として認められます。

Q:個人事業主の借入金の勘定科目は何がありますか?

個人事業主が借入を行った場合、返済期間や相手先によって、主に以下の4つの勘定科目を使い分けます。

借入金の主な勘定科目

  • 短期借入金
  • 長期借入金
  • 事業主借(じぎょうぬしかり): 事業主本人の私的なお金を事業用口座に入れたり、プライベートの財布から事業の経費を支払ったりした場合
  • 支払利息: 返済時に支払う利息部分のみに使用する費用科目

借入金そのもの(元本)は経費になりませんが、 利息は全額経費として計上できます。

Q:会計ソフトであるfreeeでの長期借入金返済時の勘定科目は何がありますか?

長期借入金の返済を freee で登録する際の勘定科目は、主に長期借入金(元金)と支払利息(利息)の2つを使用します。

使用する勘定科目

  • 長期借入金(負債):返済した「元金」部分
  • 支払利息(費用):返済時に支払った「利息」部分
  • 普通預金など(資産):返済資金の引き出し元

返済額の合計(元金+利息)を口座から支払った場合の仕訳は、以下の通りです。

借方(左側) 金額 貸方(右側) 金額
長期借入金 (元金額) 普通預金 (合計額)
支払利息 (利息額) 普通預金 (合計額)

Q:会計ソフトの弥生での借入金返済時の勘定科目は何がありますか?

弥生会計で借入金を返済した際の主な勘定科目は、返済期間や内容に応じた勘定科目を使います。

使用する勘定科目

  • 長期借入金(負債)
  • 支払利息(費用)
  • 支払利息

あらかじめ、入力しやすいように補助科目を登録すると、残高管理がしやすくなります。

Q:借入金の延滞金や遅延損害金の勘定科目は何になりますか?

借入金の返済が遅れた際に発生する延滞金や遅延損害金は、 一般的に支払利息の勘定科目で処理します。

支払利息または遅延損害金という独立した科目や雑損失を用いる場合もありますが、実務上は支払利息に含めるのが一般的です。

原則として、支払った事業年度の費用(損金)として認められますが、税金の延滞税・延滞金は損金不算入になります。

Q:借入金の返済額は、損益計算書に計上されないってほんと?

借入金は税務上、経費ではないため損益計算書には計上されません。

貸借対照表では借入金を負債として計上を行いますが、損益計算書は収益と経費を記載している決算書類なので計上しません。

借入金返済の勘定科目に関するまとめ

借入金の種類や勘定科目、仕訳のポイントから個人事業主が借入した時の勘定科目を解説しました。

円滑な企業経営において、金融機関からの融資を賢く活用し、事業を安定させている企業は少なくありません。

「難しそう」と思われがちな借入金の仕訳ですが、 「短期・長期の違い」や「利息の扱い」さえ押さえれば意外とシンプルです。

ただし、融資を受ける前に必ず自社の「返済能力」をチェックすることも必要です。

資金繰りの悪化を防ぐためにも、現在の借入状況が適正かどうかを客観的に把握することが重要です。

身の丈以上の借り入れは、返済の遅れを招き、金融機関からの信用や会社の評判を損なうリスクがあります。

将来を見据えた、計画的な借り入れを心がけて健全な財務状況を維持してください。

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