総額約1億4,500万円の資金調達。売却特化型の買取プラットフォーム「ヒカカク!」などを運営する、株式会社ジラフ / 代表取締役社長 麻生輝明氏

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麻生社長の自己紹介をお願いします。

DSC_6332株式会社ジラフの麻生です。売却特化型の買取プラットフォーム「ヒカカク!」などを運営しています。
小学校後半から中学校にかけて、自分でホームページやwebサイトを制作するようになりました。また、中学生の頃から自作のコミュニティーサイトを運営していました。その時から、10代が交流できる掲示板を作ったり、チャット機能をいくつか提供することに没頭していました。そのサイトのアクセスが伸びていくことや、ユーザーから直接反応が返ってきたりすることが面白いと感じていました。その経験からサービスを提供することに興味を持ち、それが将来そのまま仕事になれば面白いなと感じていました。また、当時からサイバーエージェントの藤田さんや元ライブドアの堀江さんが活躍されていて、私も将来的に同じようなことが出来るのではないかと思っていました。
その後、大学では経営を学ぼうと考え一橋大学の商学部に入学しました。当時は経営戦略などを研究しながら、実際に仕事をしてみた方が良いなと思い、あるベンチャー企業で事業運営や事業立ち上げなどのインターンを経験しました。
後は、海外サービスのリサーチなどもやっていました。そういった意味でその頃からどういったサービスが伸びているのだとか、どういう事業が儲かるのだとか、投資家からどういうサービスが評価されるのだとかを学ぶことが出来ました。
また、就職活動も行いながら気付きや変化がどんどん起きていく中で、「リスクをとるような存在になっていきたい」という思いがあったので、ベンチャーキャピタルの仕事に魅力を感じていました。例えば、今後伸びていくマーケットの中で、経営者と非常に近いところで支援をしていけることに価値を感じていました。このような思いもあったことから、大手ベンチャーキャピタルに内定を頂くことができました。
一方、内定を頂いた後も、ベンチャーキャピタリストになるよりも私自身が起業家として挑戦した方が、ダイナミックで刺激的な人生を送れるんじゃないかと思っていました。その時に、たまたま友人がTLMという独立系ベンチャーキャピタリストを始めることもあって、投資して頂くことが決まったり、他のVCの方にお会いしていたので、知り合いの方に連絡したところ、投資もすぐに決めて頂けました。シードマネーとして1,300万円を調達することができ、学生起業家としての道を歩みはじめました。

 

運営するヒカカク!のサービスモデルに気づいた理由を教えて頂けますか?

当時、iPadを売ろうと思った時にヤフオクで売ろうと考えましたが結構面倒に感じたので、大手買取業者に売ろうと思いました。しかし、買取業者では買い叩かれてしまうのではないかという不安がありました。その時に自分にとって最適なお店がないのかと素朴に思っていたのですが、そういったお店の存在を知ることができなかったので、売れずに1年間が経過してしまいました。
その後経営を学ぶ中で、サービスを作るのであればマーケットプレイスなどを作りたいと思っていました。プラットフォームビジネスの方が過去の国内スタートアップを見ていると、大きな時価総額を付けているなと感じていたので、マーケットプレイスビジネスをやろうと思っていました。
そこで、販売ではなく買取のプラットフォームとして、価格比較コンテンツという立ち位置から始めることが出来るんじゃないかなと考え、大学4年生の時にサービスを立ち上げました。

 

合わせて、御社サービスのビジョンを教えてください。

買取業界では、一取引あたりでの粗利が大きくすることを考えて行動していた業者の方が多いのかなと思っています。その結果として売り手個人がネガティブな体験で終わってしまうケースが多いと思います。
それがもっと売り手に対して良い業界の形に変わればと考えています。具体的には、一取引あたりでの粗利が大きくするのではなく取引数を増やして、市場全体を拡大の方向に持っていきたいと思っています。そのためには、買取価格を開示していくことや、売り手が実際売った後のレビューを共有する仕組みを上手く作って共有していきたいと考えています。
最後に、買取業界の買取倫理を変えていくこと、売り手と買い手がマッチするためにはどうすべきかを考えるべきだと思っています。宅配特化型サービスの新興勢力の企業様を含め、業界がもっと良い方向に進化していけたら良いんじゃないかと思っています。

 

今回資金金調達をして苦労されたことや成功の秘訣を教えてください。

DSC_6350直近の日本政策金融公庫さんからの融資を含めると、総額約1億4,500万円になります。金融公庫さんに関しては、純粋に業績を伸ばしていたので、キャッシュフロー上は黒字になる計画書を作っていたことでご理解頂けました。また、弊社は検討時間を長くとり、やれることは全てやって臨んだことで、結果的には日本政策金融公庫さんから1,500万円の融資を受けることが出来ました。
また、提携先の税理士事務所が資金調達の支援もやっているので、そこからの紹介や交渉もご協力頂けたので、上手くいったのではないかと思っています。
次に今回のエクイティについてです。
まず、今回の調達分を含めシリーズAラウンドとして1億円近く集めようとイメージしていました。調達額がある程度決まった後は、VCやエンジェル投資家の方々を周り、「中古市場が大きくなっている中でそのマーケットプレイスがないこと」「実際に業績として伸びていること」を詳しく説明しました。最初は、以前から仲良くさせて頂いている企業様から投資が決まりました。その後は複数の会社様に話を持っていきました。
しかし最終的には、株式会社ポケラボの創業者(佐々木俊介氏)の方にお会いしてリードのエンジェル投資を行ってもらい、執行役員として参画してもらうことに決めました。その他の企業様にも出資をして頂き、エクイティの枠で総額1億3,000万円が決まりました。
上手く調達できた理由の一つは、1社のみから1億3,000万円を出して頂くのは難しいので、株主を分散させたことです。このポイントを押さえながら、今のフェーズでも成長の確実性を見出していただける会社様に出資をして頂きました。
また、創業から着々と業績をつくることができ、増資をしなくても会社を伸ばしていける体制にすることができました。より健全に運営できますが、資金を入れてもらうと成長スピードが早まる計画を見せることができたことが2つ目の理由です。
また、このマーケット自体伸びていて、CtoBのプラットフォームでは実際にナンバーワンになっています。CtoCで3位4位ではなく、この先も1位を取っていくことを伝えてきました。
このような事に共感して出資して頂いた方々はアドウェイズ、ドリームインキュベータ、アナグラム、Skyland Ventures、個人投資家(フリークアウト・ホールディングス社長の佐藤氏ほか2人)です。

 

日本政策金融公庫を含めた総額約1億4,500万円の資金使途を教えて頂けますか?

資金使途は開発チームを増強していくことをまず考えています。営業力は強い一方、弊社のボトルネックとして開発力で若干劣る部分がありました。そこを増強していくことを目的に、フルタイムで働けるエンジニアを一気に採用していこうと考えています。
さらにwebマーケティングに関しては、ツールや数字を分析するための人材に予算を割いていきたいと考えています。中盤からは広告投下を考えていて、広告費があればあるだけスケールできる世界を作れれば良いなと思っています。まずは開発力を強化して、その後で広告投下を効率的に行っていきます。
あくまでも事業規模をスケールさせることを目的に調達しましたので、その資本として使用していきます。

 

御社の強みや特徴を教えてください。

弊社の強みは若手が多い会社ですが、中途入社の方で経験と能力のある方が揃ってきていることです。特に大手の企業から移ってきていただいています。さらに若いだけじゃなくて実際にシリアルアントレプレナーとして、既に巨額のエグジットまでを一連で経験されている方が参画しているので、そういった意味で層が厚いメンバーが集まっています。
後は毎年10パーセントずつ伸びているリユース市場の中で、マーケットプレイスを2年半かけて作っていることは強みだと思っています。
閉鎖的な業界でプラットフォームを作り上げていることで、既に大手の買取業社様に登録して頂いたり、買取業界向けのサービスを外部の企業と提携していて、市場に提供していけるのが強みです。
例えば、GMOイプシロン様と業務提携をしていて、振込手数料や配送料の削減サービスの提供が可能です。このように決済を含め、色々な側面で買取業者様をサポートしていけるんじゃないかと思っています。私たちを経由して、他業界の方々が買取業界に接点を持てるようになるでしょう。

 

御社の特徴である、大企業との業務提携ができた理由を教えて頂けますか?

中古車買取・査定サイト「Goo買取」を運営するプロトコーポレーション様や、バイク買取の一括査定サイト「バイク比較.com」を運営するインターファーム様の方から業務提携のお声掛けを頂きました。
なぜくるのか考えた時に、取材を受けたり、プレスリリースを出したりと広報に力を注いできたからだと思います。

 

今後の展望を教えてください。

DSC_6341会社の基盤が固まってきた中で資金調達も行えたので、ここからは事業を拡大していくフェーズだと思っています。この状況は今いる人たちや今後入って頂ける人達にとっても、刺激的なタイミングになると思います。
なので、買取業界で大きなインパクトを起こしていける存在になりたいと思っています。
ぜひ、ご協力して頂ける方は面接を受けてください。また、買取業者様も登録して頂くと将来的に大きく見返りのある部分が大きいので、「ヒカカク!」へのご登録をお願いします。

 

貴重なお話、誠にありがとうございました。

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