マンションの売買をスマートにする不動産情報サイト「マンションマーケット」が約2億円を調達、目的は営業エリアの拡大

マンションの売ったり買ったりを、もっとスマートにする不動産情報サイト「マンションマーケット」を運営する株式会社マンションマーケットが3月29日にシリーズBラウンドとして、約2億円を調達したと発表しました。
このラウンドの引受先は、インキュベイトファンド、インベスターズクラウド、みずほキャピタル、およびエンジェル投資家の山岸延好氏です。同社は2015年4月にもシード〜シリーズAラウンドとして資金調達に成功していて、インキュベイトファンド、ソラシード・スタートアップス、複数名のエンジェル投資家から約1億円の出資を受けています。
代表取締役の吉田紘祐氏は、立命館大学を卒業後リクルートでSUUMOを担当していました。2014年5月にマンションマーケットを設立後「IncubateCamp 7th」に参加し、マンションの個人間売買ビジネスの主張で事業化を目指していましたが、インターネットを介したプラットフォームと集客機能で固定費を圧縮した、マンションの売却専門不動産サービスになったそうです。
今回の資金調達に伴い、サービスの拡充の一貫としてITを駆使した新しい不動産取引の発展を目指すと自社HPで説明しています。同社の具体的な資金使途について紹介します。

資金は営業エリアの拡大のために使用

不動産の売買取引においては、実務面と法的規制からも完全にオンラインで完結するのは困難なため、内見や契約の立会いにはマンションマーケットの営業担当者が立ち会っているのだそうです。こうした理由から同社は現在、取り扱う物件の対象地域を東京23区に限定していますが、近々、関東1都3県まで拡大するそうです。また、年内秋頃には日本全国にまで拡大する計画です。
資金使途は、そのための人材確保や拠点拡大が主な用途だとTHE BRIDGEで発表されています。また、営業エリア拡大に伴い、4月には大幅なサイトリニューアルも予定されています。
2015年9月には、一般ユーザーが好んで使う様々な不動産サイトをクローリングすることで、物件の価格情報を集約し、地図上で中古マンション価格相場を一覧できる『マンションスコアマップ』をリリースしています。このメディア機能が強い武器になり、マンションの潜在顧客をインバウンドで集め、効率のよい不動産営業を行えるようになったそうです。
このことについて、吉田氏は「現在いる約30名の社員のうち約3分の1が営業担当者だが、担当者一人あたり扱う顧客数は、通常の不動産事業者平均の3〜5倍以上」とTHE BRIDGEの取材で語っています。

不動産取引の現場をテクノロジーで変革する波が到来

さらに吉田氏は「マンションマーケットは売主の元付けに徹し、他社や市中の不動産事業者が買主の客付けをします。売主は心理的に、安心できるところに仲介してほしいと思うので、名前が通っている大手に依頼されることが多い。したがって、中小の不動産事業者が扱う場合、買主を見つけるより、売主を見つける方が圧倒的に難しいです。」と取材で語っています。
この課題について同社の売主を確保する方法がこれです。
一般的に不動産売却時の仲介手数料は、法定限度額である物件価格の3%＋6万円というレートが適用されることが多いのですが、同社では営業コストの圧縮分を仲介手数料に還元する仕組みを用いることで、一取引あたり一律49.8万円という超低価格に出来るのだそうです。
このようにITを活用した結果、集客にも大きな影響をもたらしていることがわかります。
同じ業界を見渡すと、昨年10月にソニー不動産が公開した「不動産価格推定エンジン」をはじめ、不動産投資シミュレータの「Gate.」、不動産データを集約して不動産情報の適正化、不足情報の補正、名寄せができる「data terminal」などIT活用の競合が並びます。この中で同社が抜きに出られるのか注目です。

株式会社マンションマーケット | マンションの売却・査定・売買価格・価格相場サイトの運営
https://mansion-market.com/