小規模事業者活性化補助金で140万円の採択。よもぎ蒸しとエステのオーガニックカフェサロン、pas a pas Marie(パザパマリー)/代表 中野麻里絵氏

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それでは自己紹介と起業までの流れをお話いただけますか。

11267718_850365881717935_2112231483_npas a pas Marie(パザパマリー)の中野です。私は、高校のときバンドをしていました。また幼少の頃からピアノもやっていたこともあり、高校を卒業してから、音楽系の専門学校に行きました。ですが、当時の音楽業界は労働状況により女性の就職が難しいことを知り、1年半で学校を辞めてしまいます。その後はアルバイトをして21歳になる直前に日本エアシステムのグランドスタッフとして勤務しました。
1年働き結婚の為に会社を退職しました。その後出産して、小さな子供を育てながらアルバイトをしていましたが、実は小さな頃から大人になったらちゃんとスーツを着て、キャリアウーマンになりたいと思っていたんです。なので、当時から専業主婦は嫌でした。もちろんアルバイトやパートでは物足りないんですが、職歴もないし資格も無いから、せめて資格でも取りたいと考えていました。ただ、まだ子供が小さくフルで、働くのが大変でしたから、派遣の仕事をしていました。
それから数年経ち、子供が小学生に上がる頃には、そろそろ私も一生できる仕事をしないといけないと考えるようになっていました。知人からは不動産業を勧められたりしましたが、なんか響きません。色々と仕事や資格を探すうちに美容に関わる仕事をしたいと漠然と思うようになりました。

美容に興味を持った大きな理由の1つとしては、私は肌トラブルがすごかったということです。「肌をキレイにしたい」と思う事がよくありました。それがきっかけでエステに興味を持つようになります。エステを勉強したら肌荒れの原因を学ぶことができるんじゃないか?そして折角学ぶのであれば、肌トラブルで悩んでいる女性がすっごくが多いので、その人達のお手伝いができるんじゃないか!と、自分の中でエステへの思いが巡りエステティシャンの道を選ぶことにします。
ただ、私はこの年齢(当時28歳)で資格もありません。そしてエステで働いた経験もありません。それでいきなりお店に行って「働かせてほしい」は厳しいだろうと感じました。ですから、まずは資格を持ってエステ業界に入ろうと思い、国際免許が取れる学校に1年間通う事にします。

ちょうど子供が小学校に入学するときで、私もそのスクールに入学して、子供に「一緒に入学だね。お互いがんばろうね」みたいな感じで、数年ぶりの学生生活が始まりました。このスクールの生徒の半分は高校卒業したばかりの子達でした。若い子達に囲まれ1年間学校に通い資格を取得し、いよいよエステティシャンとして就職活動をします。
ただ、この業界の就職は29歳だと結構難しいんです。この年齢だと大手のサロンでは店長とかそれ以上のクラスになっています。さらに私には子供もいて転勤ができないので大手は厳しいと判断し、個人サロンに就職しました。そこで店舗の新規立ち上げを2店舗ほど経験します。ただ、実際に店舗で働いて思ったのは、当時エステティシャンってあまり評判の良い仕事ではありませんでした。また、現場と自分の思いがうまく噛み合わなくて、いつの間にか仕事に対して不満ばかり持つ自分になっていたんです。

そのことを福岡のベテランの経営者の方に相談したら、「あなたがエステを一生するとなると1年くらい短いから、気持ちをリセットする為に1年間休むのはどう?」と、なんと休職を勧められたんです。最初は少し驚きましたが、私はそのアドバイスを受けエステの仕事を一旦離れ、1年間派遣会社で事務職をします。この事務職は知人からの紹介でタイミングも待遇も良かったんです。また、本来1年間働いたら、エステ業界に復帰する予定でした。
しかし派遣のお仕事が延長になるという話があり、どうしようか迷っていたときに、たまたま知人の紹介でハローワークが行なっている職業訓練校でエステ講師をする機会を頂いたんです。この職業訓練校は国がお金を出して、フリーターの人とかに教育して就職まで支援していくものです。これがきっかけとなり私は、エステの業界に戻ることになります。

ただ、この企画自体の試算計画が甘く、なんと1期を終えたところで打ち切りになってしまいます。これは想定外でした。本当は講師の仕事を2年くらいして、経験を積んでから開業する予定だったんですが、半年で打ち切りです。「これからどうしよう。今からどこかに就職して働くのものちょっとな~」と、思い悩み先輩起業家に相談しました。
その先輩に頂いた言葉が「2年前倒しになっちゃうけど開業しちゃう?」です。私も「じゃー、そうしようかな!」みたいな(笑)。こんな感じで起業することになります。

 

突然の起業ですが開業資金はどうされたのですか?

IMG_1113-e13777359478662012年に起業しました。マンションの一室だからそんなに設備の資金は必要ありませんでした。開業費は全て自己資金です。ただ、起業に対する知識が全く無い状態でしたので、目標とかなく取り敢えずお店を開けた感じでした。広告を打ったらお客さん来るかな?と思っていたら全然来なかった。お客さんは来ないのに、営業マンは沢山来ました(苦笑)。

半年くらい経ってさすがにちょっと焦っていたとき、あまり契約内容が良くないHPの契約なんかしちゃって、最初は本当に色々と大変でしたね。そんなときに、ある団体との出会いがありました。この団体は公共施設の起業家勉強セミナーの1期生の人が立ち上げた団体です。そのセミナーが2期生の募集をしていたので、そこに入って勉強をしました。お陰で人脈が段々と増えましたね。
ある日、勉強会で経済産業省の補助金について色々と教えてもらう機会がありました。他の経営者さんもやっているということで、私も補助金の申請をしたい!と言ってみたんです。ただ、本音は応募の締め切り10日前でしたから難しいかなと思っていました。

すると、ある中小企業診断士の先生を紹介してもらって、申請書を作成してもらい提出期限ギリギリで提出したんですが見事に採択されたんです。この先生には本当に助けられましたね。銀行も先生の紹介で、すぐに認定機関になってくれましたし、最初の資料も私が思っている事をヒアリングしてくれて全部文章におこし、作成までしてくれました。
申請した補助金は小規模事業者活性化補助金で最大150万円まで出ます。私の場合は140万円の申請通り採択されました。この補助金は「今から新商品や新サービスを作ります」に対して出る補助金です。採択されて計画書類を出して計画に基づいた経費の内訳を記載した報告書を提出してOKと認められれば採択のときにOKが出た金額まで出るんです。私の場合は最初マンションの最上階で開業したんですが、エリアも良くなく看板を出せなかったので、この場所で待っていてもお客様は増えないだろうと思い、補助金がきっかけでの移転でした。

 

お店のサービス・強み・特徴などを教えて下さい。

①エステの料金体制って、「○○エステコース」1回3,000円とかが多いですよね。ただ、1回だけだとリラクゼーションの粋を超えないのが実情です。エステは美容整形みたいに1回来てコロって変化をするわけじゃないけど、エステに同じような変化を求めている方が多いんです。
1回エステに来ても大きな変化は望めませんが、継続することでお客様の要望に近づくことは可能です。大切なのは続けることですね。これをどうやって定着させるかを考え、当店では定額制を導入しました。また定額制にすることによって、ディスカウントさせて頂く分「6ヶ月は通って下さいね」とお願いしています。

②よもぎ蒸しを導入しています。最近はHPで大切なのは身体の中から体質を変えていくこと伝えていることもありエステより、よもぎ蒸しの方が増えています。もともと私には「体内が整っていないと外見も本当の意味で奇麗にならない」という考えがあるので、よもぎ蒸しを導入したんです。ただ、ここ最近は妊活を目的として、よもぎ蒸しに来られる方も多いですね。

 

今度の展望を教えてください。

IMG_1707-e1377736140221エステサロンって、外見を磨く、キレイになる、痩せるとか外見美の部分のイメージが強いじゃないですか。私はあまりそこに興味が無いんです。大切なのは内面です。内面がキレイになれば外見もキレイになっていきます。
内面というのは、例えば考え方が前向きになると自然とその人から前向きなオーラが出てきます。その他では、精神的な部分や心の問題もありますし、もちろん体内の環境、体調、健康管理なども含まれます。そのような部分がキチンと自立できていたり管理ができていないと、一生懸命高い化粧品を付けたりしても、効果は一時的なものになりますし、最大の効果は出ないと思っています。
何よりも内面のケアがとても必要なんです。今後はエステがキラキラ(外見美)なところだけで、生き残っていくのは難しいと思ってます。

また、これから高齢社会なのでヨーロッパみたいに医療や介護の現場の中に、どんどんエステのおもてなしとホスピタリティを活用できればいいなと思っています。そういう部分に対してヨーロッパはとても進んでいます。
例えば、お医者さんが痛い治療をしてしまったときに、患者側って言いたいことも言えないし言いにくいことってあると思うんです。その間を取り持つのがエステティシャンです。痛い治療後にマッサージをして、ちょっとの間でも気持ちが和む時間をつくったり、お医者さんには言えないけど、それをエステティシャンに聞いてもらうとか、お医者さんと患者さんの間に入る事が出来るんです。そのような社会的地位を目指したいですね。

 

資金調達を行う予定の後輩起業家へのアドバイスをお願いいたします。

自分がやりたいことがあっても、会社にいるとなかなか出来ない事も多いと思います。もし、そこで会社に対してブツブツ不満を言うくらいであれば、自分でやるといいと思います。
あとはコンセプトですね。起業してからとても大事だなーって思うようになりました。コンセプトって、結局何がしたいのか?を決めないと経営として会社が廻っていかないことを感じています。コンセプトとターゲットはとても大事ですよ!

 

中野代表、本日はどうもありがとうございました。

pas a pas Marie(パザパマリー) | 冷えとり専門 よもぎ蒸しとエステのオーガニックサロン
http://pasapasmarie.jp/

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