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2021年上半期の企業倒産件数 コロナ禍なのに過去50年で最少

公開日:2021年10月14日
[著]藤田 勝久

倒産のお知らせ

この写真はイメージです。

【この記事の要約】

☑ 2021年上半期の企業倒産件数が過去50年で最少

☑ 負債総額も過去3番目に低い水準

☑ 全10産業、全9地区で前年度同期を下回る

☑ 足元ではコロナ破綻が増加。反動による倒産の増加、ゾンビ企業の増加も懸念

 

信用調査会社の東京商工リサーチがまとめた2021年度上半期(4月~9月)の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は、2,937件でした。

 

新型コロナウイルス禍にもかかわらず、過去50年間で最も少ない件数です。

 

東京商工リサーチが8日発表した4~9月の企業倒産(負債額1千万円以上)は2937件で、バブル期の1990年度上半期(3070件)を下回り、過去50年で最も少なかった。新型コロナウイルス関連の支援策によって倒産が抑えられている面もあり今後、反動で増える可能性がある。
引用:2021年10月8日|朝日新聞

 

企業が従業員に支払う休業手当を国が肩代わりする雇用調整助成金の特例措置や、営業時間の短縮要請に応じた際に支払われる協力金、実質無利子・無担保のコロナ特別融資など、さまざまな支援策が奏功した格好です。

 

記録的な低水準を維持

件数は、前年度上半期と比べると23.8%減で、2年連続で前年度同期を下回りました。

ここ数年、倒産件数は記録的な低水準を持続しています。

 

負債総額は5,746億2,600万円。

前年度上半期と比べると4.0%減で、年度上半期としては2年ぶりに減少に転じました。

 

過去50年では、1973年の3,631億100万円に次いで3番目に低い金額。

3年ぶりに負債1,000億円以上の大型倒産が発生しましたが、ものともしませんでした。

 

とはいえ、コロナ関連の倒産は816件で、前年度上半期の495件を大幅に上回っています。

感染拡大が長引く中、未曾有のウイルスの影響は確実に出ており、安閑とはしていられません。

 

全10産業で減少 8年ぶり全地区で減

産業別では、全10産業で前年度同期を下回りました。

全10産業がそろって減少したのは、2015年上半期以来、6年ぶり。

 

コロナの影響が大きいとみられる「サービス業他」は986件で、前年度同期比24.5%も減少。

最も減少率が大きかったのは「農・林・漁・鉱業」で52.5%の大幅ダウンとなりました。

10産業別倒産数

データ参考:半期全国企業倒産状況|東京商工リサーチ

 

地区別では、2013年上半期以来、8年ぶりに全9地区で前年度同期を下回りました。

 

最も減少率が大きかったのは、中国地方で37.0%減(117件)、逆に小さかったのは四国で7.3%減(76件)でした。

 

このほか、上場企業の倒産は2年ぶりにゼロを記録。

「後継者難」による倒産は181件で、前年度同期(173件)から微増しました。

 

足元ではコロナ破綻が増加

政府の経済支援策、日銀の金融緩和策がうまくいっている、と喜びたいところですが、先行きは不透明です。

足元では、コロナ関連の破綻が増えています。

 

東京商工リサーチは、企業や弁護士への聞き取りをもとに、コロナ禍が一因で借金返済や代金支払いができなくなった事業者を集計。

 

それによると、9月のコロナ関連の経営破綻(負債額1,000万円以上)は160件で、月間の件数では過去最多を更新しました。

 

直近のコロナ破綻件数の推移をみると、5月に124件だったのが、6月、7月は140件超に増加。

8月に若干落ち着いたものの、9月に再び増えてしまいました。

コロナ破綻数

データ参考:全国企業倒産状況|東京商工リサーチ

 

コロナ禍の経済支援策については、各政党が衆院選を前にさまざまな政策を提案。

日銀も現在の大規模な金融緩和策を維持すると決めています。

 

しかし、支援策などが終わるようなことがあれば、反動で倒産が増える可能性もあります。

 

生きながらえる「ゾンビ企業」

また、政府のコロナ支援策により、「ゾンビ企業」が生きながらえているという指摘があります。

 

ゾンビ企業とは、経営が破綻していたり再建の見込みが乏しかったりするのにもかかわらず、金融機関や政府機関の支援によって存続している企業のことです。

 

日本ではバブル崩壊後、銀行が不良債権の処理を先送りし、再建の見込みがない企業に追加融資をして延命しました。

こういった企業がゾンビ企業と呼ばれるようになりました。

 

コロナ禍においても、必要以上の潤沢な資金供給により生産性の低い企業が生き残り、経済成長の足を引っ張ることが指摘されています。

 

コロナ支援策を早く打ち切ってしまうと、再建できたはずの企業までも倒産してしまう可能性があります。

 

一方、支援策をいつまでも打っていると、ゾンビ企業が増殖することとなります。

 

ゾンビを葬るべきが、生かすべきか。

政府や日銀は今後、難しい決断を強いられそうです。

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藤田 勝久

藤田 勝久

中央大卒業後、2002年に地方新聞社に入社。耐火物、造船といった各地の地場産業のほか、自治体の産業振興策などを取材してきた。「Think Globally Act Locally」をモットーに、地方からさまざまな分野について情報発信する。中小企業や個人事業主の経営サポートの経験もあり。香川県三豊市出身、岡山県岡山市在住。
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