エイベックス、HIS、電通、大企業で相次ぐ本社ビル売却の理由は二通り
☑ エイベックス、HISなど建てたばかりの本社ビルを売却する理由
☑ ちょっと違う電通の本社ビルの売却の理由
☑ 今後も本社ビル売却の流れは止まらないのか
コロナ禍で、企業業績が悪化している国内の上場企業が、本社の土地や建物を売却する動きが加速しています。
国内の上場企業が本社の土地や建物を売却する動きを加速させています。東京商工リサーチの調査によると、2020年に東証1部、2部企業で国内不動産の売却を発表したのは76社。
中でも、最近話題になったのが、エイベックス、HIS、電通などの大手有名企業です。
エイベックス株式会社は、2017年に竣工した本社ビルを730億円で売却した模様です。
HISは、2020年に竣工した本社ビルを325億円で売却。
そして、電通は本社の譲渡を検討していると先日ニュースになったばかりです。
中小企業でも、本社移転や本社の賃貸契約解除などの措置を行い、リモートワークを推進して不要になった本社機能を手放す動きが広まっています。
しかし、大企業の自社ビル等の売却はそれだけが理由ではないのが現実です。
今回の大企業の本社ビルの売却目的は、業績悪化で、崩れたバランスシートの立て直しがあります。
自社ビルがあることでキャッシュを大幅に使ってしまったことから、キャッシュの枯渇を回避するため自社ビルを売却し、手元のキャッシュを潤沢にしようとするものです。
赤字転落し本社ビル売却をしたエイベックス
音楽業界大手のエイベックスは、一昔前は人気アーティストを揃えCDの売り上げが好調で、株価も堅調でしたが、昨今の時代の変化でCDが売れなくなり売り上げが大きく落ち込み株価も低迷しています。
それから、ライブ活動などに力を入れてきましたが、ここにきて今度はコロナ禍に巻き込まれ、またもや売り上げ激減で、キャッシュが枯渇している状態にありました。
今回のコロナ禍で2021年3月期売上高は前期比39.8%減の815億2700万円でした。
営業損失は62億7800万円に上ります。
2020年3月期までのエイベックスの自己資本比率は30%台後半になっていました。
30%台という数字は悪い数字ではありません。
しかし、コロナ禍で本業の業績も悪化している中では、心もとない数字でした。
そこで、本社ビルを売却したことによって、自己資本比率は52.6%にまで上昇しました。
この本社ビルの売却で、2021年3月末時点でエイベックスが保有するキャッシュは526億5400万円になりました。
これほどの潤沢なキャッシュがあれば、今後将来的にもM&Aなどの資金準備も整い、思い切った経営戦術も取れることになり、企業にとっては大きなプラス要因となります。
エイベックスにとっては、今回の本社ビルの売却の決断は良い方向に向きそうです。
わずか1年で本社ビルを売却したHIS
旅行会社大手のHISはとても厳しい判断を迫られました。
2021年10月期の売上高は前期比80.4%減の676億5100万円で営業損失は310億8300万円に上りました。(前年同期は14億6900万円の赤字)
HISの自己資本比率は15.1%まで低下していました。
2019年10月末には約2200億円あったキャッシュが2020年10月末1年後には952億3400万円になり半分以下になった計算です。
旅行会社各社はコロナ禍で大きな影響を受けた業種の一つです。
旅行者の減少はとどまることはなく、望みをかけていた東京オリンピックもほぼ無観客となり、旅行客の増員も期待できなくなりました。
HISはエイベックスより深刻な状態で、バランスシートの健全化に向けて、本社ビルの売却しか手が残っていなかったのではないでしょうか。
竣工からわずか1年で本社ビルを売却することとなってしまいました。
HISの場合は仕方なく、売却したというのが本音ではないでしょうか。
何かと問題の多い電通も本社ビル売却を検討
電通は日本を代表する大企業です。
しかし、このところ数々の不祥事が噴出し、企業のあり方に問題を抱えています。
電通グループは港区の汐留にある本社ビルを売却する検討に入ったとニュースで伝えられました。
売却額は国内の不動産取引として過去最大級となる3000億円ともいわれています。
エイベックスなどとは規模が違うのですが、また電通の場合は本社ビルを売却する理由も、エイベックス、HISなどとは若干違うと思われます。
電通は、業績の問題だけで本社ビルを売却するのではなく、コロナ禍による勤務形態の変更によるテレワークへの移行でオフィス需要が低くなっている点もあります。
電通は売却後も同じビルを賃借し、入居する方針らしいのですが、オフィスの面積は半分ほどになると言われています。
現在テレワークが主で出社率が2割程度となっているため、今の大きなスペースは不要という判断があります。
また、電通は人員のスリム化も進めていて、営業や制作などで働いていた社員を対象に募集をかけ、2021年1月から社員230人を個人事業主に切り替えるという方針も掲げました。
電通のようにテレワークが進み、今までのように本社ビルの必要性が低くなってきての売却というケースも出てくることになりました。
しかしいずれにしても電通は、2002年に今の本社ビルに移転しましたが、わずか18年で本社ビルを売却する結果となります。
こちらは時代の変化に伴い本社機能の縮小ができるという判断での売却となります。
本社ビルを売却する流れはこれからも止まらないのか
コロナ禍でのテレワーク推進で、これからも本社ビルの需要は少なくなってくるものと思われます。
大手企業のビルばかりでなく、中小企業も、都内の中心の高い賃貸ビルを手放し、地方への移転、本社機能の縮小化など、様々な企業でオフィスの変化が問われることになります。
特にIT業者はテレワークのしやすい環境にあり、今後もオフィスを持たない、或いはお金をかけないオフィスを借りるなどの対応に迫られそうです。
では、今後も本社ビルの需要はなくなっていくかということですが、そうとも言えないようです。
このような結果を招いたのは、安倍政権が進めた量的緩和策が招いたオフィスの供給過剰です。
国内の金融市場には300兆円ものお金が供給されましたが、その多くは出回っていません。
しかし、唯一の例外だったのが大型の不動産開発だったと言います。
銀行は企業に対して、本社ビルの建設を持ちかけ、本来、建て替えの必要のない企業まで新しいビルの建設をするという現象が起きていました。
そういうこともあり、オフィスビルは供給過剰となり、コロナ禍で業績が悪化している企業にとっては、本社ビルの売却などが選択肢の一つとなっているようです。
そういう意味では、今後もしばらくの間、本社ビル等の売却の流れは止まらない可能性もあります。
本社ビル売却の意図と需給の関係性
今までみてきたように、同じ本社ビルの売却でも、大きく分けて二つの理由があります。
エイベックス、HISのようなバランスシート改善、キャッシュの流動化の為の売却と、電通のようにテレワーク推進によるオフィス需要の低下があります。
今後も、本社ビルの売却にはこの二通りの選択があるように思われます。
業績悪化に伴い、本社ビルを売却し、バランスシートを改善させる企業。
テレワーク推進による、オフィスビルの需要の低下による本社ビルを売却する企業。
いずれにしても、このコロナ禍で各企業が生き残りをかけて、様々な勤務形態の変更や改善などが行われている結果と言えそうです。
しかし、オフィスビルの需要も少ないわけではなく、買い手もすぐ見つかる状態ですので、まだしばらくは需給のバランスはとられている状態が続きそうです。
今後も各企業の本社ビル売却等を伴う、経営戦略にも十分、注視していきたいところです。
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