画期的な売掛金担保融資(1)【売掛金ファイナンスコラム】vol.2
皆様、こんにちは。
少しずつ春の気配が近づいてきているようですね。
今回は前回の最後に登場した「画期的な売掛金担保融資」について詳しくお話ししましょう。個人的に、この「画期的売掛金担保融資」は最近の一番のヒット商品だと思っています。私たちが力を入れておすすめしている理由として、下記のような背景があります。
例えば、多くの中小企業のお客様の場合、保証協会付き融資や政府系金融機関の融資を受けることができない状況に陥った時、さらに担保融資が可能になる不動産、株券、ゴルフ場会員権などの資産を持っていない場合、残る手段は売掛金関連のファイナンスのみになります。
ところが、販売先に通知して債権譲渡承諾を取らないと行うことができない「ファクタリング」をはじめ、既存のファイナンス会社の売掛金担保融資は、譲渡禁止条項がつく売掛金は担保としてカウントされず、現実的には、継続的取引のある売掛先が10社以上ないと融資が受けられない「売掛金担保融資」しか残らず、多くの中小企業のお客様にとって、理論上の選択肢はあったとしても、それは「絵に描いた餅」で、実際は何も利用できない状況にあったのです。
このような現状を打破したのが、前回から何度もご紹介している「画期的売掛金担保融資」です。
以下に、その「画期的売掛金担保融資」の詳細をご紹介しますので、ぜひご一読いただきたいとけ思います。
画期的売掛金担保融資のメリット
1.どこが画期的なのか?
従来の銀行系ノンバンクや大手物流系ファイナンス会社における「売掛金担保融資」は、売掛金の元となる売買契約書に、譲渡禁止条項があると担保として見られませんでした。しかし、今回の審査で契約書の内容はチェックされないので、売買契約書内に譲渡禁止条項がある売掛金も担保として見ることができます。この結果、銀行系ノンバンクや大手物流系ファイナンス会社でNGだった会社に対しても、融資が実行されることになりました。
2.1社の売掛金でも担保としてOK
銀行系ノンバンクや大手物流系ファイナンス会社の売掛金担保融資は、条件を満たす売掛金の販売先が10社以上ないと融資がNGでしたが、今回から条件を満たす売掛金の販売先が1社でも融資が可能となりました。この結果、銀行系ノンバンクや大手物流系ファイナンス会社でNGだった会社に対しても、何件も融資が実行されました。
3.全国どこの会社でも有利不利なしで融資が受けられる
銀行系ノンバンクや大手物流系ファイナンス会社の融資に関して、一応は全国対応を謳っているが、会社の売上規模が小さい場合は実質的には取り扱い不可でした。しかし今回から、審査は電話によるヒアリングを中心に行われるため、全国のどこに本社機能を持つ会社でも首都圏の会社と同等の審査・融資が可能となりました。
この結果、銀行系ノンバンクや大手物流系ファイナンス会社でNGだった地方の会社に対しても融資が実行されました。
4.何が一番の審査ポイントか?
審査ポイントは入金ベースで、毎月入金が確認できる会社の売掛金の有無とその規模を審査しますが、入金口座直近6ヶ月の内容が一番の審査ポイントとなりました。
5.この売掛金担保融資の概要
融資額 | 500万円~5,000万円 |
金利 | 14%台/年 |
返済および融資期間 | 5回~12回 |
ロールオーバー | 可能 |
ファイナンスアレンジメントフィー | 融資額の5%+消費税 |
その他費用 | 登記事項概要ファイルへの登記手数料が別途必要 |
審査から実行までの日数 | 4日~1週間 |
6.融資を受けるまでの手順
会社概要で簡易審査
↓ パス
電話によるヒアリング&決算書、通帳のコピーなど資料をFAX
↓ パス
契約と同日、融資実行
7.融資がNGになる会社は?
・税金の滞納額が売上(売掛金の額)と比較して大きな会社
・売掛金の内容が収納代行のようなケースはNG
・建設工事業は難しい場合が多い
・毎月同じ会社からの入金がない、いわゆる継続的取引の売掛金がない会社は難しい
8.その他
・現金回収される売掛金は担保としてみなされない NG
・手形回収される売掛金は担保としてみなされる OK
以上、新しくて画期的とも言える売掛金担保融資の現時点の情報を整理してご案内しました。
少し前の話ですが、北海道の某都市にある某会社のお客様から、ある日の夕方4時頃に「売掛金担保融資」のご相談を受けました。すぐにファイナンス会社にこのお客様の会社の属性に問題がないかをチェックしてもらい、当日の5時半ごろには電話によるファイナンス会社のヒアリングが行われました。
生憎、営業時間の関係でヒアリングは月曜の朝までの持ち越しとなってしまったのですが、概ね問題がなかったため、必要資料として3期分の決算書(BS,PL,販売管理費明細、売掛金明細)、直近6ヶ月の入金口座のコピーなど、ファイナンス会社から請求された資料を月曜の朝までにFAX。すると、月曜日に本審査が行われ、火曜日には融資の可否とともに融資額が決定され、納税証明書をFAXすれば、その翌日には契約、実行となります。契約は、会社の代表者に上京してもらい、ファイナンス会社で行われました。契約が締結されると当日中に送金で融資が実行されます。
このスピード感もさることながら、この融資の利用しやすい点は、面談でヒアリングされるのではなく電話によってヒアリングされるので、今回のお客様のように、北海道の某都市にある会社でも、東京の会社と同じように融資が受けられることです。
このことは金融問題にあまり詳しくない皆様からすれば大したことではないように感じると思いますが、首都圏にある会社と地方の会社との金融格差は実に深刻です。
また、「売掛金担保融資」自体も名目上は全国対応となっていますが、会社の売上が小さいと実際は対応されないことが多いため、今回ご紹介した「画期的売掛金担保融資」は地方にある会社にとっては非常に利用しやすいサービスの一つとなっています。
さらに、ヒアリングも電話で行われるので、経営者が何回も上京する必要もなく、上京していただくのは融資が決定された後の契約の時だけなので、時間を無駄にすることがありません。無駄な時間を過ごしてしまうようなこともありません。
私の経験で言うと、最短3日で実行された案件がありましたので、急ぎの資金調達にもご利用いただけると思います。
ご自身が中小企業の経営者の方にとっては自社の資金調達に、そして、コンサルや士業の方にとってはお客様をサポートする一助として、ぜひご利用いただければ幸いです。
それでは皆様、ごきげんよう。