ハンドメイドマーケット「iichi」とアジア最大級のデザイナーズマーケット「Pinkoi」が資本業務提携|デザインの質を求める姿勢で合意
博報堂グループジョイントベンチャーである「iichi」と、台湾発アジア最大級のデザイナーズマーケットを運営する「Pinkoi」が2016年3月16日に、資本業務提携を発表しました。
出資額などは公開されていませんが「iichi」は「Pinkoi」を引受先とする第三者割当増資を実施したことになります。また、「Pinkoi」を活用しグローバル・マーケットプレイスへ挑戦をしていくそうです。
今回の提携により「Pinkoi」は「iichi」の筆頭株主となり、iichi代表取締役の飯沼健太郎氏がPinkoiの取締役に新たに就任、「Pinkoi Japan」の代表にもなるそうです。それだけでなくiichiは「Pinkoi」日本版のサービスの運営にも関わることになると報告しています。
ハンドメイドマーケットでしのぎ削りあう中、iichiが一歩前進か
両社は、何を目的に提携に至ったのでしょうか?
この疑問に飯沼氏は、「グローバルには最初から展開していきたいと考えていて、最初に英語版も作っていたんです。ただ、海外現地でのマーケティングが難しかった。難しさは実感しながらも、日本の商品力は価値が高いと感じていたので、アジアに展開できれば売れるはず、越境ECが成立するのではと考えていました。昨年の10月にPeterと2日間くらいかけてこういう話をしたんです。」とTHE BRIDGEの取材で語っています。
逆に、Pinkoiもなんとか日本に参入できないかと考えていたそうです。Pinkoiは、アジア各国を中心に世界中のデザイナーと購入者を繋ぎ、月間利用者数 200 万人を超えるユーザーを抱えていますが、日本展開は小さく始めていたため、スポットライトが当たっていなかったようです。
手を取り合った理由は作家を大切にするカルチャーが合わさったこと
加えて飯沼氏は、「Pinkoiのチームのサービスを作りこむ力、グローバルに展開する力はiichiが必要としていた部分。そして、Pinkoiも日本のモノづくりにアクセスしたいと考えていたものの、海外から日本の作家にアクセスすることは難しい。ここをiichiが担うことで、良い補完関係になるのではと考えています」と答えています。
この展開にリードインベスターであった博報堂も関わり、日本におけるマーケティングに協力し、認知を広げていくそうです。
両社が手を取り合ってサービスを運営していくためには、ビジネスだけではなく、カルチャー面でのシナジーも重要になるそうです。両社は、会社のカルチャーもフィットするところがあったと伝えています。
Peter氏が何より重要だと語っていたのが、「デザイナーを助けるというパッションを持つこと。」だとTHE BRIDGEの取材チームは伝えています。
こうした、作家を大切にするマインドやデザインの質を求める姿勢、チームが持つ情熱などのカルチャーが近かったことから、業務資本提携に至ったそうです。同社の動きから、ハンドメイドマーケットの行方をこの数年で判断できるかもしれませんね。
iichi(いいち) | ハンドメイド・クラフト・手仕事品の通販
https://www.iichi.com/
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