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「あなたはトイレにかけこんだ経験はありませんか?あるいは、あなたの身の回りでもトイレで困っている人はいませんか?トイレの準備に時間がかかる車いすの方やお年寄り、急に便意を催す方など、便意がいつ来るかわからない恐怖が原因で、外出することさえも積極的にできなくなります。」クラウドファンデイングのReadyforでこの問題に立ち上がったベンチャー企業がいます。
そのベンチャーは2014年設立のトリプル・ダブリュー・ジャパン株式会社(以下:トリプル・ダブリュー)で、これらのトラブルを軽減させる排泄予知ウェアラブル『DFree(デフリー)』の実用化に向けた開発を進めています。
同社は2月4日に総額1.2億円の資金調達を実施したことを明らかにしました。
今回の資金調達はハックベンチャーズ株式会社から5,000万円を第三者割当増資で、さらに国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)から最大7,000万円の助成金交付を受ける形になりました。
トリプル・ダブリューは2015年4月にもシードラウンドとしてニッセイ・キャピタルから7,700万円の資金調達を実施しています。合わせて約2億円の資金を調達していることになります。クラウドファンデイングでは約1,267万の支援を受けることに成功していて、順調な滑り出しです。
『DFree』はウェアラブルデバイスから発生する超音波で、直腸や膀胱に貯まった便や尿の量を検知します。高齢化社会を問わす排便・排尿予測の両方にニーズがありますが、排便よりも先に排尿タイミング予測で技術的な目処が立ったことから、トリプル・ダブリューではまずB向けの市場として、介護施設の排尿ケアの効率化に取り組んでいくそうです。
Readyforを通したキャンペーンからも介護事業者からの問い合わせが多く、その内容が排尿ケアだったそうです。
介護施設によって介護士数・介護者のレベルで違いがあるものの、例えると『3時間おきに要介護者を巡回してチェックする』というルールで排尿ケアに当たることがあるそうです。このルールで排尿に立ち会っても、介護者の尿が出る割合は約1割という課題があるそうです。
事実、排尿が必要なタイミングが正確に分かれば、人員の不要な巡回をなくすことができ、効率化できるようです。
トリプル・ダブリューでは介護保険申請に必要な排尿ケアのログ記録や、排尿ケアのナースコールシステムまで含めたパッケージで、介護施設へ『DFree』を販売します。今回の対象は全国に100万程度あると言われている介護ベッドを持つ施設で、まずは10万床への普及を目指すそうです。
同社では、すでに3つの施設でベータ版デバイスを使いトライアルを始めているとのことです。
DFreeは診断も予防もしないため医療機器ではなく、その分機能も絞ることで既存の医療機器よりも低価格で販売できるそうです。
医療機器ではなくても、管理システムも含めたパッケージでニーズに合わせた提供をすることで、介護現場の負担を軽減できるのでしょう。
拠点は東京の他、シリコンバレーにあります。まずは日本でビジネスを構築し、その後グローバルに進出する計画があるそうです。
現在、日本での大人用おむつは年間2,000億円規模の市場で、この半分が介護施設向けです。
さらに2020年には、グローバル市場で1兆4,000億円になるそうです。
その9割が日本を含むアメリカ、中国、欧州で占めるので、このチャンスを掴む企業になることを期待されていくでしょう。
D Free(デフリー) | もうトイレに焦らない!排泄予知ウェアラブルD Free
http://dfree.biz/
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