人材の採用、教育の為に合計2,000万円の資金調達に成功!セールスプロモーション業 株式会社HJP Corporation(旧社名:株式会社ハッスルジャパン)/代表取締役 高橋秀志氏

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まずは、自己紹介をお願いします。

高橋秀志氏札幌出身で1982年5月生まれ。AB型。家族は妻と子供1人です。中学生の頃、プロ野球選手を目指し練習に明け暮れていました。しかし突然の怪我によりあっけなく夢を断念することになります。高校へは特に夢も無く、情熱を傾けるものも無く何となく進学しました。いつも「自分は何の為に生きているのだろう」と考えていましたね。そんな精神状態なので、成績は落ち、友達は減り、何をやっても上手くいかない、自分自身にコンプレックスを感じていました

そんな状況が大学1年のときに一転します。きっかけはネットで見つけた、ある日本人を取材した記事です。その人はオーストラリアに行って、スキューバーダイビングのインストラクターになって英語ペラペラになって女の子にモテまくったという内容でした。それが当時の僕の心に強烈に響きました。読んだ直後「お会いする事は出来ませんか?」とメールをしました。すると、間もなく返信が届き、実際にお会いする機会を頂けたんです。ご本人と接して思ったことは率直に「かっこいい!こんな人になりたい!」でした。これがきっかけとなり僕はオーストラリアに1年留学をします。この1年間で目標であったスキューバーダイビングのインストラクターの免許をはじめ自動車やバイクの免許を取得しました。また、日本人留学生がいない環境に身を置き、英会話を徹底的に鍛えたり、駅前でギターを弾いて小遣いを稼いだりしました。

こんな一つ一つの経験が、結果、僕に失った自信を甦らせてくれます。特に人と自分を比べる必要はない。自分は自分で良いと思えるようになったのは大きかったです。

 

その留学は、帰国後どのように活かされるのでしょうか?

高橋秀志氏今でも忘れることが出来ませんが、留学から日本に戻り、成田空港から京成線に乗りました。そのとき居合わせたサラリーマンの疲れきった表情を見た瞬間、逆カルチャーショックを受けます。こんなに疲れきった大勢のサラリーマンはオーストラリアにはいない。このままでは日本の未来はヤバい!僕がなんとかしないとヤバい! と真剣に思いました。

まず、日本の学校教育に問題があるんじゃないか?と考え、教員免許取得の為に勉強を始めます。しかし、授業が死ぬほどつまらない。この授業を受けても自分が目指す教員になれないのでは?と不安が頭をよぎります。そんな時に、知人からあるサークルに誘われました。活動内容は名だたる経営者の方へのインタビューや講演会の主催です。このサークルのお陰で有名な経営者と接する機会が多々ありました。成功している経営者に共通していたのが、とにかく発する言葉のポジティブさと、問題や逆境に対する前向きな姿勢や行動です。僕がイメージしていたサラリーマンはネガティブで疲れていて、いつも愚痴をこぼしている。でも、経営者の人は180度違う!いつも大変な仕事をしているのに、なんでこんなにポジティブで魅力的なんだ!と疑問さえ感じるほどでした。いつしか僕はそんな経営者の方々の魅力に引き込まれていったんです。と、同時にそうか!とひらめきも起こりました。教育は何も学校だけじゃない、社員教育もある。自分が経営者になって、明るく、元気で、ポジティブな社員教育をする会社をつくろうと決意します。

さらに運良く僕にとって理想の社員教育を行っている会社と巡りあうことができ、大学卒業後新卒としてその企業に1年半ほどお世話になります。この1年半で、自分なりに明るく、元気で、ポジティブな社員が育つ社員教育の構想と理念は出来上がりました。いよいよ起業への気持ちは固まりましたが、肝心の何をするのか?そう、業種が決まってなかったんです。

 

起業をしたいが、何をしたいか分からない。という人は意外と多いみたいですが、そんな状況で高橋社長は何から始めたんですか?

高橋秀志氏まずは起業資金を貯めようと思いました。それで始めたのがケーブルテレビの営業です。2ヵ月目で月収100万円を超えました。この営業を1年半続けました。お金も溜まりましたし、セールスに対しての自信もつきフレッツ光の営業代理店で起業しました。資本金は200万円。初年度から業績は好調で3期目には1億弱の売上げに達していました。そもそもこの業種は基本的に多額の創業資金が必要ないですし、仕入れもありません。売上=粗利で利益も堅実に出ていました。

ただ、当時はコミッション制度でしたので、社員の興味は会社の理念やビジョンよりも、契約1本に対するインセンティブへの興味の方が強くなっていたんです。理念共感というよりお金を稼ぐためだけに働く社員が多くなっていました。今の会社は確かに儲かっているが、自分のやりたい会社ではないとふと、気付いたんです。この先どうしたらいいんだ?悩みに悩んで多くの経営者に相談をしました。そんな中、尊敬する大先輩の経営者から「だったら新卒採用をしなよ」と言われたのが強く印象に残りました。

 

そんな、状況に対して取り組んだ事を教えてください。

多くの経営者の方からのアドバイスを自分なりに噛み砕き、改めて自分の理想の会社を考えました。出た答えがインセンティブだけではなくきちんと中長期的に会社のビジョンを達成して、社員の物心両面の幸福を追求できる会社を作っていくことでした。ですから、今までの中途採用を一切やめて全て新卒採用に切り替えることにしました。また、インセンティブ制度を廃止することにしたんです。このことを社内で宣言した直後に15人いた社員が3人になってしまいました。

さらに新卒採用を始めましたが、やり方が全くわからないので初年度は採用コンサルタントにお願いしました。1年目にかかった費用は600万円。費用が予想以上に高かったんです。当然ながら、ここで切実な問題に直面します。元々15人いた社員が一気に減り売上は下がりましたし、今まで無かった採用コストなどが予想以上に上回り、一気に資金繰りが悪化しました。しかし、やると決めた以上は後には引けません。「新卒の採用と教育に費用がかかることは仕方ない」と自分に言い聞かせて、資金繰りの悪化に気付きながらも、採用と教育への投資は惜しみませんでした

 

実際の資金調達について教えてください。

高橋秀志氏良い人材に恵まれ、教育制度も構築出来始めましたが、会社の運営に深刻な支障が出てしまっては本末転倒です。この頃に初めて金融機関からの借入を考えるようになりました。先輩経営者や税理士などに相談すると資金調達に対して、「借入は金融機関に信用つくるためにもいいと思うよ」と肯定的なアドバイスが多かったのは意外でした。最初の借入は、顧問税理士からの紹介で日本政策金融公庫に融資の申し込みをしました。これまで会社の業績が良かったのと、顧問税理士の信頼もあったので予想以上に手間を必要とせず500万円の融資がおります。事業計画書は顧問税理士のアドバイス通り作成しました。ただ今振り返れば、もう少し計画的にお金を使うべきだったと思います。というのも当時は意外と簡単に融資がおりたので、お金の使い方をあまり深く考えずに融資額の500万円を全て採用と教育に一気につぎ込んでしまいました。結果、1年後に追加融資で1,000万円を日本政策金融公庫から借入ることになります。

普通はここで、一旦経営の在り方を考え直すと思うんですが、さらに人材の採用と教育にこだわり、翌年はメガバンクから500万円の融資を受けます。この融資は顧問税理士ではなく、資金調達コンサルタントのアドバイスを受けました。お陰で、メガバンクとの関係を作れたのは非常に良かったです。また、銀行からの融資のポイントなど教えてもらえて勉強になりました。ただコンサルタントへの支払い手数料が非常に高かったです。もし、資金調達のコンサルタントに依頼するときは、手数料の金額を考慮した方がいいですね。

話を戻しまして、ざっと2年ちょっとで2,000万円の借入をしました。すべて、人材の採用及び教育のコストに充てました。会社の規模から考えると大胆な先攻投資です。この甲斐あってか当初採用、教育コストが年間600万円を超えていましたが、現在は1/6以下の費用です。時間とコストは係りましたが、理想とする良い人材の採用、教育、評価の仕組みが出来たのは良かったですね。

 

資金調達について成功の秘訣を教えてください。

⑴理由と返済計画が明確なこと

まずは何の為に借入をするのかが明確な事が大切です。その借入を何に使い、結果どのような利益を生み出すのかという事業計画や収益の見込みは大変重要です。この点は税理士さんとしっかり詰めることをお勧めします。

⑵過去の業績

弊社の場合は会社の過去の業績が悪くなかったのも、融資がスムーズに行われた要因の一つです。赤字会社だとやっぱり金融機関は渋ります。

⑶早めの対応

僕は日頃から税理士さんや先輩経営者の方に相談しながら、困ったときに課題に対して早めに対処するようにしています。借入に対しても切羽詰まった状況ではありませんでした。自分の精神的にも会社の経営的にも多少の余裕を持っているうちに資金調達は動いた方がいいです。

 

資金調達を検討されている方にアドバイスをお願いします。

高橋秀志氏大抵の人がお金の大切さに気付くのは無くなってからですよね。結構お金がある時は大切さに気付かずに過ごしてしまうことが往々としてあると思うんです。個人レベルでは使い過ぎちゃったで、済むかもしれませんが、事業レベルでは、最悪倒産になります。それだと自分の人生もあるが、命を懸けて働いてくれている社員さんの人生もあり、そこに対しては大変な責任があります。なので、最悪の事態を回避するために、予めお金に対して定期的に学ぶ環境をつくっておいた方がいいです。無くなってからでは遅いですから。

 

人材教育の為の資金調達でしたが、実際には御社にとってどのような効果があったのでしょうか?

明るく、元気で、ポジティブな社員を教育する人事制度が出来ました。その人事制度は理念と人事評価と給料を一体化した「人事グレード制度」と言います。

少しだけ内容お伝えすると、本人の業績だけでなく、その他3つの指標でチェックします。さらに行動指針にあたるイズム9か条を具体的に行動にうつしているかを数値化します。その各項目に対して、自己評価と他者評価にてフィードバックする仕組みです。ようやくこの仕組みが定着し、社内に浸透し始めています。

 

目標であった人材教育の社内制度が出来上がりましたが、そんな御社の今後の展望を教えて頂けますか?

高橋秀志氏通信業界は今20年に一度の変革期と言われています。この変革期の概要は、2016年に電力の自由化が始まることに起因します。つまり東電だけではなく、電力会社が選べるようになるんですね。

今は固定電話と携帯のセット販売ですが、今度は電気料金までもセットで販売できるようになります。さらにその翌年はガスも含まれてきます。家庭用のインフラをどれだけまとめられるかが勝負ですね。固定電話は約3,000万世帯あると試算されていますが、電気は全国民が対象です。

僕らはこの変革期を「戦」と表現しています。この戦に勝てるかどうか、そしてこの3年が今のビジネスモデルで自社が発展できる最後のタイミングだと思っています。同時にこの3年間で自社の新たなビジネスモデルをつくりあげていきます。

目指す業績は最高益を出す事で、3年後は営業利益で1億円を目指しています。その次の目標は既に決まっていて、2023年に100億円の連結売上げを目指しています。

 

最後に起業家を目指す方へのメッセージをお願いします。

起業ほど自分を成長させてくれるものは無いと思いますね。自分が成し遂げたい想いや、描いた夢が実現したり、形になっていく事がなにより楽しいです。あと、社員が成長していく過程を一緒に分かち合えることも楽しさの一つです。入社当初は全く業績を上げられない社員が、苦労に苦労を重ねて初契約を取れたときの喜びの共有は格別なものがあります。

起業は苦しい事も沢山ありますし、もちろん喜びも沢山あります。その両方を差し引いても喜びが勝る生き方が出来る人、またはそんな生き方にチャレンジしたい人は起業に向いていると思います。

 

高橋社長、本日はどうもありがとうございました。

株式会社HJP Corporation(旧社名:株式会社ハッスルジャパン)
http://hjp.co.jp/

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