日銀、コロナ特別プログラムで企業の資金繰り支援 9月短観で景気先行きは「足踏み感」も

井口 理恵子
井口 理恵子
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資金繰り支援プログラム

この写真はイメージです。

【この記事の要約】

☑ 日本銀行の新型コロナウイルス対応策は企業の資金繰りを支援する「特別プログラム」や国債の無制限買い入れなどが柱

☑ 特別プログラムは昨年の導入から繰り返し延長され、現在は来年3月末を期限としている

☑ 終了か再延長かは今後の感染状況や政府の経済対策次第とみられる

☑ 9月日銀短観では大企業の景況感が5期連続改善など回復の兆しもみられた一方、先行きの予想は悪化

 

新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、日本銀行(日銀)は大規模な金融緩和策を維持しています。

 

日銀の雨宮正佳副総裁は15日、全国信用組合大会であいさつ。

日本経済について基調としては持ち直しているとしながらも、企業等の資金繰りは引き続き厳しさが見られると述べました。

 

企業等の資金繰りは、ひと頃に比べ改善しているものの、感染症の影響の長期化を主因に、なお厳しさがみられます。短観や各種のサーベイ調査をみますと、資金繰りの厳しさは、業種別でみると対面型サービス業、規模別にみると中小・零細企業において目立っています。
引用:2021年10月15日|日本銀行

 

来年3月末までの延長を決めた「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」のもとで、企業等の資金繰りをしっかり支えていく方針だとしています。

 

日銀は1日に全国企業短期経済観測調査(短観)を発表。

大企業の製造業を中心に足元の景況感が上向いている様子がみられた一方、宿泊や飲食などサービス業にはコロナ禍の影響が重荷となり先行きの予想は悪化しています。

 

日本銀行の新型コロナウイルス対応

日銀は新型コロナの感染拡大に対応するため、昨年から支援策を開始しました。

 

「企業等の資金繰り支援」「金融市場安定のための円・外貨供給」「ETF(上場投資信託)・J-REIT(不動産投資信託)買い入れ」などが柱となっています。

 

企業等の資金繰り支援としては「新型コロナ対応資金繰り支援特別プログラム」を導入。

 

特別プログラムは、企業が発行するコマーシャルペーパー(CP)や社債の買い入れ枠の計20兆円の増額、金融機関への「新型コロナウイルス感染症対応金融支援特別オペレーション」で構成されます。

 

特別オペレーションは、政府の緊急経済対策に基づく実質無利子、無担保融資を行う金融機関に最長1年の資金を金利ゼロ%で供給します。

 

参考:日本銀行の新型コロナ対応|日本銀行

 

特別プログラムはコロナの影響で延長が繰り返されている

日銀の新型コロナ対応の追加緩和は、導入当初は昨年9月末までの期限と定められました。

 

しかし、感染拡大が経済活動に及ぼす影響を鑑みて半年ずつの延長を繰り返し、今年6月の金融政策決定会合で「2022年3月末まで」と更なる延長が決まっています。

 

政府は今年5月、政府系金融機関による実質無利子・無担保融資の申込期限を延長。

昨年12月の経済対策において「当面今年前半まで」とされていた申込期限について、「当面年末まで」とおよそ半年間延長しています。

日銀も政府と足並みをそろえた形です。

 

日銀は会合後の声明で、国内景気については「引き続き厳しい状況にあるが基調としては持ち直している」との判断を継続しました。

 

個人消費については「足踏み状態」とし、先行きはコロナの影響が徐々に和らいでいくにつれて回復していくとみられるものの「不確実性が大きい」と指摘。

「感染症の影響を注視し、必要があれば、ちゅうちょなく追加的な金融緩和措置を講じる」との姿勢を表明しました。

 

ロイター通信によると、日銀内では特別プログラムについて「役割を終えつつある」との見方が出ているとのことです。

 

ただ、新型コロナの感染が再び拡大すれば、来年3月末の終了は困難となります。

 

日銀は感染状況と企業の資金繰り状況、政府が総選挙後に打ち出す経済対策などを見極めた上で、早ければ12月の金融政策決定会合で特別プログラムの存廃を決めるとみられます。

 

参考

当面の金融政策運営について|日本銀行

焦点:日銀コロナ特別プログラム、役割終了の見方 政府対策など見極め|ロイター通信

 

 

日銀短観、大企業景況感は改善も先行きは悪化懸念

日銀は10月1日、9月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表。企業の景況感を示す業況判断指数(DI)は、大企業製造業で5期連続で改善する結果となりました。

 

その一方、景気の先行きの予想は悪化しており、日本経済の回復にはまだ時間がかかりそうです。

 

日銀の短観は、統計法に基づいて日銀が行う統計調査です。

金融政策の適切な運営のため、全国の企業動向を把握することが目的。全国のおよそ1万社の企業を対象に、3か月ごとに実施しています。

 

短観では、企業ごとの業況や経済環境の現状・先行きについての見方のほか、売上高などの事業計画の実績といったさまざまな項目について調査。

 

企業の業況感などの各種判断を指数化した「DI(Diffusion Index)」を用いて示されます。

 

DIは業況が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出します。

 

参考:短観(要旨)(2021年9月)|日本銀行

 

企業の景況感

今回、「大企業の製造業」はプラス18ポイントとなり、3か月前と比較して4ポイント上昇。

 

改善は5期連続。2020年6月にマイナス34ポイントまで落ち込んで以降、改善の傾向が続いています。

「大企業の非製造業」も製造業と同様に5期連続で改善しているものの、プラス2ポイントと、改善は1ポイントにとどまりました。

 

「中堅企業の製造業」はプラス6ポイント(1ポイント改善)、「非製造業」はマイナス6ポイント(2ポイント改善)。

「中小企業の製造業」はマイナス3ポイント(4ポイント改善)、「非製造業」はマイナス10ポイント(1ポイント下降)する結果となりました。

 

非製造業の厳しい景況感には、新型コロナ対策に伴う緊急事態宣言の延長などにより、宿泊・飲食サービスなどの低水準が続いたことが大きく響いているとみられます。

 

景気の見通し

短観では、3か月先の景気の見通しについても調査しています。

 

先行き判断のDIは、「大企業の非製造業」が1ポイントの上昇のプラス3ポイントを見込んでいるほかは、全ての規模・業種で悪化の見通しを示す結果となりました。

「大企業の製造業」は4ポイント、「中堅企業の製造業」は3ポイント、「非製造業」は1ポイント、「中小企業の製造業」は1ポイント、「非製造業」は3ポイントの悪化を見込んでいます。

 

製造業では、世界的な半導体不足による部品の不足などの影響が自動車以外の分野にも広がることへの懸念があるほか、原材料価格の高騰への警戒なども見通しの押し下げに影響。

 

非製造業では、たとえ緊急事態宣言・まん延防止等重点措置が全面解除となっても「即コロナ前の水準に戻る」とは考えられない現状や、「第6波」への警戒感といった長期的なコロナの悪影響への懸念が先行きの不安感に繋がっているとみられます。

 

コロナ破たん 当面は高水準で推移か

東京商工リサーチ(TSR)によると、2021年10月21日現在、新型コロナ関連の経営破たん(負債1,000万円未満含む)は累計で2,272件となりました。

 

緊急事態宣言・まん延防止等重点措置の解除以降、営業時間や移動の制限などは段階的に緩和。

飲食や観光業を中心に需要回復への期待は高まっていますが、経済活動の再開に伴う資金需要の高まりに対処できない企業が増えることも懸念されます。

 

政府や日銀などの金融支援策は継続されているとはいえ、業績不振の長期化の影響は深刻なものです。

 

特に中小企業には借金の負担が重くのしかかり、過剰債務を抱える企業も多くあります。

 

しばらくはコロナとの共存が強いられると予想される中、効果的な経済政策がなされるよう今後も政府や日銀の動向に目を向ける必要がありそうです。

 

参考:10月も9カ月連続の月間100件超え コロナ破たん 累計2,272件|東京商工リサーチ

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