米国でテーパリング不可避に 実施で株高終了の懸念も?
☑ 米連邦準備制度理事会(FRB)は労働市場の回復やインフレの進行から、金融緩和の縮小(テーパリング)に踏み切る議論を進めている。
☑ 早期実施の観測もあったが、パウエル議長はしばらく先になるとの見通しを示した。米連邦公開市場委員会(FOMC)は後押しに株高が続いてきた。
☑ 新型コロナは変異株の拡大など懸念事項があるとは言え、FRBの目標とする数値に向けて経済は回復しており、今は緩和策縮小の手法の検討が始まっており、テーパリング自体は不可避の流れとなっている。
米連邦公開市場委員会(FOMC)は7月の定例会合で、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを0~0・25%で据え置くことを決めた。労働市場が力強さを増し、インフレが高進する中で米経済への支援を弱める時期が近づきつつあることを示唆した。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は、その時期はしばらく先になるとの認識を示した。FOMCは今回の会合で、雇用とインフレの面で「一段と顕著な進展」が見られるまで、月額1200億ドル(約13兆2000億円)ペースで資産購入を続ける方針を維持した。
引用:ブルームバーグ
FRBはインフレ率について2%を緩やかに上回る水準にすることを目指しています。現在は3%をやや下回る水準で推移しており、目論見よりは高いように思えます。
しかし、FRBは「米国のインフレは加速しているものの、供給の不均衡がいったん解消すれば、目標である2%に向けて落ち着くだろう」とみており、FOMCの声明文では「主として一過性の要因を反映している」という文言で表現されています。
デフレが長引く日本にいると実感が湧きにくいのですが、近年の米国ではインフレ率が2%台で推移しています。簡略化して言えば、物の価値が上がって貨幣の価値が下がっている状態です。一般論として、インフレになれば自国通貨の価値が下がるので輸出には追い風で、外国からの観光客が増える効果が期待できます。
一方、雇用状況も改善が進んでいます。
米労働省の発表によりますと、非農業部門の失業率は足元で5%台にまで改善しました。コロナの感染が拡大した昨年春には13%台だったことを考えると、急速に回復しているとみることもできます。
年末にも実施か
FRBの主な任務は物価の安定と最大雇用です。
この2つの任務の進ちょくを示す指標に改善の兆し、あるいは改善を見込める理由付けがある以上、時期はともかくテーパリングが不可避の情勢であるのは確かです。
今回のFOMCの声明では「経済はこれらの目標に向けて進展しており、委員会は今後、複数回の会合において、引き続き進展度合いを精査する」と盛り込まれました。これは年末までのFOMCで指標を観察し、早ければ年末から年始にかけてテーパリングの実施に踏み切るとみられています。
現在、FRBは月額1200億ドルで米国債と住宅ローン担保証券(MBS)を買い入れています。一部ではMBSの買い入れを先に減らすのではないかという見方も出ています。
もっとも、変異株の感染拡大や、それによる景気の低迷が発生する可能性があり、その場合はテーパリングの実施が後ろにずれ込む可能性も指摘されているところです。
実施如何が株価に影響も
2020年は世界各国の経済が新型コロナによるダメージを大きく受ける中、株価が上がり続けるという現象が起こりました。
これはFRBの金融緩和により、あふれたマネーが株式市場に流れ込んだためとみられています。NYダウ、NASDAQ、S&P500といった米国の主要株価指数は、いずれも2020年から2021年にかけ、度々、史上最高値を更新してきました。日経平均株価もバブル後の最高値ではありますが、ようやく更新することができました。
ただ、この状況は、逆に言えば、金融緩和が終わる時、つまりFRBがいよいよテーパリングに踏み切ると発表した時、株価は大きく下げる可能性があるということを示しています。そうした心理を反映してか、米国株は2021年度に入って伸びに鈍化がみられ始め、日経平均は5月ごろからは軟調で、やや粗い(不安定な)値動きとなっています。
思えば、2020年は各社がコロナ禍の外出自粛や営業制限に悩まされた年でした。本業が細る中、株高効果で売却益を多く計上した企業もありました。現在、順に公表されている銀行の2021年4~6月期(第1四半期)の決算を見ていても、値上がりした株式の売却益が利益を大幅に押し上げている例がみられます。
いずれテーパリングの実施が発表されれば、市場は少なからず荒れることが予想されます。そうであるなら、企業にとっても個人にとっても、タイミングを生かして資産を守り、逆に増やす方法を考える機会にしたいものです。
株高と言われて久しい昨今ですが、割安な銘柄はたくさんあります。アフターコロナに向けて手持ち資金を最大化する方法を考えるきっかけにするため、書籍「投資で一番大切な20の教え」(ハワード・マークス、日本経済新聞出版)に基づいて長期投資の考え方を紹介します。
長期投資で資産を守り、増やす
著者のハワード・マークスは米国で投資会社を設立し、運用資産800億ドルにまで成長させました。「投資で一番大切な20の教え」は「投資の神様」と呼ばれるウォーレン・バフェットが自身の会社の株主総会で配布したという逸話もある書籍です。
さて、そんなハワードによる20の教えを大まかに分類すると、次の4項目になります。
1、市場を知り、価格と価値の関係を知る
2、リスクを理解し、コントロールする
3、「サイクル」を意識して買う
4、現在地を把握してタイミングを待つ
株式市場の性格を示す考え方に「効率的市場仮説」があります。市場参加者が等しく情報を入手して分析するので、情報は瞬時に、完全に株価に織り込まれてしまうとする説です。
「投資で一番大切な20の教え」では「情報がすぐに価格に反映されるとしても、その見方が常に正しいわけではない」と主張し、市場に時たま発生する非効率な部分を見つけ出すことが肝心ということです。まさしく暴落時に不当に安くなった銘柄のことでしょう。
ただ、こうした銘柄は買ってもすぐに結果が出ない場合もあります。
その場合は単に待つだけでなく、自身が下した判断を信じ、仮に値下がりしても取得単価を引き下げる「ナンピン買い」をするべきだと主張します。そのうちに値上がりするのであれば、割安で購入した方が、いずれ大きな利益をもたらすからです。
今回、各銀行が売って利益を確定しているのも、内情は分かりませんが、まさに2020年春のコロナショックによる暴落を活用した手法なのかも知れません。
日本人が投資と聞いてすぐに頭をよぎるのが値下がり、暴落、損失といった悪い意味での「リスク」です。そういう意味でのリスクが存在するのは確かなのですが、可能な限り安値で購入すれば、さらに値下がりするリスクは小さくなります。
注意が必要なのは、株価が一本調子に上昇して「もうリスクはなくなった」と思われる強気相場の時です。今の相場状況が、もしかしたらこういう状況なのでしょうか。
人はリスクを認識する自身の能力を過大評価する一方、リスクを避けるための取り組みを過小評価しがちです。こうした性質を認識するだけでも、随分とリスクをコントロールできそうです。
相場には上昇と下降がつきもので、銘柄は成長と衰退を繰り返します。本書ではこれを「サイクル」と呼びます。サイクルは常に動いており、極端な方向に振れると、必ず揺り戻しがあります。その揺り戻しは短時間に速く動くため、絶好の投資チャンスと言えるのです。
誰もが過小評価しているものを買い、周りが熱を上げ始めたら売ることが利益を最大化する方法です。
以上が長期投資の心構えです。
米国がテーパリングに踏み切れば(あるいは踏み切る時期が発表されれば)日本株への影響も避けられません。会社や個人の資産を守るためにも、来る好機に備えておいて損はないでしょう。
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