融資を確実に受けるための4つのポイント

小野寺英毅
小野寺英毅
更新日2021/12/9
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融資を確実に受けるための4つのポイント

これから起業する方や既に起業している方も金融機関からの資金調達に頭を悩ませている中小企業経営者は多いのではないでしょうか。
とくに、金融機関から融資を受けるときに担保として差し入れる不動産がない方は事業計画書等の書類の作成や金融機関の融資担当者との面談等、本当に手間がかかります。仕事の合間に苦労して作った事業計画書にダメ出しされたり、面談で思いもよらない質問をされて答えに窮したりといった経験をされる方は少なくありません。
そこで、今回は金融機関から融資を受ける際に注意すべき4つのポイントについてお話しいたします。

 

1.ご自分のご商売を自分の言葉で説明する

多くの金融機関の融資担当者との面談では、次のような質問をされることがあります。

・なぜこの商売を選んだのか
・どのような商売なのか
・お客様はどのような方でどこにいるのか
・そのお客様をどのように獲得するのか
・その方法でうまくいくという根拠は何か

実は、私がこれまで担当してきたお客様の中でもこのような質問にきちんと回答し、資料を提出された方はとても少ないのです。
これまで勤務していた会社を辞めて開業した独立型起業の場合は、ご自身がなさっていたことなので客観的に説明するのが難しいことがあります。
「ずっと会社でこの仕事をしてきたから、それまでのお客様も少しは付き合ってくれるので・・・」
このような説明では、金融機関の融資担当者は「うーん、経営がわかっていないなぁ」と思われてしまいます。

今まであなたが経験してきたのは企業の業務のごく一部に過ぎません。お客様も勤務していた会社の「看板」でお付き合いしていた方も多いのです。今まで担当してきたお客様は、何年もかけて開拓してきた勤務先の資産だという認識を持ちましょう。勤務先だった会社はあなたの会社のライバルになるのだという考え方を持たなければ独立とは言えません。勤務先がどのようなお客様を獲得してきたのか、そのために何をしてきたのかしっかり思い返してみれば、独立して起業したあなたが何をしなければならないかが見えてくるはずです。

 

2.事業計画は営業戦略と一緒に作る

3年分の事業計画書を金融機関からもらった所定の用紙に記入して持っていき、詳細の説明を求められても根拠すら提示できない方がいます。
事業計画書は単なる数字の羅列ですが、そこに根拠がなければなりません。数字合わせで作った事業計画書は簡単に見破られ、融資担当者にこう言われます。
「次の決算まで様子を見させてください」

これは、あなたが作った事業計画書通りの結果が出るかテストされているようなものです。もしもその通りにならなければ、提出した事業計画書は全くの見込み違いということになりますから融資は難しくなります。ここで大切なことは、事業計画書は単なる数字の羅列ではなく、営業戦略に基づいた行動の結果を予測したものだという考え方です。
営業戦略の考えたか自体は簡単でシンプルです。まずは「5W1H」で考えてみましょう。

・いつ(When)いつから始めるとか、いつまでに行動するということです。
・どこで(Where)店舗の場所や営業エリアです。
・だれが(Who)従業員数や外注先を含みます。
・なにを(What)商品やサービスの事です。
・なぜ(Why)お客様にどのような価値を提供するかということです。
・どのように(How)どのようにお客様に伝え、獲得していくかということです。

このように考えていくと、あなたやあなたの会社がどのように営業してくのか具体的になってきますね。
その行動と数字を紐づけて作るのが事業計画書なのです。

 

3.ライバルと自分を比べる

よほど特殊で専門性の高い商売でない限り、あなたのビジネスにはライバルがいるはずです。
では、あなたはライバルのことをどれだけ知っているでしょうか。そして、あなたのビジネスと比べて優っている点はどこでしょうか。反対に劣っている点はどこでしょうか。
ライバルを分析したり、自分商売を分析するときに大切なことは、自分の主観や思い込みを全部捨ててお客様の視点で見ていく事です。
実は、ここがなかなか難しいので、あなたの主観が満載の説明を聞かされた融資担当者には全く響かないというケースが少なくありません。
なので、このような分析は従業員や家族、友人などにも手伝ってもらうことをお勧めします。あなたには耳の痛い意見も出てくるでしょうが、それは融資担当者も同じことを思いつくはずです。誰かの手を借りて融資担当者が思い浮かぶ疑問などを先回りして潰すと同時に事業計画に信憑性を持たせることができるので、お勧め方法です。

 

4.自分で考えたものにあなたはいくら出しますか?

最後は、自分の商売を他人事として見たときにあなたならいくら出すかを考えましょう。
ある程度資料を作ったら数日は頭からはずして、見直してください。
自分で作ったものだから客観視できないという方もいますが、会社経営は客観視できなくなったらおしまいです。経営者が暴走を始めたら誰にも止められません。今から訓練しておく良い機会になるでしょう。

最初は誰かに手伝ってもらっても構いません。自分のアイデアや作成した書類が最高だ、ベストだ、絶対に上手くいくという想いを捨てて見直してください。
ちょっとでも引っ掛かることがあれば修正してください。金融機関の融資担当者はその「ちょっとしたこと」を敏感にキャッチしてきます。融資を断られて後悔しないためにも何度でも手を入れていきましょう。

さあ、金融機関から融資を確実にするための4つのポイント、如何でしたか?
まだやっていない方は一度試してみてください。既にやっている方でそれでも融資の審査が通らない方は他に問題があります。他の問題についてはまたの機会にお話しします。

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