画期的な売掛金担保融資(2)【売掛金ファイナンスコラム】vol.3

中山直哉
中山直哉
更新日2021/12/9
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売掛金

皆様、こんにちは。
前回の「画期的な売掛金担保融資」についてはご理解いただけましたでしょうか?
この「画期的売掛担保融資」はかなり積極的に行われている資金調達方法の一つで、弊社でもお陰様で成約が続いています。

ただ問題点が一つあります。
それはこの融資を行っているファイナンス会社は、銀行系ノンバンクや大手物流系ファイナンス会社と比較すれば著名ではなく規模も小さいことから、銀行取引に悪影響がまったくないかと言えば、そうとは言えず、この画期的売掛金担保融資を行う会社からの融資が見つかることで、銀行取引がNGになる懸念も決してないわけではありません。

ただ、銀行からの融資が困難な状況にある会社にとっては問題がありませんし、対策もありますので、ケースバイケースでご利用については考える必要はあります。

画期的売掛金担保融資に関しては、資金調達が必要な状況の下記のような会社の経営者の方々には、ぜひ資金調達の1つの選択肢としてご検討いただければと思います。

というのも、下記のように、画期的な要件が色々と揃っているということがあります。

①譲渡禁止条項付の売掛金が担保としてみなされる。
②審査がシンプルで融資の可否に時間がかからない。
③全国どこの地域にある会社でも、首都圏の会社と同じ条件で審査される。

このようなメリットが揃っていることもあり、弊社がアレンジしたお客様の会社も、北は北海道から大阪、新潟から南は九州まで、全国に存在しています。
また、申込みから打診、実行まで最短だった会社はたったの4日間で融資を可能にした会社もあります。正確には、この会社の場合、打診した翌日には融資がOKになっていたので、スケジュールさえ合えば、最短の3日間で打診から実行までが可能でした。
さらに、1の譲渡禁止条項付の売掛金も担保としてみなされることから、既存の売掛担保融資においてNGで資金を調達することができなかった会社の多くにアレンジすることができました。

まさに画期的な「売掛金担保融資」なのですが、ここでもう少し、どのような売掛金が画期的売掛担保融資に適合するのか、また、難しいのかについてご案内しましょう。。

どのような売掛金がOK、あるいはNGか?

①毎月、継続的に入金がある売掛金が◎。
②収納代行の売掛金は×。
③担保権の実施で、入院患者など弱者の方に影響がでる、病院や介護施設などに対する売掛金は×。
④震災復興関連会社への融資は×。
⑤売買契約による売掛金よりも、建設工事業などの請負契約による売掛金の方が評価が出にくい。建設工事業への融資額は低めとなる。

税金の滞納について

①納税証明書 その3の3が出せることが融資の最低条件
②ただし、滞納額が融資の可能額よりも小さい場合は融資が可能になる場合がある
③分納で税務当局と合意していても、滞納額はそのまま滞納と判断される。

最後に、融資の条件と手続きについてのご案内です。

融資の条件は?

①融資期間 3ヶ月~12ヶ月(初回は5ヶ月で、ロールオーバー可)
②金利 14%台/年
③譲渡登記(登記概要ファイルへの登記、登記費用約20万円)
④代表者ご自宅への仮登記 or 仮登記承諾書
⑤アレンジメントフィー 社団関連会社に対して融資額の5%(内税)

融資までの手続きは?

①会社概要かURL。直近の売掛明細、未払金明細をメールにて送信(bhycom@gmail.com)
②ファイナンス会社にて事前審査
③ファイナンス会社から電話によるヒアリング
④ファイナンス会社からの請求資料をFAX
・直前2期分のBS、PL、販管費明細、売掛明細。直近の売掛明細
・直前6ヶ月分の入金口座の通帳のコピー
・納税証明書あるいは税金滞納額証明書
⑤ファイナンス会社で契約、そして当日送金にて実行
地方の会社の場合も、契約のために1回は上京していただきます。

そして今回は、追加情報として、「画期的売掛債権担保融資」の融資近況をお伝えしたいと思います。
この「売掛債権担保融資」は、継続的に入金が毎月ある売掛金があり、税金の滞納がない会社であれば、概ね融資を受けることができます。その一方で、財務内容も悪くなく、売掛金もある会社なのに融資が受けられなかったり、融資額が予想に反して低い場合があります。この辺りをかいつまんで簡単にご説明しましょう。

融資が成約に至らなかった例

弊社の最近のお客様で、業種は伏せますが、毎月の売掛金残高の平均が8,000万円近くある会社の案件を手がけました。融資希望額が3,000万円でしたが、融資可能額が300万円とかなり低く、成約に至ることができませんでした。
融資額が低かった原因として考えられるのが、まず業種に問題があるということでした。つまり、商品によって当たり外れの変動幅が大きいのが業種の特徴で、ファイナンス会社の今後の売掛金額予想よりも低くかい離する懸念が高いこと、さらには、比較的にコンプライアンスに問題がある会社や人物が多い業種であることが融資額を低くさせた原因でした。さらに直近6ヶ月間の入金が毎月ある売掛先がほとんどなかったことが致命的でした。
6ヶ月間で3回とか4回とか入金がある売掛先は多いのですが、毎月入金がある売掛先の数が少なかったのです。
ここで、皆さんに参考にしていただきたいのは、直近6ヶ月、毎月入金がない売掛先の売掛金は担保評価が非常に低いということです。
即ち、継続的取引が少ないソフト開発会社、請負系の売掛金の多い建築工事業も担保評価が難しい業種となっています。

税金の滞納について

また、税金の滞納も問題です。
税金の滞納で融資が受けられなかった会社は、NGになった全体のほぼ8割に達しています。この滞納問題は、売掛債権担保融資だけに限らず、銀行融資はもちろん、ノンバンクの不動産担保融資などあらゆるファイナンスで大きな障害となります。

また、納税証明書「その3の3」を提出できない会社は、金融機関からの融資はあきらめないといけないと言う厳しい現実があります。
アベノミクスの影響で多少は好転したとは言え、長年にわたる緊縮増税一辺倒の経済政策のおかげで多くの中小企業の業績が悪化し、財務内容に影響しているのは仕方がない側面ではあるのですが、税金の滞納がある会社は、大きなペナルティを抱えている状況といっても過言ではありません。

ただ先述したように、消費増税の悪影響はあるものの、数年前と比較すれば、多少経済状況は明るさが出てきており、特に最近の案件を1年前の案件と比べてみると、資金ショートしている会社であることに変わりはないのですが、その内容が全く違ってきています。
以前は、売上も受注も先行きも見えず、業績悪化が原因の資金繰りのご相談案件が多く、
場合によっては事業再生コンサルの会社に引き継いでもらう案件も少なくありませんでした。ところが最近は、先行きが明るいというか、受注が増大し、その受注のための仕入資金でショートしているご相談案件が非常に多くなっています。「ここで頑張って資金調達しないと事業拡大のチャンスを逸する。だから何としても資金手当てが必要」という案件が圧倒的に多いのです。まさにビジネスチャンスを掴むための資金調達の相談が多くなっているのです。

しかし、残念ながら、受注書を受けた段階での仕入資金のファイナンスで満足していただけるサービスはまだ存在しないため、私もこの部分は今後の大きな課題と思っています。
この仕入資金の立替サービスにおいても、もちろん税金の滞納があると非常に資金調達は難しくなりますので、税金の滞納にはお気を付けいただきたいと思います。

それではまた。皆様、ごきげんよう!

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資金調達プロ ファクタリング