国交省 JR四国と北海道に財政支援、基金の利率固定で運用益確保

藤田 勝久
藤田 勝久
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JR四国本社と特急「うずしお」

この写真はイメージです。

【この記事の要約】

☑ JR四国とJR北海道は、経営安定基金の運用益確保による財政支援を受けることになった

☑ 今後10年間の支援額は、四国約1,000億円、北海道約1,450億円

☑ 民営化当初、基金の利回りを7.3%と想定していたが、目算が外れ十分な運用益が確保できていない

 

JR四国とJR北海道は、政府から新たな財政支援を受けることとなりました。

 

両社が保有している「経営安定基金」を国土交通省所管の独立行政法人「鉄道建設・運輸施設整備支援機構」が借り入れ、両社に年5%固定の利息を支払うことで、実質的な財政支援をするというものです。

 

国土交通省は28日、経営状態が厳しいJR北海道に対し今後10年で約1450億円、JR四国にも約1千億円の財政支援を行うと明らかにした。国が配分している経営安定基金を鉄道建設・運輸施設整備支援機構が借り入れ、年5%の利息を支払う。

引用:2021年9月28日|産経新聞

 

JR四国、北海道、九州は、不採算のローカル線を多く抱えることから、1987年に国鉄から分割・民営化する際、国から「経営安定基金」を交付されました。

この基金の運用益、つまり利息によって赤字の穴埋めをしようというもくろみです。

 

しかし、近年は金利の低下により運用益が落ち込み、十分に補填できない状態が続いていました。

 

さらに新型コロナウイルス感染拡大の影響による売上減で、経営危機にますます拍車がかかっています。

 

運用益を安定的に確保することで、少しでも経営を改善する狙いです。

 

金利を年5%固定 年間で四国100億円、北海道145億円を支援

国から両社に交付されている経営安定基金の額は、JR四国2,082億円、JR北海道6,822億円。

支援機構は、四国から基金のほぼ全額を、北海道から約2,900億円を借り入れます。

 

金利は金融市場の動向にかかわらず年5%固定となるので、JR四国には毎年約100億円、JR北海道には145億円が利息として確実に支払われることとなります。

この支援は10年続く計画で、四国には総額約1,000億円、北海道には約1,450億円が入る計算となります。

 

JR四国の2019年度決算の基金運用益は68億円だったので、今回の貸し付けにより30億円程度の損益改善となる計算。

JR北海道も50億円程度の損益改善となる見通しです。

 

当初想定利回りは7.3% 低金利でもくろみ外れる

国は分割・民営化の時点で、経営安定基金の利回りを7.3%と想定。

この利回りは、当時の10年国債の平均利率を参考に算出された数値でした。

 

ところがその後バブル経済が崩壊し、超低金利時代に突入。近年では3~4%台の利回りで推移しています。

国のもくろみはもろくも外れてしまいました。

 

このことから、支援機構は2011年度から、利率2.5%を保証する特別な債券を両社に発行。

事実上の基金の積み増しであり、経営安定基金の運用益と別に、JR四国には毎年35億円、北海道には55億円が利息として支払われています。

 

財政支援2030年まで延長 瀬戸大橋や青函トンネルの改修助成も

今回の経営安定基金の借り入れは、2020年に国土交通省が発表した支援策の一環です。

 

この支援策には、経営安定基金について一定の運用益を確保して下支えすることが盛り込まれていました。

このたびは金額など、具体的な支援内容が固まったことになります。

 

支援策にはこのほか、両社への財政支援を2030年度まで延長し、JR四国に向こう5年間で1,025億円、JR北海道に3年間で1,302億円をそれぞれ財政支援することを明記。

瀬戸大橋や青函トンネルの改修費用助成、両社が市中から資金を借り入れた際の利子補充、廃線跡などの不要土地の引き取りなども予定されています。

 

参考:JR北海道、JR四国等に対する支援を継続・拡充します|国土交通省プレスリリース

 

コロナで乗客半減 自力経営はほぼ「無理ゲー」?

このような支援頼みの経営から脱却し、鉄道事業により利益を出していくのが会社としての目指すべき姿です。

 

しかし、深刻な過疎化とコロナで打撃を受けている状態では、ほぼ「無理ゲー」と言って差し支えないでしょう。

 

JR四国の2020年度の鉄道輸送人員は3万3,863人。

コロナの影響により前年度と比べ1万1,008人減っていて、25%近くダウンしています。

特に定期外の利用者が前年度に比べ半分近くに落ち込んでいます。

 

黒字路線は、本州と四国を結び、特急列車や快速マリンライナーが行き交う瀬戸大橋線(児島-宇多津間)のみ。

その頼みの瀬戸大橋線も、2020年度はコロナの影響で一日通過人員が半分以下に落ち込みました。

 

徳島南部、高知県西部、愛媛県南予地方のローカル線はコロナ禍の有無にかかわらず惨憺(さんたん)たる状況。

100円の収益を得るために、1,000円以上の経費がかかる路線もあります。

 

公共交通を守るための資金調達のあり方は…

JR側も手をこまねいているわけではありません。

JR四国は中期経営計画で、テレビ電話で切符を購入できる「みどりの券売機プラス」の設置拡大などによる省人化に取り組む一方、観光列車の充実による集客増を目指しています。

また、ホテルの出店などにより鉄道事業以外での収益を上げたい考えです。

 

折しも、10月1日よりコロナの緊急事態宣言が全国で解除。

このタイミングで大型観光キャンペーン「四国デスティネーションキャンペーン」が始まりました。

 

JR四国としては反転攻勢へのきっかけにしたいと考えているはずです。

 

地域公共交通を守ることは重要ですが、資金がなければどうにもなりません。

 

未曾有のコロナ禍により、公共交通の将来はますます不透明なものになっています。

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