売掛金とは?買掛金・未払い金との違いや覚え方と仕訳・相殺処理の方法、差額が生じる原因をわかりやすく解説

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更新日2024/11/20
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売掛金 買掛金 アイキャッチ

売掛金と買掛金の違いを知りたい!

売掛金と買掛金の覚え方とは?

売掛金と買掛金の仕訳方法は?

上記のように、売掛金と買掛金に関する疑問にお答えしていきます。

売掛金と買掛金は、企業の間で行われる商品代金のツケ払いの取引を指します。

しかし、売掛金と買掛金は似ている言葉のため、理解できない人は多いのではないでしょうか。

また、売掛金と買掛金の「仕訳がわからない」と困っている人もいるはずです。

そこで今回は、 売掛金と買掛金の違いや覚え方、仕訳方法以外にも、売掛金に差額が生じる原因も解説しているのでぜひ最後までご覧ください!

売掛金と買掛金をざっくり言うと・・・
  • 売掛金と買掛金はどちらも後払いのことを指す
  • 売掛金と買掛金の違いは「商品を売る側」「商品を購入する側」で理解すること
  • 売掛金に差額が生じる原因は5つある

売掛金と買掛金の違い

売掛金と買掛金の違い
売掛金と買掛金は、企業の間で行われる金銭取引です。

それぞれの違いを簡潔に言うと、 商品を販売した際に発生する科目を「売掛金」と言い、商品を購入する際に使用する科目を「買掛金」と言います。

詳しい違いや、それぞれの取引方法について次の章で解説していきます。

売掛金とは

売掛金とは
将来的にお金を回収する権利のことを指します。

取引先に商品を引き渡し、支払いは後日になるため売掛金が発生し、売掛金の総額は貨借対照表の流動資産の部に記載されます。

売掛金は、契約を締結した後や発注書の発行時に条件に合意し、仕入れ先が取引先にサービス提供した後に請求します。

仕入れ先は取引先に請求した後は、条件を記載した上で請求済額を売掛金として記入します。

企業間でサービス提供をする場合は、継続的な取引になることが多いため、売掛金を利用することでまとめて支払えるようになります。

サービス提供するたびに支払う手間が省けるため、効率よく取引ができる仕組みになっています。

売掛金が増えることで、売上が上がるのは間違いありませんが、すぐに現金化できるわけではありません。

さらに、売掛金のデメリットとして、取引先の倒産や現金化までのタイムラグによる資金繰りの困難などが考えられます。

このようなリスクを回避するには、取引先に対して「与信管理」を行い、与信限度額内の取引を行います。

与信限度額とは、取引先の倒産に備えて、取引先ごとに総債権額の上限を設けることです。

MEMO
いくらまで限度額を設定するかは、調査会社を利用して取引先の財務状況を把握した上で決めていってください。

買掛金とは

買掛金とは
仕入れ先から商品を仕入れた際の未払金のことを指し、売掛金とは立場が逆になったときに発生します。

買掛金は掛取引の際に使用される勘定項目ですが、全ての掛取引に当てはまるわけではありません。

買掛金は、販売する目的の商品の仕入れや、商品製造を目的とした材料を仕入れた際に発生します。

一方で、買掛金と似ている未払金は、商品や仕入れに関連するものではないときの勘定科目です。

仕入れではない単発的な取引の債務を処理するときに使用するため、使い分けが必要です。

買掛金は、貸借対照表に表示される科目であり、貸方の負債の部に記載します。

買掛金は売掛金とは立場が真逆なため、仕入れした側は支払い義務が生じます。

また、取引先との信頼関係が重要となるため、企業によっては買掛金を利用できないケースも考えられます。

MEMO
買掛金のメリットとして、サービスや商品の代金を後払いにすることで、資金繰りを改善できる可能性があります。

売掛金と買掛金の覚え方・共通点

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売掛金と買掛金は、 サービスや商品購入の代金をその都度支払うのではなく、どちらも後払いする点は共通しています。

売掛金と買掛金の違いを覚えるには、 「商品を提供する側」と「商品を購入する側」として理解するとわかりやすいです。

ビジネスのおける商品販売や商品購入は、請求書の発行や受領をしなければなりません。

そのため、商品代金が支払われる予定額を売掛金として記入し、商品代金を支払う代金を買掛金として記入します。

また、売掛金は資産になりますが、買掛金は負債という状態になり、正反対の性質を持っていることになります。

売掛金と買掛金の仕訳

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売掛金と買掛金の仕訳方法を詳しく見ていきます。

売掛金と買掛金の仕訳
  • 売掛金の仕訳例
  • 買掛金の仕訳例

仕訳例を加えつつ解説していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

売掛金の仕訳例

まずは、売掛金の仕訳例を見ていきます。

今回はサービス・商品100,000円を販売して後払いにした例で見ていきます。(税込処理)

借方 金額 貸方 金額
売掛金 100,000円 売上 100,000円

売掛金は資産になるため借方に記入し、売上は収益となるので貸方に記載してください。

売掛金の回収ができたときは以下のように、消込処理を行います。

①銀行振込の場合(手数料が差し引かれている)

借方 金額 貸方 金額
普通預金 99,500円 売掛金 100,000円
支払い手数料 500円

②クレジット決済の場合

借方 金額 貸方 金額
普通預金 99,500円 売掛金 100,000円
支払い手数料 500円

③小切手の場合

借方 金額 貸方 金額
現金 100,000円 売掛金 100,000円

他社振り出しの小切手の場合は「現金」として処理します。

もし、自社が振り出した小切手を回収代金として受け取った場合は「当座預金」として処理します。

④取引先の倒産により売掛金の回収ができなかった場合

借方 金額 貸方 金額
貸倒損失 100,000円 売掛金 100,000円

取引先から売掛金が回収できなかったときは、貸倒損失として処理を行います。

しかし、国税庁が決めた「貸倒損失として処理できる場合」の対象でなければ計上できません。

詳しい条件については国税庁のホームページにある「貸倒損失として処理できる場合」を確認してみてください。

買掛金の仕訳例

続いて、買掛金の仕訳例を見ていきます。

今回はサービス・商品100,000円を購入して後払いにした例で見ていきます。

借方 金額 貸方 金額
仕入 100,000円 買掛金 100,000円

掛仕入100,000円分を支払った場合

借方 金額 貸方 金額
買掛金 100,000円 当座預金 100,000円

値引き・返品があった場合(3万円分を返品)

借方 金額 貸方 金額
買掛金 30,000円 仕入 30,000円

取引先から仕入れた商品に破損などがあった際に、掛取引で仕入れた場合は買掛金から減額するケースがあります。

「仕入戻し」「仕入値引き」といった勘定科目を使用しないときは、仕入と買掛金を相殺してください。

売掛金と買掛金に関するよくある質問

売掛金 買掛金 よくある質問
売掛金と買掛金に関するよくある質問に答えていきます。

売掛金と買掛金に関するよくある質問
  • Q:売掛金の残高に差額が生じる原因はなんですか?
  • Q:売掛金の相殺処理はできますか?
  • Q:売掛金・買掛金・未払金・未収入金の違いはなんですか?

Q:売掛金の残高に差額が生じる原因はなんですか?

売掛金の残高に差額が生じる原因は以下の5つを挙げることができます。

・消費税の端数処理方法が違う
・計上漏れがある
・締め日の認識が異なる
・消込のミスがある
・取引先のチェック漏れがある

売掛金の差額が数円や数十円の場合は、消費税の端数処理が異なっているかもしれません。

請求書の作成時に端数処理が行われますが、自社と取引先の処理方法が異なると差額が生じてしまいます。

計上漏れや消込でミスが生じると、売掛金に差額が出てしまうため注意が必要です。

また、取引先によるチェック漏れや、自社と取引先との締め日の認識が違う場合も差額が生じたり、振込が行われないなどの問題が発生します。

これらの問題を避けるために、契約時に確認しておくことをおすすめします。

Q:売掛金の相殺処理はできますか?

売掛金の相殺処理は、相互に合意した上で可能となります。

原則として一定の要件を満たす必要はありますが、互いに合意していれば売掛金と
買掛金を対等額で帳消し、または減額の処理が可能です。

条件を満たしていれば一方的な通知のみでも相殺処理が可能であるものの、信頼関係を崩してしまう恐れがあるため、両者間で行ってください。

Q:売掛金・買掛金・未払金・未収入金の違いはなんですか?

売掛金・買掛金・未払金・未収入金の違いは以下のようになります。

項目 詳細
売掛金 取引先に対してサービス・商品を販売し、後から商品代金を回収すること。
資産としてみなされる。
買掛金 仕入れ先から営業活動に必要なサービス・商品を購入し、将来的に支払う未払金のこと。
負債としてみなされる。
未払金 仕入れ先から営業活動以外を目的とする商品を購入し、将来的に支払う負債のこと。
未収入金 商品以外のものを売却して得た収入の債権であり、
固定資産などを売却した後に入金される債権を指す。

売掛金と買掛金のまとめ

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売掛金と買掛金のまとめ
  • 売掛金と買掛金は「商品を販売する側」「商品を購入する側」で異なる
  • どちらも「後払い」という認識は一緒
  • 売掛金の差額の原因は「消費税の端数処理方法」「計上漏れ」「締め日の認識」「消込のミス」「取引先のチェック漏れ」
  • 売掛金の相殺処理は、両者間で合意した上であれば可能
  • 未払金、未収入金は営業活動に関係するか否かで異なる

売掛金と買掛金の違いや共通点、仕訳方法について紹介しました。

売掛金と買掛金はどちらも後払いのことを指しますが、性質上は正反対の意味を持っています。

また、 売掛金は「資産」になりますが、買掛金は「負債」になるので、仕訳も異なります。

未払金や未収入金も似ていますが、売却もしくは購入した商品が営業活動以外のものかどうかで区別しなければなりません。

それぞれの仕組みや仕訳方法をきちんと理解した上で、決算書を作成していってくださいね。

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