2015年2月に1億円以上の資金調達を公表した国内ベンチャー企業15社
前回に引き続き、2015年に入ってから1億円以上の資金調達を実施した国内ベンチャー企業のまとめです。今回は2月に資金調達した企業です。
賃貸情報株式会社
http://chintaijyoho.co.jp/
賃貸情報株式会社は、契約をするとお祝い金としてキャッシュバックされる賃貸住宅情報サイト「キャッシュバック賃貸」を運営しています。
金氏社長は早稲田大学を卒業後に司法書士となり、その後独立して開業するもマンションデベロッパーのアスコットに入社し取締役、子会社社長などを歴任、2012年に賃貸情報を設立しました。リアルの不動産仲介では契約が成立してから手数料が発生する成功報酬のモデルなのに、インターネットでは広告を掲載した時点で掲載料が発生することに疑問を持ち、リアルと同様に成約してから手数料が発生する「成約課金型」のポータルサイトを立ち上げました。その後2014年4月にはグローバル・ブレインが運営するファンドを引受先とする第三者割当増資を実施し1億円調達しました。
今回の資金調達額も1億円で、電通デジタル・ホールディングスおよびSMBCベンチャーキャピタルがそれぞれ運営するファンドに対する第三者割当増資によるものです。TechCrunch Japanに掲載された記事によると、今回の資金調達は「資金ニーズより戦略を重視している」とし、事業会社との連携を考えて実施したとのことです。
不動産のポータルサイトのビジネスモデルは、これまでは大きく分けて「掲載課金型」と「反響課金型」の2つでした。「掲載課金型」とは広告を掲載した時点で掲載料が発生するモデルで、「反響課金型」とは掲載は無料ですが問い合わせなどの反響があった時点で料金が発生するモデルです。前者の場合は反響がない場合は広告費が無駄になってしまうリスクがあり、後者の場合はひやかしなども課金対象になってしまい、さらには「さくら」の可能性もあることがリスクでした。賃貸情報では「成約課金型」としてこれらのリスクをほぼなくすことで、不動産仲介会社を味方にすることができ、会社設立からわずか1年半で180万件もの不動産賃貸物件を掲載することができました。物件数が充実しているだけでなく、駅名などで検索結果を表示する際には周辺の家賃相場の情報や平均面積、最多の間取りなども表示され、ユーザーにとって非常に使いやすいウェブサイトとなっています。
ちなみに成約したらユーザーにキャッシュバックというモデルはリブセンスが運営するジョブセンスが有名ですが、副社長の遠藤彰二氏は賃貸情報に入社する前、リブセンスで取締役ジョブセンス事業部長をしていたとのことです。
公表日 | 2月4日 |
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調達金額 | 1億円 |
資本金 | 2億1,975万円(資本準備金含む) |
設立 | 2012年9月 |
代表者 | 代表取締役 金氏一真 |
本社 | 東京都渋谷区渋谷3-17-4山口ビル6階 |
事業内容 | 賃貸情報サイト「キャッシュバック賃貸」の運営 |
株式会社マイネット
株式会社マイネットの事業内容としては、スマートフォン向けの美麗・美少女系ゲーム9タイトルを運営しています。運営ノウハウで強みを持っているので、自社で開発したゲームだけでなく他社が開発したものを代行して運営したり、譲り受けて改善し収益を上げたりするというグロース事業も展開しています。
上原社長は小学生のころから松下幸之助にあこがれて、将来は起業家になると決めていました。そのために経営学部がある神戸大学に入学し、卒業後はNTTに入社しました。NTTでは映像配信事業、子会社が運営するgoo事業などを経験し、2006年にマイネットを創業しました。これまでに国内初のソーシャルニュースサイトの運営や携帯電話端末向けのCRM事業を行ってきましたが、現在ではスマートフォン向けのゲーム事業にシフトしています。
創業以降はリクルートインキュベーションパートナーズ、住友商事から資金を調達しています。今回の資金調達額は7億3,000万円で、B Dash Ventures、新生企業投資、SMBCベンチャーキャピタルがそれぞれ運営するファンドに対する第三者割当増資と三井住友銀行からの借入等によるものです。資金使途は、グロース事業を加速するためのスマートフォンゲームの買収とのことです。
毎日様々なスマートフォンのゲームアプリがリリースされますが、その多くは短期間でユーザーに飽きられてひっそりとサービス終了となったり、そのまま放置されたりすることになります。多額の開発費をかけたのにヒットしないものも少なくありません。人気がなくなったゲームを買収して改善し収益を上げられるのは、運営にノウハウを持つマイネットの強みです。収益を上げられる秘訣の一つとして、約30のゲーム開発会社と相互送客ネットワークを構築していることが挙げられます。あるゲームに飽きたユーザーをネットワーク内の別のゲームに送客し合う仕組みはよくできていると思いました。
公表日 | 2月5日 |
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調達金額 | 7億3,000万円 |
資本金 | 7億6,807万円(資本準備金を含む) |
設立 | 2006年7月 |
代表者 | 代表取締役社長 上原仁 |
本社 | 東京都中央区銀座8-16-13 中銀・城山ビル9F |
事業内容 | スマートフォン向けオンラインゲームの開発・運営 |
株式会社リーディングマーク
株式会社リーディングマークの主な事業内容は、動画による就職活動のプラットフォーム「レクミー」の運営です。学生が自己アピールを録画した動画をレクミーに投稿し、企業担当者がそれらの動画を見て興味を持った学生をスカウトするというものです。また東大、慶應、早稲田、京大、東工大をメインとした上位大学に対して就職活動イベント「レクミーLIVE」を開催しています。ユーザー数は1万人を超え、クライアント数は200社以上、官公庁、商社、金融、メーカー、IT、コンサルティングなど多業種にわたっています。
飯田社長は東京大学3年の時にリーディングマーク(当時の社名はist)を設立しています。最近は起業ブームということもあり起業する東大生も少なくありませんが、当時は非常に少なく周囲からは珍しがられ、親からは反対されたそうです。創業時の仲間が離れていったなど存続の危機もありましたが立て直し、2013年11月にはサイバーエージェント・ベンチャーズから5,000万円の資金を調達しています。
今回の資金調達額は1億7,100万円で、日本ベンチャーキャピタル、みずほキャピタル、リンクアンドモチベーション、SMBCベンチャーキャピタル、EastVentures、および個人投資家数名に対する第三者割当増資によるものです。
筆者の新卒時の就職活動は、まず志望する企業にハガキを書いて資料を請求するところから始まりました。履歴書やエントリーシートは手書きでとても大変だった記憶があります。インターネットが普及してこのような手間がなくなったこともあり、学生は簡単に応募できるようになりました。リクルートキャリアは公表した就職白書によると、2014年卒業の学生一人当たりのプレエントリー(採用情報・資料の請求、企業への個人情報提供)は60社でした。簡単に応募できるようになった結果、企業側では1社当たりの応募数が多くなり、本当に志望している学生と出会う可能性が少なくなっていき、結果ミスマッチが増えていきました。このような状況において、数多くのエントリーシートの1つとして埋没してしまうのではなく、動画として自己アピールできるレクミーは今後の急成長が期待されます。アメリカでも同様のサービスを提供しているHire Vue社は累計で5,000万ドル以上の資金を調達しており順調に成長しています。リーディングマークも同様に成長していくことを期待します。
公表日 | 2月6日 |
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調達金額 | 1億7,100万円 |
資本金 | 2億3,100万円(資本準備金を含む) |
設立 | 2008年1月 |
代表者 | 代表取締役社長 飯田悠司 |
本社 | 東京都渋谷区南平台町2-17 日交渋谷南平台ビル5階 |
事業内容 | 国内人材事業、国際人材事業 |
クオンタムバイオシステムズ株式会社
http://www.quantumbiosystems.com/
クオンタムバイオシステムズ株式会社は、DNAを構成する要素の結合順序を読み取るための装置であるDNAシークセンサーを開発しています。独自の技術による革新的な製品で、従来のものよりも圧倒的に高速で、低コストで、小型のものを開発しています。
本蔵社長は東京大学大学院でヒトゲノム解析等の研究に従事し、修了後に国内証券会社でアナリスト、コンサルティング企業のマッキンゼー&カンパニーでマネージャー、産業革新機構でディレクターを務めました。そして2012年にクオンタムバイオシステムズの技術シーズとなる大阪大学教授による研究開発グループが参加する最先端研究開発支援プログラムに出会い、破壊的イノベーションを起こす可能性を認識したそうです。その後資金調達に走り、2013年1月にクオンタムバイオシステムズを創業しました。2013年には経済産業省からの助成金を得て、続いてジャフコおよびPrefferd Infrastructureから1億3,000万円の資金を調達しました。翌2014年2月にはジャフコ、東京大学エッジキャピタル、みずほキャピタルより4億5,000万円の資金を調達しました。
今回の資金調達額は総額24億円で、産業革新機構および三菱UFJキャピタル、ジャフコ、東京大学エッジキャピタル、みずほキャピタルがそれぞれ運営するファンドに対する第三者割当増資によるものです。
従来のDNAシーケンサーはデスクトップ型の簡易なものでも数千万円するのに対し、クオンタムバイオシステムズのものは数百万円で、解析にかかる時間も圧倒的に早いとのことです。これまでのDNAシーケンサー市場はスイスや米国企業が主要なプレイヤーでしたが、日本発の高度な技術で巻き返しを図っているクオンタムバイオシステムズを応援していきたいです。
公表日 | 2月9日 |
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調達金額 | 24億円 |
資本金 | 15億1,793万7,500円 |
設立 | 2013年1月 |
代表者 | 代表取締役社長 兼 最高経営責任者(CEO) 本蔵俊彦 |
本社 | 大阪市淀川区西中島7-14-35 大阪屋北5号館501号室 |
事業内容 | 次世代DNAシーケンサーの開発 |
株式会社スクー
株式会社スクーはコミュニケーション型動画学習サービス「schoo(スクー)WEB-campus」を運営しています。これはビジネスを中心とした様々なジャンルの生放送の授業を無料で受講できるサービスです。具体的にはウェブデザインを学ぶ「デザイン学部」や「ビジネス英語学部」「プログラミング学部」などがあります。生放送で受講する場合は無料ですが、過去の録画授業を受講する場合は、月額980円で有料となっています(無料でも月に1授業は受講可能)。
森社長は大学卒業後リクルートに入社しましたが、2年目に受けたeラーニングがあまりにも退屈でつまらないものだったという体験がスクーを設立したきっかけでした。またマイケル・サンデル教授の「ハーバード白熱教室」の再放送を見て、このような楽しい授業をインターネットで提供するというアイデアが浮かび、2011年10月に起業しました。起業直後は人材も資金もなく非常に苦労したとのことですが、ボランティアで手伝ってくれる人が増えていき何とか乗り越えました。そして2012年10月にはANRIおよびインキュベイトファンドから約2,000万円(推定)、2013年7月には前回の2社に加え伊藤忠テクノロジーベンチャーズから1億5,200万円の資金調達を実施しました。
今回の資金調達額は3億4,000万円で、既存投資家並びに電通デジタル・ホールディングス、リンクアンドモチベーション等に対する第三者割当増資によるものです。
「Schoo WEB-campus」では生放送にこだわっており、講師や他の受講生とのコミュニケーションを大切にしているとのことです。受講生の声によって授業の進む方向が変わる場合もあり、この点が非常におもしろくて新しいところだと森社長はブログで語っています。課金は生放送で受講する場合は無料で過去の録画を見る場合は有料という点については、音楽コンテンツと逆になっていて興味深かったです。
公表日 | 2月10日 |
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調達金額 | 24億円 |
資本金 | 5億1,300万円(資本準備金含む) |
設立 | 2011年10月 |
代表者 | 代表取締役社長 森健志郎 |
本社 | 東京都渋谷区道玄坂1-19-9 第一暁ビル5階 |
事業内容 | コミュニケーション型動画学習サービス「schoo(スクー) WEB-campus」の運営 |
株式会社ホワイトプラス
株式会社ホワイトプラスは、宅配ネットクリーニングサービスの「リネット」を運営しています。これはインターネットでクリーニングに出す衣服の引き取り日とお届け日を指定すると配送業者が集荷し、クリーニング後の衣服を届けてくれる宅配クリーニングサービスです。衣服のクリーニングだけでなく靴や布団の洗浄サービスおよび、同様の宅配型トランクルームサービスの「ヒロイエ」も運営しています。ホワイトプラス社の事業領域は「インターネット×ライフサービス」と設定しており、「リネット」では「インターネット×クリーニング」、「ヒロイエ」では「インターネット×トランクルーム」です。
井上社長は神戸大学を卒業後、同大学院に進学しました。在学中に本気で起業を考えるも、まずはトップの近くで仕事ができるベンチャー企業で働きたいと思い、3年で退職し起業すると決意してエス・エム・エスに入社しました。そして3年後の2009年7月にホワイトプラスを設立しました。同社の最初のサービスである「リネット」は、クリーニング店に行く時間がない、重い衣類をお店まで持っていくのが大変、小さな子どもがいて外出するのが大変、といった声から誕生しましたが、ネット上で受け付ける無店舗の宅配クリーニングサービスという理想にたどりつくまでは3年もかかったとのことです。その後、2013年8月にジャフコより3億円の資金を調達しました。
今回の資金調達額は4億800万円で、YJキャピタルが運営するファンドに対する第三者割当増資によるものです。資金使途としては、経営基盤の強化、優秀な人材の獲得です。
井上社長の前職はインターネット業界でクリーニングのことは完全な素人でしたが、創業後には国家資格であるクリーニング師の資格を取り、実際にリアルな店舗まで運営してノウハウを蓄積していきました。当初の計画は無店舗で、ネット上で受け付け、クリーニングは契約しているリアルな店舗に委託するというモデルでしたが、クレームが多いクリーニング業界ではリアルな接客をして受付および検品をしないと無理とのことで、契約してくれるクリーニング店はありませんでした。ここであきらめるのではなく、自前で店舗運営までするという執念は凄いと思いました。
公表日 | 2月10日 |
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調達金額 | 4億800万円 |
資本金 | 7億2,950万円(資本準備金含む) |
設立 | 2009年7月 |
代表者 | 代表取締役 井上孝之 |
本社 | 東京都渋谷区渋谷1-11-1 COI西青山ビル3F |
事業内容 | インターネット×ライフサービス事業 |
株式会社メタップス
株式会社メタップスは、アプリの集客、分析、収益化をワンストップで支援する開発者向けのプラットフォーム「metaps」を運営しています。サービス開始から3年半で、世界で12億以上ダウンロードされています。
佐藤社長は日本の政治経済の仕組みを変革するために弁護士か政治家になろうと考えていましたが、起業家の方が早く変革できると判断し大学を中退、2007年にイーファクター株式会社を設立しました。当初はモバイルSEO事業を行っていましたが、スマートフォン事業領域に大きなチャンスがあると判断し2010年にリワード広告事業に参入、翌2011年にはシンガポールに子会社を設立し「metaps」をリリースしました。その後社名も現在の株式会社メタップスに変更しています。
資金調達は2007年11月に1,000万円のシードマネーを皮切りに、2011年12月には3億3,000万円、2012年2月には1億1,000万円、2013年3月には10億円を第三者割当増資で調達しております。割当先は、こちら( http://takanoridayo.blog.shinobi.jp/Entry/364/ )のページにまとまって掲載されておりとてもわかりやすいです。
今回の資金調達額は43億円で、米国シリコンバレーのベンチャーキャピタル、国内の事業会社および既存投資家に対する第三者割当増資によるものです。具体的な名称は現時点で明かされておらず、今後の事業提携の発表などを通じて随時公表されるとのことです。資金使途としては、人工知能の利用拡大に伴う必要な人材の獲得および研究開発投資、金融領域への進出とのことです。
冒頭で記載した通り、「metaps」は世界で12億以上ダウンロードされており、拠点も米国、英国、シンガポール、韓国など8か所あり、日本発のグローバルベンチャー企業に成長したといってもいいでしょう。今後のさらなる成長に期待します。
公表日 | 2月12日 |
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調達金額 | 43億円 |
資本金 | 50億6,368万円(資本準備金含む) |
設立 | 2007年9月 |
代表者 | 代表取締役 佐藤航陽 |
本社 | 東京都新宿区西新宿6-8-1 住友不動産新宿オークタワー30F |
事業内容 | アプリ収益化プラットフォーム「metaps」の開発、運営およびオンライン決済サービス「SPIKE」の開発、運営 |
株式会社3ミニッツ
http://www.3minute-inc.com/
株式会社3ミニッツは、女性に特化したYouTuberのプロダクション業務およびそれに付随した動画製作を行っています。なおYouTuberとは「主に動画共有サイトYouTube上で独自に制作した動画を継続して公開している人物や集団を指す名称」のことです(ウィキペディアより)。
宮地社長は広告代理店の営業を6年間経験した後、2011年11月にデジタルコンテンツのプロデュースを行うG STYLE ENTERTAINMENT社を設立しました。2013年1月にはエニグモとのジョイントベンチャーとして株式会社stulioを設立し、フリマアプリSTULIOを運営していました。2014年9月には女性がもっと活躍できる場をつくりたいという想いのもと、3ミニッツ社を設立しました。設立時には、B dash venturesの他、複数のベンチャーキャピタルから数千万円の資金調達をしています。
今回の資金調達額は1億円で、LINE VenturesおよびB Dash Venturesがそれぞれ運営するファンドに対する第三者割当増資によるものです。資金使途としては、組織体制の強化および事業の世界展開のための資金とのことです。
会社を設立してまだ半年余りですが、藤井リナさん、道端アンジェリカさんといった有名モデルと契約しています。また国内最大級のアフィリエイトサービスを提供するアドウェイズと業務提携を発表しており、3ミニッツと契約しているYouTuberと連携したプロモーション商品を共同開発して、ゲームデベロッパー向けに独占販売を行っていく計画とのことです。YouTuberとして生計を立てている人は限られておりますが、今後は3ミニッツの活躍により増えていくことが期待されます。
公表日 | 2月12日 |
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調達金額 | 1億円 |
資本金 | 1億2,100万円(資本準備金含む) |
設立 | 2014年9月 |
代表者 | 代表取締役 宮地洋州 |
本社 | 東京都渋谷区代官山町20-3 代官山ファービービル3F |
事業内容 | 女性に特化したYouTuberプロダクション業務、動画制作、動画受託制作 |
ミイル株式会社
ミイル株式会社は、料理の写真を撮影してネット上に公開し他のユーザーとコミュニケーションを取ることができるソーシャルアプリ「miil」を運営しています。
現社長の大下社長は創業社長ではなく、サイバーエージェント、サイバーエージェント・ベンチャーズ、スペイシーズを経て、2014年5月よりミイルの代表取締役社長に就任しています。会社としての創業の経緯は、ソーシャルメディアを活用した飲食店の成功事例の一つ「豚組」を開業した中村仁氏が、2010年9月に株式会社きずなを設立したことが最初です。その後創業時の事業を売却したことにより2011年6月に社名を株式会社FrogAppsと変更し、10月に「miil」をリリースしました。「miil」事業が順調に成長することにより2013年12月に社名を再度変更しミイル株式会社としました。社長人事としては、2013年4月に中村氏から共同創業者の高橋伸和氏に交代し、翌2014年5月より現社長の大下氏になっています(高橋氏は取締役会長に就任)。
資金調達は創業時のラウンドでサイバーエージェント・ベンチャーズおよび個人投資家より4,000万円、2012年5月にリード・キャピタル・マネージメントおよび電通デジタル・ホールディングスより2億4,000万円を調達しています。
今回の資金調達金額は2億円規模で、サンブリッジグローバルベンチャーズおよびリード・キャピタル・マネージメントがそれぞれ運営するファンドならびに、大下社長に対する第三者割当増資によるものです。資金使途としては、中核となる人材の確保、新規事業の立ち上げ、マーケティング活動の強化、海外展開のためとのことです。
「miil」は、料理の写真を美味しそうに撮影するカメラ機能があり、撮影した写真を簡単に公開、共有できるということからソーシャルアプリではありますが、非公開の設定もできてカレンダー機能もあるのでレコーディングダイエットにも活用できます。このように活用しているユーザーも意外と多いのではないかと思いました。
公表日 | 2月16日 |
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調達金額 | 2億円規模 |
資本金 | 2億7,460万円(資本準備金を除く) |
設立 | 2010年9月 |
代表者 | 代表取締役社長 大下徹朗 |
本社 | 東京都渋谷区神宮前6丁目19-14 神宮前ハッピービル8階 |
事業内容 | インターネットコミュニケーションサービスの開発・提供 |
ラクスル株式会社
ラクスル株式会社は、全国の印刷会社をネットワーク化し各社の非稼働時間を活用することで、低価格な印刷物を提供する印刷のeコマースサービス「ラクスル」を運営しています。ラクスルのeコマースサイト上で受注した印刷物は、印刷物のサイズ、種類、納期に応じて最適な印刷会社に発注し、印刷を行っています。印刷機の非稼働時間の利用、複数の注文をまとめて印刷することによる版代のシェア、大量印刷などによりコスト削減を実現し、高品質なサービスを低価格で提供しています。
松本社長は慶應義塾大学を卒業後、外資系コンサルティング企業に入社しました。コンサルタントとして印刷業界における非効率さの課題を認識し、自らが起業して社会を変えたいという想いが強くなり、2009年9月に資本金200万円でラクスル(当時の社名はテクトニクス)を設立しました。2011年まで少額の増資を3回実施した後、2012年4月にはニッセイ・キャピタルおよび個人投資家から1億1,000万円、同年11月にはYJキャピタルおよびANRIから1億2,000万円を調達しました。さらに2014年2月には、WiLをリードインベスターとして、グローバル・ブレイン、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、プラス、GMOベンチャーパートナーズ、ミクシィの6社より総額約14億5,000万円を調達しました。またほぼ同じタイミングで電通デジタル・ホールディングスより約1億円の資金調達を実施しました。
今回の資金調達額はさらに増えて総額40億円で、オプト、グローバル・ブレイン、WiL、伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、ANRI、電通デジタル・ホールディングス、GMO VenturePartners、リンクアンドモチベーション、グリーベンチャーズ、Global Catalyst Partners Japanが運営するファンドに対する第三者割当増資によるものです(オプトとリンクアンドモチベーションは直接投資)。資金使途としては、従来の印刷eコマース事業の拡張、中小企業向け集客プラットフォーム構築のためのサービス拡充、人材採用、プロモーションによる事業拡張のためとのことです。
メタップスが43億円の資金調達を発表したときは驚きましたが、1週間後に今回のラクスルの発表があり再度驚きました。数年前では一桁億円の資金調達をするベンチャー企業は多くありませんでしたが、ここ1,2年ではさほど珍しくなくなり、今回のように二桁億円
の資金調達も散見されるようになりました。経営者にとってはよりよい環境になっていると言えるでしょう。
あとサービスについて、個人的には「そっくり名刺」というサービスに興味を持ちました。このサービスは、名刺をカメラで撮影し画像データを送るだけでラクスルが版下データを作成し、印刷して納品してくれるというものです。次回以降の購入時には印刷代だけで購入できます。通常、版下データは別のサービスに移行できないので、「そっくり名刺」のサービスは非常に便利だと思いました。
公表日 | 2月17日 |
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調達金額 | 40億円規模 |
資本金 | 2億7,460万円(資本準備金を除く) |
設立 | 2009年9月 |
代表者 | 代表取締役 松本恭攝 |
本社 | 東京都港区虎ノ門1丁目17番1号 虎ノ門5森ビル3階 |
事業内容 | 印刷のeコマースサービス「ラクスル」の運営 |
株式会社アイアンドシー・クルーズ
株式会社アイアンドシー・クルーズはスマートライフプラットフォーム事業という位置付けで、インターネットを活用して太陽光発電、リフォーム、オール電化製品などを導入する際の支援サービスを行っています。主要サービスの一つとしては、グリーンエネルギーナビがあり、これは太陽光発電の設置を検討している方に対して販売施工会社を紹介するサービスです。グリーンエネルギーナビが販売施工会社に対して独自の審査を行い、審査をクリアした会社のみを加盟店として登録しています。現在加盟店は約1200社あるとのことで、この中からユーザーが住む地域の販売施工会社を紹介し、仲介手数料をもらうビジネスモデルです。
上村社長はアイアンドシー・クルーズを創業する前の学生時代にパソコン販売の会社を設立しています。しかし起業を成長させるためにどうしていいか悩んで壁にぶつかったため、新卒でデロイトトーマツコンサルティング(現アビームコンサルティング)に入社しました。その後ベンチャー企業向け人材紹介会社の執行役員を経て、2008年6月にアイアンドシー・クルーズを創業しました。創業後の資金調達は、サムライインキュベート、環境エネルギー投資、Fenox Venture Capitalより3回にわたって調達しています。
今回の資金調達額は約2億円で、既存株主のFenox Venture Capitalに対する第三者割当増資によるものです。資金使途としては、事業展開を加速させることを目的としています。
太陽光発電市場が成長し続けている米国で豊富なネットワークを持ち、シリコンバレーにおけるベンチャー企業投資においても豊富な実績を持つFenox Venture Capitalからの追加出資ということで、いよいよ本格的な海外展開が期待されます。
公表日 | 2月18日 |
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調達金額 | 2億円 |
資本金 | 1億2925万円 |
設立 | 2008年6月 |
代表者 | 代表取締役社長 上村一行 |
本社 | 東京都港区新橋1-18-16 日本生命新橋ビル5F |
事業内容 | インターネットメディア事業、グリーンエネルギー事業、エージェント事業 |
Fringe81株式会社
Fringe81株式会社は、アドテクと言われるインターネット広告技術の開発およびコンサルティングを事業としています。ここ数年でアドテクは急速に進歩していますが、Fringe81は自社企画、開発にこだわって最先端のサービスを提供しています。
田中社長は大学卒業後にソフトバンクに入社しインターネット事業の立ち上げを経験しました。その後ネットイヤーグループ、経営コンサルティング会社のコーポレイトディレクション、ネットエイジグループを経て、2005年4月にFringe81の前身であるRSS広告社をネットエイジキャピタルパートナーズの100%子会社として資本金7,500万円で設立しました。
設立後、2005年6月にサイバー・コミュニケーションズおよびリクルートから3,200万円、2007年11月にサイバーエージェントおよび同社100%子会社のマイクロアドから9,100万円の資金を調達しました。2013年1月にはMBO(マネジメントバイアウト)が実施され、親会社のユナイテッド(ネットエイジグループの変更後の社名)の持ち分65.42%が、田中社長が94%を保有するFringe81ホールディングスに1億9,900万円で譲渡されました。その後2013年3月にFringe81ホールディングスが伊藤忠テクノロジーベンチャーズより2億4,000万円の資金調達をし、同年7月にはFringe81ホールディングスがFringe81を吸収合併し、社名を吸収合併された方のFringe81株式会社としました
今回の資金調達額は4億2,000万円で、NTTドコモ・ベンチャーズ、アイスタイルキャピタル、電通デジタル・ホールディングス、TBSイノベーション・パートナーズがそれぞれ運営するファンドおよびグリーに対する第三者割当増資によるものです。資金使途としては、人材の採用、育成の強化ならびに研究開発とのことです。
創業時はネットエイジグループの子会社ということで田中社長はオーナー創業者ではなかったのですが、MBOによりオーナー社長になりました。ゼロからの創業とは異なり、比べものにならないくらい大きなリスクをとった田中社長の今後のますますの活躍に期待したいです。
公表日 | 2月20日 |
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調達金額 | 4億2,000万円 |
資本金 | 3億3,491万円 |
設立 | 2005年4月(創業) |
代表者 | 代表取締役社長 田中弦 |
本社 | 東京都港区六本木6-2-31 六本木ヒルズノースタワー10F |
事業内容 | インターネット広告技術の開発/コンサルティング |
Crevo株式会社(PurpleCow株式会社より社名変更)
Crevo株式会社は動画制作に特化したクラウドソーシング事業を行っています。動画といってもカメラで実際に撮影したものではなく、アニメーションが中心の「非撮影動画」と言われるもので、最近だとアプリの紹介動画などによく見られます。2014年3月のサービス開始以降、250社がCrevoを利用しています。80秒以内であれば18万円と相場価格の半額程度で制作でき、これまでハードルが高かった動画制作を身近なものにしています。
柴田社長は中央大学在学中にインターンとしてDeNAで働き、卒業後はソフトバンクテレコムに就職しました。経営人材を育成する社内大学であるソフトバンクアカデミアに選抜され起業を本気で意識し、2012年6月にPurpleCowを設立しました。設立後、2013年2月にはインキュベイトファンドおよびイーストベンチャーズより1,470万円の資金を調達しています。
今回の資金調達額は1億円で、サイバーエージェント・ベンチャーズおよび、B Dash Venturesがそれぞれ運営するファンドに対する第三者割当増資によるものです。資金使途としては、人材の採用、育成の強化、広告宣伝、営業開発のためとのことです。
Crevoが低価格でサービスを提供できるのは、クラウドソーシングを活用して制作者の空いた時間に適切な価格で制作してもらうということが大きな要素であると思われます。こう考えると先のラクスルのビジネスモデルと共通する部分があり、シェアリングエコノミーはまだいろいろな分野で可能性を秘めていると思いました。
公表日 | 2月25日 |
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調達金額 | 1億円 |
資本金 | 1億4,395万円(資本準備金含む) |
設立 | 2012年6月 |
代表者 | 代表取締役 柴田憲佑 |
本社 | 東京都渋谷区道玄坂1-19-9 第一暁ビル7階 |
事業内容 | 動画制作専門クラウドソーシング事業「Crevo」の企画・運営 |
株式会社スピカ
株式会社スピカは、ネイル写真を共有するサービス「ネイルブック」を運営しています。ネイルブックはもともとゆめみ社が2011年4月に始めた社内事業で、2014年4月にスピカがゆめみより分社化してネイルブック事業を継続しました。現時点でアプリのダウンロード数は100万を超え、月間のユニークユーザーは60万人、ネイルの写真は70万枚以上アップされるほど成長しています。
國府田社長は横浜国立大学を卒業後同大学大学院に進学、修了後にNTTに入社しました。その後NTTレゾナントでgooの開発、ゆめみで新規事業の担当を経て、2014年4月にゆめみから分社化したスピカの代表取締役に就任しました。同年5月にインキュベイトファンドおよびソラシード・スタートアップスより5,000万円の資金を調達しています。
今回の資金調達額は1億円で、B Dash Venturesおよびグリーベンチャーズがそれぞれ運営するファンドに対する第三者割当増資によるものです。資金使途としては、ネイルブックからネイルサロンへの送客数増加を目指し、体制の強化、提供サービスの拡充およびネイルサロン向けサポートの強化です。
現時点でマネタイズはしておらず、今後はネイルサロンへの送客を強化してその際に報酬を得るというビジネスモデルを考えているとのことです。実現できればO2O(オンライン to オフライン)の興味深い成功事例となるでしょう。
公表日 | 2月26日 |
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調達金額 | 1億円 |
資本金 | 非公表 |
設立 | 2014年4月 |
代表者 | 代表取締役 國府田勲 |
本社 | 東京都渋谷区道玄坂2-10-12新大宗ビル3号館7階735号室 |
事業内容 | スマートフォンを使ったコンシューマ向けサービスの企画・開発・運営 |
FULLER株式会社
FULLER株式会社は、スマートフォンアプリの市場分析、競合分析のサービスである「App Ape」、スマートフォンの電池節約アプリ「ぼく、スマホ」など、スマートフォンアプリに特化したテクノロジーとサービスを提供しています。
渋谷社長は長岡高専、筑波大学を卒業後、グリーに入社、学生時代の仲間たちとモノやサービスをつくりたいという強い想いから2011年11月にFULLERを設立しました。その後2012年12月にはロンドンを拠点とするベンチャーキャピタルのm8キャピタルおよび朝日ネットから1億円の資金を調達した。
今回の資金調達額は2億3,000万円で、m8キャピタルおよびGlobal Catalyst Partnersがそれぞれ運営するファンドならびに、朝日新聞社、インフォテリア、オプト、コロプラ、日本交通および個人投資家に対する第三者割当増資によるものです。資金使途は、人員体制の拡大およびオフィスの増床、事業の海外展開、新作アプリの開発です。
アプリの解析ツールといえばサンフランシスコに本社を構えるApp Annieがグローバル展開をしていて世界的に有名ですが、App Ape はApp Annieと比較しても使い勝手は悪くありません。ライトユーザーにとっては十分なツールと言えるでしょう。海外展開も計画しているとのことなので、今後の事業拡大に期待します。
公表日 | 2月27日 |
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調達金額 | 2億3,000万円 |
資本金 | 3億3,607万円(資本準備金含む) |
設立 | 2011年11月 |
代表者 | 代表取締役CEO 渋谷修太 |
本社 | 千葉県柏市若柴178番地4 柏の葉キャンパス148街区2 KOIL 6F |
事業内容 | スマートフォンアプリの利用動向調査サービスの開発、運営、スマートフォン向けアプリの開発、運営 |
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