信用金庫と日本政策金融公庫から2,000万円の資金調達。人材サービスコンサルティング業の株式会社情熱/代表取締役 水野元気氏
まずは自己紹介をお願いします。
大学は付属だったのでそのまま入学。特にやりたい事は決まっていなかったのですが、一冊の本に多大に影響されます。著者は、今や誰でもご存知の有名経営者の方ですが、その方の本を読んだときに衝撃が走りました。24歳で起業して26歳で上場!「かっこいい!俺も起業したい!」このときから起業することが自分の夢になります。
さらに、その本にはこの有名経営者の大学時代の過ごし方も書いてありました。内容は、「とことん営業の仕事をした」とのこと。そんなときタイミングよく、有名な学習塾のアルバイトに誘われます。それも仕事内容は営業です。「これはやるしかない!」と決意した私は、大学1年生終わりから営業の仕事にのめり込みます。
その後の就職活動は、将来起業すること念頭に置きベンチャー企業に就職。成果を創出しながら、スキルアップのため転職をして、営業や社員研修をメインに自身のスキルを磨きました。3社目に転職したときに、「この会社が最後だ。この会社を辞めるときはいよいよ起業だ!」と考えていたのですが、なかなか最後の一歩が踏み出せません。
一緒に起業してくれる仲間もいるのですが、起業に踏み切れない自分にもどかしさを感じていました。
そんな自分を変えたくて、成功者と言われる人達に会いに行ったり、セミナーに行ったり、多くの研修を受講しました。その中で、一つ気付いた事があります。それは起業して成功している人は諦めないということです。失敗しても諦めずにやり続けるということが大切だと思うようになります。何より、継続しやり続ける為に必要なものは「情熱」。これこそが起業に必要だと確固たる信念が自分の中で創られました。
これを機に、2005年10月からブログを始めます。タイトルは情熱大陸日記です。900日後に起業する男の記録というテーマでした。このブログの投稿の初日に私は「情熱を持って生きたい。熱い思いをもった情熱家を輩出したい。情熱大陸のように自分がやっていることに情熱を持ちたい」と、当時の心境をストレートに書き綴りました。このブログに書いた思いを形にする事が出来るのは、人材紹介業と起業家育成だと感じ2本柱で事業計画を作成し、実際には900日よりも早く株式会社情熱を設立することになります。
水野 元気 著書一覧
起業の資金はどうされたんですか?
資本金は500万円です。300万円は現金です。私と取締役で半々で準備しました。ただ、人材紹介業を営む場合、資本金の額は500万円が最低必要です。残りの200万円をどうするのか?で、悩んでいるときに行政書士の先生から、ある提案を貰いました。それは現物出資です。現金の代わりに200万円分の現物出資で補いました。その現物には車や事務所OA機器、パソコンなどです。
現金300万円と現物出資の200万円で合計500万円を資本金として登記しました。
無事に人材紹介の許可の申請も取ることが出来て事業をスタートさせました。何としてでも、人材紹介業で起業したかったのでこの知識は有り難かったです。
その後、資金調達はされましたか?
1回目は決算書を出す位でした。あとは顧問税理士のフォローに従い書類の作成をしました。2回目は※中小企業金融円滑法の終了に伴う借入です。(※2008年のリーマンショックによる急激な経済不況の中、中小企業を守る目的として施行された期間限定の法令 2013年3月末で終了)
簡単に言うと資金調達の条件などが緩和されていて中小企業には助かる法令だったのですが、それが終わる前に銀行の融資枠を増やそうということで、1,000万円を西武信金から借入ました。これは融資枠を増やすことを目的としているので、最初に借りた500万円の残債を差し戻しで1,000万円に枠を広げました。その後の3回目には運転資金ではなく、新規事業の設備資金として日本政策金融公庫からの500万円の借入を行ないます。
これは事業計画書を作成し、設備に係る費用とそこに係る採用コストと教育費を算出し、顧問税理士にアドバイスを受けながら作成しました。今現在、事務所の引っ越しに伴う資金調達も検討中です。セミナールームを併設した場所に引っ越す予定です。
最初の1回目は運転資金で、2回目は融資枠を拡げるため、3回目は新規事業のため、現在はセミナールームも併設している事務所を借りるために借入を検討中です。
資金調達の成功の秘訣を教えて下さい。
業績が黒字ということは大切です。あと、顧問税理士との関係が大切ですね。理由は情報です。資金調達しやすいタイミングがあるんです。業績は勿論のことですが、例えば国や都や県が一定の時期に補助金を募集するのもそうでしょうし、銀行の決算の時期なども借りやすいと言われています。一般にはあまり知られていない情報を持っているのは、やはり税理士です。私の場合は顧問税理士と2ヶ月に一回は面談しています。結構、ざっくばらんに何でも話せる仲です。そうやってお互いコミュニケーションが取れる関係が大切だと思います。
あと、業種の影響も大きいかもしれません。私の業種は初期投資をはじめ、仕入れや在庫が基本的に無いので、売り上げが立ちだすと、バランスシートの見栄えがよくなります。あと売上のお金も入ってくるタイミングが分りやすいので、借入を起こす場合の予定も組みやすいですね。
御社の特徴を教えて下さい。
日本で唯一無二の情熱という社名を名乗っています。情熱という暑苦しい思いに関して経営者の方には共感を得る場合が多いです。そして、多くの経営者の方は自社の社員に少なからず共感して欲しいでしょうし、そのような思いを社員に持って欲しいと考えています。しかし、そんな思いを社員に押し付けてしまったらすごく反発がでます。最悪「こんな会社辞める!」と言い出してしまう。そんなことは多々あります。残念ながら経営者と社員の意識の違いは、こんな部分でも差が出てしまうのです。
ただ、私達は経営者の方のそんな思い(情熱)を、社員の心にスッと入り、反感を持つ事無く、共感してもらえる論理的なプログラムの研修が出来ます。これは他社に無いノウハウです。実際に弊社の研修は中小零細企業から2,000人以上社員を抱える上場企業の全社員が受講する研修も実施させて頂いています。この企業に関しては5年かけて研修を行います。感情を揺さぶるような体感研修と、とてもロジカルな研修の相対的な両方の良さを取り入れた研修が実施出来ており、かつ実績が出ているのが弊社の強みです。
今後はどのような展望をお持ちですか?
2020年までに法人向けの研修コンサルティングサービスとして圧倒的な実績と知名度を持つことを目標としています。内容は「情熱チーム」を掲げています。「ど」がつくほどの「ど」ストレートなチームを作って行きます。具体的には情熱チームには3つの項目があります。
1つ目は個人の「自立×愛社」
これは、社員一人ひとりの自立した考えと会社に対する愛社精神を大切にしている状態です。
2つ目が情熱戦略リーダー
これは、情熱を持ちなおかつ戦略的にビジネスを進めていけるリーダーを育成し輩出ができる状態のことです。
3つ目が環境整備
(評価制度など社内のイベント)最終的には社風の改善を目的としています。
この3つの取り組みで情熱チームをクライアント企業に落とし込む研修を開発しています。現在は1つ目に特化して研修を行っています。
これから起業する方へのアドバイスをお願いします。
ただ、アメリカで言われる話だったと思いますが、「とにかく、毎月のカップラーメン代くらいは稼げるようにしよう」という言葉があります。つまり、「生きていける最低限のお金を稼げる状況を最短でつくることに挑戦しよう」ということです。まずこの状況をつくることが出来るかどうか、この状態が出来るのであればすぐに起業しても良いのではないでしょうか。
水野社長、本日はどうもありがとうございました。
株式会社 情熱 | 株式会社情熱は若手の研修、若手を育てるリーダーの研修を提供しております。
http://www.jyounetsu.co.jp/
昨日は0人が事業資金の調達に成功しました。
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