地域的な包括的経済連携(RCEP)、来年1月発効 日中韓など含む巨大自由貿易圏誕生
【この記事の要約】
☑ 日本や中国、韓国、ASEANなど15か国が参加する「地域的な包括的経済連携(RCEP)」が2022年1月1日に発効される
☑ 国内総生産(GDP)、人口の合計が世界の約3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生する
☑ 関税撤廃・引き下げは工業製品などを中心に91%の品目で合意
☑ 人口13億人のインドは今回不参加、今後の働きかけも期待
日本や中国、韓国など15か国が署名した地域的な包括的経済連携(RCEP=アールセップ)協定が、2022年1月1日に発効されることとなりました。
オーストラリアとニュージーランドが2日、批准手続きを完了したことにより、発効の条件を満たしました。
11月2日(火曜日)、RCEP協定の発効要件が満たされ、我が国及び寄託を終えたオーストラリア、ブルネイ、カンボジア、中国、ラオス、ニュージーランド、シンガポール、タイ、ベトナムの9か国について、2022年1月1日(土曜日)にRCEP協定が発効することとなります。
引用:2021年11月3日|経済産業省
これは手続きを終えた10か国での先行発効で、残る5か国は手続きの完了次第、追加で発効することになります。
日本にとっては中国・韓国と締結する初の経済連携協定。
参加15か国すべてで発効すれば世界経済のおよそ3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生します。
地域的な包括的経済連携(RCEP)とは
RCEPは「Regional Comprehensive Economic Partnership」の略。
日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドと東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10か国(ブルネイ、インドネシア、マレーシア、フィリピン、タイ、カンボジア、ラオス、ミャンマー、シンガポール、ベトナム)の計15か国が参加する自由貿易協定(FTA)です。
参加15か国は2020年11月の首脳会議で合意、協定に署名を行い、各国で批准手続きを進めてきました。
RCEPは、ASEAN構成国のうち6か国とそれ以外の国のうち3か国の少なくとも9か国が手続きを完了すると、その60日後に発効することになっています。
これまでに批准を終えていたのは、ASEAN構成国ではブルネイ、タイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、ベトナム。それ以外の国では日本と中国。今回、オーストラリアとニュージーランドが手続きを完了したことで、発効の条件が整いました。
参考:RCEP、豪州とNZが批准 来年1月1日発効|ロイター通信
世界経済の約3割を占める巨大な自由貿易圏が誕生
RCEPは参加15か国すべてで発効すれば、国内総生産(GDP)と人口の合計がそれぞれ世界のおよそ30%を占める大型のFTA。
貿易自由化の水準は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)より低いものの、工業製品を中心に全体の関税撤廃率は91%にのぼります。
巨大自由貿易圏の誕生で輸出や投資の活性化、新型コロナウイルス感染症で打撃を受けた経済の回復が期待されています。
日本にとっては中国、韓国との間で結ぶ初めての経済連携協定となる点でも大きな注目が集まっています。
外務省は「世界の成長センターであるこの地域と我が国とのつながりがこれまで以上に強固になり、我が国及び地域の経済成長に寄与することが期待されます」とのコメントを発表。
松野博一官房長官は4日の記者会見で、RCEP発効の見通しについて歓迎する意向を示し「ルールに基づく経済秩序の形成や参加国のルール遵守に主導的役割を果たしていく」と述べました。
参考:RCEP、地域経済に寄与 松野官房長官|時事ドットコムニュース
約9割の品目で関税撤廃、段階的な引き下げ 輸出入活性化へ
RCEPは、FTAの主要構成要素である工業製品や農林水産品の関税撤廃や引き下げなどに加え、輸出入の税関手続きや知的財産、電子商取引などの共通ルールについて合意しました。
特に注目が集まる関税の撤廃や引き下げに関しては、全体の関税の撤廃率はTPPの99%よりは低い水準ながら91%の品目で撤廃。
輸出入の市場の拡大が期待されます。
日本の輸出分野では、自動車部品や家電製品など工業製品の91.5%の品目について関税が撤廃されました。
また、農林水産品などでは中国向けのほたて貝やインドネシア向けの牛肉などの関税が段階的に撤廃されます。
萩生田光一経済産業大臣は5日の記者会見で、「中小企業を含め日本企業がRCEPから最大限の利益を得られるよう協定の内容の周知に取り組みたい」と述べました。
輸入分野では、コメや牛肉・豚肉、乳製品などの「重要5項目」が関税撤廃などの対象から外れる一方、中国から輸入される冷凍の枝豆や、韓国から輸入されるマッコリなどの関税が段階的に撤廃されることになっています。
RCEP発効に伴う国内の農林水産業への影響について、金子原二郎農林水産大臣は5日の記者会見で、重要5項目が関税撤廃・引き下げの対象から外されているとして「特段の影響はない」とコメント。
「巨大市場への輸出促進に資する環境が整備された」と協定の発効を歓迎する考えを示しました。
参考
RCEP、22年1月1日発効 GDP・人口で世界の3割|日本経済新聞
RCEP発効へ 農相は“歓迎” 経済産業相は“期待”を示す|NHK
RCEPの経済効果、GDP約2.7%増 政府試算
政府は今年3月、RCEPの発効はGDPをおよそ2.7%押し上げる経済効果があるとの試算を発表。
これは2019年度の実質GDP水準で換算すると、およそ15兆円に相当するとされています。
TPPについての政府の同様の試算では、アメリカが離脱したTPPのGDPの押し上げ効果はおよそ1.5%、アメリカが参加していた12か国の枠組みでもおよそ2.6%。RCEPの経済効果はTPP以上と見込まれています。
参考
人口13億人の大国インドはRCEP不参加
RCEPの交渉は2012年にインドを含めた16か国で始まりました。
しかしインドは関税撤廃が国内生産者に及ぼす影響などを懸念して2019年に交渉から離脱。
日本は中国の影響力をけん制する狙いもあり、インドの参加を期待していましたが、今回はインド抜きでの合意となりました。
ただ、各国は今後インドがRCEPへの加盟を求めた場合、ただちに交渉を開始するとしています。
インドの人口規模は13億人(中国は14億人)と圧倒的な数を誇ります。
各国の影響力のバランスを取ることや、さらなる経済活性化のため、今後も日本の課題としてインドの参加への働きかけが挙がっています。
日本商工会議所の三村明夫会頭は4日、RCEPの発効を「心から歓迎する」とし、インドの参加についても「RCEPの経済的・戦略的意義を高めるとともに、自由で開かれたインド太平洋を実現するため、引き続き粘り強い交渉に取り組まれることを期待する」とコメントしました。
参考:地域的な包括的経済連携(RCEP)協定の発効に対する三村会頭コメント|日本商工会議所
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