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導入に前進 アイルランドがついに国際的な最低法人税率を支持

公開日:2021年10月13日
[著]堀之内 達哉

OECD 画像:ⒸOECD

【この記事の要約】

☑ GAFAを中心とした多国籍企業の広範な活動がルール変更を促す

☑ 低率の法人税の恩恵を受けてきた国はルール変更に難色

☑  アイルランドがついに合意し、各国の協調が一歩前進

 

6月のG7(主要7か国)、7月のOECD(経済開発協力機構)、G20 (主要20か国)の会議で、法人税の最低税率導入をめぐって130を超える国と地域が大筋で合意をしていた中、低い法人税率の恩恵を被っていたアイルランドやハンガリーが懸念を示していました。

 

ようやく10月7日、アイルランドのパスカル・ドナフー財務相(写真中央)は法人税の国際的な最低税率について支持すると発表し、導入に向けて国際社会は大きな一歩を踏み出すことになりました。

 

アイルランドのドナフー財務相は記者会見で、最低税率への支持は「アイルランドの産業政策の次の段階に向けた重要な決定だ」とし、「困難かつ複雑な判断だったが、正しい判断だと信じている」と述べた。米財務省は、アイルランドが支持を決めたことで、世界は公正な国際法人課税制度の確立という「一世代に一度の偉業」に向けた軌道に乗ったとして、歓迎の意を表した。
引用:2021年10月08日|ロイター

 

今なぜ、法人税の最低税率なのか、そして、アイルランドが懸念を表明していたのか。今回の合意に至るまでの流れを見ていきたいと思います。

 

「GAFA」が既存のルールの変更を促した

国際的な課税ルールについては、すでに2013年のG7財務相・中央銀行総裁会議で取り上げられていました。

 

その後議論は主に「先進国クラブ」と言われるOECDで行われ、2016年以降はOECDに加盟していない国や地域も加わって検討が進められてきたのです。

 

国際社会がこの問題に関心を持つ大きな理由は、「GAFA」(Google、Apple、Facebook、Amazon)と呼ばれるグローバルIT企業を中心とする巨大化した多国籍企業に対して、これまでのルールでは、公正に法人税を課税することがむずかしくなってきたことが挙げられます。

 

例えば、GAFAは動画、音楽といったコンテンツを、インターネットを通じて世界中に配信・供給しています。

現行のルールでは、それらの企業が本社や現地法人を持つ国では課税は可能です。

 

しかし、そういった拠点がない国や地域では、たとえ消費者が料金を支払っても、課税することは難しいのです。

 

IT社会に制度が追いつけない状態を解消し、公平な税負担を促すために、サービスが提供されている国や地域でも課税できるようにするということも、今回の見直しの大きなねらいで、その件についても一定の合意が得られました。

 

一方そういった巨大企業の誘致に際して、ハードルを低くするため、各国が法人税率の引き下げや優遇税制の導入などを進めてきたも、問題視視されていました。

 

GAFAなどの巨大IT産業を持つアメリカは、これまであまり積極的にこの問題に取り組もうとはしてこなかったのですが、ジャネット・イエレン財務長官が今年5月に、法人税の下限を15%とし、引き下げ競争に歯止めをかけることについて提案しました。

 

また9月20日のG7財務相(オンライン)会議では、新たな課税ルールの導入は投資を促すこととなり、結果的に米国企業にとっても競争の場が公平になると述べました。

 

新型コロナウイルス感染症対策で財務状況が厳しくなっている各国も、法人税によって財源を確保しようという思惑もあり、積極的にこの課題に取り組むようになってきたようです。

 

合意のネックは、低税率の恩恵を受けていた国

低い法人税率で企業を誘致してきたアイルランドやハンガリーは7月の合意を見送りました。

 

下のグラフは、OECD加盟国のうち、法人税率が低い国(赤で示しています)と、G7各国の法人税率とを比較できるようにしたものです。

OECD加盟国の法人税率

データ参考:OECD公式サイト

 

G7各国は、イギリスを除くと平均28.31%となります。加盟国の最高税率はポルトガルの31.50%で、30%を超える国が4か国、25%以上30%未満の国が12か国、20%以上25%未満の国が12か国、15%以上20%未満の国が6か国と、世界の主流は20%以上で、20%以上の法人税率を課す国が75%以上を占めています。

 

そんな中で、ハンガリーの9%を筆頭に、チリ10%、アイルランド12.5%というのは、突出して低い数字に見えます。

イギリスが法人税を他のG7諸国に比べて抑えているのは、アイルランドへの対抗上やむを得ない部分もあるのではないかと思われます。

 

アイルランドは、この低い法人税率を武器に、産業開発庁が中心になって、多くの多国籍企業のヨーロッパ本部などを首都・ダブリンなど各地に誘致してきました。

 

GAFA以外にも、Paypal、AirBnB、Twitter、Indeed、Trend Micro、Intel、Yahoo、LinkedIn、TikTok、IBMなどがしのぎを削り、金融会社や製薬会社も含め、現在、およそ40万人を雇用しています。

この数字は、アイルランド国内の労働者の6人に1人が多国籍企業で働いていることを示しています。

 

例えば、フェイスブックはダブリンオフィスに国際本部を置き、2013年以来500人の雇用を創出しています。

アマゾンはもっと古く、2004年の最初のオフィス開設以来、データセンターを中心に、2500人を雇用しています。

 

しかし、法人税率だけではありません。アイルランドに現地法人などを置くことは、企業側には他に実務的なメリットがあったのです。

 

IT産業が爆発的に世界に広がって以来、同じ「英語圏」ということで、インドにスポットライトが当たり、人件費が安く済むことや、時差がちょうどアメリカと昼夜逆転することから、「夜の仕事」の受注がインドに殺到しました。

 

同様に、英語が公用語で教育水準の高いアイルランドにも、企業側のメリットがありました。

ダブリンーロンドンは飛行機で約90分。ニューヨークからの所要時間もヨーロッパの中心のひとつであるロンドンとほぼ同じです。

 

こうした恵まれた条件にあるアイルランドは、インドとは別の意味で、IT産業の国際化の中で大きな恩恵を得てきたのです。

 

そしてもうひとつ、世界中の企業を引き付けたのが、複雑な仕組みで課税を回避するメカニズムでした。

 

2017年2月11日付『しんぶん赤旗』(日本共産党の機関紙)が、Appleの日本法人を含むアメリカ以外の現地法人が、収益をアイルランドに移すことで税金逃れをしていると指摘しています。

 

アイルランドに会社を置くだけで、租税を回避できるわけではありませんが、アップルに限らず多くの会社がアイルランドに2つの子会社を設立して課税を回避する「ダブル・アイリッシュ」という方法を使って、アイルランドを事実上のタックス・ヘイヴン(租税回避地)として使ってきたのは確かに事実です。

 

しかしそれは違法行為の脱税ではなく、合法的な「節税」であり、商行為です。利潤を残したい企業としては、当然の行為だったと言えます。

 

アイルランドに限らず、ケイマン諸島、ヴァージン諸島やバハマ、アメリカのデラウェア州などはタックス・ヘイヴンとして世界的に有名です。

 

もっとも、「ダブル・アイリッシュ」は2020年に禁止されましたが、こういったアイルランドにおける商慣習の実態も、特に近隣ヨーロッパ諸国からアイルランドに対する無形の圧力になったことは否めません。

 

アイルランドの「歴史的」転換

9月29日にG7財務相会合が行われた時点では、アイルランドは最低税率を恒久的に15%とするよう要求していたと言われます。

 

7月に各国が合意した内容に対してアイルランドが心配したのは、文中に挿入されていた「少なくとも(at least)」という文言でした。

 

ドナフー財務相はその場で、「法人税率は15%ということだが、この文言があることで、企業が長期的な投資判断を行う際に影響を及ぼす」と懸念を表明しましたが、また次の提案でそれが払拭されれば、現状維持ということになるので合意に加わる用意があると述べていました。

 

その間、アイルランドの主張に沿った線で、「少なくとも」の文言が削られ、10月6日のOECD閣僚会合を経て、7日にアイルランド政府は「法人税の国際的な最低税率」を支持するに至ったことを発表しました。

 

アイルランドのドナフー財務相は記者会見で、最低税率への支持は「アイルランドの産業政策の次の段階に向けた重要な決定だ」とし、「困難かつ複雑な判断だったが、正しい判断だと信じている」と述べた。
米財務省は、アイルランドが支持を決めたことで、世界は公正な国際法人課税制度の確立という「一世代に一度の偉業」に向けた軌道に乗ったとして、歓迎の意を表した。
アイルランド政府はまた、欧州連合(EU)欧州委員会から年間売上高が7億5000万ユーロ(8億6700万ドル)未満の企業に対する法人税率を12.5%で維持し、研究開発に対する税制優遇も継続できるという言質を得たと説明。ドナフー氏はさらに、欧州委は法人税の最低税率を巡る経済協力開発機構(OECD)の合意を忠実に順守し、加盟国に税率引き上げを求めないことを確約したと語った。
引用:2021年10月8日|ロイター

 

OECDは8日に会合を開き、この問題について最終的な協議を行う予定です。

 

これが正式に決まれば、アイルランド国内にある1500社の多国籍企業に、法人税の実質引き上げが影響を及ぼすことになると同時に、アイルランドはイギリスやEUからの法人税引き上げの圧力から解放されることになります。

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堀之内 達哉(ほりのうち・たつや)

堀之内 達哉(ほりのうち・たつや)

元米国国防総省外国語学校教官。神戸大院修了、修士(教育学)。専門は「わかりやすく正確な教材づくり」。日米で情報誌記者兼編集者、教育職などを経て、現在、国内の専門学校で教養科目を教える傍ら、社会系、人文系のフリーライターとして活動中。共著書に『教科書が教えない歴史』2~4(扶桑社)など。新聞連載、教育論文など多数。
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