グリーンボンド発行規模が9月は過去最高へ、投資の受け皿としての存在価値も急上昇

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[著]高田 泰

地球温暖化対策

 この写真はイメージです。

 

世界のグリーンボンド市場が9月に入り、急激に活気を増しています。

スペインが初めてグリーンボンドを発行したのに続き、英国も発行を予定、月間の発行規模が過去最高を更新する見通しです。

 

グリーンボンド市場が再び勢い付いている。今月は複数の国・地域が初めて起債する予定で、発行規模は記録を更新する見通しだ。スペインとコロンビア、英国が今月、初めてグリーンボンドを起債する予定。中でも英国の発行規模は世界で「間違いなく最大」になるとスナク財務相は述べた。常連国であるドイツも今週、入札を通じて10年物を発行する。

引用:2021年9月5日|Bloomberg

 

10月には欧州連合(EU)も初起債を予定しているほか、10月末には国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)が始まります。

 

グリーンボンドが投資の受け皿としてこれまで以上に存在価値を高めそうです。

 

スペイン政府が初のグリーンボンド国債発行

スペイン政府は7日、50億ユーロ(約6,500億円)のグリーンボンド国債を発行しました。

 

グリーンボンドとは地球温暖化対策や再生可能エネルギーなど環境分野の取り組みに特化した資金調達するための債券。

スペイン政府の発行はこれが初めてです。

 

期間20年で、表面利率1%。応募は国外から殺到し、発行額の12倍に到達。

過去最高だったイタリア政府3月発行(85億ユーロ=約1兆1,000億円)の10倍を上回っています。

 

スペイン政府は集まった資金を気候対応の事業に充当する方針ですが、これほどの応募が殺到した背景には、欧州経済がコロナ禍からの回復基調にあるだけでなく、COP26開催を控えてグリーン投資への期待が高まっていることが考えられます。

 

英国やEUもグリーンボンドで資金調達を予定

ジェトロや米ブルームバーグによると、スペインに続いて英国も同国初のグリーンボンド国債を発行する予定です。

 

7月に発表したサステナブル・ファイナンス推進計画では、英ポンド建てグリーンボンド国債で民間資金を調達し、グリーン産業革命を推進するための施策を進めるとしています。

 

欧州主要国のうち、ドイツ、イタリア、フランスは既にグリーンボンド国債を発行。

英国が加わることでG7に参加する欧州主要国がすべてグリーンボンド国債を発行することになります。

 

さらに、10月にはEUが初のグリーンボンドによる起債を始める計画です。

 

7月にはサステナブル・ファイナンスの新戦略と同時に、欧州グリーンボンドの基準を設定する規則案をまとめました。

2018年に公表した行動計画を改めたもので、投資に必要な民間部門の資金調達を促す施策を盛り込んでいます。

 

急激に伸びる世界のグリーンボンド発行額

環境省によると、世界のグリーンボンド発行額は2015年に447億米ドル(約4兆9,000億円)でしたが、2019年は2,669億米ドル(約29兆3,000億円)、2020年は2,901億米ドル(約31兆8,000億円)と急増しています。

 

2021年は8月13日現在で2,519億米ドル(約27兆7,000億円)に達しました。

今のペースだと記録更新は間違いないでしょう。

 

グリーンボンドは西欧諸国と米国が牽引役となり、再生可能エネルギーの導入促進や省エネルギーの推進、生物多様性の保全、持続可能な水資源の管理などの資金確保に調達しています。

政府や地方自治体、国際機関など公的機関だけでなく、民間企業も環境分野の成長が見込めるとして積極的に動いています。

 

日本はこうした世界の潮流に遅れを取ってきましたが、ここに来て発行額を増やしています。

2015年に2件、565.5億円しかなかった発行額が、2019年は58件、8,238.3億円、2020年は77件、1兆170.2億円になりました。

2021年も9月1日時点で54件、7,440.6億円を記録しており、過去最高となる見込みです。

 

発行額増加の追い風になっているのは、2016年に発効したパリ協定。

世界の平均気温上昇を産業革命前に比べて2度より十分低く保ち、1.5度に抑える努力をするとしています。

 

それに加え、日本政府が2020年、2050年を目標に温室効果ガスの排出を実質ゼロに抑えるカーボンニュートラルを打ち出したことも大きな影響を与えました。

 

再エネ関連で国内企業の新たな動きが続々と

関西電力は8月、水素を燃料とする発電の検討に入る方針を明らかにしました。

 

岩谷産業は再エネ由来のグリーン水素の事業化を目指し、川崎重工業などと共同調査に入っています。

 

東京電力ホールディングスと中部電力が出資するJERAは、アンモニアを火力発電所で燃料として使用する実験を開始。

 

ENEOSは水素と二酸化炭素を原料とする合成燃料の研究を急ピッチで進めています。

 

洋上風力発電は秋田県沖や長崎県沖をはじめ、全国各地で建設計画が動き始めました。

 

エネルギー関連業界だけを見ても、再エネ関係でこれだけ大きな動きが出てきました。

 

実用化には莫大な資金が必要。

このため、民間からの積極的な投資が求められています。

 

Jパワーや川崎市もグリーンボンドを発行

これを受け、野村アセットマネジメントは8月、新たな追加型株式投資信託の「脱炭素ジャパン」を設定し、運用を開始。

 

企業などの民間投資がカーボンニュートラルと脱炭素社会の実現を前進させるだけでなく、環境分野へ投資することがその企業の価値を高め、投資リターンを呼び込むことができるようになると位置づけています。

 

このほか、Jパワー(電源開発)は1月、JA三井リースは3月、グリーンボンドを発行。

Jパワーは200億円の発行額に対し、5.4倍の1,078億円、JA三井リースは100億円の発行額に対して7倍の約700億円の応募がありました。

 

カーボンニュートラル実現の旗振り役となる地方自治体では、川崎市が8月、政令指定都市として初めてのグリーンボンド地方債を発行。

総額は50億円で、環境性能の高い本庁舎建築やエネルギー効率向上に向けた技術導入に活用するとしています。

 

都道府県では、東京都と神奈川県、長野県がグリーンボンド地方債を発行済みです。

 

グリーンボンド発行が企業の価値向上に

再エネを導入して温室効果ガスの排出を削減するのと同様に、グリーンボンドを発行することが、企業の価値を高め、新たな投資を呼び込む時代が来ようとしているのでしょう。

 

やがて、グリーンボンドを引き受けることも一流企業の証となりそうです。

 

カーボンニュートラルに向け、世界経済は否応なく大転換期に入ります。日本経済も例外ではありません。

その中でグリーンボンドの存在意義はますます高まりそうです。

 

【著者情報】

ライター 高田泰高田泰

関西学院大卒。地方新聞社で文化部、社会部、政経部記者を歴任したあと、編集委員。2015年に独立し、フリージャーナリストとして雑誌、ウェブニュースサイトなどで執筆している。

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