政府が「相殺関税」積極活用を呼びかけ 補助金受けての安値輸出に毅然と対抗
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【この記事の要約】
☑ 政府が国内企業に「相殺関税」の積極活用を促す方針
☑ これまでの発動事例は1件で、立証の負担がネック
☑ 情報収集に向け、他国との連携を強化。企業向けセミナーの開催も
経済産業省は、海外からの不当な安値による輸入を是正するため、「相殺関税」を日本企業に対して活用を促す方針を打ち出しました。
経済産業相の諮問機関「産業構造審議会」が相殺関税措置の活用に向けた提言をとりまとめ、同省に提出しました。
産業構造審議会 特殊貿易措置小委員会は、日本におけるCVD措置の活用に向けた課題と対応の方向性について議論し、提言を取りまとめました。提言を踏まえ、経済産業省は、各国の調査当局との意見交換等を通じて補助金に関する情報を収集し、国内企業に積極的に情報提供するとともに、申請に関する相談受付体制を整備していきます。
引用:「相殺関税措置の活用に向けた提言」 を取りまとめました|経済産業省ホームページ
相殺関税とは、自国政府の補助金に支えられて不当に安い価格で日本に入ってくる輸入貨物に対し、割り増してかけられる関税のこと。
不公正な貿易に対して毅然と対応する手段の一つであり、国内産業の保護のために重要なカードとなり得ます。
しかし、企業側の負担が大きく、報復措置の恐れがあるというデメリットがあります。
補助金相当の関税を課す
相殺課税は、補助金を受けて輸入されてきた価格と、補助金を受けないときの価格の差額を関税として課すことができる制度。
例えば本来120円の価格の商品が補助金を受けて価格100円で輸入された場合、差額の20円を輸出企業に課すことができます。
相殺課税は世界貿易機関(WTO)で認められた措置で、関税貿易一般協定(ガット)などで定められています。
日本では、関税定率法7条に相殺関税の発動について規定があります。
これらの協定、法律に基づき、発動するためには以下の4つの要件が必要とされています。
- 補助金を受けた貨物の輸入の事実があること
- 補助金を受けた貨物と同種の貨物を生産している国内産業に実質的な損害等の事実があること
- 実質的な損害等が補助金を受けた貨物の輸入によって引き起こされたという因果関係があること
- 国内産業を保護する必要性があること
日本の発動事例 1件のみ
1995年から2020年までの25年間に発動された相殺関税は、全世界で累計344件。
発動した国・地域では米国が最も多く173件で、次いで欧州連合(EU)45件、カナダ36件、豪州16件などと続きます。
発動された国では中国が圧倒的に多く129件で、インド56件、韓国15件、インドネシア13件と続き、上位をアジア諸国が占めています。
グラフ数値参考:新たな貿易問題に対応するための相殺関税措置の活用に向けた課題と対応の方向性|経済産業省ホームページ
品目では、鉄鋼・金属製品が50%を占めています。
日本はこれまでに1件を発動したのみ。
2004年に国内の半導体関連メーカー2社からの申し出を受け、2006年に韓国の半導体メモリー製品に27.1%の関税を課しました。
その後、今に至るまで発動はされていません。
相殺関税が日本で活用されない理由として、企業側の負担が大きいことが挙げられます。
相殺関税を発動するためには、適用を申し出る企業が補助金の存在を立証する必要があります。
しかし日本企業が現地調査などで補助金を特定することは現実難しく、発動に二の足を踏むこととなるのです。
さらに、相殺関税を発動することで、相手国から報復的な措置を講じられるリスクがあることも指摘されています。
また、政府などが日本企業に対し、相殺関税の制度自体を十分周知できていないという課題もあります。
他国、官民の連携強化を提言
これらの課題を解決するため、産業構造審議会は、他国との連携、そして日本国内での官民連携をそれぞれ強化することを提言しました。
政府も提言に基づき、相殺関税の活用に向け、さまざまな政策を進めていく方針です。
他国との連携では、アメリカ、EUなど主要国の調査当局と会合を重ね、補助金に関する情報を積極的に共有します。
各国の日本大使館、日本貿易振興機構(ジェトロ)、経済協力開発機構(OECD)などの調査ルートも活用する方針です。
また、中国や韓国など、報復的な相殺関税を発動されるおそれのある国に対しても、対話のチャンネルを維持する一方で、他国と協力して報復に対抗するための関係づくりも模索します。
官民連携では、相殺関税の制度や、政府が収集した他国の補助金情報を日本企業に積極的に流し、情報発信を強化するとのこと。
具体的には、セミナーの開催やニュースレターの活用、ホームページの情報公開などを想定しています。
また、相殺関税の相談窓口を整備し、企業から政府への事前相談についてもきめ細かく対応する考えです。
得意先が急に商品を買ってくれなくなったり、他国でダンピング調査が始まったと同時に海外から安い商品が流入してきたりした場合は、不当な安値による輸入の可能性があります。
経済産業省はこれまでにも、不公正貿易に関する報告書を毎年まとめており、不審な動きがあれば同省に相談をするよう呼び掛けています。
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