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2回のラウンドで総額5.6億円の資金調達。医師専用SNS「Whytlink」を展開 医療ITのリーズンホワイ株式会社/代表取締役社長 塩飽哲生氏

塩飽(シワク)社長の自己紹介をお願いします。

リーズンホワイ株式会社の塩飽です。医療分野で複数のサービスを展開するスタートアップ企業を経営しています。
そもそも医療との出会いは曽祖父、祖父、父と代々続く医師家系で育ったことがきっかけです。そのような家系ですので医学部に行くようにと言われていました。しかし、まだ医療分野は志していなかったため、医学部に進むつもりはありませんでした。さらに東京にいきたいという思いがありました。大学の進路を決める際に両親には学生のうちから東京に行く場合は、医学部か東大しかダメだと言われていたので、東大を受けました。
一番の理由は東京にいきたいという憧れの気持ちと、両親から自立したいという思いが叶えられる場所を探していたので東京大学への進学を選びました。大学生になり、そうこうしている内に東大教養学部の進振りの時期がきました。東大の場合入試で専攻や学部を決めず、2年次の前期に進振りという形式で進路を決めます。その時に、化学の研究室に行こうと思いました。その理由は、小宮山宏先生という当時の東大の総長がやっていた研究室で、一時期二酸化炭素をサンゴ礁に埋め込むという研究をしていたからです。その研究を進めているアピールの一貫で、沖縄の綺麗な写真を掲示していました。当時私も大学でダイビングサークルを立ち上げていたので、ここならサークル活動と今までやってきたことが同じ方向で繋がるなと思い、化学システム工学を専攻することにしました。しかし化学システム工学に進んでみたら、小宮山宏先生の研究室でその研究自体、効果が出なかったことを理由に終わっていました。
その後、別の進路を考えていた時に、たまたま医療安全の研究室がありました。大学に入って2年半から3年間、全く医療のことを考えなかったのに、そこにきて全く知らない第三者に医療のことを進められた時は凄く衝撃的でした。今でもその時の数秒を覚えているんですけども、その時に生涯医療の分野で何か役に立てる仕事に就こうと思い立ちました。
こういったきっかけを「出会い」と捉えられるような感度を高く持っておくことが大事だと思いますね。何かしら人それぞれで、得意分野で戦う場所をおそらく持っているのだと思うんです。
小さい頃親から受けた価値観など、業種によってきっかけは様々ですが、何を大事にするかなどを学生の頃から考えてきた人と就職してから意識した人では雲泥の差があるので、やはり自分の強みとなる土俵の上で、戦うべきだと思います。

 

起業のきっかけを教えて頂けますか?

大学を卒業後、まず医療コンサルタントの道に進みました。
その中で病院の医療コンサルタントをしていた際に「病院の得意分野を絞り効率性を上げる」という改善プロジェクトを進めたことがありました。しかし、地域の救急隊の方から「この地域の病院は患者を受け入れてくれない」という声が上がり、思いもかけない言葉を聞きました。
良いと思ってやった改善が必ずしも地域の患者様のためになっていなかったということに衝撃を受けました。患者様という需要と、病院の受け入れ態勢という供給が、分からないからそういうことになってしまう、ということに気が付きました。
そのような経験があり、医療機関向けの分析ツール(リーズンホワイ・ストラテジー)の開発は自分でやらないとできないなという思いがあったので起業をしました。また、前職のコンサルティング会社の社内でやるには限界があったことも一つの理由です。例えば、お客様の利益を上げるという意思が会社と合致していても、やり方や進め方は一番合理的な方法にできない場合があります。そうすると会社を立ち上げる以外方法はないじゃないですか。
起業した後にまず手掛けたリーズンホワイ・ストラテジーの開発は、ある人との出会いがきっかけでその人とレベニューシェアで作っていきました。現在は、WhytPlot(ホワイトプロット)というサービス名で自社プロダクトに1から作りかえて運営をしています。

 

全サービスを含めた御社の強みや特徴を教えて頂けますか?

事業の中心に、Whytlink(ホワイトリンク)という医療機関の先生方のネットワークがあります。これは医療のナレッジバンク×SNSのサービスです。
具体的にお伝えすると、医療従事者のネットワークの可視化を目標に医師向けに行っているサービスで、医師免許番号を厚生労働省に問い合わせて確認を行い、医師しか登録できない仕組みがあります。さらに特徴として、治療に関する投稿にICD-10(国際疾病分類)に基づく疾病名をタグ付けできる機能を備えています。この機能により、投稿が集まるほど疾患別に様々な医師の情報が蓄積され、さらに医師のネットワークも可視化できるようになるので、ナレッジバンクとしての役割を果たします。
このサービスに合わせて、FindMe(ファインドミー)という患者様と専門医を繋ぐサービスを2017年11月中旬から試験的に始めようとしています。
このFindMeは、患者様が医師を探すのではなく、医師が患者様にアプローチするプラットフォームであることが特徴です。また、このサービス上で患者様が自ら提供する診断書などの情報をもとに、患者様をWhytlinkに登録している専門医とつなぐ仕組みを構築していきます。

 

事業を大きく成功させるための秘訣を教えてください。

当時起業をした時の私は、シードラウンドの総額1億6,000万円を調達する前までの間、医療コンサルタントを主要事業としてやっていました。当時を振り返り冷静に考えた結果、会社を急成長させる時には目的以外のことをやはり整理しないといけないなと思いました。コンサルタントの仕事でも知見はたまって経営者の付加価値は上がりますが、業務が伸びるかというと急成長はしないですよね。
その後コンサルタントの事業を中断し、自社でWhytPlotの事業を立ち上げて伸ばすと決めた時には、すべての資金源を断ち切ることが、次に大事な要素だと気が付きました。危機感がないと人は動かないですから、そのような観点から「選択と集中」をする必要があるでしょう。
もちろんコンサルタントのお仕事を頂いていたことに対する感謝の気持ちがある反面、仕事を伸ばすという意味合いで一つの事業に集中するべきだと思います。

 

御社のビジョンを教えてください。

今考えているビジョンというのは、主に2つあります。1つがドクターから見える世界に対して、世界中(アメリカ・日本・ヨーロッパ)のトップクラスの優秀な先生方の内、トップクラスの1割の先生が登録しているネットワークを作ることです。現時点ではWhytlinkはSNSとして位置付けされるサービスですが、それをナレッジバンク×ソーシャルネットワークにしようと思っています。そういうサービスは世の中にはほとんどありません。また、知識はやはり人に紐づいたものだと思っています。そういった知識と紐づいた世界を作っていくことを目指していきます。
具体的には人が使用するからそこに知識がたまる、そういったネットワークがあるから全てをまとめられる、この仕組みがあるナレッジバンクを作ることが、Whytlinkの目指すべき姿だと思っています。

 

ヘルスケア領域の現状について教えて頂けますか?

意外と日本は創薬分野で優れていて、創薬の数で言えばアメリカ・スイスに次いで日本が入ります。その点を踏まえると創薬立国と言えます。その他医学の知識にフォーカスすると、循環器と消化器に関しては世界で一番とも言われています。この分野に関してはヨーロッパやアメリカからも注目されているので、医学という分野から見ると、そこそこ世界でも優れたマーケットです。また、製薬メーカー企業の規模をみても、アメリカの次に大きいのが日本です。そのような背景があり日本でビジネスをしていますが、やはりビジネスを大きくしていくにはアメリカのマーケットを抑えなければいけないと思っているところです。

 

今までの資金調達で苦労したことを教えてください。

私たちも資金調達は苦戦しました。一方、「100社のVCのうち1社出会えたら良い」という考え方が重要であって、数社と話をした中から出資をしてくれる1社が見つからなかったからといって全然嘆くことはないのかなと思います。
そういう意味合いで、私たちは東京にあるVCをほぼ全てリスト化して、そのリストのVCと順にお会いし、受け入れて頂けなかった理由をリストに書き込んでいきました。その結果、最初のラウンドで2016年3月に総額1億6,000万円の資金調達ができました。ここで重要なのが、中途半端にやらずに選択肢が無くなるまでやりきることです。
また、今回の資金調達(総額4億円)で資本業務提携をして頂いた株式会社アンテリオ様は、株主であるVCからの紹介でした。特にヘルスケア系のスタートアップは、ヘルスケアに特化したVCにお話をするのが良いと思います。なぜならヘルスケア領域は本当に独特なので、どこにお金が動いているか、何がビジネスになるかなどの感度を持ったアソシエイトじゃないと多分一緒に成長させることは難しいかなと思います。
また、当時を振り返ると最初の資金調達を行う前にリーズンホワイ・ストラテジーを運営していて、売り上げベースで1億円弱の状態でした。そして初めの資金調達で、総額1億6,000万円を調達させて頂きました。その資金を使ってリーズンホワイ・ストラテジーを1から作りかえて、自社製品化したのが一つの成果になりました。またこの時の資金使途は、Whytlinkのローンチと検証です。
そして2017年4月に調達した総額4億円は、このWhytlinkとWhytPlotのサービスに使用します。この資金を使ってビジネスとしてどれだけ広げられるかが第一のステップです。具体的にはサービスを成長させるために人材採用の強化を行っていきます。
現時点でまず、エンジニア人材を強化しました。日本国内で約13名、ベトナムにオフショアで約20名採用しています。次に採用を、強化したい人材はデザイナーやライターです。そのようなバックサポートの人材を強化していこうと思っています。また、コアとなる事業責任者も採用したいと思っています。特に能力があるだけでなく、数字に責任を持ってコミットできる人を探しています。
弊社はヘルスケア分野で挑戦したい人にとって、これから組織を作っていく貴重な段階で面白い会社なので、もし関心があれば是非とも一度面接を受けて頂ければと思っています。

 

今後の展望を教えてください。

直近の展望として可能であれば、次の資金調達をしなくても良くなるように事業成長を目指しています。また2017年度は1.67億円、2019年に株式上場、2020年には16.5億円の売上の会社にしたいです。

 

貴重なお話、誠にありがとうございました。

リーズンホワイ株式会社 コーポレートサイト
https://www.reasonwhy.jp/
Whytlink(ホワイトリンク)| 医療現場に特化したチームコミュニケーションツール
https://www.whytlink.com/lp/index.html
WhytPlot(ホワイトプロット)|製薬メーカー向け医療ビッグデータ解析ツール
https://www.reasonwhy.jp/service/support_service.html
ReasonWhy yourHospital|「最適な病院選び」のためのWeb サービス
https://www.reasonwhy.jp/service/yourhospital.html

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