総額17億円超の資金調達に成功し、全自動のクラウド会計ソフト freee(フリー)をわずか1年9ヶ月でトップシェアに押し上げたfreee株式会社/佐々木大輔社長

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まずは自己紹介をお願いします。

佐々木大輔氏全自動のクラウド会計ソフト freee(フリー)を開発。個人事業主や中小企業に対してサービスを提供しているfreee株式会社の佐々木大輔です。

1980年9月18日に、東京の下町で生まれました。「中学・高校を開成で過ごし、一橋大学商学部を経て博報堂へ入社」というと、エリート街道を歩んできたように思われがちですが、決してそうではありません。周りには勉強もスポーツもけんかもかなわないやつらばかり。早々に「正攻法で生きてもやつらと比べられれば見劣りするだけ。違うことをやるしかない」と悟りました。部活動も長続きせず、半年程度で辞めてしまうタイプ。ラグビー、バレーボール、野球…、合唱部にいたこともあります。ある程度のことはすぐできるようになるのですが、根気がなく、一つも極めることができませんでした。そんな私がなぜ一橋大学に合格できたかというと、開成には高3の運動会が終わると一斉に受験勉強を始める文化があり、うまく巻き込まれて勉強に集中できたからです。参考書をまるまる一冊覚えるなど、できそうもないことが、できると信じてやり通せばできることを知り、自信になりました。

 

学生時代から起業に興味をもっていたのですか。

いいえ。まったく考えていませんでした。美容師一家に育ったので、姉が美容師になったように、私も大学を卒業後、美容師になるつもりでした。人生を変えるきっかけになったのは、大学で「データサイエンス」に出会ったことです。
一橋大学の派遣留学生として学んだストックホルム経済大学(スウェーデン)で、データ分析のおもしろさにはまり、生のデータに触れたくてインターネットリサーチ会社のインタースコープ(経営統合を経て、現在はマクロミル)でインターンを始めました。インターネット上でのリサーチは、人の手で行うよりも速く、深く分析できるものと思っていましたが、実際は手作業の工程が多く、期待外れでした。辞めることも考えましたが、自分の手でなんとか自動化できないかとプログラミングを勉強し、リサーチ集計システムや新しいマーケティングリサーチ手法などを開発。その成果が新聞などで取り上げられたり、商品が売れたりしたことで「自分も社会の役に立つことができる」という実感を得ることができました。

 

大学時代の経験が進路を変えたのですね。

佐々木大輔氏大学を卒業後、博報堂に入社したのは、インタースコープの一番の顧客で、神様のような存在だったからです。今でこそ広告も費用対効果が問われますが、私が入社した2004年あたりは、よりメディアを売るためのマーケティングが主で、キャンペーンを打つことが広告代理店の仕事でした。その中で私が任された仕事は消費者金融のマーケティングでした。消費者金融はテレビ広告が規制されていたため、それ以外の方法を考えなければなりません。そこで私自身がユーザーになり、実体験からさまざまな意見を述べると、お客様がとても喜んでくれました。東京中を歩いて店舗やATMの写真を撮ったり、調査員を派遣して大々的に調査をしたりすると改善点が明らかになり、売り上げの向上にもつながりました。
費用対効果や投資対効果に興味をもった頃、CLSAキャピタルパートナーズ(未公開株式投資ファーム)と出会い、博報堂を辞めて投資アナリストになりました。データ分析はおもしろく、何十億というお金を動かす醍醐味も味わいましたが、投資は利益をあげなければならないので、投資先の価値を高めることを第一には考えられないジレンマから、お金を集めて事業を育てることのほうがおもしろいのではないかと思い始めました。そこで、インターン時代の仲間が興したALBERTという会社に執行役員(CFO)として加わり、企業財務や資金調達を管理するとともに、主力商品となるレコメンデーションエンジンの開発に取り組んだのです。

 

初めての資金調達は、その時に体験したのですか。

佐々木大輔氏そうです。投資が活発ではない時期だったので、多くのベンチャーキャピタルから1,500万円くらいずつ集めることにしました。
資金調達をうまく進めるには、投資会社がどのようなロジックでお金を出すのかを考えることが大切です。私は投資する側にいたので、そこは目端が利きました。窓口となる人のミッションは何かを考え、その人にとって気持ちのいい資料を作ることを心がけました。本来、投資会社はリターンを考えますが、担当者が窓口業務のみならば、その人のミッションは私たちが利益を生むかどうかよりも、投資委員会で見せられる資料がととのっているかどうかのほうが大事だからです。急がなければ資金がショートしてしまいそうだったので、見学ツアーや会見を実施したり、資料を1つのホルダーに集めていつでも見てもらえるようにしたり。効率を重視して、総額で1億5,000万円くらい集めました。

 

その後、Googleを経て、freee設立に至った経緯を教えてください。

Googleに参画したのは2008年です。日本におけるマーケティング戦略の立案やGoogleマップのパートナーシップ開発などを担当しました。日本では未開拓だった中小企業向けにGoogleを使ってもらい、ビジネスを伸ばしてもらう取り組みを行うと、オンラインが小さなビジネスに力を与えることに気づきました。日本での成功を機に、アジア・パシフィックエリアも担当すると、日本の中小企業におけるテクノロジーの浸透度が低いこと、クラウドサービスの利用度も圧倒的に低いことに気づき、「中小企業に対して、テクノロジー化のインパクトを実感してもらえる事業がやりたい」と思いました。
会計・経理に目が向いたのは、ALBERT時代に個々で経理業務を行い、日々データを打ち込む時間がもったいないと感じていたことを思い出したからです。会計ソフトがクラウド上にあり、いろいろな作業を自動化できたら、会計・経理業務を軽減できるだけでなく、オンラインそのものに魅力を感じてもらえるのではないか。そう思ったらいてもたってもいられませんでした。

 

freeeでの資金調達について教えてください。

2012年7月にfreee株式会社を創業し、2013年3月に全自動のクラウド会計ソフト freee(フリー)をリリースしました。資金調達は、会社を立ち上げる時から構想の中に入っていたので、主に検討したのは「いつ行うか」ということ。プロダクトをリリースしてから実施したほうがスムーズですが、オフィスを借りるにも、マーケティングをするにもお金が必要なのでシード投資に踏み切り、DCM から5,000万円を調達しました。

 

銀行からお金を借りるという選択はありましたか。

なかったです。投資なら返済しなくてもいいですし、なにより調達できる金額が違います。経営権もまったく気にしませんでした。今では投資額が大きくなり、私の持ち分は少なくなっていますが、だからといって、ベンチャーキャピタルの言うことを聞かなければいけないかというとそうではありません。

 

スタートアップの段階で資金調達を成功させる秘訣を教えてください。

佐々木大輔氏 width=投資家を動かすには、共感させることができるストーリーが必要です。私たちの場合は「全企業が必要とする会計ソフトをクラウド化することで、事業をテクノロジー化していくきっかけになる。他のこともできそう!と思う人が出てくるかもしれない。そういう広がりがおもしろく、意味のあること」というストーリーのもと、freeeという組織に期待を寄せてくれる投資会社を探しました。創業メンバーとは「1年で資金調達ができないビジネスしかできないのであれば、潔く撤退しよう」という話をして臨みました。

事業を興すうえでも、資金を調達するうえでも大切なこと

  • 誰に対して、何がしたいのかというストーリー
  • それを実現できたら何が起こる?
  • それにはどんな意味がある?

これらをしっかり考えることが大切です。

 

苦労した点があれば教えてください。

佐々木大輔氏ベンチャーキャピタルの投資ロジックは、子どもの段階で、どんな大人になるかを想像し、今の大人と比較して時価総額を推定します。大人になるまでに5年程度かかるとしたら、時価総額の5分の1程度のお金を投資できるかなと考えるのです。どんな大人を想像してもらえるかがとても重要なのですが、私たちがやろうとしているビジネスが日本になかったため、大人になったところを想像しづらいようでした。結果として海外の投資会社をあたり、アメリカのセールスフォースを想像してもらえるようなプレゼンテーションを行いました。最近は日本でも、BtoBのクラウドサービスを行う会社が増えてきたので、こうして海外からお金を集めて風穴を開けることにより、業界全体の活性化に貢献できたことはよかったと思っています。

 

その後も資金調達を行っていますが順調でしたか。

プロダクトをリリースすると、思っていた以上に反応がよく、ソーシャルメディアなどで評判が広がりました。そこでビジネス展開を当初の計画よりも早めることにし、すぐに2度目の資金調達を行いました。正確にはIVS(インフィニティベンチャーサミット)というスタートアップのデモ大会に参加、優勝したことで、ベンチャーキャピタルから「次の投資を検討してください」という話をたくさんいただいたのです。そこで、新しい投資家として入ってもらったのが、イベントの主催者であるインフィニティ・ベンチャーズでした。
さらに2014年には、4月に最初の投資会社であるDCMと、インフィニティ・ベンチャーズから、9月にパビリオン・キャピタルとリクルートから増資を受けて、その額は14億3,000万円に達しました。

 

事業が進行してからの資金調達を成功させるうえで、大切なポイントを教えてください。

佐々木大輔氏一つは、活動を最小限に抑えるということです。資金がなければなにもできませんが、人数が少ない段階で調達に時間をかけると、事業そのものが進まなくなってしまいます。また、投資会社は建設的な話し合いができて、意志決定が早い組織を選ぶことも大切です。
もう一つは、実際のデータに基づいて、自分たちに必要な投資額をしっかり計算し、調達するということ。「必要な分だけ」と控えめに考えがちですが、短い期間で事業を成長させるにはいかに早く浸透させるか、タイミングを逃さないかが大事であり、それを優先させたがための失敗は織り込み済みでいいのです。
かつてGoogleで中小企業向けのマーケティングを行う際に「これだけ予算がほしい」と伝えたら、それ以上に出してくれました。「もっと使え」と言うのです。使うことが大変だと感じるほど思いきりお金を使ったら、やっても意味のないこと、早急には成果が出ないことなど、いろいろなことが見えてきて、短期間でいろいろなことを学びました。お金がなければ優先順位を決めて、必要なことから使っていたでしょう。そのスタイルではおそらく1年半かかったことが3カ月でできた経験は大きかったですね。
freeeでは、チームワークよく働いてもらうための価値基準として、「アウトプット思考」を掲げています。造語なのですが、社員には「まずはアウトプットして、そこから考えよう」と話しています。おそらく資金調達も、まずは資金をしっかり調達することが大事で、何に使うかは、資金を手にしてから考えればいいのです。そうでなければ、失敗を恐れてしまうのではないでしょうか。
最初の投資会社であるDCMも、常にもっと大きなことはできないか、お金はどんどん使ってほしいと思っているはず。シンプルに考えれば、信頼をおけるメンバーがそろう、いいチームなら、その人たちがお金を使えば使うほどビジネスは大きくなり、投資対効果を何倍にもできます。「1億なら10億ですが、10億なら100億になる。だからどんどん使ってもらいたい」と考える投資会社は、経営者から見れば組みやすいパートナーです。

 

去年調達した資金を使い、今後どんなふうにビジネスを大きくしていく考えですか。

佐々木大輔氏サポート体制を強化します。個人事業主向けにはサポートが整っていますが、法人向けがまだまだなので、税理士さん向けのサポートも含めて、そのために人を増やします。機能的には、給与計算ができるようにプロダクトの幅を広げたいと考えています。
当社はアルバイトも含めて100名規模の会社ですが、経理スタッフがいません。自社のサービスを使い倒していこうと思っています。freeeを使っているお客様から「会計ソフトを使用していた時は入力して終わりでしたが、freeeを使うようになって、その先の数字が見えるようになり、経営に興味がわきました」「新しいことを考えるようになりました」などと言っていただけるのがうれしいですね。freeeを使ってどう変わったかということがとても大事だと思うので、お客様自身できることがもっと増えるサービスにしていきたいと考えています。

 

「人の役に立ちたい」というキーワードが推進力のような気がしますが、それは自覚されていますか。

そうですね。10代の頃、美容師になりたいくらいしか将来像を描いていなかったような人間なので、「世の中に貢献している」というものがないと続けられません。社員も、世の中に貢献できるものにかかわれるという思いが、仕事へのパワーになっていると思います。「中小企業向けの会計ソフトを扱っている」というとものすごく地味ですよね。おもしろくなさそうですが、その業界を変えられるかもしれないおもしろみを理解してくれる人が集まってくれたことが、クラウド会計ソフト freeeが軌道に乗った一番大きい要素なのではないかと思います。

佐々木大輔氏

佐々木社長、ありがとうございました。

全自動のクラウド会計ソフト freee(フリー)
http://www.freee.co.jp/

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