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グループ通算制度早わかりガイド!会計処理の方法や対象法人を徹底解説

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グループ通算制度

 

グループ通算制度は、完全な支配関係にある企業グループ内で損益を合算したり、損失を合算したりすることができる制度のことです。グループ通算制度によって、グループ内の各法人がそれぞれの法人税を計算して申告することができます。

 

この記事では、グループ通算制度とは何か。グループ通算制度の会計処理の方法や、対象法人を詳しく解説します。

 

この記事を書いた専門家(アドバイザー)

Tommy PROFILE

著者情報|TOMMY

資金調達プロのWEBライター、金融系記事の専門家(ビジネス、ローン、クレジットカード)が専門。2010年にTommy’s WRITING.Incを設立。補助金・助成金制度日本政策金融公庫信用保証協会関連の記事、フリーランスの資金調達情報を収集・記事にしています。

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グループ通算制度とは?

2020年の税制改正により、2022年3月31日に終了する会計年度から連結納税制度が完全に廃止され、2022年4月1日に開始する会計年度からグループ内合算制度が導入されます。

 

① 連結法人は、特段の手続なく令和4年4月 1日以後最初に開始する事業年度からグループ通算制度を適用することとなります。
② グループ通算制度の適用法人は、親法人だけでなく子法人も法人税及び地方法人税の申告 をする必要があります。
③ グループ通算制度の適用法人は、法人税及び地方法人税の申告を電子申告により行う必要 があります。
④ グループ通算制度へ移行しない場合は、その旨 の届出書を期限までに提出する必要があります。

 

対象となる企業は、税制改正の翌年度の財務諸表(四半期財務諸表を含む)において、連結納税制度からグループ内集計制度への移行やグループ内集計制度の適用に伴う会計上・税務上の影響を考慮して、適切な経営判断を行う必要があります。

 

グループ通算制度 図解

 

またM&Aの場合も同じく、会計・税務上の影響を十分に考慮した上で決定する必要があります。

 

パンフレット「令和2年度税制改正」(令和2年3月発行)(財務省)

 

グループ通算制度の関連動画(YouTube)

 

グループ通算制度への移行に伴い、法人税、地方法人税および税効果会計の会計処理および報告の取扱いを定める必要が生じています。企業会計基準委員会(ASBJ)は、2021年8月12日、ASBJ実務対応報告第42号「グループ補助金制度を適用する場合の会計処理及び開示に関する取扱い」(以下、本実務対応報告)を公表しました。

 

所得税法等の一部を改正する法律」では(令和2年法律第8号)が2020年3月27日に施行され、従来の連結納税制度が見直されました。また、2022年4月1日以降に開始する税務年度からグループ集計制度に移行することが決定されています。

 

連結納税制度を適用した場合の会計処理および開示については、実務対応報告第5号「連結納税制度を適用した場合の税効果会計に関する当面の取扱い(その1)」および実務対応報告第7号「連結納税制度を適用した場合の税効果会計」で確認できます。

 

グループ通算制度の概要

連結納税制度では、企業の事務負担軽減の観点から制度の運用実態やグループ経営の実態を踏まえ簡素化・見直しを行います。また損益通算の基本的な枠組みを維持しつつ、各法人が個別に法人税額を計算して申告するグループ計算方式に移行します。グループ通算制度の概要は、次の通りです(国税庁)。

 

個別申告方式
企業グループ全体を一つの納税単位とし、一体として計算した法人税額等を親法人が申告する現行制度に代えて、各法人が個別に法人税額等の計算及び申告を行う。

損益通算・税額調整等
欠損法人の欠損金額をグループ内の他の法人の所得金額と損益通算する。
研究開発税制及び外国税額控除については、企業経営の実態を踏まえ、現行制度と同様、通算グループ全体で税額控除額を計算する。

組織再編税制との整合性
開始・加入時の時価評価課税・繰越欠損金のグループヘの持込み等について、組織再編税制と整合性が取れた制度とし、通算グループの開始・加入時の時価評価課税や繰越欠損金の持込み制限の対象を縮小する。

親法人の適用開始前の繰越欠損金の取扱い
親法人も子法人と同様、グループ通算制度の適用開始前の繰越欠損金を自己の所得の範囲内でのみ控除する。

中小法人判定の適正化
通算グループ内に大法人がある場合には中小法人特例を適用しない。

地方税
現行の基本的な枠組みを維持しつつ、国税の見直しに併せて、所要の措置を講ずる。

適用時期
企業における準備等を考慮し、令和4年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

 

参考リンク:法人課税|令和二年度税制改正(国税庁)

 

連結の税制度とは?

連結納税制度とは、企業グループの一体性に着目し、企業グループ内の個々の企業の損益を合算して所得を計算することで、企業グループをあたかも一つの企業のように扱い「法人税」を課す制度です。

 

連結納税制度の重要性は、グループ全体を一つの単位として課税することができる点にあります。事業部門が完全子会社である企業グループや純粋持株会社が所有する企業グループなど「単一の法人」として管理される企業グループは、個々の企業を課税単位とするのではなく、実態に即した適正な課税の実現が必要です。

 

ここ数年、独占禁止法や商法の改正により、企業グループの統合管理や企業構造の柔軟な再編成が急速に進んでいます。したがって、連結納税制度の導入は、企業の再編を促進し、日本企業の国際競争力の維持・強化と経済の構造改革に寄与するものと考えられます。

 

このため個々の会社を課税単位として課税するよりも、グループ全体を1つの課税単位として課税する方法が取られるようになりました。

 

グループ通算制度の税効果

連結納税制度を採用している場合の税効果の認識の適用に関する取り扱いは、実務対応報告第5号および第7号に記載されています。

 

【参考】実務対応報告第5号(平成23年3月)からの改正点

【参考】実務対応報告第7号(平成22年6月)からの改正点

 

これらは、連結納税制度の適用範囲に含まれる連結会社グループが法人税法上の同一納税者であることを前提としています。

 

したがって、連結納税制度とグループ集計制度では納税者が異なるため、グループ集計制度に基づく繰延税金資産の回収可能性の判断方法を明確にする必要があります。

 

グループ通算制度が導入された背景

日本経済のグローバル化に伴い、日本企業も激しいグローバル競争の時代に突入しています。このような経済環境の中、企業は国際競争に対応するために、経営慣行や会計基準の国際標準化を進められてきました。

 

一方で欧米諸国と同じ土俵で国際競争を行うために、企業は国内の商法や税法、その他の会計制度など、企業経営を取り巻くさまざまな法制度の見直しや改善を求めています。

 

1997年6月、独占禁止法が改正され、純粋持株会社の設立が原則自由となり、同年6月には企業会計審議会から「財務諸表制度の見直しに関する意見書」が出されました。また同年6月には、企業会計審議会から「連結財務諸表制度の見直しに関する意見書」が出され、個別情報に基づく開示制度から連結情報に基づく開示制度に変更されました。

 

会計システムは常に改善されており、日本ではまだ導入されていない税制への関心も高まっています。1999年の税制改正答申では「連結納税制度の導入を十分に分析・検討する必要がある」とし、同年の自民党税制改正大綱では「2001年に連結納税制度を導入することを 同年の自民党税制改正大綱では「2001年に連結納税制度を導入することを予定している」としました。

 

各企業に個別に課税する現在の法人税とは異なり、連結納税制度では、企業グループを一つの課税単位として扱います。したがって、法人税には、現行の個別企業に対する課税制度と企業グループに対する課税制度の両方が含まれることになります。

 

連結納税制度を導入する際には、単独企業課税制度と企業グループ課税制度との課税関係の整合性を確保するための制度整備が必要であり、納税者管理制度の整備や調査方法などの執行体制も抜本的に改革する必要があります。

 

連結の税制度の問題

連結納税制度とは、親会社とその子会社、孫会社および親会社や他の企業が100%所有するその他の会社の所得を一定の調整を行った上で連結し、親会社が連結決算と連結納税に責任を持つ制度のことです。

 

子会社と孫会社は連帯して支払い責任を負い、各社の立場を記した書類を税務署に提出します。連結納税制度は、諸外国では長い歴史がありますが、日本では2002年に導入されました。

 

連結納税制度を導入したのは、子会社を使って税金を煙に巻くケースが多く問題になっていたことが関係しています。この制度の目的は、子会社の粉飾決算を避けるために、会社の監査を改善することです。

 

連結納税制度は、グループ全体の利益を把握しやすいというメリットがある反面、管理が煩雑で、グループ経営の多様化を図ることができません。この問題を解決するために、税制は連結納税・連結申告から単体申告へと移行します。これが「グループ通算制度」です。

 

グループ通算制度では、各社が個別に法人税を計算・申告し、損益通算などの調整を行います。各社が個別に法人税を計算して申告しているため、申告内容の変更があっても、原則としてグループ内の他の会社には影響しません。

 

グループ通算制度は、2022年4月1日以降に開始する会計年度から適用されますが、採用するにしても、すぐにできることではありません。グループ通算制度を適用するための要件を満たすなど、やるべきことはたくさんあります。

 

グループ通算制度の変更点

最大の変更点は、連結納税制度では親会社は1つの会社とみなされ、税務申告書は親会社の名前で提出されるのに対し、グループ通算制度では各会社が個別に申告書を提出することです。

 

この制度のメリットは、一部の税額控除を除き、納税者が個別に申告することになるため、納税者の事務負担が軽減されることです。さらに、連結納税制度では、税務調査が行われて企業の申告書に修正・訂正が行われた場合、連結納税者全体で修正・訂正を行う必要がありますが、グループ通算制度では、グループ全体で修正・訂正を行う必要はありません。

 

グループ通算制度の導入は、特に税務当局による税務調査の手続きが煩雑であることから、納税者と税務当局の双方のメリットを向上させるために再設計されたものです。

 

また、グループ通算制度の適用開始時や合算グループへの参加時に、完全支配の維持や継続企業の要件など、適格な組織再編と同じ条件を満たす企業は、時価評価や繰越欠損金の切り捨てなどの課税が免除されます。

 

そのため、複数の企業で構成される中小規模のグループには、グループ通算制度が利用されることが予想されます。

 

一方で、グループ通算制度を採用するデメリットとして、親会社の損失の処理があります。

 

連結納税制度では、親会社が代表納税者となり、全体の所得を計算した上で繰越欠損金を控除することができましたが、グループ通算制度への移行後は、連結納税制度の子会社と同様に、親会社は所得の範囲内でしか繰越欠損金を利用できなくなりました。

 

連結納税制度からグループ通算制度への変更は、従来の課税関係を原則維持しつつ、課税所得の計算や納税実務を簡素化することを目的としています。したがって、税金費用の会計処理および税効果会計の適用については、実務対応報告第5号と比べて大きな変更はないと考えられています。

 

また、グループ通算制度への移行による経済的な変化はないと考えられていますが、アプローチの再構築や追加規定が必要な部分については、システム自体の変更による影響を受ける可能性があります。これらの分野は、ASBJによって慎重に検討され反映されています。

 

会計上の取り扱い

個別財務諸表の損益計算書では、全体の税効果を当期の法人税および地方税として扱います。連結財務諸表では、税効果の認識は「集計対象グループのすべての税申告者を含む単位」に適用されるべきと記されています。

 

グループ通算制度の対象法人(納税主体)

グループ通算制度の納税主体は、次のように定められています。

 

(1)親法人及び各子法人が法人税の申告を行う。
(2)親法人及び各子法人には、通算グループ内の他の法人の法人税について連帯納付責任がある。
(3)親法人の電子署名により子法人の申告及び申請、届出等を行うことができることとするほか、ダイレクト納付についても所要の措置を講ずる。

 

申請方法、承認の取り消し・撤回の方法は、以下の改定を除き、連結納税制度と同じです。

 

(1)親法人の設立事業年度の翌事業年度からグループ通算制度を適用しようとする場合の承認申請期限の特例について、親法人がその資産の時価評価による評価損益を計上する必要がある場合及び設立事業年度が3月以上の場合には適用できないこととする。

(2)承認の却下事由に、備え付ける帳簿書類に取引の全部又は一部を隠蔽し又は仮装して記載し又は記録していることその他不実の記載又は記録があると認められる相当の理由があることを加える。

(3)青色申告の承認を取り消された場合には、グループ通算制度の承認の効力を失うこととし、グループ通算制度固有の取消事由を設けないこととする。

 

グループ通算制度の準備

グループ通算制度に移行されることで、単体納税制度においてもいくつかの変更を伴います。グループ通算制度を利用していない場合でも、100%グループ会社の債権を貸倒引当金の対象外とするなどの変更点があり注意が必要です。

 

グループ通算制度のメリットは?

節税効果が、制度導入に伴う事務負担の増加などのデメリットを上回るのであれば、グループ税制を採用するメリットはあります。

 

現時点で「単体納税」している会社でも、グループ内の会社を100%所有している場合は、グループ通算制度の導入を検討する必要があります。これまでの連結納税制度は集計を基本としており、新たな会計システムの取得などの財務上の問題から、連結納税制度の導入に消極的な企業が多くありました。

 

ただし、合算計算の要素は研究開発税額控除と外国税額控除に限定されているため、これらの制度に該当しない企業は、個人納税と同様の事務手続きでグループ通算制度に切り替えることができます。

 

例えば、グループ企業が税務上の欠損金の繰越・繰戻を行っている場合、グループ通算制度の導入により、利益と欠損金を合算することで全体の納税額を減らすことができます。

 

グループ通算制度のデメリット

グループ通算制度を採用した場合のデメリットとして、親会社の損失の取り扱いがあります。連結納税制度では、代表納税者である親会社は、全体の所得を計算した上で繰越欠損金を控除することができました。

 

法人税の負担を不当に軽減するため、あえて誤った初期申告を行ったことが判明した場合には、グループ全体の損失を再計算することができますので注意しましょう。

 

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グループ通算制度の注意点

連結納税制度を適用している企業がグループ合算制度に切り替える場合、実務対応報告の適用は、会計基準等の改正による会計方針の変更に該当します。

 

ただし、会計方針の変更による影響はなく、会計方針の変更に関する注記を作成する必要はありません。

 

実務対応報告第39号「連結納税制度からグループ合算納税制度への変更に伴う税効果会計の適用に関する取扱い」の特例処理(変更前の税法の規定に基づく税効果会計の適用)を採用している企業は、実務対応報告適用前の税制の変更による影響を考慮しません。

 

税制の変更による影響は、税制導入前は考慮されていませんが、税制導入後は考慮されます。したがって、税制の変更による影響は、税制の適用時に損益として認識する必要があります。

 

単体納税制度を適用している企業がグループ通算制度に切り替えた場合、グループ通算制度の適用承認日を含む課税年度から、適用時の通常の取扱いに従って、翌課税年度からグループ合算制度が適用されたものとして税効果が認識されます。

 

ただし、グループ通算制度に切り替える際には、税法上、課税年度内に一定の準備期間が必要となるため上記のルールではなく、早期適用の原則をルール適用することになります。

 

また連結納税制度から単体納税制度へ変更する場合、税効果の認識に関する会計基準の原則に沿った会計処理を行うため、特別な準備期間は必要ありません。

 

したがって、税効果の認識は、2022年4月1日以降に開始する最初の税務年度から、単体課税制度の場合と同様に、グループ合算制度の不適用の届出書の提出日を含む会計期間(四半期会計期間を含む)から適用されます。

 

利用しない法人も注意が必要

グループ通算制度は、2022年4月1日以降に開始する税務年度から適用されます。同制度を利用するためには、税務署への事前申請が必要となります。申請の締め切りは、親会社がグループ税制を適用しようとする最初の課税年度開始の3ヶ月前です。

 

また、既に連結納税制度を適用している企業は、開始日に自動的にグループ通算制度に移行します。ただし、2022年4月1日以降の課税年度の初日以降にグループ税制を適用するにはタイムリミットがありますので注意しましょう。

 

グループ通算制度でよくある質問

グループ通算制度でよくある質問を集めてみました。

 

質問① グループ通算制度では、どのような会社が親会社になれるのですか?

対象となるのは、国内企業である普通の会社または協同組合のみです。ただし、清算中の会社など、特定の種類の会社は除外されます。

 

質問② グループ通算制度では、どのような会社が対象となるのですか?

親会社または親会社に完全に支配されている国内企業が対象となります。ただし、集計から除外された会社は、集計された子会社になることはできません。

 

質問③ 完全支配関係と通算完全支配関係の関係について教えてください。

完全支配関係とは、ある人物が企業のすべての発行済株式または持分(自己の株式または持分を除く)を所有している状態をいいます。

 

完全支配関係とは、ある人が会社の発行済株式または出資金(会社が保有する自己の株式または出資金を除く、以下「発行済株式等」という)のすべてを直接または間接的に保有する関係、またはそのような関係にある会社間の関係のことをいいます。

 

結合の承認の対象となりうる親会社による完全支配関係は、結合から除外される会社や外国会社が関与していない特定の完全支配関係に限られます。親による完全支配関係とは、親と子会社、または子会社と親の間の完全支配関係のことです。

 

グループ通算制度で参考になる動画

YouTubeのなかから、グループ通算制度で参考になる動画を集めてみました。

 

グループ通算制度の関連動画①(YouTube)

 

グループ通算制度の関連動画②(YouTube)

 

グループ通算制度の関連動画③(YouTube)

 

グループ通算制度の関連動画④(YouTube)

 

グループ通算制度の関連動画⑤(YouTube)

 

グループ通算制度で参考になる書籍

最後にグループ通算制度を理解するのに、参考になる書籍を集めてみました。

 

詳解 グループ通算制度Q&A

設例で理解する 最新 グループ通算制度実務ハンドブック 

グループ通算制度の実務Q&A

グループ通算制度への移行・採用の有利・不利とシミュレーション

これだけ! グループ通算制度 

グループ通算制度のすべて

 

まとめ

グループ通算制度は、基本さえ抑えれば難しい制度ではありません。グループ会社の中に過年度の所得に損失がある場合や繰越欠損金がある場合は、グループ合算制度を利用して全体の損益を合算し、納税額を減らすことができます。同制度のメリットは、連結納税制度よりも大きいので、今のうちに制度の仕組みを理解しておきましょう。

 

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