【最新2021年版】日本政策金融公庫の中小企業向け融資と金利一覧
中小企業経営者が利用できる日本政策金融公庫の融資制度は非常に多く、今回お伝えする最新版だけでも合計11種類が存在します。
日本政策金融公庫は金利が非常に低く設定されており、基準金利でも1~2%程度で資金を借り入れることができます。余裕をもって融資を受けられる方の場合、銀行や消費者金融から借入を行うよりも利息が安く済むのでおすすめです。
金利や返済期間・金額は各融資制度によって異なるため、以下で紹介する内容から目的に合ったものをお選びください。
この記事がおすすめ出来る人 |
☑️ 銀行からの借入が難しい人 |
☑️ 低金利で借入ができ、かつ多額の資金が必要な人 |
☑️ 融資開始まで3週間~1ヶ月程度の期間がとれる人 |
なお以下の記事でも「日本政策金融公庫」について詳しく解説しています。ぜひ、本記事と合わせてご覧ください!
※ この記事は事業主の方専用です。会社員・パートアルバイト・フリーター・主婦など事業主以外の「個人」の方は、日本政策金融公庫より審査が早く、最短1日で借りれるプロミスやSMBCモビットへの申込みがオススメです。PC/スマホからラクラクネット申し込みで、スグに審査してもらえます。教育ローンなどにも活用できるのでとても便利です。
※申込の曜日、時間帯によっては翌日以降の取扱となる場合があります。
また補足として、日本政策金融公庫における各制度の概要や、公庫を利用するメリットとデメリット、準備の進め方について解説を行います。事業資金や、起業(スタートアップ)資金の調達にお役立てください。
なお、法人・個人事業主の方で今すぐ「事業資金が必要だ」という方には、当サイトに登録されている1,300人の専門家がおすすめの調達方法を紹介しています。500万円くらいの資金であれば『最短1日』で資金調達が可能。お急ぎの場合はすぐに以下の記事をどうぞ。
参考記事:今すぐ借りたい!法人向けビジネスローンおすすめランキング【2021年最新版】
日本政策金融公庫とは?
日本政策金融公庫とは、主に中小・零細企業向けに融資サービスを実施している、国が100%出資する金融機関のことです。こうした金融機関を「公的金融機関」と呼び、国をあげた政策を実現する際などに大きな役割を果たします。
たとえば、日本政策金融公庫は、資金調達が難しい経営者のために融資を行っています。中小や零細企業がお金を借りやすくなると、新しい技術革新や斬新なサービスが生まれるなど、日本全体の経済発展や国際競争力が高まることにつながります。
日本国内の企業数は約40万社で、そのうちの約99%が中小企業(2019年6月時点)に該当するため、日本政策金融公庫が受け持つ役目は非常に大きいと言わざるを得ません。
日本政策金融公庫には計3つの事業部門があり、それぞれ役割が異なります。
【国民生活事業】
- 小口の事業資金融資
- 創業支援・地域活性化支援
- 国の教育ローン・恩給・共済年金等を担保とする融資
【中小企業事業】
- 中小企業への長期事業資金の融資
- イノベーション支援・海外展開支援・再生支援
- 信用保証協会が行う中小企業向けの借入等に係る債務保証の保険引き受け等
【農林水産事業】
- 担い手を育て支える農林水産業者向け融資
- 食の安全の確保・農食連携を支える食品産業向け融資
- コンサルティングやビジネスマッチング等の経営支援サービス
さらに、大規模災害が発生して業務に支障をきたした場合など、緊急時の融資にも対応しているなど幅広い活動が特徴です。
小規模事業者にとっては銀行よりも融資を受けやすく、金利も低めに設定されているため創業したばかりの経営者の方や、事業規模の小さい法人にとって大きな助けになることは間違いありません。2017年度の融資実績は1兆4,850億円で、合計44,145社が日本政策金融公庫の融資を利用しています。
日本政策金融公庫を利用するメリット
日本政策金融公庫の融資を利用した場合、主に次のようなメリットを受けることができます。
- メリット①:銀行や消費者金融より金利が低い
- メリット②:小規模事業者でも融資審査に通りやすい
- メリット③:事業支援やコンサルティングサービスにも対応
日本政策金融公庫で融資を受けた場合、その金利は約1.0~2.5%程度の低金利で済むことが多いです(融資内容によって金利は異なります)。一方で、銀行で融資を受けた場合の平均的な金利は15%前後、消費者金融だと18%前後が一般的で、大きな差があることがお分かりかと思います。
また、民間金融機関ではリスクを和らげるため、どうしても審査が厳しくなりがちです。特に、事業実績のないベンチャー企業などは銀行から資金を借りるのも難しく、資金調達の高いハードルとなっていました。しかし、日本政策金融公庫を利用すると、たとえ実績がなくても融資審査を通過する可能性があります。
日本政策金融公庫を利用するデメリット
日本政策金融公庫も万能ではありませんので、メリットの裏にはデメリットもあります。以下2点は、日本政策金融公庫を利用する場合の注意点ともいえるため、よく考えてから資金調達の判断を行ってください。
デメリット①:保証人が必要
デメリット②:融資実施までに3週間以上もの日数が必要
銀行などで融資を受ける場合、定期預金の残高を担保に保証人なしでお金を借りることも可能です。一方の日本政策金融公庫では、借り入れのほとんどのケースで保証人を用意しなければなりません。なかには、「女性向け小口融資」など、保証人不要で融資申請を受けつているものもありますので、事前に確認しておくことをおすすめします。
また、日本政策金融公庫の融資は、銀行や消費者金融からの借り入れに比べて審査スピードが遅いというデメリットがあります。消費者金融の場合は即日~3日程度、銀行融資は1週間前後に対し、日本政策金融公庫の融資は3週間~1ヶ月程度の期間が必要です。
もし、即座に現金を必要とする場合は、カードローンなど即座に融資が実施されるものをご選択ください。
日本政策金融公庫で申し込める中小企業向け融資一覧(2019年)
日本政策金融公庫が提供している中小企業、小規模事業者向けの融資を計11種類紹介していきます。一般的には、国民生活事業が提供している「一般貸付」は、事業を営む方であればほとんどのケースで利用できるため、日本政策金融公庫のなかでもベーシックな融資制度です。
一方で、新規開業や女性経営者など、特定の条件に該当するようであれば別の融資制度を選びましょう。その方が融資限度額が多く、なおかつ融資期間も長めに借りられるものが多くなっています。
日本政策金融公庫の融資一覧は以下をご確認ください。
- 融資①:一般貸付(国民生活事業)
- 融資②:新規開業資金(国民生活事業)
- 融資③:女性・若者・シニア起業家支援資金(国民生活事業)
- 融資④:IT活用促進資金(国民生活事業)
- 融資⑤:新事業活動促進資金(中小企業事業)
- 融資⑥:中小企業経営力強化資金(中小企業事業)
- 融資⑦:海外展開・事業再編資金(中小企業事業)
- 融資⑧:事業承継・集約・活性化支援資金(中小企業事業)
- 融資⑨:働き方改革推進支援資金(中小企業事業)
- 融資⑩:災害復旧貸付(中小企業事業)
- 融資⑪:スーパーL資金(農林水産事業)
各融資制度によって限度額や金利、融資期間が異なるため、以下で詳しい内容をお伝えしていきます。
融資①:一般貸付(国民生活事業)
国民生活事業の一般貸付は、運転資金および設備資金としてそれぞれ最大4,800万円、特定設備資金が最大7,200万円借りられる融資制度です。中小企業の経営者の方であれば、業種を問わず利用できることから、初めて日本政策金融公庫を利用する方に向いています(金融業・投機的事業・一部の遊興娯楽業等は利用不可)。
借入金利も1~2%程度で済むため、銀行や消費者金融から融資を受けるよりも返済総額が少なくて済む点がメリットです。
基本的に融資を受けるには保証人が必要ですが、経営環境などに応じて相談にも乗ってくれるため、まずは窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
資金の使いみち | 運転資金 | 設備資金 | 特定設備資金 |
---|---|---|---|
融資限度額 | 4,800万円 | 7,200万円 | |
返済期間 | 5年以内(特に必要な場合7年以内) <うち据置期間1年以内> | 10年以内 <うち据置期間2年以内> | 20年以内 <うち据置期間2年以内> |
利率(年) | 0.10~2.80% | ||
担保・保証人 | 要相談 |
公式ホームページ:日本政策金融公庫「一般貸付」
融資②:新規開業資金(国民生活事業)
新規開業資金は、新しくビジネスを始める経営者の方や、創業から7年以内の方を対象に実施する融資制度です。新規開業という条件がある分、一般貸付に比べて金利が低く、なおかつ借入できる限度額・融資期間も有利になっています。
規準利率は2.16~2.45%に設定されていますが、融資後に地域おこし協力隊に加入するなどの条件で、0.76~2.15%の特別利率に切り替えることができます。特定の地域でドミナント戦略を掲げている場合など、この特別利率で有利に借入を行うことが可能です。
利用条件 | 「雇用の創出を伴う事業を始める方」、「現在お勤めの企業と同じ業種の事業を始める方」、「産業競争力強化法に定める認定特定創業支援等事業を受けて事業を始める方」又は「民間金融機関と公庫による協調融資を受けて事業を始める方」等の一定の要件に該当する方。 なお、本資金の貸付金残高が1,000万円以内(今回の融資分も含む)の方については、本要件を満たすものとします。 | |
---|---|---|
資金の使いみち | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする設備資金及び運転資金 | |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) | |
返済期間 | 設備資金 | 20年以内 <うち据置期間2年以内> |
運転資金 | 7年以内 <うち据置期間2年以内> | |
利率(年) | 0.10~2.80% | |
保証人・担保 | 要相談 |
公式ホームページ:日本政策金融公庫「新規開業資金」
融資③:女性・若者・シニア起業家支援資金(国民生活事業)
女性経営者、または若手経営者、高齢者で経営にチャレンジされる方に有利な融資制度です。35歳未満の若者、もしくは55歳以上の高齢者の方で、新しくビジネスをスタートさせて7年以内という条件があります。
上記の条件さえ満たせば特別利率で融資を受けることができるので、ほかの融資制度よりも大変お得です。女性経営者の場合は年齢に関係なく申し込みができるため、積極的に活用することをおすすめします。
利用条件 | 女性または35歳未満か55歳以上の方であって、 新たに事業を始める方または事業開始後おおむね7年以内の方 | |
---|---|---|
資金の使いみち | 新たに事業を始めるため、または事業開始後に必要とする資金 | |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) | |
利率(年) | 1.26~2.05% | |
返済期間 | 設備資金 | 20年以内<うち据置期間2年以内> |
運転資金 | 7年以内<うち据置期間2年以内> | |
担保・保証人 | 要相談 |
公式ホームページ:日本政策金融公庫「女性・若者・シニア起業家支援資金」
融資④:IT活用促進資金(国民生活事業)
IT活用促進資金は、中小企業が労働生産性改善などの目的で情報通信機器を導入するサポートを行う融資制度です。コンピュータや周辺装置(モデム等)、端末装置などを購入する設備資金、もしくはリース用の運転資金を補助してくれます。
経済産業省が提供する補助金にも、これと似たような「IT導入補助金」という制度があります。このIT導入補助金は、ITサービスに関わる費用(クラウドソフトの導入費やインフラ構築費用)などの支援に限定されているため、日本政策金融公庫のIT活用促進資金と組み合わせることで、ハードとソフトの双方を低コストで取り揃えることが可能です。
利用条件 | 情報化投資を行う方であって、次のいずれかに該当する方
| |
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資金の使いみち |
| |
融資限度額 | 7,200万円(うち運転資金4,800万円) | |
返済期間 | 設備資金 | 20年以内<うち据置期間2年以内> |
運転資金 | 7年以内<うち据置期間2年以内> | |
利率(年) | 1.26~2.45% | |
担保・保証人 | 要相談 |
公式ホームページ:日本政策金融公庫「IT活用促進資金」
融資⑤:新事業活動促進資金(中小企業事業)
中小企業の新しい事業活動を促進するために、最高7億2,000万円までの借り入れを可能にした融資制度です。設備資金は最長20年まで借り入れができるため、大規模なインフラ工事や設備導入などに適しています。
ただし、新事業活動促進資金の融資を受けるには、各種法体系の認定が必要などの条件がありますので、以下をよくご確認ください。条件に該当するのは難しいものの、融資を受けられれば非常に低い金利で資金を借りられる点が魅力です。
利用条件 |
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---|---|---|
資金の使いみち | 当該事業を行うために必要とする設備資金および長期運転資金 「利用条件」の7に該当する方については、既存事業の全部または一部を廃止するための資金、およびこれに伴う債務の返済資金を含みます。 | |
融資限度額 | 直接貸付 7億2千万円(うち運転資金2億5千万円) 代理貸付 1億2千万円 | |
利率(年) | 「利用条件」1、3、4、6の方 | 2億7千万円まで(土地に係る資金を除く)0.46~0.65% 2億7千万円超 1.11~1.30% |
「利用条件」2の方 | 1.11~1.30% ただし、事業計画を策定したことがない方が認定経営革新等支援機関または公庫の経営指導を受けて、一定の要件を満たす事業計画書を策定し経営向上を図る場合については、2億7千万円まで(土地に係る資金を除く)1.11~1.30%−0.2% | |
「利用条件」5の方 | 1.11~1.30% ただし、設備資金(土地および建物に係る資金を除く)については、2億7千万円まで0.30~0.40% | |
「利用条件」7の方 | 2億7千万円まで(新たに第二創業を図る方。ただし、土地に係る資金及び債務の返済資金を除く)0.71~0.90% 2億7千万円超 1.11~1.30% | |
※なお、信用リスク・融資期間などに応じて所定の利率が適用されます。 | ||
返済期間 | 設備資金 | 20年以内(うち据置期間2年以内) |
運転資金 | 7年以内(うち据置期間2年以内) | |
担保・保証人等 |
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公式ホームページ:日本政策金融公庫「新事業活動促進資金」
なお、法人・個人事業主の方で今すぐ「事業資金が必要だ」という方には、当サイトに登録されている1,300人の専門家がおすすめの調達方法を紹介しています。500万円くらいの資金であれば『最短1日』で資金調達が可能。お急ぎの場合はすぐに以下の記事をどうぞ。
参考記事:今すぐ借りたい!法人向けビジネスローンおすすめランキング【2021年最新版】
また、毎月200万円以上の安定した売掛金が発生するBtoBの事業をしている方は、ファクタリング(売掛金を売却して資金調達する方法)もオススメです。ご希望の方はこちらのフォームから「ファクタリング10秒カンタン無料診断」を行って下さい。売掛金があれば、最短1日で資金調達をすることができます。
※ 資金調達の成功を確実にしたい場合は、どちらかの審査に落ちても大丈夫なように、ファクタリングとビジネスローンの両方に今から申し込んでおいて下さい。両方申し込んでおくことで資金ショートを確実に回避出来ます。
融資⑥:中小企業経営力強化資金(中小企業事業)
中小企業の経営者の方で、経営革新や異分野の中小企業と連携して新しい事業分野を開拓したり、新市場の創出を行う方向けの融資制度です。新事業活動促進資金と同様、設備資金の返済期間は最長20年で、最高7億2,000万円までの資金の融資が受けられます。
利用条件 | 次の1または2に当てはまる方
|
---|---|
資金の使いみち | 「利用条件」に該当する方が、事業計画の実施のために必要とする設備資金および長期運転資金 |
融資限度額 | 直接貸付 7億2千万円(うち運転資金2億5千万円) |
利率(年) | 1.11~1.30% ただし、「ご利用いただける方」の1に該当する方であって、次のすべてに当てはまる方は、2億7千万円まで0.71~0.90%
※なお、信用リスク・融資期間などに応じて所定の利率が適用されます。 |
返済期間 | 設備資金20年以内(うち据置期間2年以内) 運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内) |
担保・保証人等 |
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公式ホームページ:日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」
融資⑦:海外展開・事業再編資金(中小企業事業)
海外で事業を展開しようと考えている方や、事業の再編を行う方向けの融資制度です。また、取引先が海外に進出し、その影響を受けて海外事業を開始する場合や、国内市場の縮小によりやむを得ず海外に進出するという場合も条件に当てはまります。
海外知的財産権を活用した事業や、クールジャパン(外国人がクールと感じる日本の魅力)に関する事業を展開する場合などに特別利率が反映され、より有利な金利で融資が受けられます。
利用条件 | 次の1、2または3のいずれかに該当する方
| |
---|---|---|
資金の使いみち | 当該事業を行うために必要な設備資金及び長期運転資金(海外企業に対する転貸資金を含む) なお、「利用条件」2に掲げる方が必要とする長期運転資金には海外展開事業の再編(全部又は一部を廃止することを含む。)のための資金およびこれに伴う債務の返済資金を含みます。 | |
融資限度額 (※2) | 直接貸付 7億2千万円(うち運転資金4億8千万円) 代理貸付 1億2千万円 | |
利率(年) | 1.11~1.30% ただし、「利用条件」1に掲げる方が必要とする資金であって、海外展開事業の利益率や本邦内の雇用維持等、一定の要件を満たす場合は、4億円を限度として、0.46~0.65% クールジャパンの推進に資する事業を行う方であって、一定の要件を満たす場合は、4億円を限度として、0.71~0.90% 海外展開事業(海外直接投資(追加投資を含む)を除く。)を新たに行う方(開始してから5年以内の方を含む。)について、4億円を限度として0.71~0.90% 海外知的財産権を活用した海外展開事業(海外知的財産権の取得費用を除く。)を行う方については、4億円を限度として0.71~0.90% ※なお、信用リスク・融資期間などに応じて所定の利率が適用されます。 | |
返済期間 | 設備資金 20年以内(うち据置期間2年以内) 運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内)ただし、海外企業への転貸資金であって、進出国の資本規制により事業者が転貸資金を長期間にわたり回収できない場合その他真にやむを得ない事情がある場合に限り、以下のご返済期間が適用されます。 設備資金 20年以内(うち据置期間5年以内) 運転資金 10年以内(うち据置期間5年以内) | |
担保・保証人等 |
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公式ホームページ:日本政策金融公庫「海外展開・事業再編資金」
融資⑧:事業承継・集約・活性化支援資金(中小企業事業)
事業や株式の譲渡、もしくは合併などによる企業継承や集約化などに関わる資金調達をサポートする融資制度です。日本では中小企業の後継者不足が社会問題化していることもあり、地域経済の産業活動の維持・発展のための承継活動には最高7億2,000万円もの融資が提供されます。
利用条件 | 次の1~5のいずれかに当てはまる方
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資金の使いみち | 「利用条件」の1に当てはまる方が、事業承継計画を実施するために必要な設備資金および長期運転資金 「利用条件」の2または4に当てはまる方が、事業承継を行うために必要な設備資金および長期運転資金 「利用条件」の3に当てはまる方が、当該事業を行うために必要な設備資金および長期運転資金 「利用条件」の5に当てはまる方が、金融機関との取引状況の変化に伴い必要な長期運転資金 | |
融資限度額 | 直接貸付 7億2千万円 | |
利率(年) | 「利用条件」の1に当てはまる方 ただし、中小企業等経営強化法に定める認定支援機関などの支援を受けて事業承継計画を実施する場合(現経営者の年齢が65歳以上である場合に限る。)については 0.46~0.65% 4億円超 1.11~1.30% 「利用条件」の2に当てはまる方 1.11~1.30% ただし、以下の①~⑤のいずれかの要件を満たす場合、4億円まで 0.71~0.90% 4億円超 1.11~1.30%
(注)②に該当し、小規模事業者から事業を承継する方については、0.46~0.65% 「利用条件」の3に当てはまる方 4億円まで 0.46~0.65% 4億円超 1.11~1.30% 「利用条件」の4に当てはまる方 4億円まで 0.71~0.90% ただし、付加価値向上計画を作成し、同計画において新たな雇用が見込まれる方は、0.46~0.65% 4億円超 1.11~1.30% 「利用条件」の5に当てはまる方 1.11~1.30% ※なお、信用リスク・融資期間などに応じて所定の利率が適用されます。 | |
返済期間 | 設備資金 | 20年以内(うち据置期間2年以内) |
運転資金 | 7年以内(うち据置期間2年以内) | |
担保・保証人等 |
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公式ホームページ:日本政策金融公庫「事業承継・集約・活性化支援資金」
融資⑨:働き方改革推進支援資金(中小企業事業)
業務効率改善のための設備導入や、非正規雇用労働者の賃上げ・正社員化、多様な人材の活用促進などを行おうとする事業者向けの融資制度です。非正規雇用の処遇改善や長時間労働の是正を目的としていることもあり、返済期間や金利なども大変有利となっています。
利用条件 |
※「利用条件」1~3、5~7の方については、社会保険および労働保険への加入義務がある法人の方は、加入されていることが必要です。(次世代育成支援対策推進法に基づく認定または女性活躍推進法に基づく認定を受けた方を除きます。) |
---|---|
資金の使いみち | 「利用条件」の1~6に該当する方が、働き方改革実現計画を実現するために必要な設備資金および長期運転資金 「利用条件」の7に該当する方が、事業所内に保育施設を取得するために必要な設備資金 |
融資限度額 | 直接貸付 7億2千万円(うち運転資金2億5千万円) |
利率(年) | 「利用条件」の1に該当する方 2億7千万円まで 0.71~0.90% 「利用条件」の2に該当する方 2億7千万円まで 0.71~0.90% 「利用条件」の3に該当する方 2億7千万円まで 0.71~0.90% 「利用条件」の4または7に該当する方 2億7千万円まで 0.46~0.65% 「利用条件」の5または6に該当する方 2億7千万円まで 0.71~0.90% |
返済期間 | 設備資金 20年以内(うち据置期間2年以内) 運転資金 7年以内(うち据置期間2年以内) |
担保・保証人等 | 要相談 |
公式ホームページ:日本政策金融公庫「働き方改革推進支援資金」
融資⑩:災害復旧貸付(中小企業事業)
地震や台風、豪雪や大規模な火災などにより事業に支障をきたした中小企業向けの融資制度です。東日本大震災や熊本地震、北海道胆振東部地震など大規模災害が起こったときに特別枠として設定されています。
資金の使いみち | 災害復旧のための設備資金および長期運転資金 | |
---|---|---|
融資限度額 | 直接貸付 別枠 1億5千万円 代理貸付 直接貸付の範囲内で別枠7千5百万円 | |
利率(年) | 1.12~1.30% (閣議決定により、特別利率が適用される場合があります。) | |
返済期間 | 設備資金 | 15年以内(うち据置期間2年以内) |
運転資金 | 10年以内(うち据置期間2年以内) | |
担保・保証人等 | 要相談 |
公式ホームページ:日本政策金融公庫「災害復旧貸付」
融資⑪:スーパーL資金(農林水産事業)
スーパーL資金は農林水産事業が提供する融資制度で、農業経営改善計画の認定を受けた方の自主性と創意工夫を生かした経営改善を多面的に支援しています。返済期間は最長25年と日本政策金融公庫のなかでも最も長く、個人で最高3億円、法人では最高10億円までの融資が可能です。
公益財団法人農林水産長期金融協会より、貸付実行日から5年後の応当日の前日まで利子助成を受けた場合には特例利率が反映され、なんと無利子で融資が受けられます。農業事業者の方にとって大変有利な融資制度といえるでしょう。
利用条件 | 認定農業者(農業経営改善計画を作成して市町村長の認定を受けた個人・法人) ※なお、個人の場合、簿記記帳を行っていること、または今後簿記記帳を行うことが条件となります。 | |
---|---|---|
資金の使いみち | 農業経営改善計画の達成に必要な次の資金 ただし、経営改善資金計画を作成し、市町村を事務局とする特別融資制度推進会議の認定を受けた事業に限ります。 | |
農地等 | 取得のほか、改良・造成も対象となります。 | |
施設・機械 | 農産物の処理加工施設、店舗などの流通販売施設も対象となります。 | |
果樹・家畜等 | 購入費、新植・改植費用のほか、育成費も対象となります。 | |
その他の経営費 | 規模拡大や設備投資などに伴って必要となる原材料費、人件費などが対象となります。 | |
経営の安定化 | 負債の整理(制度資金は除く)などが対象となります。 | |
法人への出資金 | 個人が法人に参加するために必要な出資金等の支払いが対象となります。 | |
融資条件 | ご返済期間 | 25年以内(うち据置期間10年以内) |
融資限度額 | 【個人】3億円(特認6億円) 【法人】10億円(特認20億円[一定の場合30億円])
| |
利率(年) | 一般:0.16%~0.20% 特例:0% | |
担保・保証人 | 要相談 |
公式ホームページ:日本政策金融公庫「スーパーL資金」
日本政策金融公庫の融資に必要な書類
日本政策金融公庫の融資を受ける場合、次のような書類を用意しておいてください。融資制度によって必要となる書類は異なるものの、基本的に用意しなければならないものは以下の通りです。
【個人事業主が開業してすぐの融資を受ける場合に必要となる資料】
- 借入申込書
- 通帳コピー
- 創業計画書
- 借入金のある場合は、支払明細書(現在の借入残高、月々の支払額がわかるもの)
- 不動産の賃貸借契約書(店舗・自宅分)
- 営業許可書、資格または免許を証明するもの
- 見積書、工事請負契約書(設備投資する方のみ必要)
- 運転免許証コピー
- 関連企業の確定申告書及び決算書(別で会社を経営されている方のみ必要です)
- 印鑑証明書
- 代表のご自宅分の水道光熱費の支払い状況がわかる資料
- 個人の源泉徴収票又は確定申告書2年分
【個人事業を開業して1年以上経過した際の融資で必要となる資料】
- 借入申込書
- 通帳コピー
- 企業概要書
- 借入金のある場合は、支払明細書(現在の借入残高、月々の支払額がわかるもの)
- 不動産の賃貸借契約書(店舗・自宅分)
- 営業許可書、資格または免許を証明するもの
- 見積書、工事請負契約書(設備投資する方のみ必要)
- 運転免許証コピー
- 関連企業の確定申告書及び決算書(別で会社を経営されている方のみ必要です)
- 印鑑証明書
- 売上の根拠資料(請求書や、通帳など)
- 直近の確定申告書(2年分)
- 所得税納付の領収書
- 住民税納付の領収書
- 消費税の領収書(納税していない方は不要です)
- 直近の貸借対照表、損益計算書
開業して1年以内か否かで必要な書類が異なるので注意してください。
日本政策金融公庫の融資に必要な書類は、公式ホームページからダウンロードすることができます。
番外編|事業計画書の書き方
日本政策金融公庫の融資を受ける場合、必ず事業計画書(創業計画書)を準備しておきましょう。事業計画書は、ビジョンや経営目標、販売計画、損益計画などを記載した書類のことで、債権者が債務者の経営状況を判断する重要な指標となります。
公庫からスムーズにお金を借りるには、この事業計画書を正しく書くことが重要です。事業計画書の正しい書き方については、資金調達プロの以下の記事をご覧ください。
日本政策金融公庫の関連記事
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・ 【2021年最新版】日本政策金融公庫の融資審査を100%通す3つのコツ!1000万円の借入申込の秘訣!
・ 日本政策金融公庫の融資「必要な書類」と成功する準備の進め方
・ 日本政策金融公庫(株式会社日本政策金融公庫)の理念をみてみよう!
・ 2018年〜2019年に利用できる、日本政策金融公庫の融資制度一覧
・ 創業計画書100%書き方ガイド!日本政策金融公庫から創業融資を受けるための5つのポイント
・ 【実録】日本政策金融公庫に断られた!リベンジに必要な正しい審査対策
まとめ
日本政策金融公庫は、中小企業や小規模事業者向けの融資制度が数多く用意されています。今回お伝えした2019年の最新版だけでも、次のようにバラエティに富んだ融資制度がありました。
- 融資①:一般貸付(国民生活事業)
- 融資②:新規開業資金(国民生活事業)
- 融資③:女性・若者・シニア起業家支援資金(国民生活事業)
- 融資④:IT活用促進資金(国民生活事業)
- 融資⑤:新事業活動促進資金(中小企業事業)
- 融資⑥:中小企業経営力強化資金(中小企業事業)
- 融資⑦:海外展開・事業再編資金(中小企業事業)
- 融資⑧:事業承継・集約・活性化支援資金(中小企業事業)
- 融資⑨:働き方改革推進支援資金(中小企業事業)
- 融資⑩:災害復旧貸付(中小企業事業)
- 融資⑪:スーパーL資金(農林水産事業)
初めて日本政策金融公庫を利用する方は①の一般貸付がおすすめです。特に難しい条件がなく、中小企業であれば業種に関係なく申し込むことができます。
ほかにも、新規開業資金やIT活用促進資金など、特定の目的がある場合は各要項を確認して公式ホームページより申請を行ってみてください。
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