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10秒でカンタン 今すぐ500万円の資金調達!銀行融資を断られても調達できる裏ワザとは?

【実録】創業直後に借りる!日本政策金融公庫を通す正しい審査対策

日本政策金融公庫は、一般に起業支援のお金を融資してくれる銀行として知られる。金利がやすいことが圧倒的人気の理由だ。
結論からお伝えすると、私は政策金融公庫から僅か500万円の起業融資を断られた経営者であったが、1年後には1000万円を調達することができた

この記事では、何故断られ、その後どのようにリベンジを果たしたのかを保証協会融資のエピソードも交えてご紹介したい。

そもそも日本政策金融公庫(以下、公庫)は公庫与信も経験もない新米経営者にお金を貸してくれるとはなかなか太っ腹な銀行ではあるが、国策としては新たな産業が次々に誕生してこないと困るということなのだろう。

そんな背景もあり、国が斡旋をする形で、リスクを背負い日本の未来を担う覚悟で起業した経営者を応援するというのが、この銀行の存在意義になっている。

なお私の実体験は少々長文となるため、世間でよく言われている公庫借入の一般論を手軽に復習したい方は以下記事をご覧いただきたい。

参考記事:【保存版】日本政策金融公庫の融資審査を100%通す3つのコツ!1000万円の借入申込の秘訣 

 

しかしこの銀行、本当にそんなに気前よくお金を貸してくれるのか。

経験から言うと、答えは完全にNOだ。

全くお金を貸してくれない。

もちろんこの記事では、公庫の悪口を書くために筆を執ったわけでは無くオチも用意しているつもりではあるが、この前提はまず置いておきたい。

 

そして当たり前だが、公庫は無差別に誰に対してもお金を貸さないというわけではない。

しっかりと、貸せる準備をしてこなかった「勘違い経営者」には一切お金を貸さないという、ただそれだけのことである。

そして勘違い経営者であった私は、ものの見事に起業当初、命とも言える最初の起業融資を完全に断られた。

 

ところでネット上には、このような起業融資の申込み体験者であるのかどうか、疑わしいような人の手による “体験談”が多く見られる。

検索上位に来るものでさえもその内容は浅く、伝聞をまとめただけのようなものもあり、こんなことで本当に起業を考えている経営者にとって役に立つ情報を提供できているのか。

非常に疑わしいという思いもあり、本稿では自分自身の体験談を可能な限り詳細に披露したいと思っている。

自分の経験が全てのケースを代表する事例であるなどと言うつもりはないが、一つの参考になればと思い筆を進めていきたい。

 

では早速だが、私は東日本大震災から間もなくの2011年6月に起業した。

何もこんな時期に起業しなくてもいいのに、と我ながら思ったが、前職の会社に辞表を出したのが2011年3月の震災前。

そのため、いまさら引っ込みがつくはずもなくやむを得ず、そのまま予定通り起業をしたというのが正直なところだった。

退職の挨拶のため東京に行き、新幹線の品川駅を降りた時、在来線への乗り換え口で連絡通路の電気がほとんど消されていたことを、今もよく覚えている。

震災の影響で電力が足りなくなった事によるものだが、東京の主要ターミナル駅で電気が消されている光景などというものは、おそらくもう2度と見ることは無いだろう。

そんなことを思うと、自分が起業した状況の厳しさを肌で感じざるをえなかったが、腹を括らなければならない。

そんな緊張感も感じながら前職の片付けをすると、私は2011年6月に会社を登記し、代表取締役に就任した。

 

この記事では、この際の私の事業内容などは余り関係がないので詳細は端折りたいが、私が起業融資を受ける有資格者と認めてもらえる可能性があるのか。

その客観的な判断のためには、それまでどのようなキャリアを歩んで独立に至ったのかをある程度ご説明しないと参考にならないと思うので、最初に簡単にまとめておきたい。

 

その前に…

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1. 創業までの経緯

私が大学を出て最初に就職したのは大和証券。

業界2位の大手証券会社であり、そこで私は、金融に関する基礎知識や関連する様々な法律知識を身につけ、また多くの資格を取得する。

そして現場で十分な知識と経験を得た上で退職し、中堅企業のCFO(最高財務責任者)に転じた。

中堅企業では、何社かでCFO職をこなし、その間では銀行融資はもちろん、エクイティでも数十億円の資金調達を主導した実績も積んでいる。

早い話が、銀行融資であろうがエクイティファイナンスであろうが、その道のプロ中のプロであったということだ。

その一方で、主導したのは数十億円と言った大きな融資だけではない。

役員を務めていた会社には子会社や関連会社もあり、中には売上数億円程度の、これから成長が期待できるベンチャー企業に出資する関連会社も持っていた。

ところが、このような小さな会社では専任のCFOが不在だ。

そのため、1000万円ほどの融資についても事実上、経営者に代わり手続きを進めたこともあり、大きな規模から小さな規模まで、幅広い会社のCFOポストを経験できたことになる。

正直言って、一人のCFOとして経験できる金融現場の知見は、相当なレベルで積んだという自負を持っていた。

 

そんな私が、思うところあって独立を決めたのが先述の通り2011年。

経営計画を立案し、自分がどのような事業を営み、どんな付加価値を世に生み出していきたいのか。

この時に私が描いた内容をざっとかいつまんでお話すると、小売業者に対しネット上での販売チャネルを簡単に用意できるプラットフォームを提供しようというものであった。

ただ、この時には既に同様の事業が数社ほど存在し先行して知名度を上げていたため、フォロワーの起業という分類になるだろう。

 

なおここでいうフォロワーの事業という要素は、公庫融資を取り付ける上で非常に大事だ。

なぜなら公庫からは、世の中に存在しないような、評価が難しい事業に対しての融資を取り付けることが、正直簡単ではないからだ。

あくまでも、ある程度の将来性が予測できて、類似のサービスではどのような収益性があり、どのような成長カーブを描くと思われるのか。

公庫自身の経験値から想定が容易な事業に融資が通りやすい傾向があり、世に二つと無い全く新しいベンチャー企業の融資には、評価が不可能な分、融資が非常に通りづらいと考えたほうが良いだろう。

 

つまり私は、財務担当者として非常に豊富な経験を積み、そしてある程度世の中で普及しつつあるサービスのフォロワーとして会社を起業し、そして十分な知見を引っさげて経営計画を立案し、公庫の門を叩いたということになる。

経営計画の立案もその内容の質・量ともに、何ら問題はない。

 

そんな私がなぜ、公庫融資を受けることができなかったのか。

そして、起業融資を断られた私の会社は、最終的に上手く行ったのか。また、どうすれば借りることができたのか。

以下、そのような体験談についてお話していきたい。

 

 

2. 日本政策金融公庫融資の厳しい拒絶と打ち砕かれた自信

『日本政策金融公庫を始めとし銀行融資の際に、最も大事なものは経営計画である』

このように説く専門家とされる人のコラムや、ネット上の記事はとても多い。

確かに、経営計画は融資の際に必ず要求されるものであり、それは公庫でも例外ではないので、一面の事実ではある。

それがもっとも大事かについては大いに議論の余地があるところではあると思うが、まずはそのようなこともあり、公庫融資における経営計画の扱いについてから話を始めたい。

 

実際の公庫での融資の流れだ。

確かに、公庫で融資を得ようとしたら必ずこれら経営計画書の提出が求められ、使用は強制ではないものの、推奨される標準的な雛形が渡される。

その中身は、基本となるP/L(損益計算書)やB/S(貸借対照表)はもちろん、利益計画や資金繰り計画といった基本的な財務諸表は一通り揃っている。

そのため、資料としては本格的とも言えるので、初めて目にする人にはなかなか苦戦する代物だろう。

 

実際に、売掛金商売であるにもかかわらず、売上計上の例えば2ヶ月後からキャッシュが入り始めるという基本を抑えずに、経営計画の作成を始めてしまう経営者は多いようだ。

そうなるともはや、買掛金の支払い時期や、売上の種類によって入金の時期が異なると言った複雑な条件が入り組んでくると、完全にお手上げになってしまう。

そのため、数字に詳しくない経営者によっては、たったこれだけのことで公庫融資を諦める人も、中にはいるようだ。

まずはここで最初の勘違いがある。

 

独断と偏見で断言させて頂くが、融資の審査に際して、この段階での計算の正確さや整合性はそれほど大きな意味を持たない。

そもそも、考えても見て欲しい。

この程度の数字合わせなど、今どきエクセルが操作できれば、大学生でも全く破綻のない、キレイな経営計画書を作ることができる。

B/SとP/Lは完全に整合しており、利益計画やキャッシュフロー計算書も、場合によっては1円単位で完全にリンクさせることも可能だ。

だがそんなものは、融資を取り付ける上でそれほど大きな意味を持つものではない。

逆に言うと、キレイなものを作っても融資を取り付ける上で有利になるわけでもなく、キレイなものを作れないからと言って不利になるわけでもないということだ。

 

なぜそんな事が断言できるのか。

私が、全く破綻のないきれいな財務諸表を作って起業融資を申し込んだ上で、そしてあっさりと拒否された経験があるからだ。

さらにいうと、先に後日談をして恐縮だが、1年後に起業融資を取り付けることができた際には、作文も良いところの適当な予想財務諸表を提出して、簡単に融資がおりた経験すらある。

 

早い話が、起業融資を取り付ける上での財務諸表など、「流れ」でしか見ていないということである。

全体ストーリーの中で整合性のある財務諸表になっているか、という観点では審査の対象になるかもしれないが、それぞれの資料で僅かな数字の齟齬がある程度のことなど、全く問題にならない。

なぜなら、この段階で作成する経営計画書など、120%その通りにならないからだ。

 

そもそも、上場企業の財務の専門家が数十人のチームを作り、毎年予算を編成して、会社の1年後の予測すらまともにできていないのが、実際の企業経営だ。

経営計画通りに進捗し、株主を満足させられる上場企業経営者、すなわちプロの経営者すらほとんどいないのに、起業融資を借りに来ている経営者に公庫がそれを求めるか。

考えてみれば、一目瞭然の話である。

ここで大事なことは、経営計画そのものではなく、経営計画の信憑性であり、経営者自身の経験値や能力の裏付けがあるかであり、そして何よりも、計画を実現させる意志が本当にあるかどうかだ。

にも関わらず、形にこだわり、数字をキレイに見せようとして、起業から間もない貴重な時間をどんどん溶かし続ける経営者はとても多い。

あろうことか、きれいに見せることを諦め、融資の申込みを断念すらしてしまうのは愚の骨頂であり、残念極まりないことである。

まずは、この認識を改めてほしい。

 

その上で、私のケースをもう少し詳しくお話したい。

中堅企業のCFOとして、数十億円から数千万円程度の融資まで多くのステージを経験してきた私にとって、起業融資のための経営計画書を作ることなど、極めて容易ないつもの作業であった。

そして、事業の立ち上げに必要な予算をキレイに計算し、事業の立ち上げがキャッシュ化するまでのスケジュール、資金の出入り、行動計画に顧客化への見込み割合などを乗じた営業計画書まで完璧な資料を添えて、わずか500万円の融資を申し込んだ。

そして意気揚々と、担当者との面談日を迎える。

 

正直に言って私はこの面談を、ただの儀式にすら思っていた。

この完璧な計画書と、500万円を借りるために手元資金1000万円を用意している起業の体制。

さらに、既に僅かではあるが、少しばかりの売上も上げることができていた。

この状況で負ける気がしないのは当たり前である。

そして面談が始まると、担当者は私のキャリアを簡単に確認し、経営計画書の中身に触れる。

さらに、事業の具体的な内容と目先の収益の上がり方について、具体的な説明を求めてきた。

私はその一つ一つに丁寧に答え、時に熱を帯びながら、自分の実現したい思いを伝えた。

 

この段階で、担当者の最も興味のあるところは事業の内容だ。

いくら世の中にすでにあるサービスとは言え、散髪屋さんや居酒屋さんを始めようというわけではない。

事業内容は第三者にわかりにくく、その立ち上がりも一般的な経験則というものがない以上、まずは詳しく聞いてくるのが当然だろう。

しかし、肝心の数字についてはほとんど質問がない。

相手の質問が薄いということは、その内容を十分に理解しているか、もしくは関心が無いことの告白に等しい。

そして私の事業の立ち上がりの数字は、数字を見ただけで十分な理解ができるようなものではないはずだ。

つまり、経営計画の数字の整合性に関心が薄いということに他ならない。

 

なお後日談だが、この場合で言う「関心が薄い」には、2つの意味がある。

一つは、既に貸す腹積もりを決めているので、そこに余り関心がないという意味での関心の薄さ。

もう一つは、貸さないことを決めているか、もしくは融資を決める上でそこをあまり重視していないという意味での関心の薄さだ。

初めて公庫と接したときの私にはなぜ、経営計画の具体的な数字についてここまで担当者の関心が薄いのか、正直計りかねていた。

しかし会話の中で答えなど容易に見つからない。

不安になりながらも、書類の確認は次々に終わり、担当者は淡々と仕事をこなしていく。

 

そんな中で、後から思えばこれが、大きな審査のポイントであったことは間違いのない質問をぶつけられる。

この質問は、公庫融資を受けようとする場合、おそらく120%必ず同じ質問を受けるだろう。

そしてこの要件を満たさない場合、おそらく起業融資を受けることはできない。

その質問とは、「起業資金を準備した過程について、詳しく聞かせて下さい」だ。

ただ正確に言うと、この質問が出た時点で状況は相当厳しい。

なぜなら、起業資金を計画的に準備した過程に、わかりやすい形跡がないからだ。

 

大胆な私見を許してもらえるなら、私は、公庫担当者が起業融資の審査の際にもっとも重視しているのは、時間を掛けた計画性だと思っている。

経営者としての経験もない。

まとまったお金を借りたことも、返したこともない。

経営計画書も内容も、上記のような理由で「絵に描いた餅」であり、大きなエビデンスとして信用することもできない。

そのような人間に、起業資金を貸そうなどというのはリスク以外の何物でもなく、そもそも信用できるものなど何一つ無いのである。

能力も未知数で、更に言えば無担保で貸し出す以上、返済されない可能性に相当な備えをしなければならないだろう。

 

そんな時に、一つだけ確実に信用しても良いものがある。

それは、その経営者候補が長い時間を掛け、熱意を持って起業の準備をしてきたのであれば、その思いは本物であるという事実だ。

少なくとも、結果として失敗をしたとしても、貸した側の最低限の言い訳は立つ。

そして私が最初に起業融資に赴いた際に、担当者の質問はこの部分に特に念入りな質問が集中した。

 

話を元に戻す。

「起業資金を準備した過程について、詳しく聞かせて下さい」と聞かれたものの、私の起業準備は正直行き当たりばったりであった。

元々、大和証券に勤めていたとは言え、それほど多くの貯金を作った上で退職したわけでもない。

さらにCFOとして務めていた会社は、IPOを前提にストックオプションを多めに受け取ることで仕事を引き受けたこともあり、給与は決して高く無かった。

さらにそのいくつかの会社では、経営トップにまとまった代金を支払った上で直接株式を取得していたケースもあった。

要するに、貯金などほとんどなかったということである。

そして起業に際しては、運用していたなけなしの株式を売却し、また保険を解約するなどして作ったお金が500万円。

さらに親族から借りたお金が500万円の合計1000万円の元手である。

つまり、起業を思い立って無理やり用立てたという性質のお金を資本金にして会社を作り、その上で起業資金を申し込んだ状態だ。

何一つ、計画性が感じられるものはない。

 

この状態を、公庫の担当者側から俯瞰すると、どのように見えるだろうか。

私が担当者であれば、おそらくコイツは曲者ではないかという疑いを、捨てきることはできないだろう。

なぜなら、起業に際して親族から、友人から、知り合いからお金を借りてきました、などという人間は、一番うさんくさいからだ。

 

公庫の起業融資はほとんどの場合無担保であり、お金を貸した相手が返済せずに突然逃げたら、全く回収することができない。

つまり、相手が逃げるかもしれない可能性を常にどこかで警戒する必要があるわけだが、では、どんな人間が借りた瞬間に逃亡を考えるとお思いだろうか。

一つの例を挙げてみたい。

大企業でサラリーマンをしていたものの、長続きせずにドロップアウトし、さらに中小企業で役員を務めていたという金融にだけはやたら詳しい元取締役。

中小企業の役員時代には個人の資金繰りも切羽詰まっており、預金も全て溶かしている。

この状態では、もしかして表には出てこない借金も重ねているのは間違いないだろう。

いい年をして大した貯金もないのだからそう考えるのが合理的だ。

そしてその男が、ある日突然、善意の親戚からお金を借りて会社を作りましたと言っている。

さらに公庫に足を運び、500万円貸せと言ってきた。

どう考えても、個人的に借金を作った筋から脅されて、個人口座に1000万円入れてやるからそれで会社を作り、公庫から500万円引っ張ってこいと言われたのではないか、と思わないだろうか。

そして融資がおりたら、脅した側が1400万円を回収し、「経営者もどき」には100万円を握らせて消えろと命令する。

起業に際し、善意の人からまとまったお金を借りたといっているような人間であれば、このように疑われて当然であろう。

そしてそれは、まさに最初に、起業資金の公庫融資を申し込みに行った時の私の姿である。

 

この状態で、どれだけ魅力ある起業プランと将来像を描いたところで、担当者が本気で、未来予想図に耳を傾けるだろうか。

P/LやB/Sの数字に整合性があるかどうか、などという内容に興味を持って調べようとするだろうか。

そして、これは後日知った事実だったが、実際に公庫融資はかつて、このように悪用されるケースが非常に多かったそうだ。

そしてそれは、さらに形を変えて今も巧妙に、融資という名前を借りた「起業資金の取り込み詐欺」として、悪意の利用者に攻撃され続けているだろう。

 

だからこそ公庫は、時間を掛けて起業の準備をしているのか、という事実の確認に相当こだわる。

さらにもう一つ、起業を考えている事業と同じ領域での仕事経験の有無にも、非常にこだわる。

逆に言うと、起業をしようとする事業とは何の関係のない仕事で身を立てて来た上に、起業資金を計画的に積み立ててこなかった「経営者候補」が金を貸せと言ってきたところで、ほぼ100%貸さないだろうということだ。

そんな相手に不用意に貸して逃げられでもしたら、下手したら貸し出しを認めた責任者も、グルであることを疑われる。

というより、実際にそのような犯罪に手を染めたものも、過去にはいたと聞いている。

 

冒頭では、公庫は絶対にお金を貸さないと、やや刺激的なことを申し上げたが、それはこのような事情による。

私のように、本当に誠実に起業を考えて親戚筋からお金を借りたという事実があったとしても、それを証明する手段などないのだから、当然の対応だろう。

まさに身の程知らずの勘違い経営者である。

無担保でお金を借りるという行為は、そんなに甘いものではない。

 

一方で、例えば長年に渡り料亭で修行をし、毎月10万円ずつ貯金を積立て、10年かけて1200万円を作った料理人が開業資金の300万円を貸して欲しいと申し入れてきた場合はどうだろう。

預金通帳は、その料理人の10年に渡る熱意ある涙ぐましい起業準備への想いを雄弁に語り、一朝一夕では絶対に作ることができない足跡を確実に確認することができる。

その腕には、10年分の努力が確実に乗っかっており、なおかつ融資は、和食の店舗など目に見える形となって実際に作り上げられる。

逃亡資金の300万円なのではないか、などと疑う理由は、微塵もないだろう。

 

私がキレイな経営計画書を持って起業融資を申し込みに行った際、その内容に対する質問がほとんどなかった、というのは先に申し上げたとおりだ。

そしてこの例に挙げた和食の料理人のような人が、私より遥かに劣る、数字のケアレスミスが多い経営計画書を持ち込んでもおそらく同様に、それほど厳しい質問はされないだろう。

もはやおわかりだと思うが、その理由は180度違う。

 

私が、起業融資に際して経営計画書が最も大事だという説に疑問を投げかけるのは、このような経験談による。

そして後日談も含めて、また担当者からそれとなく聞けたことも含めて、おそらく概ね、正しい情報ではないだろうか。

これから起業し、起業融資を借りようと思っている人は、十分に気をつけて欲しい。

特に、これまでの修行とは関連性が薄く、なおかつ計画的に資金を用意していないのであれば、貴方の起業融資の申込みは拒否される可能性が極めて高い。

 

では、比較的新しい事業を始めようというリスクを恐れない元気のいい経営者は、公庫から起業融資を引っぱることを諦めなければならないのだろうか。

同様に、計画的に準備資金を用意してこなかった人には、もう他に方法はないのだろうか。

もちろん、それはそれで、そんなことはないので安心して欲しい。

次章以降では、このような自分自身の身の程知らずに気がついた私がどのように行動し、そしてどのようにして、最終的に公庫の起業融資を取り付けることができたのか。

そこに至る足跡を、解説していきたい。

 

 

3. 保証協会融資の意外な裏ワザ

さて、ここまでは意気揚々と起業し、120%の自信を持って申し込んだ起業融資がいとも簡単に拒否されたお話と、その理由について解説してきた。

プロの金融マンとしての経験があり、中堅企業から中小企業までいろいろなステージでCFOを務め、全くスキのない経営計画が立てられることを自負していた私だ。

ビジネスそのものにも自信があり、さらにいうとこの後、しっかりとビジネスを軌道に乗せる事ができたことから考えても、ビジネスの魅力と数字の説得力そのものに破綻は無かったはずである。

にも関わらず必要な資金を集めることができず、起業はいきなり頓挫するリスクを抱えることになった。

 

なお余談だが、公庫からの「落選通知」は支店によっても違うと思うが、ごく普通の薄い封筒で送られてきた。

中身を開けると、中身はお役所系らしい今どきB5判の、小汚い紙切れ一枚だ。

その用件と言えば、「貸せません」で済むところを、それだけ書くのはさすがに失礼ということなのだろう。

それでも余計なことも書けず、さりとて時候の挨拶程度しか追加で書くこともない手紙なので、行間がやたらと広い、全く内容がない紙切れ一枚が同封されている。

中でも、もっとも腹が立ったのは、「起業がうまくいくことをお祈りしています」という締めの定型文だろうか。

そう思うなら金を貸せと毒づいたものだが、そんなことを言っても状況は何も変わらない。

この悔しさだけは忘れまいと、その小汚い紙は今も記念に取っておいてあるが、経年劣化でさらに小汚くなっている。

そして、発奮したい時、ピンチの時にはその紙を見て、

「この時の方が、世の中の理不尽さをもっと感じて、もっとピンチだった。」

と思い出すことにしている。

大概のことは、その「お祈りレター」を見直すことで我慢できるので、今となっては何にも代えがたい私のお守りだ。

まさに格言通りの、「人間万事塞翁が馬」である。

もっともそれは、繰り返しお伝えしているように当時の私自身の身の程知らずが根本原因なのだが。

 

さて、とは言っても当時の私は、これ以上無いピンチに追い込まれている状態である。

やむを得ないので、設備投資の品質・量を、ビジネスが破綻する直前のレベルまで抑え、さらに各種支払いを1ヶ月ずつ調整させてもらうなどの工夫をして細い資金繰りを繋ぎ、兎にも角にも営業を開始することだけはできた。

しかしその状態は、発生する可能性が結構な確率で予想されるトラブルが一つ起きるだけでも、事業は破綻する程度の極めて危険な状態である。

わかりやすく言えば、台風が一つ直撃し客足が3日減るだけで破綻するような状態の小売業。

あるいは、会社のパソコンに入れるべきウイルスソフトをコスト削減で切り詰めているので、一発感染したら全てが終わるほどのヤバイ状態、と言ったところだ。

そのレベルで運転資金が足りず、そのレベルで投資が必要な資金を削減していた。

 

そのため、他にお金を借りる方法は無いのか、色々な方策を調べに調べ尽くした。

もちろんノンバンク融資は、この際候補にならないので、現実的な融資で言えば信用保証協会付融資が借りられるかどうかと言ったところだ。

しかし信用保証協会付融資は、一般に銀行からの与信がないと降りるものではない。

直接、協会の窓口に行って保証を取り付けることも不可能ではないが、起業したての経営者にはそのハードルは極めて高い。

というよりも、それ以上に事務手続きが非常に面倒であり、無駄に時間も取るので現実的に選択肢になり辛い。

そのため多くの場合、信用保証協会の保証がついた融資は、銀行を通じて手続きをしてもらうのが一般的だ。

銀行からすれば、僅かなリスクでお金を貸し出すことができて、新規の融資を立てることができる。

しかしながら、保証協会の保証がついた融資でも、万が一焦げ付いた場合には、銀行にノーダメージというわけではない。

何よりも、焦げ付きを連発させれば銀行そのものも無傷ではいられないので、いくら保証協会の保証付融資とは言え、銀行も貸し付ける相手を選ぶことになる。

このようにして、起業したてで銀行との付き合いも浅く、まだまだ人間としての信頼関係も構築できていない企業経営者は、一般に保証協会の保証が付いた融資も、そう簡単には借りることができない現状がある。

 

なお、よく誤解がある銀行からの融資だが、中小零細企業への貸し出しはほぼ100%、この保証協会の保証がついた融資であり、銀行が自分たちのリスクでそれらリスクの高い融資に取り組むことなどほとんどない。

そのため、銀行がお金を貸すところだと思っていきなり、何ら信頼関係も付き合いも深まっていない銀行にお金を貸してくれと申込みに行くというのは、相当メチャメチャな行為だ。

中小企業の銀行からの借り入れは、窓口になる銀行に対して与信を積み、その上で銀行から、「この経営者なら大丈夫だろう」と思ってもらった上で、更に保証協会に保証をさせた上でお金を貸すものである。

銀行とはこれほどまでに、自行で無謀なリスクを取ることなど無いことは、基本中の基本として知っておいて欲しい。

 

さてそんな事情は、中堅・中小企業でCFOを歴任している私にとっては常識であり、公庫融資を断られた私には、保証協会融資をすぐに取り付けるなど夢のまた夢だ。

会社には、CFOであった時に取引のあった地方銀行の担当者に連絡を入れ作った口座があるにはあったが、さすがに「起業すぐの対応は難しい」と、長年の人間関係など何の役にも立たない現実を思い知らされていた。

しかし、起業から間もない会社がまともな先から融資を取り付けようと思ったら、保証協会か公庫しか無いのである。

そして公庫融資は断られており、少なくとも1年近くは、再審査に応じてもらえない。

 

あちこちに話が飛んで恐縮だが、これも基礎知識として覚えておいて損はない話だ。

公庫融資は、いったん断られると最低でも半年、実務として1年近くは、再審査に応じてもらえることはない。

例えば、3ヶ月後に業績が急回復したから、今度こそ貸して貰えるだろうと足を運んでも、機械的に審査をはねられることになると言うことだ。

そのため、ある意味で公庫融資は、借り入れ申し込みの時期を含めて負けが許されない勝負を意識する必要がある。

併せて、しっかりと覚えておいて欲しい。

 

そんな中、偶然目に入った一つのチラシが、私の運命を変えた。

それは、当時私が起業し、本店を登記していた市が主催する起業セミナーであり、3ヶ月間合計で8回の勉強会に参加し、所定の能力があると認められた場合には、保証協会融資を低利で斡旋すると言うものだった。

率直に言って、セミナーの内容そのものは極めてチープなものだ。

それはチラシからも伝わってくるほどであり、

第1回 起業とはなにか、財務諸表とはなにか

第2回 経営計画の作り方と考え方

と言ったような具合である。

本職のCFOとして現場で仕事をしてきた私が参加しても、おそらく何一つ学ぶものは無いだろう。

しかし、全講習に参加すれば、市から保証協会融資の斡旋が受けられるというのであれば、それは事実上の融資の決定と言ってもよい制度だ。

私は早速、そのチラシに飛びついて、講習会の申し込み手続きをした。

 

なお後日談で知ったことだが、実はこのような地方公共団体やその外郭団体が主催し、修了者に保証協会融資を斡旋するような制度は、日本全国どこにでもある。

当時の私は、大都市で起業をしたのでこのような講習会が年に数回募集されていたが、よくよく調べれば、私の住んでいる片田舎の地元の市でも、同じ趣旨の講習会が開催されていた。

但し、その地元の講習会の方は、興味本位で申し込んでみたのだが、募集3日目にして早くも定員に達しており募集終了状態。

さらに、おそらく対応できる職員や士業の先生が圧倒的に少ないのだろう。

年に僅か1回、特に運の良い予算の付いた年には2回開催されることもあるという、参加が極めて難しいイベントであった。

 

さて、そのセミナーに申し込んだ後の話である。

やはり、セミナーそのものは内容が役に立つとは言えないものであったが、私にはここでも大きな発見があった。

それは、自分自身のCFOとしての能力など、自分が言っているだけで誰も信用などしていないという当たり前の事実だ。

公庫融資の際もそうだが、私が得意げに、これまでのキャリアやCFOとしての実績を誇らしく語っていたところで、おそらく担当者は、90%ほどはまともに聞いていなかっただろう。

もしこれが、中小企業診断士としての仕事や、公認会計士として関わった監査の内容であれば、あるいは公的な資格の、裏が取れるであろう仕事なので、少しは融資の審査に影響を与えるかもしれない。

しかし、誰も知らないような中堅中小企業で、私がCFOとして成し遂げたと自己申告している実績など、裏取りのしようが無いのである。

更に言うと、口で言っているその仕事のほとんどが実は、経営トップが99%進めた仕事であり、せいぜい書類作成のお手伝いをしただけの話を、針小棒大に語っているだけかもしれない。

というよりも、世の中のサラリーマンや勤め人は往々にしてそのように、自分が少し携わっただけのプロジェクトを、まるで自分がプロジェクトリーダーであったかのように語る。

 

つまり私には、上記のような

第1回 起業とはなにか、財務諸表とはなにか

第2回 経営計画の作り方と考え方

といった、企業経営者として最低限持っているべき素養を備えていることを証明する方法など、何一つ無いということだ。

であれば私には、公庫融資を最初に申し込んだ際、唯一自信を持っていたCFOとしての実績や経歴なども、実は何の役にも立っていなかったと言うことである。

ここでもまた、最初の起業融資の際に、全くお金を貸してもらえなかった理由を、思い知らされることになった。

 

その事実に気がつけば、後はこのような「チープなセミナー」も、私にとっては勉強をさせて頂き、しっかりと身につけるべき貴重な時間であると、取り組む態度が真剣なものになった。

なぜなら、「この経営者には、こういった素養があります」と、地方公共団体が証明しようとしてくれているのである。

これまでは、怪しいおっさんの裏取りができない自己申告に過ぎなかった能力を、公の機関がお墨付きをくれるというのだから、内容の平易さはともかくとして、講習会そのものには非常に熱心にならないわけがない。

そしてそのような熱意で、全8回の講習に遅刻・欠席無く参加した私は無事に修了証を受け取ることができ、市から保証協会に対し、低利融資の斡旋を受けられることが決まった。

 

なお余談だが、この際のセミナーそのものは、繰り返しで恐縮だが、内容そのものに知らないことはほとんどなかった。

しかしながら幅広い世代の男女が、経営者として独立することを目指し、数万円の参加費を支払って貴重な時間を使い参加する勉強会である。

それぞれに、経営者としての能力や経験値に差はあるものの、経営者になるという熱意や、経営者としてさらに大きくなりたいという情熱だけは、みな凄いものがあった。

そのため、結局この時にセミナーで一緒になった10数人の仲間とはその後も仲の良い飲み友達になり、今でも時々連絡を取り合うほどになっている。

そう言った意味でも、「起業セミナー」はとても良い経験になった。

全国の自治体では同様の講習会があるはずなので、起業を考えている人はぜひ、計画的に利用して欲しい。

 

さて、斡旋を貰った後の話だ。

市から保証協会に対し、経営者としての能力のお墨付きを頂いた私は早速保証協会が入るビルに足を運んだ。

古い記憶なので詳細はやや曖昧だが、結局そこでは、最初に公庫に提出した時とほぼ変わらない経営計画書に事業計画書などの各種ドキュメント。

それにキャッシュフロー計算書や利益計画書といった現預金関係の書類を広げて、公庫の時と同様に熱意を持って説明をしたが、担当者は淡々と話を聞き、淡々とメモを取っていた。

そして、後日結果をお知らせしますとあっさりと面談は終わり、そしてすぐに電話を受け取ることになった。

その内容は、「ご希望の額を満額、保証をさせてもらいますので、受け皿になる銀行を用意して下さい」というものであった。

 

少し解説すると、先にお話したように、通常保証協会融資は銀行を通じて申し込むものだ。

しかしこの場合、市から斡旋をもらい、直接保証協会に乗り込んだことで保証の決定だけは、先に下ろしてもらうという少し変わった流れで融資が決定した。

そして、煩雑な事務作業等は銀行にやってもらったほうが良いでしょうということで、受け皿になる銀行を用意するように言われたものである。

このようにして私は、公庫の起業融資を断られたからわずか半年ほどあったであろうか。

命の水とも言うべき銀行借り入れを調達することができ、やや計画から遅れたものの、当初の設備などを揃え、改めて会社のスタートを切ることができた。

 

あるいは結果論と言われるかもしれないが、この間、私は自分の経験や能力を勘違いし、思い上がっていたことをつくづく思い知らされ、本当に良い経験をさせてもらえた。

すんなりと融資がおりなかったので、思い悩み、資金の大切さを肌感覚で知り、悶え苦しんだ。

そして初めて保証協会融資を受けられた時、心底嬉しかった。

この嬉しさは、人の会社でCFOを務めていた時に10億円の融資を取り付けた時など比べ物にならない喜びだ。

何よりも、自分自身に経営者としての価値があり、与信があると、保証協会と銀行に認めてもらえたからであるが、その額はわずか500万円である。

しかし、この時のことは決して忘れないだろう。

失敗をしたからこそ、何がだめであったのかを真剣に考えることができる。

そしてその分、成功した時の嬉しさは格別だ。

当たり前のことだが、その全てが自分ごとであるために、初めて経営者になれた気がした融資であった。

 

さて、ここまでくれば、次は公庫へのリベンジである。

先に結論をお伝えしてしまっているので恐縮だが、この後、公庫に乗り込んでどのような流れがあったのか。

そしてそこから得た教訓は何であるのか。

次章で詳しくお話していきたい。

 

 

4. 日本政策金融公庫融資へのリベンジ、そして突破

さて前章では、公庫ではなく保証協会融資で当初の起業資金の融通を受けることができ、なんとか事業が軌道に乗り始めたところまでをお話した。

順番が前後してしまったが、今度は成長資金を取り付けるために、公庫に改めて乗り込むお話である。

本来であれば、起業融資を公庫で実績を作ったのちに成長融資を保証協会でと考えていた私には、最初から大きな誤算ではあった。

しかし、お金に色はついていないので、融資を取り付けることさえできれば、その順番の前後はこの際どちらでも良い。

ただ、リベンジの意味を含めて、公庫からは融資を取り付けなくては気が済まなくなっていた。

そしてこの時、起業融資が出揃う時期が遅れたこともあり、経営計画はほぼ半年遅れでの立ち上がりとはなっていたが、数字の立ち上がりそのものは順調な状態であった。

まさに当初、公庫に提出し融資の申込みを行った際の立ち上げ計画に近い進捗であったが、そんなこともあり私は意気揚々と、ご丁寧に通帳のコピーなども引っさげて、改めて支店に乗り込んで行く。

 

おそらくこの時は、最初の融資が拒否されてから概ね10ヶ月ほどが経っていた頃であっただろうか。

その旨を受付で伝え、まだ間が短すぎて機械的にはねられるようであれば出直しますと伝えたが、そこは問題にならないと言われ、すぐに担当者を付けてもらった。

そして後日、指定の日に支店に赴くと、出てきたのは前回と違う若い男性。

聞けば、前の担当者は転勤になったということで、せっかく個人的にもリベンジしたいと思っていたところ、楽しみが半分減ったような気がしたが、それは本筋ではない。

さっそく、前回の起業融資を断られた話を正直に話し、

「その際は、ご丁寧なお断りの手紙を頂きましてありがとうございました」

などと、精一杯の皮肉を伝えることで少しだけ溜飲を下げるところから会話を始めた。

そして、公庫に残っているであろう前回の経営計画書の原本を広げ、税理士にしっかりと作ってもらった、足元の月次決算の資料も見せながら、経営計画が上振れで進捗していることを説明した。

 

なおここでも、私は一つ学習していることに留意して欲しい。

本来であれば、起業したての会社の単純な財務諸表ぐらいのものは、私は自分で作ることができる。

その気になれば、決算も自分で済ませることができるだろう。

しかし、公庫に持ち込む資料を自分で作ったところで、そんなものはお手盛りのやり放題だ。

決算も同様である。

そのため、地域では最も大きく、少し知られた税理士法人に、この程度の規模の会社の月次決算を詳細に管理し、資料を作ってもらっていた。

そしてこの際に持参した資料の右肩には、その税理士法人の名前が印刷されているものであった。

もちろん、経費のことを考えれば自分でやるのは一つの方法であろう。

しかし私の場合、会社を成長させるためにある程度の資金を必要としており、それは銀行との付き合いなしには得られない成長の原資でもあった。

そのため、自社の与信を補完してもらうためには、外部の専門家に「監査」してもらいながら経営をしているように形を整えるのは、非常に大事なことである。

そしてそのための経費は、自分ができるかできないか、と言う問題ではなく、専門家にやってもらう価値があり、そのための費用である、と言う意味で、必要な投資であると割り切っていた。

このようにして私は、税理士法人に作ってもらった資料を携えて、公庫に乗り込んでいた。

 

話を戻す。

前回、起業融資を断られた際に提出していた「1年後の見通し」など、事業の立ち上がり予測資料も広げながら、私は足元の月次の状況を説明していった。

そしてそれら計画は、僅かではあっても各月で実績が上回り、順調な事業の立ち上げを見せている状況を示していた。

この際の私の正直な気持ちは、「ほれ見たことか!」ではあるが、既に違う担当者になっているのでそこは楽しみが半分ではある。

そしてこの際、新しい担当者の反応は、もう最初から融資を決めているかのようなものであった。

数字について簡単にチェックし、1年後の予想、3年後の予想など、一通りの資料に目を通すが、ここについての質問はほとんどなかった。

つまり、良い意味でそれほど関心がない状態である。

既に1度、将来予想を立てて、それ以上の実績を見せたのだからある意味で当然だ。

疑われる理由もなく、淡々と資料の確認作業は進んでいった。

 

ただこの際、一つだけやや厳し目にチェックが入った場所といえば、設備投資の内容だろうか。

正直この際の設備投資は、システムの増強と開発の費用であり、その価格が適正かどうかについては、第三者は愚か実は私にも、確たる自信は持てないものであった。

おそらく、一からシステムを作ってもらおうとすればこれくらいの相場になるだろうと言う思いで契約を進めていたが、公庫からすればやはりここは危険な匂いを感じたのだろう。

なぜなら、何度も繰り返してお伝えしたいことではあるが、公庫には悪意を持って近づいて来る悪党が実に多いからである。

そのため、私には本当に悪意がないか。

もし悪意があれば、架空の設備投資資金をだまし取ってそのまま消える可能性もあるのではないかと、疑わざるを得ないということだ。

 

そう言った意味では、あるいは公庫融資は、逃げるわけがないような本社ビルを持っているような会社が有利なのかもしれない。

起業したての会社が本社ビルなんか持っているわけがない、というのはもちろんそうなのだが、要するに、いつでも家賃を踏み倒して夜逃げできる程度の雑居ビルに、机とPCだけを持ち込んで営業をしているような会社だ。

目先で少し売上と利益が上がっているからと言って、面倒な仕事をするくらいなら、まとまった融資を設備投資名目でだまし取って、そのままどっか海外にでも消えたほうが人生楽だと考えている輩がいないわけではないだろう。

そのように疑われる可能性を考えなくてはいけないのは、当然である。

 

そしてこの融資の際にも、設備投資の実態と内容、そしてその有形固定資産はどこに設置されるのかと言った事実関係の確認には、公庫は非常にこだわった。

その意味では、無形固定資産(ソフトウエア)見合いだけの融資の申込みであれば、これだけの実績を積み上げた上での申し込みでもなお、場合によっては断られたかも知れないと思っている。

それほどまでに、公庫融資というものは、起業融資という性質上、

・その経営者は本当に経営者なのか
・貸したお金は、本当に申告された通りに使われるものなのか
・どこかに嘘はないか

ということを、常に真剣に考え、見抜こうとしていると思って欲しい。

 

そのような緊張感もあったが、結局審査の面談は無事に終わり、後日、融資は満額降りることが決まった。

ただしこの際も、設備投資に使用するリストの明細と支払い先の確認、それに確か、本当に支払ったのかのチェックも入ったように記憶している。

10年近く前のことなので記憶はやや曖昧だが、これほどまでに実績を作っていながらなお、このレベルで疑ってかかってくることに驚いたが、逆に言えばそれほど、公庫には悪意を持った、起業融資を装った「取り込み詐欺」のような輩が近づいてくるということである。

ぜひ、十分に注意して欲しい。

 

ここで少し最初に戻りたいが、私が公庫に初めて融資を申し込んだときの状況だ。

私はCFOとしてキャリアを積んだ、財務のスペシャリストであると自己紹介して公庫を訪問した。

にも関わらず、小売業のサポートをするような事業を、インターネット上で展開したいという内容の事業計画を説明し、お金を貸して欲しいと申し込んでいる。

さらに、会社の設立は行き当たりばったりで無計画であり、個人的な資金繰りも逼迫しているであろうことが容易に想像できる状態であった。

 

なぜ当時、私が自分自身を客観的に見ることができなかったのか不思議で仕方がないが、こんな経営者もどきは、高確率で起業融資の取り込み詐欺と疑われて当然であろう。

にも関わらず、断られた理由がわからずに逆恨みに近い感情まで持ったのだから、実に愚かな起業であり、経営者であった。

ぜひこれから起業し、公庫融資を利用しようとしている人は、自分がこのような、私のような目で見られていないかどうかに、十分に注意し配慮して欲しい。

 

そして、このような怪しい経営者と思われてしまう環境が整いすぎている場合の対応だ。

こうなればもはや、どのような手段を使おうがどれだけ完璧な資料を揃えようが、起業融資を引き出すのは極めて困難だろう。

であれば私のように、まず始めに公庫融資を借りようとするのではなく、保証協会の融資を先に借りることを検討するべきだ。

そしてこの際、客観的な与信がない自分に、僅かでも与信を上積みできる何かを用意することである。

私の場合、それは市の主催する起業セミナーであり、市が斡旋する、融資を受けるにふさわしい経営者であるというお墨付きを得ることであった。

 

なおこのような起業セミナーは多くの場合、起業した後の経営者だけを対象にしているのではなく、当たり前の話だが、これから起業しようとしている人も対象にしている。

そのため、将来的に起業を考えている人は、せめてこの程度のことは計画的にセミナーにまず参加してから、起業を考えてもよいだろう。

私の場合順番が前後してしまったが、もし私がこのような斡旋を受けられる制度の存在を知っていれば、おそらく起業前に講習を受け、いつでも保証協会融資に斡旋が受けられる有資格者の状態を確保してから起業したはずだ。

確か、セミナーの後には斡旋を受けられる有効期間があったようにも記憶しているが、その辺りも含めて計画的に起業をすることである。

そうすれば、起業とほぼ同じタイミングで、ややリスクの高い事業であっても起業資金見合いの融資を得ることができるだろう。

私のような立場で起業を考えている人が、最初から融資を受けようと思ったら、おそらくこれが唯一にして確実な方法ではないだろうか。

 

なおこのようなセミナーは、市が主催している他、市の外郭団体が主催しているケース、あるいは地域の商工会議所とコラボして実施しているケースなど、色々な形があるように聞いている。

そのため、起業する(本店を登記しようとしている)都道府県や市町村で、どのような制度の恩恵を受けられるかは一概にはお伝えできない。

まずは最寄りの市役所などで産業を進行する部署に足を運び、そのような勉強会の有無を問い合わせたら良いのではないだろうか。

 

起業融資は、意外にも公庫だけが唯一の選択肢ではないということだ。

あるいは私の場合、既に事業が立ち上がっていたこともあり、すぐに保証協会の融資が降りたという側面があるのかも知れない。

しかし仮にそうであったとしても、事前にこれら制度の存在を知っていれば、もう少しタイムリーに、必要な資金を必要なタイミングで得ることができていただろう。

ぜひ私のような、身の程知らずにも程がある公庫融資を最初から狙いに行くのではなく、より確度の高い資金調達から、安全性の高い起業を目指して欲しい。

 

 

5. まとめ

世間ではよく言われていることだが、大企業の看板で人間関係を作っていた人が、独立した瞬間にそれまでの取引先から相手にされなくなるという経験談。

確かに販売や仕入れなどは、よほどその人に人間的な魅力がない限り、独立したからと言ってすぐに、大企業からその人が独立した会社に仕事先を切り替えるようなことはありえないだろう。

そのようにして、大企業の看板で仕事をしていた人は独立後に最初の壁に当たる、というストーリーはありふれてはいるが、一方で間違いなく事実でもある。

 

ただし、本当に独立をすれば、事実はこんなに生易しいものではないことを思い知ることになるだろう。

私の場合、最初の壁は銀行借り入れどころか、銀行口座の開設であった。

それまで私は、銀行口座やクレジットカードの発行は、銀行から頼まれて嫌々するものだと思っていた。

中堅クラスとは言え、それなりに年商がある会社で役員をしていると年会費5万円もするようなクレジットカードを作るようすごい勢いでお願いされ、そして渋々作ったりすることもあった。

 

しかし、会社を設立し代表取締役になった途端、クレジットカードなど、最もグレードの低い一般カードですら審査に落ちるようになる。

さらに、ショックだったことは、法人口座を開設するために、会社から一番近い都銀の支店に足を運んだ時の話だ。

一通りの必要書類を揃えて窓口に行き、法人口座を作りたいと申し出ると、ものの5分ほどで全ての書類を突き返され、

「恐れ入りますが、ある程度営業の実態が伴ってから改めてお越しください」

と言われてしまった。

会社を設立し、代表取締役になるということはこれほどまでに、あらゆる意味で与信が0になることを意味する。

業歴が0で、事務所もいつでも閉鎖できる程度の規模であり、従業員もせいぜい数名程度。

こんな会社には、銀行はお金を貸すどころか、法人口座を作るという信用すら与えないということだ。

 

私自身、独立をするということに覚悟を持っていたつもりではあったが、そんな覚悟は全くもって世間知らずの、形ばかりのものであった。

そして、客観的に見ればそのように扱われて当然の事実を前にして、世の中の理不尽さを逆恨みすることも多くあった。

 

確かに、日本で起業をすることの難易度はやや高過ぎるような気がしなくもないが、裏を返せばそれだけ、起業という体裁を装って悪いことをする輩が多いということである。

自分だけは誠実に、信頼してもらえるように経営をするから大丈夫、などと思っても無駄である。

経営者にとっての信頼とは、業歴の長さであり、売上であって利益だからだ。

100の誠実な言葉など、業歴半年の会社の与信にすらかなわない。

 

これから起業をしようとする人、公庫融資を利用しようとしている人は是非、独立という行為は自分が思っている100倍以上にも、客観的な信頼を貰えない立場から付き合いが始まることを肝に銘じて欲しい。

その上で、上手に与信を積み重ねて行くことができれば、融資も売上も必ずついてくるだろう。

読者の皆さんにとって、僅かでも参考になるお話がご提供できていれば幸いだ。

 

最後に…

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◆合わせて読みたい記事

参考記事①:日本政策金融公庫で融資を受ける|メリットとデメリット総まとめ

参考記事②:信用保証協会で「融資を受ける」メリット・デメリット総まとめ

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