【実録】引受先が見つかる!第三者割当増資の実施方法とは?
会社経営者にとって、資金調達の手段というものは本当に多種多様だ。目的に応じた資金の調達方法を選び、リスクに応じた金利を負担し、もって事業を成長させる原資に充てるわけだが、私はその中でも第三者割当増資による資金調達ほどよくできたものは無いと思っている。
なお、念のために第三者割当増資とは何か、ということに簡単に触れておくと、会社で新たに株式を発行し、その株式を第三者、すなわち会社やその会社の経営者以外の誰かに引き取ってもらい資金を得る方法をさす(注※)。文字通り、第三者に株式を割り当てて資本金を積み増し、資金を調達することから、第三者割当増資と呼ばれる。
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参考記事①:エクイティファイナンスの仕組みと、資金調達を成功させる3つのコツ!
参考記事②:【保存版】ベンチャーキャピタルで起業資金を調達しよう!メリット・デメリット
参考記事③:【サンプル有】第三者割当増資が成功する!事業計画書の書き方とは?
よりわかりやすく言えば、会社を始めた時に資本金として積んだお金を、新たに積み直すとイメージしてもらったら良いだろう。
会社を起こす時には誰しも、当面必要なお金として資本金を積む。仮に1000万円とする。
その後、新たな事業を始める為に追加で1000万円の資本(手元資金)が必要になったとしたら、どうしたものかと色々考えてみるはずだ。
この新たに必要になった分は、もちろん自分で出しても構わないし、銀行から借りても良いだろう。
自分で出すと決めた場合には、その行為は単に増資と呼ばれる事が多い。
この場合、会社の口座に会社のお金として、経営者の口座から入金するので「自己資本」として計算されることになる。なおここで言う「自己」とは、法人としての会社目線だの「自分」だ。
経営者自ら会社の事業のために会社のお金として積んだものなので、もちろん返済の必要はない。
そして会社の資本としてカウントされるので、「資本金」として積み上がることになる。
そして、出資の対価である法律で定められた株主の権利を、経営者自らが受け取る。
必要な分を銀行から借りる場合は、もっとも馴染み深い考え方だろう。単なる借入金だ。
会社のお金ではなく他人のお金(債務)として口座に入金されるので、自己資本に対して「他人資本」と呼ばれる。
借りたお金なので会社のお金ではない。
もちろん返済の必要があり、会社の自己資本、すなわち資本金には積み上がらない。
この2つの方法はとてもわかり易く、多くの経営者にとって馴染み深い資金調達の方法だろう。
そして、これ以外の方法として、誰かに自己資本として出して貰う、という選択肢が第三者割当増資だ。
経営者が自分で出すべき所を誰かに出してもらい、事業を大きくしようというのだから、とてもチャッカリした方法である。
しかも、会社目線での自己資本なので、誰かに返済する必要もない。銀行借り入れで言うところの利息の支払いも必要ない。
誤解を恐れない言い方をすれば、会社の事業を応援するサポーターが突然現れて、寄付をしてくれたように感じると言ってもいいだろう。
もちろんそんなわけはなく、投資をした株主にはその結果に応じた権利が。資本を受け入れた法人には、株主に対する義務が発生するわけだが、一義的な肌感覚としてはこのように勘違いしてしまう経営者すら居るほどに、とてもありがたい資金調達の方法だ。
それほどまでに第三者割当増資とは、うまく活用をすればあっけないほど簡単に、まとまったお金を調達できてしまう。
ぜひ、この資金調達方法については、精通しておくことをお勧めしたい。
では、そんな調子のいいことを書いている私は、本当にそんな簡単に資金調達をした経験があるのか、ということだ。
しょせんネットで得た知識を適当に書いているだけなんだろう、と思われるかも知れないので、少し私のことを先にお話しておきたい。
結論から言うと、ある。それも、ちょっとした街の中小企業経営者にとっては想像を絶する単位であろう資金調達を、何度も繰り返してきた。
最初に第三者割当増資でまとまった資金を得たのは、27歳の頃だった。もうずいぶん以前の話だ。
業界大手の大和証券を退職しITベンチャーのCFO(最高財務責任者)に転じて、IPO(株式の新規上場)を目指すポジションに就いた時だった。
ある先進的な、時代を先取りするビジネスモデルで一躍注目を集めている企業だったこともあり、多くのVC(ベンチャーキャピタル)や事業会社が、当社に注目をした。
そして、必要になるエンジニアの採用コストや事務所費などは全て、第三者割当増資で賄った。
増資は数回に分けて行ったが、最終的には5億円を超える資金を調達している。
さらに、あるメーカーでCFOに就いた時には、新たに工場を建設するに際して銀行借り入れではなく第三者割当増資をメインにして資金調達する計画を立て、こちらも5億円ほどを調達している。
また、資本業務提携の一環として、単に1億円を「受け取っただけ」のこともある。
いずれももちろん、投資家側には投資をするメリットがあったわけだが、それは次章以降で説明していきたい。
要するに、第三者割当増資とは、会社を成長させる上で、あるいは経営危機に際しての資金調達の手段として、とても一般的であり簡単なものであるということだ。
いくら私が元大和証券の社員であったとしても、最初のエピソードは20代の頃の話である。
その若造でも、投資家に対して投資をするメリットを説き、定量的・定性的に投資をする価値を伝える事ができれば、第三者割当増資は誰にでも取り組むことができるということだ。
この選択肢を知っていることと、知らないことの差は、本当に大きい。
当然に知っておくべき選択肢を知らないために、取引先や従業員に迷惑をかける結果になるのであれば、それは経営者として余りにも勉強不足であり怠慢であると言ってもよいだろう。
本稿ではそんな第三者割当増資について、そう言った方法が存在しているということをほとんど知らないという経営者から、既に第三者割当増資を実施したことがあるがより深く知見を得たいという経営者までを対象に、理解を深めてもらうことを目的に筆を進めたいと考えている。
その意図するところは、経営者にとって新たな選択肢を提示することで、より経営の選択肢の幅を広げ、もって会社の成長に繋げてもらおうというものだ。
なお、多少適用条件や実施環境は厳しくなるものの、その資金調達の目的はもちろん、経営立て直し策の一環として用いることももちろん可能だ。
実際に私自身、中堅レベルの企業でCFOをしていた際に、東証一部上場の同業他社から第三者割当増資で資本を受け入れ、経営の立て直しに一定のめどを付けた経験もある。
そのようなお話を含め、ロジックと実践を織り交ぜながら、どのようにすればこの資金調達の方法を賢く使いこなすことができるのか。
そんなことを目的にわかりやすく、解説をしていきたいと考えている。
読者の皆さんに、僅かでもお役に立てることがあれば幸いだ。
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1. 証券の第三者割当とはそもそも何か、どのように使うものなのか
さて最初にご説明したいのは、そもそも第三者割当増資とは何であり、どのように活用するものなのか、ということについてだ。
触りについては先述のとおりなので繰り返しのお話は省略するが、ここでのご説明は主に、自社と自分(経営者)以外の第三者から資本の提供を受けるというのはどういう意味なのか、ということである。
一般的に言って、会社は株主のものだ。
もちろん、会社は社員のものであるという考え方や、会社はお客さんのものである、という読み物を目にすることも多いが、こと、「会社の意思決定権は誰にあるのか」という意味で言えば、会社は株主のものである事に疑いの余地はない。
会社の定款で特別な規則を置いている場合であればともかく、このコラムをお読み頂いている株式会社の経営者の場合であれば、100%が通常の株式会社として、普通株の株主に会社の最高意思決定権を付与しているだろう。
すなわち、50%以上の株式を保有していれば通常想定される会社の意思決定を全て支配することができ、66.7%以上の株式を保有していれば事業の売却や廃業といった、会社の形を根本的に変えてしまう意思決定すら支配できるという統治の形だ。
それが株主の権利であり、会社に対してお金を出資したことの見返りの一つとなる。
そして第三者割当増資で社外の人物あるいは法人などから資本を受け入れるということは、この株主として、会社の意思決定を行う事ができるメンバーとして受け入れることを意味する。
当然のことながら、その持株比率によっては会社の意思決定権に重大な干渉を受けることにもなるので、無計画で安易な第三者割当増資の実施は、取り返しのつかない結果につながる。
なお先に結論を言うようだが、第三者割当増資によって一度作られた株主構成は、将棋の待ったのように時計の針を巻き戻すことなど絶対にできない。
一度受け入れ株主になった法人や個人は、特別な株式や特別な規定がある場合を除いて、なんらかの強制力を持って株主である権利を剥奪することができないからだ。
例え後から反社(反社会的勢力)であることが判明した場合であっても、投資契約書などで特別な取り決めをしていなければ、契約を無効化することも極めて困難である。
その場合、会社は本当に大変なことになる。
一番の大きな問題は、会社のオーナー(株主)に反社がいるとなれば、おおよそまともな経済活動ができなくなってしまうことだ。
そしてそのことが明らかになれば、銀行も取引停止になり、売掛金の決済すらできなくなるだろう。
しかし今さら、第三者割当増資を取り消すことなどもはやできない。そして一部の反社は、そのような状況に会社を追い込み、高値で株式を買い戻させることを目的に、第三者割当増資に応じ会社に潜り込もうとすることすらあるくらいだ。
まさに、世の中にうまい話など無いという見本のような授業料である。
このようにして、無計画で安易な第三者割当増資は会社を窮地に追い込むことになる。
第三者割当増資とはすなわち、会社の所有権たるオーナーシップ(持ち株比率)を決めることそのものであり、安易に考えてはならないという前提を強く意識する必要がある。
そして、資本に関する会社の政策のことは一般に、資本政策と呼ばれる。
資本政策とはこのような第三者割当増資などを始めとした会社のオーナーシップの設計図であり、会社の中長期的なあり方の中でもっとも大事な計画の一つとなる。
第三者割当増資とは誰にでもできるが、有効に使いこなす為には計画的で意味のある使い方をする必要があることを、入り口の前提として大事にして欲しい。
このような前提をおいた上で、それでは有意義な資本政策を立案し、第三者割当増資を有効に使いこなすために知っておかなくてはならない知識には何があるのか。
それを以下、3つの切り口から解説をしていきたい。
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1-1.株価の決まり方
まず大事になる考え方は、第三者割当増資を実施する際にはどのように株価を決めればよいのか、ということだ。
あるいは古い経営者の方であれば、「え?株価って1株5万円でしょ?」という考え方をしている人も、未だに結構お会いすることがある。
もちろん実際には、昭和の時代から何度も何度も法律が変わっているので、会社が発行する株式の総数も株価も、決まりもなければ目安も参考値すらない。
会社が必要に応じて、自社で設計をすれば良い。
話をわかりやすくするために、第三者割当増資などに初めて臨む人で株価を決めかねている経営者の人は、株価という考え方は一旦脇において、会社全体の価値、という考え方を持って欲しい。
今自分の会社にはいくらの価値があると思うか、言い換えればいくらであれば売っぱらっても良いか。逆の目線に立てば、いくらなら買ってもよいか、と思えるかだ。
おそらく売上高が10億円あっても、1億円の赤字がある会社であれば、そんな会社は引き取りたくないだろう。
持っているだけでいつか必ず会社とともに死ぬことになるからだ。
逆に、売上高はわずか1億円でも、毎年5000万円の利益が出ている会社であればどうだろうか。
経営トップが芸能人でその人の才能だけが売り物であるような特殊事例の場合はさすがに買えないが、街の小さな良くあるものづくりの会社などであれば、少なくとも1年分の税引後利益、すなわち3000万円程度でなら買っても良いと思えるのではないだろうか。いくらなんでも、1年で会社が急変することはないだろう。
つまり、利益の1年分くらいならまあ、リスクを負って購入してもいいと思えるかもしれないということだ。
そしてそのリスクは会社の業態や規模、利益の額等によって異なってくるということになる。
すなわち、業歴30年の地域に根づいた町工場で、毎年5000万円の経常利益が上がっているのであれば、場合によっては5年分の利益で買っても損をすることは無さそうに思える。
一方で、ぽっと出のインターネットショッピングはどうだろう。
業歴は2年ほどで、去年の利益は確かに5000万円上がっているものの、扱っているものは単品通販でなおかつ参入障壁が低そうな健康食品であった場合を想定していて欲しい。
私なら、去年1年分の利益どころか今現在の入金が確定している売掛金くらいの評価でしか、とてもリスクが大きくて買うことはできない。
すなわち、売上の3ヶ月分程度ということだ。
驚くかも知れないが、これがもっとも単純であり、そしてM&Aマーケットでも実際に使用されている会社の価値の決まり方の、原則的な考え方だ。
もちろんそこには、DCF(ディスカウントキャッシュフロー)方式であるとか、一株辺りの利益を比較した類似会社批准方式、といった小難しい理屈はある。
そして、簡単なことを難しく説明したがるエライ人ほど、こういう難しい専門用語を持ち出して物事を複雑に説明したがる。
しかし、これから第三者割当増資に臨もうと考えている経営者、あるいはどのように適切な株価を考えれば良いのか、ということに悩んでいる経営者にとって大事なことは、その小難しい理屈の原則は何か、ということに対する理解そのものだ。
そしてそれこそが、「いくらなら会社を買ってもいいか」ということを、利益あるいはそこから生み出されるお金を基準にして計算する、という考え方である。
極めて単純だ。そしてそれ以上に難しいことは、実際にディール(取引)が始まってから考えるか、必要な時に専門家から説明を受けたら良い。原理原則を知る上で、小難しい話は必要ない。
その上で、自社の話に戻る。
自分なら自社全体をいくらで買おうと思えるのか。
そして、それに応じたオーナーシップの持ち分を分割して出資を受け入れるのが、第三者割当増資ということである。
自社の発行済株式の総数を、仮に1000株としよう。
経営者としては、自社全体の価値を10億円はあると自分で評価してみた。
であれば、その時点での一株辺りの株価は10億円÷1000株=100万円/株ということになる。
この状態で1000万円を第三者割当増資で調達したいなら、10株を新規に発行して買い取ってもらうという計算だ。
そして発行済株式数は1010株となり、経営者の持株比率は1000÷1010で99%、第三者割当増資に応じてくれた人の持株比率は1%となる。
もちろん話を単純化しているので、これではその時の会社の評価が10億円ではなく10億1000万円だよね、というスタート時点の時価総額の想定になるのだが、そういう細かいツッコミはご容赦願いたい。
また実際には、やはり公認会計士などによる株価算定などが必要になるので、一方の言い値で株価が決まるのは経営者同士がよほど仲良しの場合で、お互いに株を持ち合おうかと話し合った時くらいのものだ。
そういった前提はもちろんあるが、ただ、第三者割当増資で自社がどれくらいの株式を発行し、いくらくらいを調達することができるのか。
その際の株価はどのように考えたら良いのか。
その考え方の目安としては、今現在の利益を稼ぐ力。そして将来に渡りどれくらい安定的に、そしていくらくらい継続的に利益を稼ぐ力があるのか。
それがもっとも大きな要素になる、というエッセンスをここでは拾い、理解して貰えれば良いだろう。
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1-2.持株比率の考え方
会社全体の価値と、そこから推測される株価についての考え方の基本を抑えたら、次に考えたいのは持株比率だ。
すなわち会社経営者としては、第三者割当増資と引き換えに、会社のどれほどの所有権を相手に引き渡してもよいか、という考え方になる。
なおこの考え方は、単純に目の前の第三者割当増資だけを意識して決めては絶対にならない。
なぜなら資本政策とは、何度も言うが、そして何度でも言う価値があるが、二度と取り消すことができないものだからだ。
安易に第三者割当増資を実施してしまった経営者は、将来のどこかの時点で、「やっぱりこうしておけばよかった」と、1度は必ず考えるものだ。
そうならないためにも、今現在必要な資金はいくらであるのか。
そしてその資金で会社はどれくらいの成長が見込めるのか、その対価として、その持株比率を引き渡すのは妥当なのか。
もちろんこの時点で、ややこしいことを考えずに銀行借り入れで済ませたほうが無難なのではないか、という原点に戻ることも重要だ。
大事なことは、会社のオーナーシップを一部引き渡すことはそれだけ、他人あるいは他社と意志を共有しながら経営をしていく決断をしたということである。
そしてその見返りとして、その出資者には会社として何を与えられるのか。
場合によっては、毎年のほそぼそとした配当だけで満足するかも知れない。
よくあるパターンでは、IPOまで会社を成長させて、キャピタルゲイン(株式を売却したことによって得られる利益)を目的に出資する投資家も居るだろう。
第三者割当増資で資本を受け入れるということは、人の資本を預かり、自己資本として運用することである。
その資本は当然のことながら有効に活用され、より大きなリターンになって返ってくることを、投資家は期待している。それがどういう形であっても、損をしてもいいから好きに使えという投資家などまずいないだろう。
そしてそういう投資家の思いに応えるために、自社の状況を勘案しながらどれほどのオーナーシップを引き渡すのが妥当なのかを、考え無くてはならない。
わかり易い例で言えば、将来に渡りIPOまで到達する意志がなく、また第三者割当ももう二度とする意志がないような場合であれば、一つの目安になるのは1/3以下だろう。
会社の株式は一般的に、持株比率によってその株主に与えられる権利が大きく変わってくる。
その中でも特に大きな意味があるのは3つ。
1/3、1/2、2/3という数字だ。
他にも3%以上を持っていれば会計帳簿を閲覧する権利や株主総会の開催を請求する権利を持つことができる少数株主権というものも存在するが、この際スペースを割いてまで解説する意味が薄いので割愛する。
話を元に戻す。
まず1/3という数字についてだ。
持株比率が1/3以上の株主は、会社が事業を売却したり分割したりといった特別な経営判断を行う際に、それを拒否する権利を持つ。例え過半数が賛成し、66%の株主が賛成をしても、1/3以上、すなわち33.4%以上の株主が反対すればその議案は株主総会を通らない。
仮に第三者割当増資で外部の株主に35%の持株比率を与えた場合、もはや会社は、株主総会で特別決議が必要になるような大きな経営判断を経営者単独の持株比率だけでは決定できないことになる、ということだ。
このあたりはひとつ、将来に渡り維持するべき持株比率の一つの目安になる。
次に1/2だが、これは多くの説明は必要ないだろう。
第三者割当増資で持ち株比率の半分を引き渡すというのはすなわち、他人もしくは他社に、実質的に自社を買い取ってもらうという行為だ。
実際に、経営危機にある会社がこのような方式で緩やかに、他社の傘下に入る事例は多い。
つまり逆に言うと、半分以上のオーナーシップを手放して資金を調達するということは、会社のオーナー経営者であることを放棄して雇われ経営者になることを意味する。
意識して実施する分にはもちろん問題ないが、まさかとは思うが、無意識にやらかしてしまうことだけはくれぐれも注意して欲しい。
最後に2/3という数字だ。
これはどちらかと言うと、第三者割当増資で資金を調達する側ではなく、出資する側が意識する数字になる。
すなわち、あらゆる経営の選択肢を単独で行うために必要になる持株比率であり、これを引き渡すということはもはやあらゆる抵抗の手段を失うことを意味する。
逆に出資する側の目線では、これを得るということはあらゆる経営の選択肢を握るということだ。
こうなるともはや、資金調達の手段としての第三者割当増資という範疇からは逸脱する話なので、ここではこの程度の話にとどめて次に行きたい。
以上のように、第三者割当増資を実施するに際しては3つ、意識する必要がある持株比率があり、その株主の権利が法律で定められている。
目の前の資金調達だけでなく、将来に渡る資金調達までをも視野に入れて、この数字を意識した資本政策を考える必要があるだろう。
1-3.有能なブレーンを得る
さてこのタイトルは、もし可能であればぜひ心がけてほしいという話だ。
経営者である限り、なかなか資本政策の事を専門に考え、また株主対応や適切な情報のディスクローズなどは、常に考え続けられるものではない。
また増資はゴールではなく入り口であることも多く、そこからお互いの利益のために株主との良好な関係を築くことも重要になってくる。
なぜなら、株主にとっては出資先の経営状況は何よりも重大な関心があり、その利益は自社の利益にも直結するからだ。
これは裏を返せば、株主と自社は一蓮托生の仲になったと言っても良い状態だ。
すなわち出資先の経営が頓挫すれば、出資したお金は全てドブに捨てることになる。
少し上手く行っていないだけであれば、もう少しなら追加出資しても良いということになる株主も実際には多い。
そんな時に大事になるのは、資本政策の立案から株価の算定も含めて、120%自社の利益を考え、自社と株主の利益を両立させることに芸術的な才能を発揮する専門的な役員の存在だ。
それがCFOであり、あるいは経営企画担当役員がその任を担うこともある。
いずれにせよ、経営者は本質だけを理解し本業に集中する。
テクニカルなことは、餅は餅屋でそれらの役員に任せることができれば、一気に資金調達の選択肢が広がるだろう。
このこともぜひ、第三者割当増資を考えられる規模の会社にまで成長できれば、一度は考えて欲しい。
有能なブレーンであれば、会社の成長は飛躍的に加速することになるだろう。
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2.事業会社からの資金調達とVCからの資金調達の違いとは、そのメリットとデメリット
さて、第三者割当増資の基本的な考え方を抑えてもらったら、次に考えてもらいたいポイントは、「誰から資金を調達するのか」ということになる。
いくら自社に魅力的な商品やサービスが有ったところで、それを理解し、なおかつ出資をしても良いとまで考える法人あるいは個人となれば相当限られる。
というよりも、未上場企業への投資を実際に行う主体は大きくは2つだけしかないだろう。
1つは、VC(ベンチャーキャピタル)と呼ばれる、主に投資と回収(ファンドの運用報酬も大きな収益源だが、ここでは無関係な話なので割愛する)で利益を挙げている会社。
いわば投資会社で、上場会社への投資も行うが、キャピタルゲインという意味では上場会社はまた違うマーケットになるので、ここでの話では、未上場会社を主戦場にしている投資主体としてのVCを扱う。
将来性のある未上場会社に対し投資を行い、上場後にキャピタルゲインを得ることを目的にしていることが多い。
もう一つは事業会社で、事業提携など関係強化を目的に取引先の株式を取得することが多い。
場合によっては、様々な思惑から、法人ではなく経営者の個人資産から出資をすることもある。
いずれの場合も、VCと違い取引先や取引先経営者との関係強化を主な目的にしているために、VCから出資を受け入れた場合と違いゴリゴリと数字をチェックし、あるいは経営状況の確認をしてくることは少ない。
それぞれに第三者割当増資に応じてもらう、すなわち投資をしてもらうメリット・デメリットが有り、使い分けが必要になってくるが、ではその違いとはどこにあるのか。どのように使い分ければよいのか。
この章ではその点について、大きく3つの視点から考えていきたい。
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2-1.そもそも、どこでどうやって投資元を見つけるのか
まずは根本的な問題からだ。
というよりも、実は読者の経営者の方には、ここが一番の関心があるポイントなのかも知れない。
すなわち、「理屈は良いから、どこでどうやって投資をしてくれるような会社を探すんだ?」という疑問だ。
この点については、そもそも論としてまず始めに触れておきたいが、しかしながら理解をしてもらったところで、投資を受ける上で有利になるような知恵がこの段階であるわけではない。テクニカルなことを求めても、そもそも無い。
そう言った意味では知識に限定した部分なので、参考程度に読み進めて欲しい。
まず、未上場会社に投資をしても良いと考えるVCの存在についてだ。
これは大きく2つに分けられ、投資収益を主に狙いに来る独立系のVC。
もう一つが、銀行や証券会社などの系列VCであり、本業との抱き合わせで投資でも利益を得ることを狙って接触をしてくる会社である。
なおこれらVCの使い分けは余り意識する必要はないだろう。
というよりも、VC業界は会社が違っても、担当者同士が仲良しであることが多く、横の繋がりがとても強固な世界だ。
そのため、どこか1社のVCに認知されたら多くの場合、黙っていても複数の会社が接触をしてくるようになる。
その意味では、最初にどこかのVCと接触し、自社には第三者割当増資を実施する意志があることを業界に認知してもらうまでが、最初の努力の範囲だ。
その上で、銀行系VCはそのまま、取引先銀行にストレートに意志を確認すればいいだろう。
ただ、会社にもよるが銀行系VCは、近い将来にIPOを目指しているような会社でないと、第三者割当増資に応じるなどの直接投資をわざわざ行うことはほとんどない。
なおかつ、一時の風潮で言えばバイオやロボットなど、政策的に投資をすることに意味がある銘柄でないと、投資を受けられる壁はそこそこ高い。
正直、2000年代には大手都銀には必ず大掛かりなVC部隊があり、どこの会社も結構まとまった投資を簡単に出してくれた。
今から考えれば驚くべき時代だが、特にその銀行と取引がなくても、VCが投資をしてくれることなど珍しいことではなかった。
というよりも、銀行系VCはどこか1社が出資をすると、小口ではあったが皆が揃って出資をしたがるのが常であった。
逆に、1社でも手を引くと、全社が一斉に手を引くのでとても大きな緊張感があった。
しかし、ITバブルの崩壊やリーマンショックの影響などで、もはや銀行系VCはそのほとんどが業務を縮小し、あるいは完全に撤退をした。
今わずかにVC業務を行っているのは、本当に本業との兼ね合いで投資をする価値があり、なおかつそれが政策銘柄などで投資をする価値がある場合に限定されることが多い。
しかしながら、ダメ元でその相談をして見る価値は確実にある。
というよりも、VC部門を持っている銀行であれば、自社で投資はできなくても、担当者が個人的に独立系VCの担当者を紹介してくれることも多い。
そう言った意味では、まずは自社が確固たる意志を持ち第三者割当増資を行う考えがあること。
そして投資に対するリターンやステークホルダー(株主など)に対する将来ビジョンを明確に提示する自信があるのであれば、まずは身近なところで遠慮なく、銀行担当者に相談をすればよいだろう。
余程人脈がないか、あるいは経験の浅い銀行マンでない限り、VC系の人脈には僅かでも通じていることが多いので、まずは気軽な相談からだ。
一方で、銀行担当者とそれほど仲が良いわけではない。
あるいはメインバンクが気に入らず借りを作りたくないなどの特殊な事情がある場合についても、ついでに説明しておこう。
その場合、確実で手っ取り早い方法がある。
目の前の電話を取り、会社の近くにある大手証券会社の支店に電話をすることだ。
そして「法人口座を作りたい」と言えば、大喜びでその日のうちに、驚くべき速さで営業マンが飛んでくるだろう。
そして営業マンには、僅かでも口座を開設してあげた上で、
「ところで、IPOを考えているので一度、法人部の人を連れてきてくれないか」
と言えば、こちらもすぐに飛んできてくれるはずだ。
そして、証券会社の法人部であれば、VCに人脈を持たない担当者など絶対に存在しない。
そこで、自社では第三者割当増資を考えていることや、そのイグジット(出口)として、将来的にはIPOまでも考えていることなどを相談してみるとよいだろう。
もしあなたが本気であれば、確実にVCを紹介してくれるし、場合によっては株主の管理に必要な証券代行も監査法人も連れてきてくれる。
大事なことは、これら第三者割当を実施する上で、頼りになる専門家と接触することは何一つ難しいことではないということ。
但し、実際に相手をしてもらい、話を進めてもらえるかは、経営者であるあなたの本気度次第であり、また会社の大きさや業種、将来性次第ということだ。
さすがに、年商1億円しか無い会社で、将来も成長が見込めない会社が、証券最大手の野村證券の法人部に来て欲しいとお願いしても、なかなか厳しい結果になるだろう。
自社の立ち位置を理解しながら、身の丈にあった話を進めていくためには、まずは証券業界の中に個人的に相談に乗ってもらえる友達を作ってみるのも一つの方法かもしれない。
一方で、投資をしてもらう事業会社を探す方法。
こちらについては、探すというよりもそういう関係に昇華させると言ったほうがより現実的だ。
事業会社が事業会社に投資をするということは、当然のことながら本業との相乗効果を見込めることが最低限の前提になる。
それ以外の、企業内VCという存在も無いわけではないが、それは投資が本業のVCという扱いにしてここでは割愛したい。
本業の方でも相乗効果が見込める投資とは、例えば商品やサービスの販売先企業に自社の株式を保有してもらうこと。
あるいは仕入先企業に自社の株式を保有してもらうことなどを指す。
自社の売り先が自社の株主になるのだから、自社の利益と販売先の利益は一致することになる。
自社が儲かれば、その株式を持っている販売先の会社の利益に繋がるので、お互いに取引を拡大しやすくなるということだ。
仕入先との関係性でも同じことが言える。
別の考え方としては、自社が新しく工場などを建設し、そこで生み出される商品やサービスを優先的にどこかの会社に卸す場合。
そのような時なども、建設費の一部をその卸先に、第三者割当増資などの形で出資を求めるのも良いだろう。
この場合、投資契約書などでその旨を詳細に定めることになるが、自社は新たな工場を建設するにあたり、一部の資金を取引先からの出資で賄うことができる非常に大きなメリットがある。
もちろん、返済の必要もないのでリスクも低くコストもほとんどない。
投資をする側からすれば、新工場で生み出される新たなサービスや商品を優先的に供給されることで事業の拡大が見込めるのであれば、願ってもないことだ。
ほんの一例だが、事業会社から第三者割当増資を受けるような場合、このような活用の方法があるだろう。
繰り返しになるが、このような場合は「探す」というよりもすでに存在するパートナーとの関係を深化させることである。
少し知恵を使うだけでこのように、お互いにメリットになることがあることも知っておけば、きっといつか役に立つことがあるはずだ。
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2-2.VCと事業会社それぞれが投資をする目的とは
次に考えたいのは、投資をメインに考えているVCと、必ずしもそうではない事業会社が、それぞれ第三者割当増資などに応じて自社に投資をする目的についてだ。
それぞれから投資を受けるメリット・デメリットを考えるのであれば、相手側の価値観に立ち、その目的を正しく理解しておく必要があるだろう。
まずVCの方から見ていきたいが、VCの目的は単純明快だ。
取得した株式を、投資をした時よりもより大きな金額で売却できること。それも投資をしたリスクに応じた、2倍や3倍といった規模ではないより大きな金額のリターンでの儲けだ。
もちろん、投資をした段階でのリスクテイクにもよるが、一般に未上場会社への投資というのは、投資を回収するという意味では相当大きなリスクが伴う。
なぜなら、まずそもそもとして投資をした会社が存続できない確率が、一般にとても高いからだ。
一説には、新規に起業した会社が10年後も存在している確率は1割程度だというのだから、もうそれだけで投資というのはリスクだらけであることがわかる。
さらに、会社が存在をしているだけでは投資など回収できない。
第三者割当増資に応じて投資した資金はすぐに、その会社の設備投資や運転資金として呑み込まれ、回転資本の一部になる。
儲かっている会社であれば配当を出すかも知れないが、そもそも配当だけで投資分が短期に回収できることなどまず現実的にありえない。
とは言え、会社に対して短期で買い戻しを求めるのも筋が通らない話だ。
投資は一般に、短くとも数年単位で行うものであり、すぐに成果が出ないからと言って投資した分を返せなどという要求は理に叶っているものではない。
つまり、VCは一度投資をしてしまえば、わかりやすい結果が出ることを待つしか無い立場になるということだ。
では、そのわかりやすい結果とはなにか。
一番はやはり、IPOだろう。そして多くのVCが、IPOを目指していることを前提に、未上場企業に対して投資を決めることが多い。
というよりも、IPO以外の方法で投資分を回収できる方法など、そうそう存在しない。
もちろん、巨大企業であっても上場していない誰もが知るような会社は存在する。
そのような会社であれば、株式を得ることに一定の意味はあるが、ここではそう言った特殊事例は扱わずに、あくまでも一般的な未上場企業にVCが投資をする目的とは何か、ということで理解して欲しい。
そしてその答えは多くの場合、ベストはIPOに至り、保有分の株式をマーケットで売却できること。
セカンドベストは、IPOには至らずとも、投資した時以上の価値で売却し利益を出すことだ。
そして最悪のシナリオは、会社が法的整理などに至り、投資分が全て無駄になることである。
そのため、VCが事業会社に投資をする目的は、大きく言えば投資以上の資金を回収すること。
より具体的に言えば、IPOに至り非常に大きなリターンを得ることだと言って良いだろう。
当然のことながらこの場合、VCに第三者割当増資を引き受けてもらいたいと考えているのであれば、会社はIPOを目指している必要がある。
逆に言えば、株式の上場を考えていないのであれば、VCから投資を受けるのはなかなか容易ではない、ということになる。
次に、事業会社が投資をする目的だ。
これは逆の立場になって、あなたならどういう取引先に投資をしても良いと思うか。
あるいは取引先がどういう見返りを与えてくれるなら、投資をしてもよいか、それを考えたほうが早いかも知れない。
そして今、あなたが思いついたもの全てが答えだ。何も難しいことはない。
一般に、事業会社が事業会社に投資をする場合、二度とその投資分が戻ってくることはない。
極論をすれば、お金を上げる行為だと言っても良いだろう。
その見返りとして、投資先の会社の株主になり持株比率が10%になったところで、きっとあなたは株主総会の開催も要求しなければ、配当を出せと文句をいうこともない。
何度も言うが、実質的にお金を上げたに等しい立場になることになる。
では、どういう状況であればお金を上げてもよいか、と思えるのかということだ。
思ったことが正解であることは間違いないのだが、それでは解説にならないのでほんの一例だけでも上げておくと、まずは仕入れや販売などに関して、具体的で確実な利益を得られる場合だろう。
1000万円の投資を要求されたとしても、1年間で3000万円の利益が出ている取引先であれば痛くも痒くもない。
別の言い方をすれば、投資予定先が新たな工場の建設を予定しており、この際の第三者割当増資に応じてくれた会社から優先的に出荷をすることが約束されているなどの場合で、投資額よりも利益額が大きければ、当然投資を検討するということだ。
そしてそれは、自分が出す方ではなく、出して貰う方でも同じである。
何らかの新しいプロジェクトを立ち上げるに際して非常に大きな資金が必要になる場合。
その恩恵を受けられるであろう取引先に協力を求め、プロジェクトの成功の為にリスクをシェアするよう求め、その代わり、その恩恵もシェアすることを呼びかける。
まっとうな呼びかけであれば、自社が計画しているプロジェクトに多くの会社が協力してくれるだろう。
一般的には、第三者割当増資に応じてくれるなどの形で、お金を出してくれることも多い。
その他にも、事例を挙げていけばキリがないが、それは自分ならばその事業会社に大事な資金を出すことができるかどうか。
相手目線に立って考えれば、自ずから、「事業会社が投資をする目的」が見えてくるはずだ。
単純に考えれば良い。それが答えである。
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2-3.それぞれから投資を受けるメリットとデメリット
さて、第2章のもっとも大きなテーマでもあるメリットとデメリットについてだ。
そもそもどうやって投資元を見つけるのか。そして投資をする会社の目的は何かのか、を理解すれば、そのメリットとデメリットを比較して、積極的に活用をするのかそれともしないのか。
考えていくことになるだろう。
最初に一つ、わかり易いデメリットからお話したい。
それがVCであれ事業会社であれ、やはり投資を受けるという行為は会社のオーナーシップを、その投資した額(比率)に応じてシェアするという行為になることは、繰り返しご説明している通りだ。
わかりやすく言えば、友人とお金を出し合って別荘を買った場合。
自分の使いたい時に使いたいだけ、好きな様に使えるわけではない。
やはり使おうと思いついた時には、その日は使う予定がないかを電話の一本も入れるのがマナーになるだろう。
例え1億円の物件で自分が9500万円を出し、もうひとりが500万円を出しただけでもだ。
まずは法律以前に、投資をしてくれた相手に対するマナーであるとか気遣いと言ったレベルでも、投資を受けるという行為はこの例えに近い。
例え僅かであっても、何かをシェアするというのはそういうものだ。
そう言った意味では、経営の自由度は自分が100%オーナーの会社に比べて確実に落ちるし、多方面に色々な局面で気を使うことになる。
これは、大きなデメリットとして挙げてよいだろう。
但し世の中には、このことをメリットと捉える経営者も少なくない。
経営の自由度が僅かでも落ちるということは常に、第三者の理解が得られない事を安易に進めようとする自分にブレーキをかけるという行為に繋がる、などの理由だ。
独善的で独りよがりに陥りがちな経営に、経営者自ら客観的な視点を持つことを課すという意味では確かにメリットだろう。
これをメリットと捉えるかデメリットと捉えるかはお任せするが、VCであれ事業会社であれ、投資を受け入れた時点で経営の自由度は制約を受ける。
このことがまず1つ、一番大きな変化となる。
その上で、実際にVCからも事業会社からも多額の投資を受けた経験からのお話だが、それ以外に特段のデメリットを感じることは、そうそう無かった。
たまに、経営トップが少し贅沢な事にお金を使っているのではないか、という説教を株主の担当者から受けるというのは、まあ良くある話だ。
VCからすれば、経営トップが高級車を買うために投資をしているわけではないので、会社のお金でベンツが購入されそれがB/Sに記載されれば、やはりおもしろくない。
おもしろくなければ当然、CFOである私に嫌味の一つも言いたくなるというものだ。
だが、大したデメリットではないだろう。
敢えて言うのであれば、投資を受けたことで株主対応の時間が多く取られること。
場合によってはCFOなど、高い給料の間接人員を雇う必要が出てくることなどはデメリットと言えるかも知れない。
経営計画の進捗の遅れに際しても、やはり小うるさいことを言ってくるので、経営計画が至上命題になってしまうきらいがあり、臨機応変に環境変化に対応することに躊躇することがあるかもしれない。
ただしこの程度のことは、CFOや経営トップが強い意志を持って、株主に説明をすれば事足りることだ。
それほど大きなデメリットではないだろう。
一方で、実際に上場が見えてきた場合には、やはりVCからの投資比率が高い場合、上場後にVCの持ち株が一斉にマーケットに放出され値崩れするのではないか、という疑心を招くことがある。
つまり、株価に悪影響を与えるリスクが無視できないとうことだが、この点は本当に上場が見えた段階でロックアップと呼ばれる約束事を別途締結することがあるなど、対応は専門家が考えてくれるだろう。投資を受ける段階でそれほど深刻に考えるほどのことではない。
実際にその段階に至ってから頭を抱えても、まあギリギリ大丈夫なので、むしろその悩みに到れるように努力をして欲しい。
次に、VCや事業会社から投資を受けるメリットについてだ。
この部分は、最大のメリットについては多くの説明はいらないだろう。
返済の必要がないまとまった資金を得られることで、会社の成長を加速度的に高められることに尽きる。
他に、外部株主の目線を活かして経営へのチェック機能を働かせることは、メリットとも言えるしデメリットとも言えるので、そこは経営者の価値観に任せたい。
その他、意外に大きな外部株主を得ることのメリットだ。
例えば大株主に、同業他社の一部上場企業がいる場合、世間や銀行の見る目はどう変わるだろうか。
あの会社は、あの大企業の系列なのか。もしくは大企業の主要取引先なのかと。僅かな出資比率でも株主に居るということは、それほどまでにとても大きな与信形成に繋がる。
また私が実際にCFOをしていた会社では、主幹事宣言書(上場をする際にメインで取り仕切ってくれる証券会社を指定する約束事)を差し入れた大手証券会社系のVCから投資を受け入れていた。
これはつまり、「あの証券大手が、この会社を本気で上場まで連れて行くという意思表示だ」と受け取られることになる。
本当はそんな甘いものではなく、実際にその会社は上場に至らなかったのだが、ただ間違いなく世間からはそう思われる。
その与信効果は極めて大きい。
株主名簿に錚々たる会社が名を連ねてくれるということは、その会社の与信を非常に大きなものにしてくれるという副次的な効果もあるということだ。
このメリットについても、第三者割当増資を行う際に心の何処かに置いておくと良いだろう。
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3.成長企業の資金調達と第三者割当増資
さてここまでロジックを中心に読んでいただいたが、最後に私が実際にCFOとして担当した第三者割当増資のシーンについての具体例を、ご紹介したい。
実際にどのような状況で第三者割当増資を計画し、どのように資金を調達したのか、というケーススタディである。
時代背景や会社の状況、手持ちのカード、その中での実際の交渉内容、そして最終的に得たものは何であるのか、あるいは失ったものは何であったのか。
そんなことについても明らかにしながら、これからアグレッシブに、時に厳しい経営状況の中で、資金調達に望む経営者の方の一助になれるよう願いながら、話を進めていきたい。
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3-1.スピード感が大事な業界で、与信が全くない状態からの第三者割当増資による資金調達
これは、私がIT業界でCFOをしていた時の話だ。
どのようなケースで、どのように第三者割当増資に成功したのか、そしてその資金をどのように活用したのか。
最終的には大きな失敗にも至るのだが、その過程をイメージして頂けるように時代背景から順にお話してみたい。
当時は、ITバブルが既に崩壊し始めていた2000年代初旬~中盤。
但し、まだリーマンショック前であったので、VC(ベンチャーキャピタル)は都銀系を含め、まだ数多く生存していた頃だ。
というよりも、バッタモンのIT企業に投資して痛い目にあった投資家が、その投資スタイルをより慎重にし始めていた時期であり、日本のVCビジネスがようやく真っ当になりつつあった頃と言っても良い。
そのような中で当社は、インターネット回線を通じた即時性の高いサービスを提供できる仕組みの構築に、一定の成果を上げていた。
今も多くの関係者が居ることなので詳細はやや省略させていただくが、要するにネット対戦ゲームや各種SNS、あるいはビデオ・オン・デマンドのように、双方向でのコミュニケーションツールを提供する手段として、一定の技術を確立していたということである。
今の価値観で考えれば、「その程度のこと?」と思うかも知れないが、当時はまだ光回線どころかネット常時接続が非常に高額で、通信回線は極めて低容量な時代だ。
そんな中で、インターネットをどうやってより便利なコミュニケーションツールとして活用できるのか。
技術的に難しい課題が多くあり、通信各社や家電メーカー大手などが、その可能性に無限の未来を感じながらも、なかなかコマースベースの実際のサービスが展開されるようでされることがない。
そんな時代だった。
そんな中、大雑把な言い方ではあるが、低容量回線で非常に大きなデータをやり取りすることができる技術を売りに、当社はサービスを開始した。
今でこそ100MBやIGBという桁外れな通信容量が各家庭の端末まで確保されているので、このような技術要求はそれほど大きくはないが、当時はすぐに、非常に大きな注目を浴びることになる。
そして、最大手の通信会社や誰もが知る大手家電メーカーも当社の技術を知ることになり、実際にその技術の着眼点やコマースベースでの発想に驚かれ、すぐに試験導入が決まることになった。
まずはここまでで考えてもらいたい。
会社の規模は、正直技術者を中心に数十名程度だ。
売上も、大手から発注を貰っているとは言え実際には年商で数億円程度であり、技術者の給与を払えば手元に残る金額はほとんどない。
一方で、この技術をさらに実用ベースに落とし込んでいくためには、非常に多大な試験研究を行う必要があることは、容易に想像がつくだろう。
現実に存在する環境で実用的な実験を繰り返していない技術を採用し、サービスを開始するような通信会社や家電会社など存在するわけがないからである。
このような時、経営者であれば何ができるだろうか。
会社が実現したい経営課題は大きく3つだ。
・大手企業の、物量を伴った需要に応えられる多くの技術者を採用すること
・プロトタイプの技術をより確実にするための、可能な限りのケースを想定した試験研究の実施
・これらの事が現実に実施可能な広い執務スペース(会社フロア)の確保
まずは、これらのものがすぐに必要になるだろう。
しかし、手元にある現預金など今現在の社員を賄ってギリギリの3ヶ月分程度の運転資金である。
銀行借り入れをしようにも、売上高数億円程度であり、経常利益も赤黒を転々としている業歴数年のIT企業に、融資をしてくれるような銀行など、あるはずもない。
プロパー融資は言うに及ばず、信用保証協会融資でも、いきなり借りられる金額としては数千万円程度がやっとのはずだ。いや、それだけでも相当困難であり、正直現実的ではない。
しかもこのケースの場合、実際に必要な金額はどう考えても億だ。
最大手の通信会社や大手家電メーカーのサービスに載せようという技術を提供するためには、試算の結果、最低でも目先で2億円程度は必要になることが確実な状況であった。
銀行借り入れはまず不可能で、内部留保で数億円貯まるまで待っていれば、10年単位での月日が必要になるのは明白である。
そしてその頃には、技術どころか、通信環境すら大きく変わっているようことは間違いない世界だ。
今すぐなんとかして2億円を調達する、という至上命題を達成できないなら、会社を畳んでしまったほうがマシなくらいだろう。
そしてこのような時、既存の資金調達の方法では、みすみすチャンスを逃すしかなかった会社のためにあるようなものと言ってもよいのが、第三者割当増資による資金調達だ。
会社の技術は非常に時流を捉えており、なおかつクライアントは日本を代表するような会社ばかりで、すでに試験導入も始まっている段階で、その実現性の確度も高い。
もし今、技術をコマースベースに確立するための元手となる数億円程度があれば、3年後には数百億円市場の中心的存在になっている可能性すらあると言ってよいだろう。
もし本当にこんな事が実現可能なら、誰だって投資をしたいと思うはずだ。
だから当社は、資金調達の手段として第三者割当増資を試みた。
成長のために必要な資金は最初に2億円と計算し、第二次の募集ではさらに3億円を募集したが、どちらの枠もすぐに埋まった。
そして当社はその元手を元に一定の技術者を採用し、同じビルに実験用のオフィスを追加で借りることができて、またサーバーやクライアント環境を数多く準備した、充実した実験設備も保有することができた。
さらに程なくして、実際に、大手家電メーカーのブランドで当社の技術をコアにしたサービスが開始されたのだが、このサービスは日本初のビジネスとして、やがて専門誌などを賑わすことになる。
このケースは、第三者割当増資による資金調達をこれ以上無いくらいに使いこなせた、一義的には成功したと言って良い例だが、成功のポイントは2つほどあるだろう。
わかりやすく、箇条書きで示してみたい。
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・恵まれたクライアント
何よりも大きな要素は、やはり恵まれたクライアントだ。
ベンチャー企業ではどれほど自分たちで技術力をアピールしても、なかなか理解を得られるものではない。
まして世の中に存在しないサービスを生み出そうというのであれば、投資を検討するVCの方ですら、その価値を評価する能力など無いということになるだろう。
そのような場合に、投資家たちは最初に何に頼ろうとするか。
それがクライアントの生の声であり、実際にその商品やサービスを購入しようとする人たちの声だ。そしてそのクライアントが著名であり、客観的な評価をする能力に長けており、信頼度が高ければ、申し分のないヒアリング先となる。
そしてこのようなクライアントの偉い人が、
「この会社すごいよ」
「ウチも投資しようと思っている。将来このビジネスはきっと一大マーケットになるだろう」
と評価をすれば、VCの投資姿勢は急速に前のめりになるだろう。ましてこの場合、日本を代表するような大企業から裏を取れたわけなのだから、投資を得られない方が不思議であるくらいだった。
このように、実際のクライアントの評価は、VCなどの投資家から出資を集める上でとても大きな成功要因になる。
・経営陣の信頼と、客観性のある経営計画の存在
手前味噌で恐縮だが、投資をしても会社をIPOまで導くような経営陣がいない。あるいは客観的に編纂された経営計画がないとなれば、やはり投資家は投資に二の足を踏む。
今回のケースの場合、結論から言うと経営トップは投資家からの信頼に難のある人であったが、それを補う経営陣が揃っており、また堅実で客観性のある経営計画は投資家にも非常に評価を得られるものであった事が大きかった。
そして実際に、1年目、2年目と、予告どおりの数値目標を達成しながら、会社は与信をさらに積み上げることができた。
この2つのポイントは、起業から間もない状態であったベンチャー企業であっても、第三者割当増資でまとまった資金を得ることに成功できた、とても大きな要因であっただろう。
当時はITバブルが崩壊し、VCが投資先の選定に慎重になっていたのは先述の通りだが、いくら投資先に慎重になるとは言え、一度行けるとなった時の投資家の「右へ倣え」は相当なものがある。
それもそのはずで、彼らも投資をしてリターンを上げることが仕事である以上、その出し先には慎重であっても良い投資先に渇望しているという事実に変わりはないからだ。
一義的には、とても時流を捉えることができた良い資金調達になった。
「じゃあ、時代背景も良くて、色々と運が良かっただけでは」と思われる向きがあるかも知れないが、それは違う。
どこの会社にも、経営陣が居て顧客が居るという構成に変わりはない。
確かに、それぞれの客観的な与信や背景はケースバイケースであり、顧客が個人だけの会社もあるだろう。それが会社というものだ。
しかし、クライアントが個人だけであっても法人であっても、与信を作るのは最終的に人であるという事実に変わりはない。
そして与信を引き出すことができるのは、今あるカードをどうやって有効活用しようかという、粘り強い経営者の強い意志だ。
私は長い間、CFOというポジションで仕事をしていたが、有名企業がクライアントでない限り資金調達できないなどという条件を一度も聞いたことがない。
そして実際に、そのような条件がない場合でも資金調達に成功してきた。
ぜひそこだけは、拾い上げるべきエッセンスに誤解がないようにして欲しい。
なお結末だけをさらっとお伝えすると、当社は最終的に、エクイティ・ファイナンス(この場合はイコール第三者割当増資)を勘違いした経営トップにより、筋の悪い引き受け手に対しての第三者割当増資を乱発するようになる。
そしてエクイティで調達できた資金を、まるで「不労所得」で得た余剰資金あるかのように使い始め、経営は乱れ、事業は頓挫した。
これもまた、第三者割当増資というものに魅せられ、使いこなすことができずに世の中から退場することになった、経営者の一つの姿だ。
併せてぜひ、参考にして欲しい。
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3-2.厳しい経営環境の中で、取引先との資本提携に活路を求める
一転して次の話は、売上こそ年商で50億円ほどの規模はあったものの、事業自体は下町の町工場といってもよい会社でCFOに着任した時のお話だ。
その会社では、過剰な工場への設備投資が災いして、売上があるのに利益が上がらないという状況に苦しんでいた。
経営環境は最初から深刻だった。既にバランスシートは債務超過寸前の状態であり、キャッシュは確実に毎月流出が続いている状態である。
銀行借り入れなど既に新たに起こせる状況ではなく、形の上では2期連続の赤字という状況ではあったが、実質的には間に僅かな黒字を1期挟んだだけの、5期連続で大幅な赤字を出していると言って良い決算の状況であった。
早い話が、もはや普通の手段では資金調達が極めて困難ということである。
こんな状況でCFOとして着任した私が最初に着手したのは、当たり前と思われるだろうか。
まずは何がそんなに会社の金を食いつぶしているのか、という原因調査からだった。
正直、悠長にやっているような時間的余裕はなく、数ヶ月とは言わないが半年程度では、現預金が全て無くなりかねないキャッシュの状況だ。
そんな状況では、なりふり構わず人を切り人件費を減らし、質の悪い売上でも取ってくるしか無さそうなものだが、私は工場に降り、実際の人の動きを見て、アナログだったタイムカードを全てエクセルに打ち込ませ、適正な労務費の把握や生産コストの把握から始めることにした。
いわば、沈みかけている船で皆が必死に水をかき出し、不必要な荷物を海中に投棄をしている時に、船底のどこに穴が空いているのかを調べ、なんとかしてそれを補修しようとしていたということだ。
ただ、本稿は経営の立て直し策がメインの話ではないので、ここにはこれ以上深入りしない。
対処療法ではなく根本的な原因での経営改善に奔走したという事実だけ、この後に関係してくるので、読み取っておいて欲しい。
とはいえ、当然コストカットももちろん手を抜いているわけではない。
禁じ手とも言える給与の一律カットも実施し、また銀行にはリスケ(リスケジュール:銀行返済の繰り延べ)を申し入れるなど、あらゆる方法で法的整理を回避する施策を実施した。
しかしそれでも、ある程度の収益改善にめどを付けることができたものの、キャッシュの流出が続く状況を改善するには至っていなかった。
そして、いよいよ現預金が尽きるのが見え始めた時に私が活用を考えたのが、第三者割当増資による資金調達だった。
ただ、どう考えても会社の状況は危機的である。
先述のように、株価というのは会社の分割価値であり、赤字続きで利益が出る見込みが無いような会社であれば、欲しがる人など常識的にいるわけがないだろう。
そんな、誰も欲しいと思わないような会社で第三者割当増資を実施したところで、肝心の新株の引き受け手など現れるはずがない。
現れたとしても、不動産などに何らかの価値があり、会社を取得後にすぐに解散させ、それら資産を換金することが目的であるような場合くらいだ。
いずれにせよ、会社全体に値がつかないような状況では、その一部である新株を発行し第三者割当増資を実施したとことで、資金調達などできるはずがない。
それがまず、常識的な考え方である。
ではこの際、私は何を考えどのように行動していたのか、ということだ。
まず1つには、このような状況で法的整理を絶対に回避したいのであれば、最後の手段は会社の身売りだ。
会社の身売りとは、早い話が発行済株式を全て、他人もしくは他社に引き取ってもらうことである。
法的整理を回避し、なおかつ自主再建を断念するのであれば、自社に何らかの価値を見出す同業他社などに会社を引き取ってもらうか、なんらかの形で傘下に入るしか無い。
この場合、第三者割当増資のように新株を発行するような複雑なことをするのではなく、既に発行されている株式を引き渡し、株主個人がその対価を受け取るだけである。
ただし、火の車である会社の株式など誰も引き取りたがらないので、株価は限りなく1円に近い無価値という評価になることは間違いないだろう。
1円で引き取ってもらえればまだ良い方で、現経営陣ですら、会社の状況が正確に把握できておらず、赤字の原因も根本的な経営改善策も見えていない状況であれば、無料であっても誰も引き取ることはないかもしれない。
そんなリスクの固まりなど、引き取っても何のメリットもないからだ。
そんな最悪の着地点が見えていたので、CFOに着任をして私はまず、「船底の穴」を探しに行ったということである。
会社はどこから浸水をしており、浸水箇所の大きさや数はどれほどなのか。
その深刻さをどれくらいと評価しており、もしくはどの程度の手当てをすれば、沈没を免れて経営を立て直すことができる可能性があるのか。
最終的に会社を身売りするにしても、そこまでは把握していないと、売り物にもならない。
だからまず、状況を正確に把握し、最悪の場合には売り物にするべく根本的に改善できるところは改善する。
その中でもちろん、自主再建の道も最後まで絶対に諦めずに模索し続ける。
まずはこれが、私がCFOとして着任した当初の姿勢である。
そして様々な施策の結果、何がコストを食いつぶしているのかは明確に把握できるようになった。
ただ、原因は把握できても対策を実施するための資金がない。
もはや残された現預金を少しでも長く食い延ばすことだけが資金繰りの目的になっている状況だったので、新たな投資はやりづらい状況である。
しかし、一定の投資をすることで、会社は少なくとも、キャッシュが均衡して経営を立て直すことができる目処までは、つけることができていた。
この状況はとても微妙だ。
VCなどのように、投資で利益を上げることを目的にしている投資家は、赤字を黒字にしてIPOを目指せる体制が作れるのであれば、投資を検討する可能性がある。
しかしこの場合は、投資をすれば会社が潰れることだけは避けられるかも知れないね、という話だ。
VCからすれば、なんで自社がそんな救済的な資金を、リスクを負ってまで出すのか、という発想になって当然である。
もちろん、IPOなどのわかりやすい未来予想図も描くことができないので、仮に担当者が熱意を持って案件に取り組んでくれたところで、上席に直ちに却下されるだろう。
そしてこのような時に活用を考えるべきなのが、事業会社を引き受け手として実施する、第三者割当増資による資金調達ということになる。
事業会社は、言うまでも無いが投資会社ではない。
投資会社ではない以上、投資ではなくて本業で利益を上げることが仕事なので、本業で利益が上がるストーリーがあるのであれば、極論だが株価などいくらであっても、投資を考える。
但し、さすがに債務超過寸前であり、帳簿上は無価値と判定されても仕方のない会社の株価であれば、やはり厳しい交渉になるのは否めないだろう。
後は、本業との兼ね合いで相手先の利益を語ることができるのか。
あるいは経営者同士の信頼関係で、この際、助けてやろうと思ってもらうことができるのか。
最後の最後では、そんなことですら、投資を決めてくれることがあるのが事業会社であり、事業会社のオーナー経営者である。
だから、私はやれるだけのことはやったら最後は仕入先である、ある同業の、一部上場企業を頼った。
ちなみにこの時、わたしはなぜその会社を頼ったのか。
率直に言って、私がその会社の経営者にかわいがってもらっていたから、ただそれだけだ。
当時私はまだ30代前半の若造だった。
それでも必死になって、先が見えない会社の経営再建に奔走し駆け回る姿は、人生経験豊富な大手企業の経営者にはかわいく見えていたのだろう。
色々な形でアドバイスも貰い、また取引先も紹介してもらい、その経営者自身がどうやって危機を乗り越えたのか、という体験談もたくさん教えてもらった。
そんな中で、万策尽きて最後に頭を下げた時に、助けてもらった。
一応筋立てとしては、既に一定の資金を導入することで、経営再建の目処がついているストーリーがあるので、その強みが生きる事にはなったという事実はある。
相手も上場企業なので、明らかにどうしようもない、経営再建のめども立たず今後何らかの利益を得るめども立たない会社に、救済的な資金を投入することなどはさすがに無い。
そのため私は、現場を歩き数字を拾い集め、さまざまな施策の結果から見えて来た経営再検索と、僅かながら出始めていた結果を携えて、実質的な救済となる第三者割当増資による資金調達を申し込んだということだ。そして、応じてもらうことができた。
なおこの際、調達できた金額は1.5億円にのぼった。
なおかつ、それは出来上がり後(新株を発行した後の状態)の計算で、発行済株式の僅か10%にしか相当しない数字だった。
つまり、債務超過寸前で、客観的にはもうどうしようもないと言われても仕方がない会社を、時価総額規模で15億円の評価をしてくれたということである。
15億円の10%だから、1.5億円だ。単純な計算だ。
まさに破格の条件での第三者割当増資による資金調達だったが、引き換えに当社が力になれたことと言えば、その会社の商品を少しでも多く仕入れるという約束くらいだった。
実際にそれ以降、置き換えられる原材料は全てその会社のものに置き換えることで、僅かながら恩返しをしたが、その程度だ。
これこそまさに、事業会社でしか相手にしてもらえない、第三者割当増資の活用だろう。
事業会社は最後には、VCではないので、経営者が経営者個人を応援したいと思ってくれたら本当に応援してくれることがある。
表向きの理由を無理やり考えて、救済的な投資すらしてくれることもあるだろう。
それが、事業会社から第三者割当増資で資金を調達することの、非常に大きなメリットであり魅力の一つだ。
今後、もし会社が追い詰められて銀行借り入れもままならないような状況になった場合。
あるいは、VCなどから前向きな資金を調達ができるような状況ではなく万策が尽きたように感じた場合。
それでもなお、経営者として自社の商品やサービスに誇りを失っていないのであれば、少し冷静になって周囲を見渡して見る価値があるかも知れない。
もしかしたら、自分には自分が思っている以上に、頼りになる仲間がいるかも知れないということだ。
もちろん、ここでは、そんな下心をもった経営者同士の付き合いを奨励するものではない。
むしろそんな下心は見透かされるだけであり、余計人間関係を冷やすだけだろう。
それに、どこまでいっても経営者は経営者だ。
数字にはシビアであり、救済しなければ潰れていくだけの存在であれば、友人として黙って、最後に引導を渡してやるくらいのことすらするかもしれない。
しかし経営再建に必死に奔走し、なおかつその道筋も明確に見えている場合は別だ。
自社の体力の及ぶ範囲で経営再建が確実に見えており、なおかつそこから見返りもあるのであれば、きっと前向きに、第三者割当増資による資金調達に応じてくれるはずだ。
やれるだけのことはやり切り、なおかつ人間関係のできている経営者仲間がいるのであれば、最後にはそこに頼ってみるのも、資金調達の一つの手段である。
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まとめ
長文になったが、お伝えしたいことは大きく2つだ。
1つ目が、第三者割当増資による資金調達はそれほど難しいことではなく、経営者の将来ビジョンや力量に応じていくらでも使いこなすことができる、魅力的な方法であるということ。
その場合、VCに頼るとややビジネスライクな方向に寄ることがあり、事業会社に頼るとよりビジネスをど真ん中に考えることができる方向に寄る傾向があるだろう。
2つ目が、いずれの場合であっても、第三者割当増資とは会社と経営者の将来像をシェアし、大きく言えばファンからお金を預けてもらい、自分の夢に相乗りして貰うという行為だ。
資金調達の手段ではあるが、ただの借り入れと違い、経営者の魅力やビジネスに対する熱い想いを投資家に伝えること。そして投資をしてくれた人に対する誠実で真摯な思いを持っていること。
そう言った経営者個人のパーソナリティに依るところが大きい方法ではあるが、裏を返せばそれらを兼ね備えた経営者にとっては、資金調達は銀行借り入れ一本に頼っている場合ではないということである。
テクニカルな部分では、理解しなければいけないことは多い。
経営計画や資本政策など、予め考えなくてはいけないこともやはり多い。
そして相談相手となる各種専門家を見つけることなど、準備をしなければならないことも正直たくさんあるかも知れない。
しかし上記のような、根本的な部分さえ大事に持っている経営者であれば、第三者割当増資に依る資金調達はぜひ、取り組んでもらいたい方法である。
これまで取り組んで来なかった経営者には、この機会にぜひさらに興味を持って欲しい。
これまで使いこなしてきた経営者には、さらに使いこなせるようになるための一助として、本稿が役に立って欲しい。
そんな思いを持ちながら、筆を進めさせて頂いた。
読者の皆様に僅かでも、読んで良かったと思えて貰えれば嬉しく思う。
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