決済・金融分野のインフキュリオングループが「FinTechファンド」から資金調達、サービス第一弾は貯金アプリで勝負

株式会社インフキュリオン・グループはクレジットカードやスマートフォン決済、モバイルPOSなど決済・金融事業全般を展開するベンチャー企業です。同社は4月4日、SBIインベストメントが運営する『FinTech ファンド』を引受先とした第三者割当増資を実施したことを発表しました。今回は調達金額や出資比率などが明らかにされていません。
新規株主となるSBIインベストメントのFinTechファンドは、ソフトバンクをはじめとして、その他地銀・ネット銀行各社の出資により2015年末に組成され、これまでに韓国のYello Mobileや日本のfreeeなどが出資を受けて話題となりました。
今回の資金調達は、インフキュリオン・グループはグループ経営を続け、傘下として新会社『NestEgg（ネストエッグ）』を設立し、生活と金融を紐づける領域に注目した貯金アプリを年内にリリースするために行われました。
これは、ユーザーが自動で無理なく確実に貯金できる、日本初の貯金アプリという位置付けになります。500円玉貯金の電子版とも言えるもので、ユーザーが貯金の目標を設定することでモチベーションを保ちながら、目標金額を達成するとボーナスポイントがもらえる仕組みを検討しているそうです。
さらにこの第1弾サービスを日本国内のみならず、アジアへのサービス展開も予定しています。

NestEggが提供する貯金アプリの思い

代表取締役の鎌田大輔氏と丸山弘毅氏は、JCB出身でその他のJCB出身者2名と2010年にインフキュリオン・グループを設立されました。
また丸山弘毅氏は、日本の「FinTechスタートアップ43社（3月18日のFinTech協会HPより）」を繋げるFinTech協会の代表理事を務めています。
同社は従来の家計管理について、「生活を切り詰める・家計簿をつけていても、貯金額が増えている実感がない」というような「我慢して節約する・効果が見えにくい」イメージがあり、なかなか継続できないという声もあがっていることに問題定義をしました。
そこで「楽しく貯めて・楽しく使う」ことや、買いたい物事をフックに貯金と節約に特化することをサービスコンセプトに、世代を超えたサービスとしてNestEggを開発したことを発表しています。
また提供予定機能として、冒頭で説明した目標貯金額・期限等を設定できる自動貯金以外にも、将来貯金額のシミュレーション機能や、カード利用と連動した予算金額設定機能、EC・オークションサイトなどとスムーズに連携する「クリッピング機能」で金融・消費活動を喚起する仕組みを組み込んでいくそうです。

グループ会社のシナジー効果が強み

同社は、グループ会社として4社の持株会社があります。
決済・金融領域のコンサルティング事業の株式会社インフキュリオン。
クレジットカード決済センター事業を展開する株式会社リンク・プロセシング。
カードビジネスの調査・出版・情報発信を行う株式会社カード・ウェーブ。
そして今回の貯金アプリの提供を行うNest Egg。
インフキュリオン・グループにとって、今回のラウンドは初めての資金調達となりますが、傘下のリンク・プロセシングはUCカード、NTTドコモ、JCBなどから調達を行っています。これまでのグループ全体での調達金額総額は約6億円を超えています。
決済・金融分野で培ったノウハウを活かし、コンサルティングと事業開発・運営を通じて、FinTech業界に大きな影響を与えてくれることでしょう。

決済・金融領域に強みを持つコンサルティングファーム | 株式会社インフキュリオン
http://infcurion.com/