三菱地所と業務提携｜スマートロックなどで不動産インフラを目指すライナフが資金調達に成功

株式会社ライナフは不動産に特化したシステム開発、ハードウェアの製造・販売を行うスタートアップ企業です。
工事も電源も不要でドアに取り付けることのできる鍵システム（以下：スマートロック）『Ninja Lock』の開発や、空きスペースのレンタルプラットフォーム「シェアルーミング」の運営（貸したい人にだけ貸せるスペース共有サイトの位置付けで、開錠にNinja Lockを利用）が主力サービスです。
このライナフが2月1日、三井住友海上キャピタル株式会社及び三菱地所株式会社を引受先とする第三者割当増資を実施したことを明らかにしました。資本を調達するのはこれが初めてになる同社は、シリーズAの位置付けになります。
金額は非公開ですが、Tech Crunchの調査によると1億円以上資金を調達していると予想されています。ライナフは資金使途について人材採用を積極化、開発スピードの向上とマーケティング体制の強化を目的とすることをプレスリリースで発表しています。
これを機に株主の三菱地所グループと業務提携し、不動産業界向けのソリューションを共同開発していくそうです。

不動産に特化した社会変革を狙う

代表取締役の滝沢潔氏は不動産会社へ就職後、転職し三井住友信託銀行に入社されます。そこで不動産投資セミナーの講師など不動産関連業務に従事して、キャリアを積まれました。
その後独立して不動産管理会社を設立してから、2014年11月に株式会社ライナフを設立し、代表取締役に就任されます。
ライナフは2015年5月にスマートロックのNinjaLockの販売を開始していますが、2015年4月発売の『Akerun』を提供する株式会社フォトシンスや2014年12月にMakuakeで発表した『Qrio SmartLock』を提供するQrio株式会社など競合がいます。
しかし同社によるとNinjaLockは、単にスマートロック単体を販売するのではなく、OtoOの考え方も駆使し、サービスとアプリと組み合わせて「不動産業界のインフラ」になることを目指すと自社HPで伝えています。

ライナフのサービスを2分で解説

空きスペースのレンタルプラットフォーム「シェアルーミング」について解説します。これは空き部屋などの持ち主が、サービス上で会員制の『シェアクラブ』を作成し、会員に限定してスペースを時間貸し出来るサービスです。この空間スペースにはNinjaLockを取り付けていて、会員はサービス上で事前に予約をしておけば、予約した時間にブラウザ経由で開錠し、スペースを利用できます。
今後は「レンタルプラットフォーム×スマートロック」の提供を強化していき、このシェアルーミングの延長線上にあるサービスから三菱地所グループと業務提携の取り組みを行うそうです。
もう一つの強みとして無人内覧サービスを開始します。
今回のスマート内覧は、ディベロッパーが直接内覧の機能を提供するため、ユーザーは事前にウェブ上で日時を指定して内覧の予約をすることで、自由に内覧ができるといいます。これにより、マンション購入を検討している人が仲介業者の事を意識せずに生活をイメージすることができるため、購買促進になるでしょう。
滝沢氏は「例えば月額1万円でスマートロックのサービスだけ提供するというのではお金を払ってもらえないかも知れない。だがカギの入退室からセキュリティまでスペースの『運営システム』として一括で提供できるようになればビジネスは大きく変わる」とTech Crunchの取材で語っています。
ワンストップ型の仕組みに期待できるのではないでしょうか。

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