画像共有のクラウドストレージ「Gyazo」を運営するNOTA Inc.がベンチャーキャピタルなどから2億円の資金調達

■資金調達概要

11月11日　画像キャプチャのクラウドストレージ共有サービス「Gyazo」を運営するNOTA Inc.（以下：NOTA）は、ベンチャーキャピタルなどを割当先として第三者割当増資により資金調達を行った。

今回の調達額は、総額で約2億円となっており具体的な割当先は以下の3社です。

株式会社オプト（以下：オプト）
YJキャピタル株式会社
みやこキャピタル株式会社

プレスリリース：http://www.opt.ne.jp/news/pr/detail/id=2532

■ライターの視点
任意で範囲選択した画像キャプチャを瞬間で作ってファイル共有が可能になる「Gyazo」を運営するNOTAは、多くの面で日本の起業常識をくつがえしています。

その1つとして、本社を海外に立てはじめからグローバルなプロダクトとしての成長を目標に、マーケティングを進めています。
実際、そうした取り組みは功を制し、Gyazoの利用と売上の多くは、海外の利用者が7割を占めており、

そうした現在までの結果を見たときシリコンバレー発のNOTAは、もっとも常識的手法で起業を図ったIT企業、と言えるかもしれません。
NOTAの企業サイトにも創業者の洛西氏の話として、「日本の優良なソフトウエアが海外プロダクトに駆逐されて行くのを何度も目にし、最初から世界を狙う必要があることを痛感して、2007年にシリコンバレーに本社を立てた」とあります。

実際に海外ユーザーに「Gyazo」は認められ、成長を果たしたNOTAの考える未来には、Gyazoの発明者であるSFC教授の増井俊之氏の「Gyazoはコロンブスの卵指数が高い発明」とする話からさらに展開が広がります。
単純なGyazoのサービスは、誰もがわかりやすく利用できるとても便利なサービスということから、日本向けのチューニングをしたネットサービスとは自ずとスケールが違います。

つまり、グローバルな展開してきたGyazoのサービスには、この後にさまざまなアイディアに富んだサービス提供を考えることができるわけです。

ちょっと「Google」のばあい例に考察してみましょう、インターネット創成期には、多種多様に存在した検索エンジンも現在はほとんどGoogleに集約されています。
今でこそ、G-MailサービスからAndroid OSやChromeブラウザの開発にまで及ぶ、多くのIT関連サービスを提供する起業に発展しましたが、元はあの単純で分かりやすい「検索サービス」からのスタートアップでした。

現在は、多角的なサービスを展開するGoogleですが、その名を聞いてイメージするのは、あの検索サービスの画面ではないでしょうか？

Gyazoにもそうした多角的な展開による可能性が秘められているというわけです。
現在は、キーワード検索するほどの利用回数はないと思いますが、それでもスマホの急激な普及によって「写真を撮る」「画像を共有する」というアクションは格段に増えました。
また、スマホのカメラの特徴として高画素で単焦点撮影が一般的です。

つまり、撮影された画像ファイルは、必要部分だけをキャプチャして利用したい人が大勢います。
おそらく今後も「Gyazo」を知る、使うと言う行動は増え続けることでしょう。

もちろん、そうした展開を加速度的に増やすは、優秀な技術者と経営陣、ビジネス戦略などが必要不可欠にもなります。
そこに今回の資金調達とオプトとの資本業務提携が必要となったわけです。

エンジニアは、経産省IPA未踏ソフトウエア創造事業認定スーパークリエイターにも登録されたエンジニアと言う肩書も持つ洛西一周氏、iPhoneの日本語入力システム開発にも携わった「Gyazo」の生みの親でもある増井俊之氏を始めとする優秀な技術陣も揃っています。

洛西一周氏の経歴を見るにあたり、幼少よりプログラミングに触れ、大学時代にソフトウエアを開発しジャストシステムとの業務提携に成功するなど、現在までの一連の経歴からソフトバンクの孫正義氏の若き日と重ね合わせて見ている人も多いのではないでしょうか？

NOTAは、オプトに認められ今回の資本業務提携に至りました。
躊躇なく次のステップに進みグローバルな起業に発展することを期待しています。

■会社概要
画像共有のクラウドストレージサービス「Gyazo」の開発と運営を行っている事業者です。

代表取締役／洛西 一周
設立年月日／2009年
本社所在地／Silicon Valley PA　1370 Willow Road　Menlo Park, CA 94025
日本国内支店所在地／京都市上京区福大明神町128