銀行融資を受けやすい決算書作り!5つのポイントとは?(準備編)

小野寺英毅
小野寺英毅
更新日2021/12/9
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銀行融資を受けやすい決算書作り!5つのポイントとは?(準備編)

企業経営において外部からの資金調達は事業の成長や存続において非常に大切な課題です。とくに銀行から融資を受けられるか否かは対外的な信用だけでなく実際の資金繰りにおいても重要です。
ところが、「ウチは担保になるものがないから貸してくれない」「どうせウチはダメだ」とあきらめている方が実に多いのです。こうした経営者の皆さんはノンバンクやファクタリングを希望されるのですが、審査の中で決算書を見ていて残念に思うことがあまりにも多いのが現実です。
そこで、銀行融資を受けやすい決算に必要な方法をご紹介します。まずは、その準備からです。

 

1.決算書はお金を出す人に見せるための書類

決算書、正しくは決算報告書は、企業が株主から預かったお金(資本)で一年間商売をした結果の報告書です。
言い換えると、企業の中をお金がどのように流れているのかを知るための書類です。
お金を出す人と経営する人が違うという点について、中小企業では株主と代表取締役が同一なのであまり意識されていませんが、実はとても重要なポイントです。
決算書の役割も、決算書は税務署に出す書類だと思っている方が結構います。でも、税務署が必要としているのは確定申告書であって決算書ではありません。
銀行の融資審査は大半が書類審査で、決算書はかなり大きなウエイトを占めています。先ほど言ったように、決算書にはお金の流れが書かれているので銀行は厳しくチェックするんです。
銀行融資を勝ち取るための準備として、決算書は銀行から融資を受けるために作る書類だということをしっかりと意識しましょう。

 

2.経営者なのに会計知識がない

経営というのは会社の資産であるヒト・モノ・カネを使って利益を上げていくことをいいます。
ヒトの使い方はバッチリ、商品(モノ)の出来上がりも素晴らしいのに、カネの使い方がなっていない経営者が少なくありません。どんぶり勘定では経営がうまくいかないのは当然です。
先ほども述べたように決算書は税務署に見せるものだという間違った考え方で、会計は税理士に、経理は経理担当者に丸投げというのでは、カネの使い方がわかっていないのも当然ですね。
決して専門的な知識はいりません。最低限の会計の知識があれば決算書の見方がわかります。そうすると、決算書の作り方も変わります。
税理士や融資担当者と同じ言葉で話せるようになります。そうすると、融資担当者の心証はかなり良くなっていきます。経営者たるもの、書店にある初心者向けの会計入門書くらいの知識は持っておきたいものです。

 

3.信頼できる能力の高い税理士に依頼する

多少は会計の知識を得たとしても実際の決算業務は税理士に依頼することになります。
ある税理士さんがこんなことをおっしゃっていました。
「税理士とは、クライアントのために税務署とケンカするのが仕事だ」

経営者にとって何とも心強い言葉だと思いませんか?
実際に私が知っている税理士も大きく二つのタイプに分かれる印象があります。
税務署寄りの税理士とクライアント寄りの税理士です。
税務署寄りの税理士は税務署ともめるのを嫌がりますから決算書も無難に作ります。管轄税務署のクセを見抜いている方もいるくらいです。当然、決算書の内容などはあまり気にしません。銀行が融資してくれないのは業績が悪いからだといわんばかりの方もいます。こうした税理士は面倒な仕事は避ける傾向があるので、決算業務だけ年間いくらで請け負うことが多いようです。

一方で、決算書の作り方次第では銀行融資の可否が変わってくることを知っているクライアント寄りの税理士は、経理仕訳の段階から口を出してきます。社長のカネの使い方にも口を出します。社長や経理担当者は口うるさい税理士にあたると辟易するようですが、彼の作った決算書は銀行が文句を付けられないくらいに仕上がります。もちろん、顧問料は高めですが、銀行から数千万円の融資を受けられると思えば安いものです。

 

4.会社のお金と経営者のお金を分離する

これまではちょっとした私用のお金も会社の経費にしていたのに、腕ののいい税理士に依頼するときっちり分けるように言われます。それはなぜでしょうか。
銀行融資の審査では決算書をじっくり見られます。決算書に会社と個人のお金が入り混じっていると、銀行は融資したお金が事業ではなく生活費(もちろん広い意味での)に消えてしまうことを心配します。
私用の経費を会社に負担させるのを「節税」といえば聞こえがいいように思えますが、せいぜい数十万円の税金を節約する代わりに数千万円の融資のチャンスを逃がしてしまうのはもったいない話ですよね。
公私の区別をしっかりしていく事で決算書を通じて経営者としての誠実さや真面目さが伝わるのです。

 

5.赤字でも理由があるなら大丈夫

決算が赤字だから融資が受けられないと思っている方が多いのですが、実際は赤字でも融資するケースはたくさんあります。
融資の基本は「返せるかどうか」です。赤字決算でもきちんと理由があるのならそれを説明できるようにすればいいだけです。ここでも決算書の作り方ひとつで銀行の受け取り方が違ってきます。
具体的な事例は差し控えますが、科目を変更するだけでも見栄えが大きく変わることがあるんです。
きちんと作ってある決算書があれば事業計画書や経営改善計画等の信頼性も高まります。
さあ、皆さんは5つのポイントのいくつができていましたか?
税務署は徴税額を増やすために必死ですが、決算書は企業が資金を調達するために経営者が必死に作る書類です。準備をしっかり整えて100点満点の決算書を作れるようにしましょう。

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