戦略的な資金調達の必要性【売掛金ファイナンスコラム】vol.4

中山直哉
中山直哉
更新日2021/12/9
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ファクタリング

皆様、こんにちは。
前回、前々回で詳しく解説してきた「画期的な売掛金担保融資」のメリットについてはだいぶご理解いただけたことと思います。
今回は、資金調達の方法の一つである「ファクタリング」のお話に入る前に、少し視点を変えて、「戦略的な資金調達の必要性」についてというテーマでお話したいと思います。

私のところには実に様々なお客様がご相談に見えます。
中にはちゃんと先々のことまで考えてご自身で対策を講じられ、危機管理を兼ねてご相談にいらっしゃる方もいますが、逆に、何かの拍子に銀行から融資が止まって、あわててお見えになる方もいらっしゃいます。
かつて銀行の冷たい仕打ちに遭い、壮絶なバトルを展開した私の経験から申し上げれば、これは非常に危険なことであると言わざるを得ません。

というのも、私がおすすめしているのは、比較的余裕があるときに、万一、何かのきっかけで銀行や政府系金融機関から融資が受けることができなくなった時のために、できるだけ多くの金融機関から融資やファイナンスを受けて、既存取引先の数を増やし、完済履歴をたくさん作り、与信を高めることで資金調達の選択肢を増やしておくということです。

というのも、急成長・急拡大する企業は、銀行融資だけに頼っていると、一時的に資金繰りがショートすることが少なくありません。また、銀行融資だけに頼ろうとする経営者の方々に、銀行融資ではない資金調達の説明をすると、一般的な常識はお持ちのお客様なのに、「金利が高いから嫌!」「期間が短いから嫌!」という部分で思考停止してしまって、リスク管理のことまで考える余裕がない方がとても多いのです。

しかし、メガバンクなど都市銀行、地方銀行、信用金庫、信用組合など、何らかの拍子に融資が止まってしまった時のリスクを考えるなら、「転ばぬ先の杖」として、金利はいささか高かったとしても、「銀行以外からの資金調達」の選択肢は大ありなのです。

例えば、受注が急増して仕入資金が足りない状況に陥った場合のことを考えてみましょう。このコラムでも何度もお伝えしている通り、一番にお勧めしたいのは「売掛金」を利用することです。もちろん担保余力がある不動産や価値が高く流動性も高い株式を保有しているのなら問題はありませんが、そのような都合が良い会社ばかりではありません。しかし、「売掛金」は多くの会社に存在しています。
そのため、銀行以外からの資金調達を考えるときは「売掛金」を最大限に生かすことが重要になってくるのです。
売掛金は大きく分けると下記の4つの方法に分けられます。

・売掛金担保融資
・ファクタリング
・電子債権割引
・手形割引

この4つの中でも、特に最近注目されているのが「ファクタリング」です。これが利用できるようになると、急成長している会社でも資金繰りが相当楽になるはずです。

それでは、「ファクタリング」についてわかりやすくご説明しましょう。
「ファクタリング」とは、お客様が保有する売掛債権を、売掛債権買取会社が買い取り、その債権の回収までを行う売買取引のことです。
通常、売掛金は、売掛先の支払い期日が来るまで回収することはできませんが、売掛債権買取会社のファクタリングを利用していただくことで、通常の支払い期日よりも早く売掛金を回収いただくことが可能となります。

また、銀行やノンバンクで資金調達される場合、お客様の財務内容・借入件数・借入総額・条件変更等の有無により、その可否が決定されますが、ファクタリングであれば、取引先(売掛先)の信用が重視されるため、お客様の借入状況や財務内容に関してそれほど問われることはありません。即ち、金銭消費賃借に代わる新しい資金調達方法として注目されているのです。
実際海外では日本よりずっと普及しています。

その一方で、「ファクタリング」は日本においては、一般的にまだ市民権を得ているとは言い難い資金調達方法です。いわゆる大手企業や中堅企業の中には、「ファクタリング」をするような会社とは取引できないと考える会社がまだ数多く存在すること、また、取引先の顧客がそのように考えると思い込む中小企業の経営者が数多く存在し、ファクタリング自体が信用不安を起こすと考える人が多いことが挙げられます。つまり、売掛先(販売先)に「ファクタリング」を知られたくないという経営者がまだまだ多いのが現状です。また、大手企業は銀行や大手ノンバンクとしか取引がなく、正体不明のファイナンス会社に債権など譲渡されたら大変という過剰反応もファクタリングを拒絶する体質につながっているかもしれません。

なお、大手会社の中にはグループ会社のファクタリング会社を利用して仕入先の資金回収の早期化を図っているケースも最近よく見られます。
そんなサービスをするよりも、支払いサイトを短くすればいいのにと、常々思っていますが、ないよりはマシなのでしょう。

次回は「ファクタリング」についてもう少し詳しくご紹介していくことにいたします。
それでは皆様、ごきげんよう。

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資金調達プロ ファクタリング